仁王門の左右に分かれた六地蔵
金色山吉祥院 大悲願寺 あきる野市横沢134
JR五日市線・武蔵増戸駅の西1300mほどのところにある真言宗のお寺です。
五日市線沿いの道に面して長屋門、朱雀門(中門)、仁王門(楼門)と東から西に三つの門があります。
境内には庫裏、本堂、鐘楼、観音堂が建ち、本堂裏手、観音堂の左一帯が墓地になっています。
六地蔵は仁王門の外、左右に分かれて安置されています。
向かって左には円光背地蔵立像が外向きに立ち、三地蔵は円光背地蔵に向いています。
向かって右には、こちらも地蔵立像が外向きに立ち、三地蔵+一体が地蔵立像に向いています。
円光背地蔵立像は宝珠に錫杖の姿で、像高88cm。三地蔵は左奥から宝珠に錫杖、幢幡、両手で香炉(写真中左)の姿です。像高60cm。
門右の地蔵立像は像高93cmで宝珠に錫杖の姿です。かなり損傷が激しく、頭部、脚部は修復されています。三地蔵の像容は左から両手で宝珠(写真中右)、合掌、数珠で像高60cmです。
彫りは全体に浅めで、特に法衣の襞や持物などは平べったい感じです。足先も角ばっています。
+一体の地蔵は合掌で像高55cmです。
円光背地蔵と六地蔵は石柱台も含めて石質は同じものですが、右の地蔵立像は石質が異なっています。
六地蔵の台石の正面には梵字と「地蔵菩薩」、宝珠に錫杖地蔵の台石側面には「文政六癸未(1823)天 三月(功徳日?)」、両手で宝珠地蔵の台石側面には「開眼主 金色山二十?? ????」の銘があります。
円光背地蔵の台石の正面と右面には「文化?? ○○○○信女 」など七人の戒名と年号、左面には「施主 日野宿 ○○○○」の銘が見られます。刻まれている年号は寛政、文化、天保の三つです。
右の地蔵立像の台石には「(志霊)」「天保十三壬寅(1842) 七月吉日 石工當村 田倉○○○」の銘があります。
仁王門右の+一体の地蔵は六地蔵と石質も造りもよく似ていますが、明らかに大きさが異なっています。
さて、円光背地蔵と六地蔵の関係は? 円光背地蔵は六地蔵の主尊?
観音堂左の墓地のとっかかりに五輪地蔵が安置されていました。説明書きによれば船形光背に五輪塔を浮き彫りした地蔵像はこの地蔵(1748年造)が多摩地区最古のもののようです。
伽藍の多くが東京都やあきる野市の指定文化財になっている古刹です。
(2020.02)
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