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新・旧・バラバラ、三組の六地蔵に出会いました

三栄山 大正寺 調布市調布ヶ丘1-22-1

京王線・調布駅の北、国道20号線・布多天神前信号を天神社の参道途中を右に入ったところにあります。真言宗のお寺。参道と国道の角に、外塀の一部に石碑を建て寺号を大きく刻んでいます。
参道の左は電気通信大学、参道奥に緑に包まれた布多天神社の境内が広がっています。
参道に面した山門は静かな雰囲気をたたえています。境内も緑に包まれ、駅前とは別世界です。
本堂、寺務所、観音堂、恵比寿神堂宇が木々の間に建っていますが、境内のほんの一部しか立ち入れません。
丸彫の六地蔵を目指して訪れたのですが、それらしいものはありません。本堂左に大きさもバラバラの舟形六地蔵が祀られていて、六地蔵の説明板が立てられていました。
後ろ中央に大きな(140cm)舟形の宝珠に錫杖姿の地蔵、前に宝珠に錫杖(75cm)、宝珠に錫杖(80cm)、宝珠に錫杖(45cm)、合掌(50cm)、合掌(55cm)、宝珠に錫杖(65cm)と六体の地蔵が並んでいます。光背に刻まれた元号は中央の大地蔵が「寛文二(1662)年」で、前の六地蔵は古いもので「正保」から「延宝」「正徳」「享保」「元文」まで約100年間の元号が見られました。
境内に墓地はなさそうです。参考資料には布多天神社の裏手にあった前身の寺院跡地が境外墓地になっていると書いてあったのを思い出し、布多天神の鳥居を右に回り込みました。
神社との境界沿いにたくさんの灯篭が建ち並び、その奥に墓地入り口がありました。
入り口右手前の立派な台石の上に新旧二組の丸彫六地蔵が祀られていました。前列には「平成五年」に奉造された新しい六地蔵、その後ろに前任の古い六地蔵が控えていました。
新六地蔵には個々の台石に地蔵名が刻まれています。像高は90cmで、名前と像容は左から讃龍地蔵=幢幡、不休息地蔵=柄香炉、延命地蔵=宝珠に錫杖、破勝地蔵=合掌、辨尼地蔵=宝珠に施無畏印、護讃地蔵=数珠です。地蔵名は比較的珍しいものです。
古い六地蔵は補修の関係もあり55〜60cmの像高で、像容は左から数珠、宝珠に錫杖、幢幡、宝蓋?、合掌、柄香炉です。宝蓋?持ちと思われる地蔵は、全身胴着に覆われているのでよく判りません。全体の造りは六体ともほぼ同じように見えましたが、なぜか足指の造りに二種類ありました。
新・旧ともに全ての地蔵は般若心経を書写した前垂れをつけていました。
境内のバラバラ舟形六地蔵も含めて三組の六地蔵に出会うことができました。 (2018.11)

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