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七体のはずが九体もあり、そして六地蔵は?

地蔵の里(深大寺西院) 調布市深大寺元町5-15-1

京王線・調布駅とJR中央線・三鷹駅の間にあります。調布駅からバス10分、三鷹駅からバス25分くらいかかります。深大寺蕎麦で有名な天台宗のお寺です。
境内は山門、鐘楼、本堂、客殿、釈迦堂、元三大師堂、開山堂などの伽藍を揃えた広大な敷地です。
本堂横の地蔵山に六地蔵、山裾にキリシタン灯篭、石塔群内に有蓋六面塔があると古い資料を頼りにやってきたのですが、本堂左横奧に大師堂があり、地蔵山らしきものはありません。
諦めて近くにある<地蔵の里>を目指しました。坂道を登って最北の伽藍・開山堂に出て、ほとんど人通りのない植物園との境界の小道を西へ。
小道に沿って墓地が東西に展開しています。深大寺の墓地はほとんど頭になかったのですが。<三昧所共同墓地>というのだそうです。
墓地の西端、山の降り始めたところに<地蔵の里(深大寺西院)>がありました。小さな公園といった雰囲気です。
中にコンクリート道が一本通っています。道に向かって地蔵立像などがばらばらに建っています。
途中に大きな半跏坐姿の延命地蔵尊と「奉建立地蔵尊七躰 安政五(1858)年〇〇・・」の石碑があります。これに拠ると延命地蔵尊を主尊として六地蔵が造立されたと思われます。
問題は、ここには丸彫の地蔵立像が九体祀られています。そのうちのどれが安政五年の六地蔵なのでしょうか。
像容は左から宝珠に錫杖、宝寿に施無畏印、宝珠に錫杖、柄香炉、如意に受け手、合掌、宝珠に錫杖、数珠、錫杖に与願印となっています。像高は全て65cmくらいです。このうち左から3番目の宝珠に錫杖の地蔵は金属の錫杖を持っていますし、材石も新しいようなので候補から除外します。
法衣と手指の彫り方に注目してみると、左から2番目の宝珠に施無畏印、4番目の柄香炉、如意に受け手、数珠、右端の錫杖に与願印の五体が候補に上がります。
左端の宝珠に錫杖は法衣、手指の造りが異なるので除外すると、残るは右から3番目の宝珠に錫杖と4番目の合掌の地蔵です。3番目は手の部分が欠損していますが、法衣の襞の作りが硬いように思えます。4番目は頭部が全修復されているのと、足元が土に汚れて見にくいので判断に迷います。が、4番目・合掌を候補に加えました(写真下の六体)。持物や印の組合せに疑問はありますが・・・。
蓮台やその下の敷茄子(丸餅のようなもの)、反花、石柱台に注目すれば、また別の判断になるかもしれません。さて、正解は?
「深大寺西院」の石碑が新しかったので、この地蔵群は本堂横にあったものをここに移したのではないか、と勝手に想像しています。 (2018.11)

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