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造りの異なる三組の六地蔵に出会いました

大悲山明照院 観音寺 調布市入間町2-19-12

京王線・つつじヶ丘駅と小田急線・成城学園前駅の中間あたりにあります。つつじヶ丘駅からバス8駅のところです。糟嶺神社とは隣接しています。バス停のある松原通の反対側(東)に急階段のある山門があります。天台宗のお寺。
境内は左に入間観音堂、正面に本堂、右に閻魔堂があり、その右が駐車場と通用門となっています。
六地蔵の雨屋は二つあり、古い六地蔵が入っているのは観音堂の横、糟嶺神社境内法面の下に建っています。
中央に合掌姿を浮彫した舟形の地蔵を安置しています。左右に、高い台石の上にこちらも舟形光背に浮彫した六地蔵が配置されています。光背は六体ともかなりの損傷があり、頭部にまで及んでいたりします。
像容は左から数珠、宝蓋、柄香炉、合掌、幢幡?、宝珠に錫杖で、像高は60cmです。中央の主尊は蓮台込みで100cmあります。
六地蔵には円光背が刻まれていますが、損傷でわかりづらくなっています。
六地蔵の台石には「宝暦五(1755)」、「明和三(1766)」の年号が見えます。
新しい童六地蔵の雨屋は、本堂左横の墓地への細道を通り抜けたところにあります。
こちらは舟形光背を持つ阿弥陀如来立像の浮彫像が主尊となり、六地蔵の中央に祀られています。
六地蔵は円光背を持つ童子姿の丸彫立像です。小さく見えますが70cm(蓮台込みで90cm)あります。主尊は蓮台込みで130cmです。
像容と地蔵名は左から宝珠に錫杖=金剛願地蔵、宝珠に施無畏印=金剛寶地蔵、幢幡=金剛悲地蔵、合掌・数珠=金剛幢地蔵、数珠=放光王地蔵、柄香炉=預天賀地蔵です。
六地蔵の円光背の裏には願主と仏師の名前が刻まれ、主尊の舟形の裏には施主、仏師名とともに建造年「平成八年」が読み取れました。
三つ目の六地蔵は、この雨屋の裏にある無縁となった石碑、石塔、石仏を集めた無縁塔の最上段にある丸彫立像の六地蔵です。役割を終えて他の石仏群の中に安置されています。
六体のうち一体は像の上半分がありません。他の五体も正面から近寄れないので像容がはっきりしませんが、左から欠損、宝蓋、幢幡?、両手宝珠、柄香炉、如意と思われます。
裏に回ってみると、背中に銘が刻んであり、僅かに「享保(1716~1736)??」「享??」「??三」などと読み取ることができます。
舟形浮彫に円光背、円光背の丸彫童地蔵、それに丸彫地蔵と三組の六地蔵に出会った1日となりました。帰りは少し近道になるため北側の門から帰りました。 (2018.12)

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