お堂の3面に5組の六地蔵が奉納されています
龍生寺阿弥陀堂 八王子市堀之内618
京王堀之内駅の北西1.3kmのところにある「堀之内寺沢里山公園」の南端に阿弥陀堂があります。
龍生寺という名前が冠せられている理由はわからないようです。
地図には阿弥陀堂より八王子市の有形民俗文化財に指定されている宝篋印塔が印されています。
高さ3mもある立派な塔で寛政8年(1796年)に建立されたものです。
さて六地蔵ですが、阿弥陀堂の正面を除く3面を取り囲むように奉納されています。
右側面(南面)に前列5体、後列6体の地蔵(高さ65cm)、左側面(北面)に前列6体、後列6体の地蔵(高さ65cm)、裏面(東面)に左右端に坐姿地蔵、その間に主尊を挟み3体ずつの地蔵(高さ63cm)です。5体のものもあるので正確には六地蔵と言えませんが、5組の六地蔵が安置されています。
台石の正面に地蔵ごとの「種子」を刻したもの4組、「地蔵大菩薩」と刻したもの1組ですが、施主と建造年はいずれも「鈴木與五兵衛」「文化四卯=1807=四月」となっていました。
六地蔵の像容としては珍しい「子育て」、「引接印に与願印」、「拱手」などが見られました。
それにしても何故、一人の施主が5組もの六地蔵を奉納したのでしょうか。
宝篋印塔の施主にも「鈴木與五兵衛」の名前がありました。この地域の名家だったのでしょうか。
少し離れた南側の庭に船形光背の六地蔵もありました。
写真上はお堂裏、左側面、右側面、南庭の六地蔵。
写真横は上から「与願印」「子育て」と宝篋印塔、阿弥陀堂。
(2023.03)
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