山門手前の小さな庭に三つの六地蔵
峯亀山洞明院 宝泉寺 東久留米市神宝町2-13-9
西武池袋線・東久留米駅の北東1200mのところにある天台宗のお寺です。東久留米駅からバス停五つ目・宝仙寺前が最寄りです。
境内は石柱門、山門、左に宝仙寺会館、正面に本堂、右手に庫裏となっていて、墓地は本堂左から裏手の山に展開しています。
石柱門と山門の間の小さな庭に三つの六地蔵があります。右手の雨屋の中に新旧二組の丸彫六地蔵と左手に文化財に指定されている子育地蔵と有蓋石幢六地蔵です。
新しい丸彫六地蔵は「平成十九年」の建造です。像高63cm、蓮台込み75cmで、その下の石柱台には地蔵名が刻まれています。
像容と地蔵名は左から宝珠に錫杖=鶏龜地蔵、宝珠?に施無畏印=陀羅尼地蔵、幢幡=法印地蔵、合掌=寶性地蔵、数珠=地持地蔵、柄香炉=法性地蔵となっています。
陀羅尼地蔵の持物は球体の上半分がない半球になっていますので宝珠でなく花筥(はなかご)かもしれません。
雨屋の奥にある古い丸彫六地蔵は新しい方とほぼ同じ寸法です。こちらは「天保十(1840)年」奉造のようです。
同じく石柱台に地蔵名が刻まれていますが、読めないものがありました。
像容と地蔵名は左から宝蓋=金剛幢地蔵、如意?=金剛悲地蔵、数珠=?、合掌=金剛願地蔵、幢幡=放光王地蔵、宝珠に錫杖=預天賀地蔵です。剥落で文字が見えませんが数珠の地蔵名は金剛寶地蔵と思われます。
古い六地蔵は頭の背後で襟を高く着ています(僧綱襟)が、新しい地蔵には見られません。
石幢六地蔵は笠と竿で90cmあります。地蔵の上部に刻まれた銘文には「文化九(1812)年」や「西国
秩父 坂東」が見えます。説明文には三地名は「観音霊場の名がみられ、観音信仰の色彩も強いことがうかがえます」とありました。
像容は正面が幢幡、右手が宝珠に錫杖、右裏が宝蓋、真裏が柄香炉、左裏が合掌、左が蓮華?のように見えます。
柄香炉は左手の方に香炉を造っているのが多いのですが、この地蔵は右手の方に香炉があります。
子育て地蔵は説明文によれば「嘉永2年(1849)に造立されたこの地蔵菩薩は、三人の童子がすがりつく慈愛に満ちた子育て地蔵の姿」をあらわしているといいます。(2019.01)
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