有蓋六面塔六地蔵と鋳造六地蔵
愛宕山円乗院 醫王寺 東大和市狭山3-1354 錐鑚
真言宗のお寺です。西武多摩湖線・武蔵大和駅の西1km足らずのところに六面塔六地蔵と丸彫六地蔵をもつお寺が二つあります。
そのうちの一つで、こちらには有蓋の六面塔六地蔵と鋳造の六地蔵立像があります。
直線距離にするとそれほどではないのですが、都道128号をしっかり歩きます。バス停なら高木2丁目が最寄りです。
道路面には玉垣のような石囲いがあり、中央の石段から山門に至る参道の左右の植え込みの中には寺号を刻んだ大きな石版、錐鑚(きりもみ)不動尊の石柱、石灯篭などが建っています。
石段を登って山門を入ると、本堂に至る長い石畳の道の右側は客殿、庫裏、聖霊殿と続きます。
本堂へはまた石段を登ります。
お目当の六地蔵は、有蓋六面塔六地蔵は道路面石囲いの内、参道左手、錐鑚不動尊の石柱の奥にあります。
鋳造の六地蔵は本堂左手から奥にある水子子育地蔵を祀る千体地蔵の丘の前に立ち並んでいます。
有蓋六面塔は笠から四角い台石まで160cmで、竿の部分は75cmです。その中に50cmの龕が彫られ地蔵立像が浮き彫りされています。もう一つ下にも台石があるようですが埋もれてしまっています。
どこかに銘らしきものはないかと探しましたが、龕の上に数字と梵字らしきものが刻まれているだけでした。
像容は正面から右回りに宝珠に錫杖、宝珠に施無畏印、幢幡、合掌(裏面)、柄香炉、数珠となっています。龕の上の数字は右回りで、宝珠に錫杖が「一」、数珠が「六」でした。
顎のはった四角い顔の地蔵で、手の表情などが見える細かな彫りの造りになっています。
鋳造の六地蔵は「昭和五十八年」の建造です。円光背を持つ立像で像高65cmで石柱台、蓮台の上の乗っています。
石柱台の正面には地蔵名と対応する梵字を刻んだパネルが嵌め込まれています。像容と地蔵名は左から宝珠に錫杖=光味地蔵、宝珠に施無畏印=牟尼地蔵、柄香炉=諸龍地蔵、数珠=救勝地蔵、合掌=護讃地蔵、赤子に施無畏印=不休息地蔵です。
珍しい地蔵名は鎌倉時代初期の書物「覚禅鈔」にあるようですが、持物と印の姿は名前と一致していません。救勝地蔵という名前もあまりお目にかかりません。
造りは石の地蔵と異なり、とくに持物の造りが細やかにできています。
墓地は境内左を通る道に隔てられていて、境外墓地のような形になっています。
(2019.03)
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