予定外に四面塔六地蔵を見つける
天王山観音院 雲性寺 東大和市奈良橋1-363
真言宗のお寺です。多摩モノレール・上北台駅の北東1.5kmのところにありますが、他寺訪問の都合でJR立川駅からバスで延々25停留所、青梅街道から奈良橋八幡神社参道に入ります。そのすぐ右手です。
表の道から山道に入ると左右は駐車場になっています。正面に山門への石段、右と左に車用のなだらかな坂道となっています。
石段下脇に庚申塔や石塔が安置されています。20段ほどの石段を登ると正面に本堂、右手に庫裏、左手は墓地への道を挟んで観音堂となっています。
山門から本堂までの奥行きはなく、石塔や弘法大師鋳造、観音像などが祀られていますが、境内は狭く見えます。しかし、本堂裏の山一帯に広がる墓地は相当な広さがあります。
六地蔵は山門すぐ左の大木の下に建っています。左の外壁側から大きな円光背を背負う坐姿地蔵、大きな地蔵立像、そして小さめの六地蔵が並んでいます。
円光背を背負う坐姿地蔵は像高43cmと小さい像です。珍しい造りの地蔵です。
大きな地蔵立像は宝珠に錫杖の姿です。像高は73cmです。六地蔵は頭巾を被っているので分かりづらいですが、頭部に円光背を持っています。像高は52cmです。
大小の地蔵は法衣の模様の彫り方から、一組のものとして奉納されたのではないかと思われます。
主尊に思える大きな地蔵の台石には「嘉永七(1854)年 先祖代々 興縁法界 七月」の銘が読み取れました。
六地蔵の像容と台石に刻まれた地蔵名は左から幢幡=法印地蔵、宝珠に錫杖=延命地蔵、宝珠に施無畏印=陀羅尼地蔵、柄香炉=法性地蔵、合掌=宝性地蔵、数珠=地持地蔵です。
山門を挟んで反対側、右手に大中小と三基の石塔が並んでいますが、一番小さな有蓋四面塔に六地蔵が浮き彫りされていました。外塀ぎわの植え込みの中なので見過ごしてしまいそうです。
三面に二体ずつの地蔵立像が彫り出されています。他の一面には「天保七(1836)年 武州多摩郡奈良橋村 念仏講中」と銘が施されていました。
像容は風化、破損ではっきりしませんが、正面が合掌、宝珠に錫杖で、左面が宝蓋、数珠で、右面が幢幡、両手に香炉?と思われます。
大きさは笠と柱で110cmあります。像高は40cmです。
裏山の墓地を見て、山門の石段ではなく、車用の道から帰ろうとして偶然見つけました。四面塔六地蔵とは久しぶりの出会いでした。
裏山の墓地からは、近所の満開の桜を見ることができました。
(2019.04)
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