有蓋六地蔵石幢と円光背丸彫六地蔵が一箇所に
大澤山 宗印寺 日野市平山6-15-11
京王線・平山城祉公園駅の南東300mばかりのところにある曹洞宗のお寺です。
北野街道から入る昔の参道のような道を登っていくと寺号を刻した石柱と山門が現れます。
境内は山門正面に本堂、右奥に地蔵堂と布袋尊を祀るお堂があり、その間に鎌倉初期に平家との戦いに活躍した平山季重の墓地があります。
本堂左、棟続きで庫裏、客殿となり、本堂、客殿の裏山が広大な墓地となっています。
有蓋六地蔵石幢と円光背丸彫六地蔵は平山季重の墓地と布袋尊を祀るお堂に囲まれた一角に祀られています。
石幢を中心にして左右に丸彫地蔵が三体ずつ並んでいて、まるで石幢が六地蔵の主尊のように見えます。
有蓋六地蔵石幢は高さ135cm、塔身は60cmで一辺19cmの六面柱です。上寄りに44cmの龕を彫り蓮台に乗った地蔵菩薩立像を浮き彫りにしています。
像容は正面から右回りに宝珠に錫杖、両手で宝珠、両手で香炉、数珠(裏)、幢幡、合掌ですが、宝珠と香炉がほぼ同じようなので大きな方を香炉と見ました。
龕の下部や台石側面に銘が刻んであるのですが、風化と苔でまったく読めませんでした。
円光背丸彫六地蔵は高さ47cmで、石柱台、反花、蓮台の上に乗っています。
こちらも風化が進み、苔が全身を覆っています。遠目には苔の色目とシャープな輪郭から鋳造の地蔵かと思ってしまいます。
像容は左から合掌、数珠、幢幡、柄香炉、宝珠に施無畏印、宝珠に錫杖の姿です。
台石などから銘は確認できませんでした。
地蔵堂には延命地蔵の背後に千体の地蔵が安置されています。お堂内の布袋尊は日野七福神の一つのようです。
(2020.03)
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