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幢幡に与願印の姿をふくむ陰刻の六面塔六地蔵

諸法山相承院 称名寺 府中市宮西町1-9-1

京王線・府中駅の西すぐ近くにある時宗のお寺です。大國魂神社参道にあたる都道133号のケヤキ並木を横切って一筋西になります。
山門を入って境内左が墓地となり、正面に本堂、右手に庫裏、その手前に子育地蔵堂があります。本堂に向かう参道の左に一遍上人の銅像と六面塔六地蔵が建っています。
六面塔は台石を含め総高300cmくらいで、竿の部分は90cmです。そこに線で陰刻した地蔵立像が描かれています。
屋根(笠)の部分は中央の支柱からワイヤーで吊るしています。塗装具合でよくわかりませんが金属製のようです。
竿の部分は木製の板のようです。所々に釘痕のようなものが見えます。蓮台と六角柱は石材ですが、蓮台は修復されたようです。
最下段の六角柱の台石の正面には「六地蔵」、裏面には「昭和四十三年七月廿三・・」の銘が刻まれていました。
像容は正面から右に柄香炉、数珠、宝珠に錫杖、合掌(裏面)、宝珠に施無畏印、幢幡に与願印となっています。
陰刻の六面塔そのものが珍しいのですが、姿としても幢幡に与願印は珍しい姿です。多くの幢幡持ちの地蔵は両手で幢幡の竿を持った姿をしています。
近くに時宗のお寺があり、一石六地蔵を撮影しての帰りに立ち寄ったのですが、数少ない時宗のお寺で、珍しい六面塔六地蔵に出会え、想定外のご褒美でした。 (2019.03)

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