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三組の六地蔵が墓地への道に控えています

樹光山浄土院 常楽寺  稲城市東長沼2117-2

京王相模原線・稲城駅の近くです。境内の南にある墓地は線路に隣接しています。山門は北側の本郷根方通りに面しています。天台宗のお寺です。
石段の上に、左右表裏に四体の仏像を安置した山門、右手の坂道の正面に観音堂、境内右手に本堂と庫裏があります。山門をまっすぐ進むと右手に鐘楼、左から鐘楼裏まで墓地です。
墓地への石畳の道筋に大きな地蔵立像、寺号を刻んだ板石、青面金剛を浮彫した庚申塔など多くの石塔、石仏がずらりと並んでいますが、その中に三組の六地蔵も祀られていました。
山門側に坐像と立像の二組の六地蔵が前後に並んでいます。
石柱台に乗せられた坐姿六地蔵は、台石側面の銘に「奉再建六地蔵尊 当山〇〇世〇〇 願主 念佛女講中 助力 惣村中 世話人 〇〇 文政十(1827)??年中秋」とありました。
像容は手の部分が欠けたり、持物が無かったりしていますのではっきりしません。左端と三番目は左右の手は逆ですが、持ち手に棒を通す穴、受け手に棒痕がありますので柄のついた持物(幢幡や宝蓋など)を持っていたと思われます(写真右上二枚は三番目の地蔵)。
というわけで像容と台石の地蔵名は左から幢幡か宝蓋=禅林地蔵、合掌=伏息地蔵、幢幡か宝蓋=伏勝地蔵、数珠=諸龍地蔵、宝珠に錫杖=??(護讃地蔵)、両手欠け(宝珠に施無畏印)=無二地蔵と思われます。像高は蓮台込みで67cmです。
前列の六地蔵立像は、こちらも古いもので、風化、欠損が見られます。像容は左から柄香炉、宝蓋、幢幡、宝珠に錫杖、合掌、如意?(写真)です。像高は58cm。
三組目の六地蔵は、少し墓地寄りの大きな寺号板石の左右に並んでいました。蓮台込みで50cm足らずの小さな地蔵さんです。こちらも風化、欠損が見られます。特に頭部は六体とも修復され、表情は見られません。像容は左から合掌、幢幡、如意?、柄香炉、宝珠に錫杖、宝蓋?と思われます。
頭巾は同じものですが、涎掛けはそれぞれ別のものを着けてもらっています。顔は分かりませんが、何と無く童子に見えてしまいます。
当時には鐘楼周りにも多くの石仏が、本堂横の水子地蔵塔にも多くの地蔵が、観音堂脇には十二支地蔵が、本堂前には鋳造金色の仏像七体が祀られているなど、境内のあちこちに仏像が祀られています。
中には珍しい地蔵菩薩を浮き彫りにした庚申塔があり、稲城市の指定文化財に指定されていました。 (2019.04)

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