丸彫、四角柱、一石板と三種類の六地蔵
雲騰山 妙覚寺 稲城市矢野口2454
京王相模原線・京王よみうりランド駅の近く、駅の西南、徒歩数分のところにある臨済宗のお寺です。南口から<よみうりV通り>を西に、<よみうりランド通り>にぶつかる三叉路の正面です。
実は地図を読み違えて反対方向に歩き、巨人選手などの手形を埋めた坂道を延々1時間も無駄足してしまいました。「思い込み」の恐ろしさを知りました。
<よみうりランド通り>に面した山門を入ると、石段を登って本堂に出ます。境内は参道右に大きく展開し、ほとんどが墓地です。墓地は京王線の線路際まで広がっています。
本堂前の飛び石道を右に行くと、手前左右に灯籠をたてた石段が続き、その先に松荘堂という堂宇が建っています。その左右、裏は全て墓地です。鐘楼も墓地内に建っています。
丸彫の六地蔵は松荘堂への石段の右側に墓地に背を向けて祀られていました。像高は60cmの小さな地蔵で、頭部に頭巾の色跡か変色が見られますが、比較的新しく奉造されたもののようです。
像容は左から宝珠に錫杖、宝珠に施無畏印、柄香炉、合掌、数珠、幢幡となっています。造りで目につくのは花筥のように見える縦長の柄香炉と、おにぎりの様にやや歪で大きな宝珠の形でしょうか。
ふと気づくと、丸彫六地蔵の左に二基の石塔がありましたが、そのうちの一つが四角柱六地蔵塔でした。
台石込みで高さ78cmのもので、三面の天地21cm、幅18cmの佛龕にそれぞれ二体ずつ地蔵立像が浮き彫りされています。像容は風化でほとんどハッキリしませんが、左面は?と合掌、正面は?、?、右面は数珠?と柄のある持物のようです。文久二(1862)年の建造?
同じ石段の左側には金属手摺外の植え込みの中に、不動明王の像と筆塚石板の下に小さな一石板六地蔵が一緒に安置されていました。
一石板六地蔵は天地、左右とも約40cmの石板一杯に六地蔵が浅彫りされています。像が小さいのと浅彫りに風化が進み像容はハッキリしません。六体とも合掌の地蔵に見えました。
丸彫六地蔵と一石板六地蔵は撮影の対象に予定していたのですが、四角柱六地蔵塔とは偶然の対面となりました。
勘違いから、1時間も坂道を登り下りしましたが、諦めずにたどり着いたご褒美でしょうか。
(2019.05)
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