観音菩薩を主尊に円光背を持つ坐姿六地蔵
自得山鳳林院 国分寺市並木町2-33-13
六地蔵巡りでは珍しい黄檗宗のお寺です。西武国分寺線・鷹の台駅と恋ヶ窪駅の中間を東西に走る都道7号線の国分寺高校北交差点の東南角にあります。
西側の道路に面した山門を入ると、左(北)に東面する本堂、その奥に庫裏、本堂正面に鐘楼があり、境内の南は墓地となっています。
山門内すぐ左に「普門品十万巻供養」「西国百番四国八十八箇所巡禮供養」の石塔、馬頭観音菩薩石塔が並んで建っています。馬頭観音の石柱には三面六臂の馬頭観音坐像が載っています。
鐘楼の右手が墓地入口になっていて、参道の左右に小さな雨屋があります。右手の雨屋の中にはたくさんの小さな地蔵菩薩像が納められています。
その隣に真新しい立派な水子地蔵尊立像が建ち、反対側に観音菩薩坐像を主尊にした坐姿の六地蔵が祀られ、墓参者の送り迎えをしています。
地蔵菩薩は円光背を持った坐像で、像高は65cm、蓮台込みで90cm、像容は左から(写真左上から下に)
合掌?、両手で宝珠、宝珠に錫杖、(右上から下に)幢幡、数珠に施無畏印?、柄香炉となっており、主尊の観世音菩薩は左腕で赤子を抱え、右手で蓮華を持っている半跏坐像です。像高は石柱台の高さが異なるだけで六地蔵と同じ65cmです。
主尊の石柱台の正面には「為先祖供養」右側面に「維時文政元(1818)年」、六地蔵の石柱台正面には「当村 総連?中 善男女 念仏講中」「徳成院〇〇大姉」などが、また右側面には「維時文政元年」の銘が読み取れます。
手や持物が損傷していたり、数珠の風化など判別しづらいところはありますが、宝珠の大きさ、錫杖や幢幡の柄の太さ、柄香炉を持つ指の細さなど造りの面白さが見られます。
それにしても素晴らしい坐姿観音+坐姿六地蔵に出会えるとは思っていませんでした。近くの妙法寺の四面塔六地蔵がお目当てだったのですが・・・。
六地蔵巡りの基本は安易な情報だけに頼らず、1軒1軒丁寧に訪問することだと、改めて知らされました。
(2019.03)
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