四面塔六地蔵と境外墓地の壊れた六地蔵
瑞雲山妙法寺 国分寺市北町3-1-1
曹洞宗のお寺です。西武国分寺線・鷹の台駅と恋ヶ窪駅の中間を東西に走る都道7号線の国分寺高校北交差点の北西角にあります。
都道7号線を南北に交わる道に面した山門(境内東側)の正面は鐘楼で、右に本堂があります。本堂右奥(北側)に庫裏と会館、鐘楼の奥(境内西)に墓地という配置です。
さらに交差点の対角線側にある鳳林院の南に隣接している境外墓地もあります。
境内内の墓地入口は鐘楼の左で、水桶小屋、代官感謝塔、トイレと続きますが、突き当たりの植木囲いの中に四面塔六地蔵が建っています。竿の正面に「萬霊等」と大きく刻まれています。台石には「水溺
火焼 刑死?」と陰刻されています。
竿の他の三面には一面に二体ずつの円光背を持った地蔵立像が浮き彫りされています。
95cmの竿を含め二段の基壇から笠まで約190cmの高さがあります。竿幅は38cmで地蔵の像高は44cmです。
像容は正面「萬霊等」の左面に宝珠に錫杖、合掌、裏面に柄香炉、幢幡、右面に数珠、両手に宝珠となっています。
台石、竿の正面以外の三面には人名らしきものが細かく刻まれています。
境外墓地は入口に白板に墨で<妙法寺墓地>の表札がかかっています。
入ってすぐ左に馬頭観音石柱が建ち、その横に石仏、石版が十体ばかり安置されています。
六地蔵はその最前列に並んでいますが、完全な形で残っているのは左端の香炉?、数珠持ちの地蔵だけで、他は全て頭部がなく、さらに下半身の無いもの、足元から後ろ倒しになっているものもあり、蓮台の有無など一見しただけではこれが六地蔵とは気がつきません。
像高は55cmで、像容と台石に刻まれた地蔵名は左から香炉に数珠=陀羅尼地蔵(写真右)、宝珠に錫杖=宝性地蔵、合掌=法性地蔵、両手に宝珠=地持地蔵、幢幡=法印地蔵(写真右)、宝珠に錫杖=鶏亀地蔵(写真右)となっています。
しかし、台石と地蔵が必ずしも一組のものとは限りません。特に右端の倒れた地蔵は他の五体とは材質が異なり、やや新しいもののように思えます。奉造年は見つけられませんでした。
傷だらけになりながらもなお、一心に墓参者を迎える姿はありがたいものです。
(2019.03)
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