巨大な観音像の横に小さな六地蔵
熊野山観音院 玉泉寺 狛江市東和泉3-10-23
小田急線・和泉多摩川駅の東に隣接する天台宗のお寺です。
山門を入って正面に本堂、左手前に観音堂、対面の右側に玉泉寺石神祠の小さな堂宇があります。
山門は普段閉じられていて右手の照隅殿の側から境内に入ります。
六地蔵は本堂と観音堂の間にある墓地入口に安置されています。52cmの小さな地蔵が立派な基壇の上に主尊とともに並んでいます。
像容は左から宝蓋、宝珠に錫杖、幢幡、それに宝蓋持ちの主尊、その右の柄香炉、数珠、合掌です。
主尊は通常、宝珠に錫杖の姿か合掌の姿が多いのですが、宝蓋持ちは珍しいです(写真右)。
この主尊は像高35cm、蓮台込みで45cmと六地蔵よりさらに小さいし、頭部の造り、衣の襞の表現などが異なっていますので、一組のものでは無いかもしれません。
六地蔵では柄香炉持地蔵の頭部の造りが他の五体とかなり異なっています。
主尊の角柱台には「発願宗?? 四国四十八?? 経王供養塔 享保二十?夭 十月十七日」の銘がありました。
六地蔵の右隣には見上げるばかりの巨大な「福徳観音」の立像が建っていて、地蔵菩薩の小ささが際立ちます。
(再訪)
狛江市の文化財資料に、当寺の古い六地蔵の記事が出ていたので再訪してみました。
山門入って左手の塀際のくぼみに頭部が欠落した小さな六地蔵が保存されていました。
像容は左から幢幡、宝珠に錫杖、宝珠に錫杖、両手に香炉、数珠、合掌の姿です。
左から3番目の宝珠に錫杖の地蔵だけはは53cmとやや大きく、43cmの他の五体とは明らかに異なる造りです。
五体の背中には「金剛宝地蔵」「金剛悲地蔵」などの地蔵名が刻まれています。
左から2番目の宝珠に錫杖地蔵には「金剛願地蔵/元禄十六癸未(1703)天/念仏講供養」と紀年銘も刻まれていました。
失われたもう一体(宝蓋持ち地蔵?)が揃っていれば、主尊(53cm地蔵)+六地蔵という形だったかもしれません。
(2019.06)(2020.07)
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