3人の婦人の浄財寄進行脚で建造された六地蔵石幢
不動山 妙全院 町田市広袴町2-14-23
小田急小田原線・鶴川駅の北北西約2kmにある曹洞宗のお寺です。
数段の石段を上がると、右に山号、左に院号を刻んだ石柱門があり、左の石柱の内の一角に植え込みがあります。
松の木の根元に六地蔵石幢はあります。
宝珠、請花、笠、幢身、蓮台、敷茄子、二段の六面台石、四角基壇の構成になっていて総高260cmを超える大きさです。
幢身は六角柱で六面にはそれぞれ龕が作られ、中に地蔵立像が浮き彫りされています。
像容は不明(左肩から前面破損修復)、幢幡(右肩へ掛ける)、宝珠に錫杖(左右手先欠損)、数珠、合掌、拱手宝珠(宝珠は?)の姿で、たいへん丁寧に彫られた地蔵像です。
幢身は他の部分に比べ苔や損傷、劣化が少ないのですが、それでも部分損傷や表面劣化で彫りが浅くなってしまっているのが残念です。
この石幢は脇の建碑によれば三人の女性が浄財寄進行脚での資金集めで貢献し、妙全院住職、六人の世話人などによって明治16年11月に建造されたようです。
敷茄子下の六面台石には石幢建造に関わった女性や妙全院住職、世話人の名前が刻まれているようですが。表面破損、苔などでほとんど読み取れない状態です。
うち一面に「吉川武(左衛門) 吉川桑(次郎) 吉川三(郎兵衛)」と世話人の名前がかろうじて読み取れます。
また2018年に訪問したネットの探訪記では、下段の六面台石に「相州高座郡上溝町 石工 角田勤次郎」の銘が読み取れたそうです。石工の名前が刻まれるのは珍しいと思います。
(2024.12)
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