27年がかりで造立された13体の地蔵像が堂宇内に
中村地蔵尊 東京都町田市小山町
JR横浜線、京王相模原線・橋本駅の東3.5km、小山郵便局近くの町田街道に面した雨屋の中に祀られています。JR、小田急町田駅からは北西約9km、バスで30分の距離です。
柵囲いされた中に主尊と思われる丸彫坐姿の地蔵像を中心に、左右に2列3体ずつ、合計12体の丸彫立像地蔵像が並んでいます。
そばに建つ説明碑によれば、創建は宝暦6年(1756)で、明暦4年 (1767)から天明3年(1783)までの16年間に12体が造立されたようです。
中央、坐姿地蔵の角柱台石には正面に「念仏供養塔」右側面に「宝暦六丙子??月十六日/武州小山村講中/願主 岡本常右衛門/岡本???」と刻まれていますので、この念仏供養塔が最初に奉造され、他の12地蔵が順次造立されたものでしょう。
立像地蔵の一つの台石の銘には「武州多摩郡小山村/願主/岡本常(右衛門)」「明和五戌子(年)/為念仏供養/六月吉日」とあるのが読み取れます。
なお、左の6体のうち当時のものと思われるのは後列右端の1体だけ。右の6体では前列中央、後列中央と右端の3体で、他の8体は新しく作られたものです。
立像地蔵の像高は60cm、蓮台が15cm、角柱台石は20cmです。
像容は左前列=合掌、幢幡、宝珠に錫杖、左後列=数珠、柄香炉、不明。右前列=合掌、幢幡、宝珠に錫杖、右後列=宝珠に(金属)錫杖、不明、不明となっていて、現在では完全に二組の六地蔵の姿ではありません。
枠囲いの後ろに「菊水延命経」の石塔があります。これは慶應2年(1866)に建造されたものですが、ここに刻まれた銘にも「発願主/岡本徳右衛門/々 兵右衛門/杉山吉三郎/々 六左衛門/・・」とあり、「岡本家」はこの地域の名家であったのではないかと思われます。
(2025.01)
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