地蔵菩薩には珍しい持物、払子(ほっす)でしょうか
玄武山 普濟寺 立川市柴崎町4-20-46
臨済宗のお寺です。
多摩モノレール・柴崎体育館駅の西500mほどのところにあります。
参道入口の左手には巨大な石灯籠が建っています。山門までの左右は墓地になっています。本堂、鐘楼、閻魔堂、心源庵などの伽藍があり、境内の右端にも広い墓地が展開しています。
六地蔵を見つけようと最初、参道左右の墓地区画を探してみたのですが、それらしいものは見当たりません。
ここには国宝の六面石幢があると聞いていたので、それを探すことにしました。看板の矢印を頼りに進むと、境内右端の墓地に出ました。
その取っ掛かりに六地蔵が祀られていました。歴代住職の墓地の前でした。三箇所に分かれている墓地区画の中では、この区画が一番古い区画のようです。
六地蔵は中央に「南無阿弥陀仏」の名号を刻んだ角柱を主尊にして、左右に三体ずつ安置されていました。
六地蔵の台石や蓮台は新しいものですが、地蔵像は主尊の石柱に刻まれた銘「文政九(1826)戌正月吉日」に奉造されたものと思われます。
像高は57cmと小さめで、ややずんぐりとした体型です。全体に肉厚な感じの造りで、上下厚めの唇をもち、目尻は上がり気味です。
像容は左から数珠、合掌、幢幡、宝珠に錫杖、払子(毛筆の様なもの)(写真)、柄香炉です。払子は地蔵菩薩の持物では今まで見かけませんでした。
国宝の六面石幢は墓地を本堂裏に回り込んだところのお堂に安置されていました。高さ約170cmの六枚の緑泥片岩を六角に組み合わせ、それぞれの面に仁王像と四天王像を浮き彫りにしたものです。
残念ながらお堂の中は暗く、格子窓のガラスの反射でうまく撮影できませんでした。
(2019.08)
六地蔵巡りに戻る
|
|
|