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珍しい坐姿円光背六地蔵と円柱浮彫六地蔵

医王山薬王院 善照寺 江戸川区東小松川3-3-19

地下鉄新宿線・船堀駅から船堀街道を北に、新小岩方向に行き、東小松川小学校を西に入って中川に突き当たる手前にある真言宗のお寺。寺の裏手西側は中川が流れ、首都高速中央環状線、荒川となります。
東から入る参道の左手から山門を入って境内の左手、本堂の裏まで墓地が広がっています。
山門の内、正面に本堂、左に鐘楼と不動堂、右に庫裏と大師堂という配置になっています。
六地蔵は山門を入って右手の大師堂の手前に無縁石仏、無縁石碑を集めた三界万霊塔の一角があり、その石仏、石碑群の中に埋もれるように、ややバラバラに安置されています。
姿は円光背を持った丸彫り坐姿六地蔵で、高さは60cm。持物は左端の光背が欠けた地蔵が数珠で、合掌、宝珠に施無畏印となり、中央の宝珠をいただいた笠を持つ大きな石塔を挟んで右側には幢幡に引接印の地蔵、柄香炉、宝蓋に施無畏印と並んでいます。
たくさんの石仏や石碑がびっしりと並んでいますので、うまく近寄れませんが、後ろの隙間から台石の裏面、側面を見ると、台石の右側に「願主 右同人」の文字が読み取れます。左から三つ目の宝珠と施無畏印の地蔵の台石の左側には「天保十五?(1844)歳」の銘もありました。
写真右上の右端に坐姿円光背で宝珠と錫杖の地蔵が見えますが、寸法が小さく、彫りが全く異なっています。
資料によれば無縁墓地内に円柱型浮彫り六地蔵があるとのことでしたが、残念ながら見つけることができませんでした。
見落としたままでは、あまりにも悔しいので再訪しました。
円柱型浮彫り六地蔵はありました。無縁石仏群の一番奥の右端隅に隠れていました。駐車場への道と墓地を隔てる鉄柵脇なので外からの方がよく見える所です。
高さが66cm、直径37cmの円柱に数珠、宝蓋、宝珠に錫杖、幢幡、柄香炉、合掌の立像六態が船形龕の中に浮彫りされている大変珍しい六地蔵です。
他の石仏と鉄柵に阻まれてうまく撮影できませんでしたが、銘の「天保七(1836)丙申年」はなんとか読むことができました。
六地蔵巡りの目からすれば、「坐姿」にしろ「円柱」にしろもう少し大切に安置してもらえればと思ってしまいます。
この寺は初代横綱・明石志賀之助が引退相撲を行い、その後も地元の草相撲が行われたので「相撲寺」と言われているそうです。 (2016.12)

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