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六地蔵灯篭と三地蔵灯篭二基一対

萬吉山松月院 宝持寺 板橋区赤塚8-4-9

東武東上線・下赤塚駅、地下鉄有楽町線・赤塚駅から赤塚中央通りをまっすぐ北に向かって1km強歩くと松月院前の交差点に出ます。赤羽駅と成増駅を結ぶバスの停留所(赤塚8丁目)もあります。
徳川家康入府前からの土地の豪族・千葉一族の菩提寺と言われ、本堂、鐘楼、客殿など多くの伽藍を持つ曹洞宗のお寺です。
石柱のある参道を入ると山門があり、入ると左に幼稚園があります。その先に第二の山門があり、正面が本堂です。
墓地は本堂左手から奥に大きく広がっています。その本堂脇に菩提寺としている千葉一族の墓と、向かい合って当寺の歴代住持の墓があります。
千葉一族の墓地の中に六面六地蔵灯篭があり、住持の墓地に六面三地蔵灯篭が二基あります。
六面六地蔵灯篭は千葉一族墓地の左手前にあり、180cmの灯篭で火袋にあたるところに像高25cmの浮彫り地蔵が六体彫られています。胴の部分は円柱です。
像容は宝珠・錫杖、両手で宝珠、如意、合掌、両手で香炉、蓮華となっています。
一方、六面三地蔵灯篭は歴代住持の墓の左右の奥角に建っています。こちらは笠、火袋、胴ともに六面体です。灯篭の胴の部分、それぞれ墓の内側に向かう三面に浮彫り地蔵が、外側の三面には建造の銘が彫られています。
地蔵の像容は左の灯篭が宝珠、宝珠・蓮華、合掌?で、右の灯篭は幢幡、合掌、蓮華?となっています。
銘によれば延宝7(1679)年に建造、寄進されたもののようです。こちらは170cmあり、地蔵像は40cmです。
ただ、二つの六面三地蔵灯篭とも灯篭の火袋から上の部分の材質と胴から下の部分の材質が異なっているようです。
資料で二つの六面灯篭があるというので訪問したのですが、広すぎる墓地の中で果たして見つけられるか心配しました。
千葉一族の墓は案内板があり、六地蔵灯篭も道脇に建っていたのですぐ判りましたが、歴代住持の墓には卵形の墓石がたくさん並び、その奥に灯篭が隠れて見難かったので、ほかにも住持墓の区画があるのかと広い墓地を探し回りました。
墓の右奥にある灯篭を見つけた時には喜びすぎて、右側だけ撮影して帰りました。考えてみれば三面にしか地蔵像がないのに、二基一対の灯篭と気づかなかったのは暑さのせいだけではないようです。
結局左側の灯篭を追加撮影することになりましたが、それでも何とか二基とも撮影できてホッとしまし た。六面三地蔵灯篭が二基で一対の六地蔵に出会ったのは初めてです。
すぐ近くに松月院の境外堂として大堂があります。そちらにも三地蔵を浮彫りした六面塔があります。 (2016.09)

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