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260年前の上品な顔立ち

法護山金蓮院 金剛寺 葛飾区東金町3-23-13

JR常磐線・金町駅と江戸川の間を南北に都道307号と471号が通っています。常磐線の北側、この都道沿いに五ヶ寺がありますが、そのうちの一つです。真言宗のお寺。
金町駅のすぐ近くです。山門から都道に向けて一直線に広い道が伸びていますが、昔の参道の名残と思われます。
石柱門の先を道路が横切り、その先に山門があります。境内は山門右手に鐘楼、右斜め奥に客殿と庫裏、さらに大師堂、正面奥に本堂、山門左手に納骨堂と水屋で、そこから本堂横まで墓地となっています。都道に面した東側にも石柱門があります。
本堂左手前、墓地への通路脇に駒形石版に浮彫りされた愛染明王の石像が建っています。三目六臂の像容で宝永七(1710)年に造立といいます。
六地蔵は本堂の左横、墓地に向かって祀られています。やや細身の船形光背の立像で高さは105cm、像容は左から宝珠に錫杖、幢幡、柄香炉、合掌、数珠、宝蓋となっています。光背には「為釋◯◯童子」などの戒名や建造年が刻まれていますが、はっきり読み取れません。
数珠持ちの地蔵には「宝暦十二(1762)年」、錫杖持ちの地蔵には「明?元年」が読み取れますので 多分「宝暦」の終わりから「明和」の始め頃(1760年代)の建造と思われます。
剥落、欠損のあるもの、折断修復したものなど、傷みが目立ちますが、指の長い手や面長の顔の造りから丁寧な彫りと上品な仕上がりが想像できます。
朝早めの時刻に着いたので、六地蔵は半逆光の状態でした。光線の具合が良くなるまで待ちましたが、これが精一杯というところです。 (2018.02)

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