微笑みを浮かべた六地蔵
如意山実相院 世尊寺 中野区沼袋4-1-1
西武新宿線・沼袋駅から駅前通りを北に少し歩くと三つ目の交差点の左にある真言宗のお寺。山門は駅前通りを左に入ったところです。
境内は本堂への一直線の石畳の参道の左にたくさんの船形観音坐像が並んでいます。さらに真新しい丸彫りの十一面観音坐像、鋳造の弘法大師立像が祀られています。
大師立像と本堂の間に墓地への通路があります。入口左には四つの笠付き角柱の庚申塔と駒形庚申塔が、右には小さな石の堂宇に入った不動明王坐像と六地蔵、笠付き角柱庚申塔、船形観音坐像、駒形石板がすらりと並んでいます。
これらはいずれも江戸時代に奉納されたもので、庚申塔には「正徳(1711−1716)」「元禄(1688-1704)」の年号が見えます。六地蔵台石には童子、童女など4人と命日が刻まれていますが、「弘化三(1846)年」「文久三(1863)年」「元治元(1864)年」「天保九(1838)年」の文字が読み取れます。
六地蔵は左右両端が宝珠と錫杖の姿で大きさも10cmばかり異なっていますが、口元に微笑みを浮かべる表情は黒っぽい数珠を持つ地蔵以外は同じです。また数珠の地蔵は衣の作りも他の五体と異なっています。
像容は左から宝珠に錫杖、合掌、宝蓋、数珠、幢幡、宝珠に錫杖です。像高は120cmと110cmです。
上の写真は宝蓋と幢幡の地蔵です。口元の「微笑」がわかります。
新田一族の矢島氏から寺が起こったと言われ、檀家の半分くらいが矢島姓なのだそうです。古い石造物の多いお寺です。
(2016.11)
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