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鉄柵の中に石幢七面六観音勢至道しるべ

良弁塚 練馬区中村3-11

西武池袋線・中村橋駅の南500mの所にあります。駅を出て中杉通りを南に、豊中通りとの交差点を東に100mほど行った住宅地の一角です。
鉄柵に囲まれて、中に良弁塚の石碑と石幢七面六観音勢至道しるべ、二基の庚申塔などの石塔が保存されています。現在は近くの南蔵院が管理しているのだそうです。
良弁塚の石碑には大きく「良弁塚」と刻された横に「南蔵院中興第一? 良弁僧都建立?経?」と見えます。資料には「延文2年(1357)3月21日に建立」とあります。
有蓋七面石幢は「元文5年(1740年)」の銘があり高さ約2.5メートルです。
七面に観音菩薩像が浮き彫りされ、その下にそれぞれ銘が刻まれています。真言宗の六観音に勢至觀音が加わった七觀音です。
観音と銘は写真上左から准提觀音「光明真言 拾五万(遍妙隆?) 為二世安楽」、十一面観音「元文五庚申歳 十月吉日」、馬頭観音「本願主 内田治良左衛門」、写真下左から勢至觀音「講中 拾六人」、千手観音「願主 西貝三良左衛門」、聖観音「講中 三拾八人」、如意輪観音「村中寄進」となっています。
台石には<道しるべ>となる文字が刻まれているようですが、読みきれないので資料を頼ると、「東 此方なかのミち 目ぐろみち、西 此方たかゐど 大山ミち、南 武州豊嶋郡 中村里、北 此方ねりま 川口ミち」なのだそうです。
庚申塔のうち笠のあるものも道しるべのを兼ねていたようで、側面に「是より左ハ上ねりま道」、「是より右ハ下ねりま道」と刻まれています。
住宅街の一角に、サビの出た鉄柵に囲まれた良弁塚。「練馬区指定有形文化財 石幢七面六観音勢至道しるべ」の小さな立て看板が寂しげにたっていました。 (2019.12)

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