幢幡の持ち方と足先の造りに注目
岡本山安養院 長円寺 世田谷区岡本1-20-1
砧公園の南にある真言宗のお寺。小田急線・成城学園前駅からのバスで岡本1丁目が最寄りバス停です。東名高速と首都高速3号渋谷線が並走している下をくぐり抜けて南下すると左手に石柱門があります。参道を進むと道が横断していてもう一つの石柱門があります。
境内は正面が本堂で庫裏は右につながっています。墓地は最初の門から参道左が墓地となって本堂左まで続いています。
六地蔵は本堂手前左、墓地入口に大きなイチョウの樹に守られるようにして雨屋に安置されています。
像容は左から合掌、宝珠に錫杖、数珠、宝蓋、柄香炉、幢幡の姿で、石柱台に蓮台に支えられています。
地蔵像自体の石質や造りから寄せ集めて組み合わせた六地蔵のように思われます。蓮台の寸法も形も同じものがありません。
石柱台は四種類で三つが「安永九(1780)年」他に「宝暦十二(1762)年」「宝永三(1706)年」「延享(1744−1748)」の元号が読み取れました。
造りで珍しいのは幢幡の地蔵で、錫杖のような真っ直ぐな長い竿を垂直に立てて持っています。鋳造製の地蔵では見かけることはありましたが、石像では胸前で斜めに竿を持っているのがよく目にする持ち方です。
足の造りも沓をはいたような足先と指が見える足先です。六体の内二体が沓状の足先でした。
ピンクのチョッキを羽織り、白い前垂れに帽子を着けていますが、いずれも薄汚れていて、少し薄気味悪い雰囲気を漂わせていました。
(2018.05)
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