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願主名、願年、地蔵名がはっきりと刻まれています

青林山東覚院 薬王寺 世田谷区千歳台4-11-11

小田急線・千歳船橋駅と京王線・八幡山駅を結ぶ環八通りの中間辺りにある真言宗のお寺。
山門を入ると左に寺務所など庫裏関係の建物、その右、正面に本堂があります。参道右には鐘楼、閻魔堂が並び南門に通じます。
墓地は本堂裏一帯に広がっています。鐘楼と閻魔堂の間に墓地入口があり、古い念仏車の石柱が建っています。
墓地の鉄扉の先に六地蔵の雨屋があります。立派な銅葺屋根を支える黒い石柱と台石は新しく建てられたようですが、智拳印を結ぶ大日如来を中央に安置された六地蔵は、時代を感じさせるどっしりとした重厚感があります。
六地蔵には左袖に「奉造立禅林地蔵尊念佛供養」などと一体ごとに地蔵名が、胸の中央には梵字が刻まれています。
像容と地蔵名は左から宝珠に錫杖=禅林地蔵、蓮華=無二地蔵、合掌=護讃地蔵、幢幡=諸龍地蔵、柄香炉=伏勝地蔵、宝蓋=伏息地蔵となっています。像高は90cmです。
また、右袖には「願主 大阿闍梨法印観秀」などの願主と「正徳二(1712)年壬辰」など願年が刻まれています。願主名は他に「給田村厚志之檀主十九人」「下祖師箇谷村」「粕谷村講中」「迴澤村」「八幡山村講衆」が見えます。
奉造年は左三体が「正徳二年」で、右三体が「正徳三年」でした。
耳の造りに特徴があり、耳たぶが顎の横まで垂れていて、法衣の襟に触れています。鎌田の吉祥院の六地蔵の耳に似ています。持物は小さめに造られていて、幢幡や宝蓋の竿なども短めです。
六地蔵の中央に建っている一回り大きな大日如来像には「奉刻彫本地法身大日如来念佛供養」とあり、蓮台銘から「正徳五年」建造のようです。 (2018.06)

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