六名の童子、童女の供養塔です
東照山栄願院 戒法寺 品川区上大崎1-9-11
浄土宗のお寺です。JR山手線・目黒駅から直線距離で東800mのところにあります。一帯には9ヶ寺が集まっていますが、道が複雑に入り組んでいて、そこそこ歩くことになります。
山門を入ってすぐ正面が本堂です。左が庫裏のようです。参道右から本堂、庫裏を取り囲むように三方が墓地になっています。
六面六地蔵石幢は本堂の向かって右手前の植え込みの一角にあります。そこには半跏坐姿の地蔵像、柱を二段に積み重ねたような石塔、お前立ちのように立つ地蔵立像が六面石幢を取り囲んでいます。
当寺には以前に訪問しているのですが、六面石幢には気づかずに見逃してしまったようです。
宝珠、笠、竿、二段の台石から成っていて、高さは165cmあります。竿の部分は約70cmで、上半分に地蔵立像の浮彫、下に六面全てに異なる童子、童女の名前が刻まれていたようですが、崩落、欠損などで半分の三面が地蔵も文字もよく分かりません。
像容は幢幡持ちの地蔵を基準に右回りに半身欠落、完全崩落、胴体欠落、両手で香炉、宝珠に錫杖となります。
幢幡持ち地蔵の下には「包月童子 寛文九酉(1669年) 正月廿四日」と刻まれています。年号としては他に「延宝(1673〜)」「元禄(1688〜)」が見られました。
地蔵の表情まで見ることは難しいのですが、胴体欠落地蔵の顔を見ていると、可愛い幼子の顔に見えてくるのが不思議です。
竿を受ける四角い台石は水盤(水鉢)のように竿台と周囲を除いて彫り下げられています。用途(線香立て?)はわかりませんが、四隅に丸い穴が開けられています。
本堂前は狭い庭なのに、前回、この石幢を見過ごしてしまったのは残念です。
(2020.02)
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