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10年ぶりに再会した六地蔵

正覺山 月桂寺 新宿区河田町2−5

臨済宗のお寺です。地下鉄大江戸線・若松河田駅から女子医大通りを南へ。女子医大を過ぎたところにあります。
通り側に寺号を刻んだ大きな石が建っていて、その奥に金属製の大戸があります。
大戸は常に閉じられていて、気軽に入りにくい雰囲気です。横の通用扉は開けられたので中に。
十年ほど前に当寺を訪れたのですが、近くにある自衛隊本部に外部からの襲撃があって、その影響で境内への立ち入りができなくて、撮影を諦めたことがありました。
十年ぶりに再会する六地蔵は前庭左の植え込みの中に坐姿地蔵石柱塔と一緒に並んでいます。
蓮台、台石の上に像高90cmの丸彫立像が載っているので、堂々として見えます。 像容は左から数珠、宝蓋、幢幡、宝珠に錫杖、合掌、柄香炉です。
台石の正面にそれぞれ戒名、命日が刻まれていますが、最後の命日が「寛政九年(1797)」なので、六地蔵建造は その後と思われます。
首の座りの悪い像、顔面損傷の像が二体見られますが、それ以外は大きな損傷がなく、比較的よく保存されてきたようです。
頭部の角度の歪みや顔の造りの特徴もあって、六体がそれぞれに親しみやすい表情に見えます。
前庭正面の本堂の裏が比較的広い墓地になっています。本堂左から墓地への参道が通っていますが、立ち入るのを遠慮しました。
六地蔵から少し離れた植え込みの側に立看板があり、新宿区登録文化財となっている織部灯籠(切支丹灯籠)が目に入りました。
上部が無くなっていて、長い衣を着た女性像が浮き彫りされた竿の部分だけが残っていました。
その奥の石積みの中に上部が完全に崩落して、三猿だけが認められる庚申塔(写真右)もありました。
(2025.02)

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