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珍しい駒形石板に石工の工夫が見られます

万歳山 永福寺 杉並区永福1-25-2

曹洞宗のお寺。京王井の頭線・永福町駅の南500mほどの所にあります。
駅からは都道427・瀬田貫井線1本道です。永福稲荷神社の東隣になります。
都道を東に入り、少し回り込んだところに山門があります。伽藍としては本堂、檀信徒会館、鐘楼があります。
墓地は境内の西半分を占めています。
六地蔵は山門を入ってすぐ左の墓地への道の正面突き当たりの覆屋の中に納まっています。
高さ50cm、幅24cmの駒形の石板に龕を作り、その中に地蔵立像を浮き彫りにしています。
支える蓮台は厚みのない平らな形のもので、地蔵本体とともに珍しい形をしていました。
小さな六地蔵ですが、二段の基壇の上に乗り、拝むのにちょうど良い高さに祀られています。
像容は左から幢幡、両手宝珠、合掌、宝蓋、数珠に錫杖、柄香炉となっています。
よくある数珠持ち、宝珠に錫杖持ちの姿とは少し異なっています。
石質が粗く脆そうなので、傷みが目につきますが、彫りは細かく丁寧な造りになっています。
幢幡や宝蓋の飾りを枠にはみ出させたり、柄香炉の炉の形を細かく描いたり、石工の工夫が見られます。
4体の左側面には「先祖代々一切精霊」と刻まれ、左端、幢幡持ちの側面には戒名らしい小さな銘がありました。奉造年代がわかるようなものは見当たりませんでした。

この地域は<六地蔵巡り>の比較的早い段階で訪れていたのですが、見過ごしてしまったようです。
今回は、墓地西門脇の外に珍しい五輪塔型の庚申塔があるというので訪れました。お陰で駒形の六地蔵に初めて出会うことができました。 (2021.02.04)

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