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幢幡、宝蓋、蓮華と柄のある持物が三つ登場

久我山共有墓地 杉並区久我山4-50-8号

地下鉄丸ノ内線・方南町駅の北300mほどのところにある共同墓地です。
明治時代の廃仏毀釈で廃寺となった光明寺跡だと言われています。久我山墓地管理委員会が管理しています。
墓地入口に十体の石仏を安置する小さなお堂があります。
小堂の奥壁の前に左から船形光背の地蔵菩薩立像、丸彫の地蔵菩薩立像、同じく丸彫の地蔵菩薩立像、そして船形光背の聖観音立像が並び、その前左右に三体ずつの丸彫地蔵立像が向かい合わせに立っています。
向かい合わせに立つ六地蔵は像高55cm(蓮台込みで70cm)の小さめの地蔵です。
像容は左列の左から幢幡(写真右)、柄香炉、合掌、右列の左から宝蓋(写真中)、蓮華(写真左)、宝珠に錫杖の姿です。幢幡、宝蓋、蓮華と柄のある持物が三つ登場しました。
頭部が残っているのは二体だけで、後の四体は継ぎ足し修理がなされています。
宝珠に錫杖の地蔵の胴前に「享保八(1723)???? 観月道光信女 八月廿八日 不生?」、正面蓮弁に「俗名 長谷??? ??施主」、左列の二体、右列の一体の正面蓮弁には「右同行」の銘が見られました。
蓮台、台石には少し形の異なるもの、銘の有無もありますが、一揃いの六地蔵として見なされているようです。
他の四つの石仏も「寛文」「宝永」「享保」「寛文」と江戸時代中期の銘があるそうで、一括して有形民族文化財に指定されています。 (2020.02)


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