幢幡の帛(はく)を持つ珍しい六地蔵
医王山悉地院 東円寺 杉並区和田2-18-3
地下鉄丸ノ内線・方南町駅から環状七号通りを北に行き、善福寺川を越えた右手一帯は立正佼成会の広大な敷地となります。 「吹奏楽の甲子園」として有名な普門館の斜め前にあるのがこの真言宗のお寺です。
立派な山門は普段閉じられているので右手の門から入ります。緩い坂道の右手に鐘楼が建ち、登り切ると山門の裏側に出ます。境内正面に本堂、右手に庫裏、事務所が建ちます。墓地は左手です。
六地蔵は山門を入って石段を登ったすぐ右手に、墓地に向かって並んでいます。中央に坐姿の地蔵造を挟んで、左右に三体ずつ立っています。
坐姿の地蔵の蓮台の色が他の六体の蓮台と異なっているようですが、本体、台石は他の六体と同じ材質と思われます。坐姿地蔵の台石には「光明真言 和田村 講中」「寛政八年 願主 杢左衛門 世話人 淨念 太郎右衛門 三五郎」「為永賢法師菩提 施主 梅田氏」の銘が見えます。この七体の地蔵は「寛政8(1796)年」に建造されたと思われます。
六躰は左から宝珠と錫杖、数珠、合掌、両手で宝珠、柄香炉、両手で幢幡を持つ姿です。幢幡の持ち方が左手で帛(はく)を持つ少し珍しい形なので右に載せました。
(2016.10)
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