二つの災害犠牲者供養の六面六地蔵石幢
諸宗山回向院 無縁寺 墨田区両国2-8-10
JR総武線・両国駅の南にある浄土宗のお寺。「明暦の大火(振袖火事)」の犠牲者の供養で知られています。また勧進相撲興行の地としてもよく知られています。山門は京葉道路に面しています。
山門から本堂までの左には相撲協会が建立した「力塚」があり、境内左には墓地があります。墓地の入り口の手前には塩地蔵、鼠小僧供養碑、水子塚、三界万霊石仏群などたくさんの石造物が立ち並んでいます。
墓地入り口の右手、文楽関係者の墓碑が立ち並ぶ奥に「水子塚」がありますが、その手前に丸彫り地蔵菩薩坐像と六面六地蔵石幢が祀られています。
六面六地蔵石幢は「安政四(1857)年」の建立です。安政二年の大地震、三年の大水害の犠牲者供養のための供養塔です。二つの四角い基壇、その上に六角の台石、蓮台、塔身から出来ています。高さは230cmあり、塔身に浮彫された地蔵像の高さは42cmあります。
像容は正面から右に両手で胸前に宝珠、両手で数珠、宝珠に錫杖、幢幡、合掌、柄香炉で、頭部に円光背をもち、瑞雲の上に乗った姿です。
塔身の一部に欠損が見られますが、地蔵の像容などはよく保たれています。
六角の台石には二度の災害の様子が刻まれ、願主、造立者、石工の名前も見られます。
写真正面奥に見える「水子塚」は松平定信の命によって「寛政五(1793)年」に造立されたものです。
(2016.11)
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