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宝珠と珍しい持物の組み合わせ

萬年山 明源寺 墨田区立花1-13-10

東武亀戸線・小村井駅から明治通りを南下して立花二丁目の交差点を左に入ったところにある曹洞宗のお寺。
門を入ると正面は墓地、右手に本堂があります。本堂の左は明源寺会館です。会館と墓地の間にある堂宇は南葛八十八ヶ所霊場の札所になっています。
以前、吾妻橋の如意輪寺で六面六地蔵石塔を撮影するときに調べたら、墨田区の資料に、この明源寺にもあるということだったので期待して訪ねてきました。
ところが霊場札所の前に予想しなかった鋳造の六地蔵が目に入ったので、戸惑ってしまいました。
六面六地蔵石塔を探して墓地内も巡ってみましたが、それらしいものが見当たりません。諦めかけていたところ、門のすぐそばに戦災慰霊塔が建っていて、その脇に植木に隠れるように黒っぽい石が置かれていました。
形が石塔の胴の部分のようなので、よく見ると二体の地蔵立像が浮き彫りされていました。柵の裏を回って反対側を見ましたが、かろうじて平らな面らしきものが判別できるくらいで地蔵像はありませんでした。おそらく風化か何かによって破損してしまったのかもしれません。地上に見えている部分の高さは約80cm、浮彫の像高は約45cmでした。
これが墨田区の資料にある六面六地蔵石塔だと思うことにして撮影しました。三つある六面六地蔵石塔のもう一つは回向院にあり掲載済みです。
さて、予想外の鋳造六地蔵ですが、像容が少し珍しく、左端の地蔵は右手に錫杖のような棒の先に木葉のようなものがついたものを持っています。宝珠と梵篋と思われるものや宝珠と経巻と思われるものをもった地蔵がいます。
とりあえず見た目で左から宝珠に木葉杖(もしかして如意?)、宝珠に与願印、宝珠に経巻?、施無畏印に与願印、宝珠に梵篋?、宝珠に錫杖となっています。 新たに造立されたようですが、年月は不明です。像高は65cm。 (2017.08)

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