蓮葉山妙智院 観音寺 台東区谷中5-8-28
谷中霊園の西側は多くのお寺が集まっている地域です。とても一度に回りきることはできません。霊園から団子坂下に向かう道筋の両側、4丁目〜6丁目のお寺を巡りました。そのうちの一つで真言宗のお寺です。資料によれば六地蔵と六面塔六地蔵があるとのことでの訪問です。
山門を入ると境内やや左にには大木が1本聳えています。正面が本堂で左が庫裏です。境内右手に大師堂があり、大師堂と本堂の間に赤穂浪士供養塔が建っています。
大師堂と供養塔の間を入ると墓地ですが、その入口に向かって鋳造の水子地蔵坐像と御霊塔が祀られています。
六地蔵は御霊塔の奥、墓地に向かってやや粗末な雨屋の中に安置されています。
上から何枚もの前垂れを重ねて着せられていて、古いものは固まってしまっています。
像高は70cmで、像容は左から柄香炉、合掌、数珠、幢幡と施無畏印、宝珠の下半分(半球)の形のもの(花籠?)と錫杖、宝珠と説法印となっていて、珍しい持物と印の組み合わせの地蔵が三体ありました。前垂れが破けそうで写真に撮れなかったのが残念です。
台石にはそれぞれに願主、志主の名前が刻まれています。奉造年はわかりません。
六面塔の方は山門の右脇に番小屋のような小さな建物があり、その横の植木の陰にひっそりと建っていました。
宝珠から六面台石までが約160cm、柱の高さが70cmあります。正面には「救世菩薩地蔵尊」、反対面には「為一切萬霊菩提 大正六年十月十三日 地蔵供養塔建設発起人建之」と銘があり、他の四面に円光背を持った地蔵菩薩像が線彫りされています。
資料によれば四面に五体(うち一体は抱かれている童子)の地蔵が彫られているらしいのですが、見難い線彫像を確認したところでは正面の左右には施無畏印と錫杖の地蔵、裏面の左右には合掌の童子地蔵がそれぞれ二体、合計四体の地蔵像が彫られているように見えました。
資料では五体の線彫地蔵と救世菩薩地蔵尊を一体と見て六道能化になるとありますが、さて、どう判断したらいいものか迷ってしまいます。が、ここは六地蔵に加えることを見送りたいと思います。
(2017.08)
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