天瑞山明王院 歓福寺 台東区谷中5-4-2
谷中霊園の西側は多くのお寺が集まっている地域です。とても一度に回りきることはできません。霊園から団子坂下に向かう道筋の両側、4丁目〜6丁目のお寺を巡りました。そのうちの一つで真言宗のお寺です。
境内は山門を入った左に丸彫の六地蔵が祀られています。正面の伽藍は大師堂で、その左奥が本堂、その左が庫裏となっています。墓地は六地蔵の奥左側と大師堂右奥から本堂裏までの二区域となっています。
また、大師堂の右手前には大きな宝篋印塔が建っており、右下には多くの小さな石柱、石像などが安置されていますが、その中に六面石柱六地蔵があります。
丸彫六地蔵は像高70cmで、像容は左から宝珠に施無畏印、宝珠に錫杖、数珠、合掌、幢幡、柄香炉となっています。
六面石柱六地蔵は天地43cmの石柱に17cmの地蔵菩薩が浮き彫りされています。しかし、像容ははっきりしません。正面に幢幡、左に如意?、その左に柄香炉?、正面右に宝蓋、その右に合掌、裏面に宝珠に錫杖の姿に見えます。
正面の幢幡や柄香炉、右の合掌の地蔵の下には「南無阿弥陀仏」の文字だけが大きく刻まれており、如意と宝蓋の地蔵の下には「南無阿弥陀仏」と戒名、命日が刻まれています。裏面の宝珠に錫杖の地蔵の下は不明です。
命日は「明治九(1876)年」と「宝暦五(1755)年」と読めました。時代の差があまりにも大きいので、建造の経緯がよくわかりませんが、いずれにしても建造は明治九年以降となります。戒名は二つとも「信女」がついていました。
戒名の下の文字が途中で見えなくなっているので、元の姿はもう少し天地の寸法があったと思われますが、こんなに小さな石柱にお目にかかれるとは想像もしていませんでした。良く見つけられたものだと思っています。
(2017.08)
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