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撥(ばち)と鼓(つづみ)、鐃(にょう=どら)を持つ六地蔵

雑司が谷霊園 豊島区南池袋4-25-1

都電荒川線・雑司が谷駅を東に入るとすぐに霊園となります。墓地道を南に歩くと霊園の事務所があります。
事務所正面近くに竹囲いされた一区画があり、昔の深川区の共同墓地が移転した塚と碑が建っています。大きな石碑には「深川共葬墓地合葬之墓」とあり、大きな丸い塚には「合葬之家」と刻されています。
竹囲いの入り口の左奥の隅に高さ90cmばかりの石塔と三体の船形地蔵が安置されています。
石塔は天蓋が四角で上に宝珠が載っています。胴は円柱で六態の地蔵立像が浮き彫りされています。像高は25cm。台石は四角で、ここまでが一体。その下の一まわり大きな台石は石塔が後ろにはみ出し加減なので別物と思われます。
六地蔵のうち二態の持物は私には判別できませんでしたので、資料を当たってみますと、写真上左の正面が撥(ばち)と鼓(つづみ)、上右の左が鐃(にょう=どら)と書かれていました。鐃を合わせる地蔵の右が香炉、写真下左の左が梵篋、右が宝珠と錫杖、下右の右が合掌のようです。
<撥>と<鼓>、<鐃>などという持物は初めてお目にかかるものです。おそらくこれは大変珍しい六地蔵の姿ではないかと思われます。<鐃>は仏教で使用する「銅鑼」のような楽器だそうです。
この石塔も深川から移されたらしいのですが、建造の年代は判らないそうです。 (2016.09)

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