C5が次の車検を取ると10年目に突入するのと、そろそろ車自体もやれて来たのとで、次期主力車種の選定作業に入ることにしました。今回の縛りは中古でも新車でも250万円程度。国産、外車からざっと気になる車を選び出し、片っ端から試乗することにしました。それぞれ15分程度の試乗で、「流れの良い幹線道路、舗装のあまり良くない市街地」をセールスの方にリクエストしてコースを決めて貰っています。色々気がついた点があって面白かったので、このページにまとめることにしました。
乗り倒した結果の評価点が下の表です。5点満点で評価しているのですが、必ずしも合計点の高い車が気に入った車にはなりません。人それぞれ車において重要だと思うところは違うと思いますが、筆者の場合乗り心地の評価は、断然動力性能などより重要です。つまり乗り心地の5と動力性能の5は同じ5では有りません。その辺りを踏まえてこの先も読んでいただければ幸いです。
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シトロエンC3 |
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発表と同時に魂を奪われ、新車時の試乗でも好評価。今回購入するとしたら断然の筆頭候補です。長年運転手にとってサンルーフなんか何の意味も無い、と言い続けて来ましたが、このゼニスウィンドーなら運転手もその恩恵ばっちり。これだけでも充分他車に対してアドバンテージが有るのに、乗り心地も金属バネ車として最高の仕上がりだし、モール類のメッキの使い方も気が利いてて質感も悪くない。動力性能もBMWと共同開発のエンジンで、シトロエンとは思えないスタートダッシュ。ただベーシックグレードは、インパネパネルがシルバー吹きっぱなしで、エクスクルーシブやDS3より明確に安っぽいのが残念。 | ||||||
シトロエンDS3 |
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個人的には普通の屋根窓なので全く触手が動かなかったのですが、同居している母親がその鮮やかなツートーン塗装と「クーペ」な響きにノックアウト。C3と比べて内外デザインが-2なのは、共にゼニスウィンドー分。むしろ上記したように質感で言えば、インパネパネルが光沢仕上げ&選択可能なDS3の方が断然上。居住空間もリアまでルーフが延びているDS3の方が、収まってしまえば広い感じがします。乗り心地はキチンとC3と棲み分け出来ていて、クーペと聞いて頭で考える常識的範疇分足回りが締めてある感じ。 | ||||||
シトロエンC5 |
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中古車の個体としてC5の2.0Lが250万円弱であったので、だったらC5もキチンと試乗しておくかと、ディーラーに乗りに行った先にあったのは残念ながら3.0のみ。当然予算オーバーですが、乗らない手も無いので乗せて貰いました。動力性能、乗り心地、質感は完璧。シトロエンにここまでの質感は必要ないと思うんですけど(その分100万円下げて欲しい)、質感高くて文句言うのも変な話なので(笑)。ただ全体のプロポーションは紛れもなくシトロエンなのですが、細かなディティールはやはりドイツ車風味。また室内もスイッチ類の配置、メーターデザイン共にゴチャゴチャしすぎかと。その辺りでデザインの評価はあまり高くないです。 | ||||||
シトロエンC5 |
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後日2.0Lも探し出して試乗したのですが、単純に排気量の差がそのまま評価に繋がっています。質感に差があるのは、皮シートとセパレートシートの差と言うわけでは無く、排気量から来る静かさ、アクセルの踏み込み量の少なさなどを高品質と考えたからです。乗り心地は2.0Lでも抜群。本当、このハイドロサスがもたらす乗り心地が有る限り、同価格帯の車より一歩抜きん出てると思うんですけどね。 | ||||||
レガシィB4 |
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前回の大試乗会時には、なかなか高評価な乗り心地だったレガシィですが、あれから2度のモデルチェンジをへた現行レガシィの仕上がりは、残念ながら芳しいものではありませんでした。あれほどしなやかに足が動いていたレガシィが、なんともコツコツする昔ながらのスポーティーカーな足回りになってしまってます。内装質感に関しても、プラスチッキーでアテンザと同じぐらいの仕上がりです。どちらかと言うとレガシィは高品質セダンのイメージが有ったのですが、ガバガバにデカくなったのも含めて、仕上がりもアメリカ人が許せる程度のレベルに落ちてしまった気がします。 | ||||||
マークX |
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この欄はメーカー名から50音順に並んでるので話が前後しますが、スカイラインに乗ったので有ればマークXに乗らないわけに行きません。2代目モデルは各媒体で乗り心地を絶賛されていたのですが、その言葉に偽りは有りませんでした。特に低速での身のこなしが、いわゆるマーク2系のゴムで遮断したような乗り味でなく、小さな段差、うねりでもキチンとサスが動いてショックを吸収する絶品の仕上がり。少なくとも最近乗った国産車の中では抜群の乗り心地。ただそうは言ってもトヨタらしいのは、その乗り心地に味のようなモノが感じられない点。無味無臭過ぎて、車好きには逆にピンと来ない人も居そうです。デザインはクラウンの安い奴っぽくもあり、若干レクサス風でもある絶妙な落とし所。先代よりは遙かに良いけど、やっぱり最初の車検までに乗り換えたくなる感じで、営業面からも完璧? | ||||||
スカイライン |
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今回父親が一押しな車です。また話が前後しますが、下のブルーバードに試乗に行った際に、そのたたずまいとフル装備なのに中古車価格が安いと言う事に、見事にノックアウトされた形です。ところが試乗車検索をして出て来たのがまたもや、予算オーバーな3.7L。なんか町中で運転していると手に余る感じです。渋滞中前が中途半端に開いたら、アクセル踏んですぐブレーキな感じ。アクセルの踏みごたえも含めて、力が有りすぎる感じでした。 | ||||||
スカイライン |
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やっぱり2.5Lにキチンと乗っておかないと判断出来ないと言うことで、中古車でも試乗をさせてくれるところを検索(試乗時の事故などの問題が有るのは解りますけど、中古車は1台1台の個体差が有るのだから、試乗できない方がおかしいです)。3.7Lほどの過剰な感じは無く、これなら抵抗無く運転できそうに思えましたが、それと引き替えに3.7Lに有った特別感も消えてしまい、普通の車に思えてしまいました。デザインは国産車の中ではエグくて主張が有って好きな方なんですけど、色がつまんなくてガッカリです。白黒銀、ガンメタ、紺、ワインレッド。スポーツカーは濃い色って固定観念が強すぎです。せめて1色ぐらいメーカーからの挑戦状な色があっても良いと思うんですけど。 | ||||||
ブルーバードシルフィ |
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先代は欧州パルサーベースのやっつけ高品質車でしたが、今度はキチンと開発した5ナンバー高品質サルーンで、発表当時から好感を持ってました。特に内装デザイン、イスの掛け心地などに、ルノーの影響を感じ、プレミオの脂ぎった雰囲気とは違う良さに引かれてました。これで乗り心地が少しでもフランス車方面だったら言う事無かったのですが、乗ってみたら路面状況が伝わりすぎる例の日産車な感じで、なんとも残念な感じでした。 | ||||||
VWゴルフヴァリアント |
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いつかはVWも乗っとかないと駄目だ。と言うわけで毎回候補には入るのですが、今回はジェッタの高年式中古が予算の範囲内。ところが既にモデル末期のジェッタの試乗車はどこにも無く、車体を共有しホイールベースも同じなゴルフヴァリアントを試乗。ただこちらスポーツラインと言う事で、固めな足回り。我が家のふなふな基準には全くはまらず、早々に脱落しました。 | ||||||
プジョー207SW |
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シトロエンに乗ったのならプジョーにも行っておけと(販売店は隣り合わせですし)、C3の兄弟車207に試乗。C3の後席が狭いことが不満だった父親に配慮して、ルーフが延びて室内空間の広いワゴンのSWを選択。乗り心地はDS3と似た感じで、しなやかだけど若干コトコトする。ただ乗っていて全然不快ではないのはさすがフランス車の乗り味、我が家の趣向と有っています。ただ207の欠点は、206から始まり一世を風靡した吊り目のプジョー顔がいささか飽きてきて古臭く見える点。それと、親会社が同じ中での棲み分けとして必要なんでしょうけど、シトロエンに比べてスポーティーな演出をする為か、内装などやたら黒とアルミ調で、これまた古臭く感じました。 | ||||||
ボルボS40 |
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ジェッタが候補に入って居たのでその対抗として、同じく高年式中古が予算内なS40にも試乗。マイチェン後のS40は価格帯を下げる為に(当然の判断。今まで日本のボルボは高過ぎでしたから)エンジンが2.0Lになり、室内の雰囲気もベーシックな方に格下げされています。マイチェン前は排気量2.4Lで室内の感じも高品質。理想はこの雰囲気でマイチェン後の価格なんですけどね。外観デザインはクーペ風デザインに転換後のボルボセダンの中で一番好きです。凝縮感がボルボの堅牢なイメージとも合うと思いますし。乗り心地もそんな堅牢な感じが表現されていて、ゴルフよりはマシだけど若干コツコツする感じです。フローティングインパネは色々なタイプが選べますけど、アルミパネルより、北欧らしい木目に統一しちゃった方が良いと思います。 | ||||||
ボルボC30 |
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こちらも発表当時から気に入っていたデザイン。DS3の対抗というのも変ですけど、クーペが視界に入ってきた母親含めて、デザインでは家族全員が気に入った唯一の車です。やはりクーペなのでS40よりは固めな乗り心地。ただC3とDS3の関係と同じく、S40と比べるとルーフが後ろまで延びているので、収まってしまえばC30の方が後席頭上は広く感じます。個人的に今一なのは、タイヤ周りにゴムと言うかプラッチックの縁取りが有る点。あれは無い方がすっきりして良いと思うんですけど。 | ||||||
アテンザスポーツ |
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父親が価格帯なりのサイズの車に乗りたそうだったので(250万円でコンパクトカーとかは納得行かない感じ?)、ガワのデカさには自信の有りそうなアテンザも候補に入れました。筆者が希望したのは過剰なスポーツ感の有る5ドアではなく、デザイン的にもクリーンにまとまっているセダンでしたが、試乗車の都合で5ドアのスポーツとなりました。上記点数はそんなに高くないですが、もの凄く普通に良い車でした。乗り心地も良路でフラット、道が悪くなると多少ドタバタしますけど、価格帯を考えると充分です。昔みたいにこのクラスの(コロナブルーバードギャランカペラ)セダンが販売の中心なら、それなりに需要の有る車だったと思います。なんつーかシャキッとして目の前がクリヤーな車です。 |
と言うわけで、計14台の試乗となりました。対応して頂いたセールスの皆さんありがとうございました。総合点で判断すると、22点でC3とスカイラインの3.7Lになりますが、スカイラインは予算オーバーですので、やはり本命通りC3が購入候補筆頭な感じです。ただ250万円も出してコンパクトカー?な父親がどういう判断をするのか?はたまた現在のC5を修理してあと2年乗るのか?結末は、引き続き当HPをご覧になっていて下さい。