過去の東野プロレス的
毒有りTVプロレス観戦記

すんごい文章量になったので字をかなり小さくしてみた。
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1998年


新日、TV朝日土曜深夜(6/22記)

 先週に引き続き、新日には珍しく見応えのある試合があった(ちなみに先週は天龍&越中対小島&中西)。その試合はスーパージュニアの決勝戦、ドクトル・ワグナー・ジュニア対金本浩二の一戦だ。何と言ってもドクトル・ワグナー・ジュニアの健闘が光る。胸板の厚さや白覆面で、現代に蘇ったデストロイヤーと言った感じだが、技の多彩さ、組立てはさすがメヒコのレスラーは奥が深いと言った感じだ。金本に返されても返されても技が出てくるので、試合がなかなか終わらず非常に堪能できた。やはりプロレスは、「おっこんな技を!」と言う驚きと、それを喰らっても「まだ返すのか!」と言う驚きの繰り返しが、試合を盛り上げて行くと思うので、新日のヘビーのレスラーも見習って欲しいと思う。新日は明らかに、ジュニアの方がよく勉強もしているし、一試合一試合にかける情熱が熱いと思う。で、結果としては金本が勝っちゃうのだが(まぁあんだけドクトル・ワグナー・ジュニアが押しっぱなしだと、技が無くなって金本が勝つというのは想像がつくが)、その勝ち方も耐えに耐えて、一瞬の返し技!と言うような安っぽい物でなくて好感が持てた。後頭部から背中にかけてのキックの連打からムーンサルトと言うのは、ドクトル・ワグナー・ジュニアのフラフラさからも非常に説得力のある決まり方だった(ムーンサルトを喰らうときのドクトル・ワグナー・ジュニアの体が、仰向けでなく横になってたあたりが)。私としてはドクトル・ワグナー・ジュニアに勝って欲しかったので、ダビングはしなかったが本当に良い一戦だった。

 他はいつもの新日。安田なんて藤波のカットに入っただけしかTVに写ってないし・・・TV朝日は1時間も枠があるのにあぐらをかいて、バカアナウンサーのコメントが長すぎ。特に辻の、今の新日の流れは俺が動かしてる的勘違いが、うっとうしい(長州本出してから特に増長気味)。あっそういえば、藤原頑張ってました。勝つかなぁーって思ってたけど、相変わらずバカ正直に打撃系受けすぎ。今の新日のレフリーなら止めるよ。そりゃ。まぁフライは強い存在にしとかなきゃいけないので、外様の藤原にそう易々と勝たせてはくれないか。


新日、TV朝日土曜深夜(6/28記)

 いやぁーやれば出来るじゃん新日。3週連続で見応えのある中継で私は嬉しい。今週は2大タイトルマッチの中継だったが、まずIWGPタッグ。WARが崩壊しフリーになって新日に来た天龍は、全日で天龍革命を起こしていた頃の輝きを取り戻しつつある。体はぶよぶよで気持ち悪いが、あのデカさと気迫は、今のレスラーにはあまり感じられない物なので貴重である。189センチの天龍があれだけデカく見えるのだから、蝶野が188センチというのは眉唾ものだ。思えば昭和世代は日本人レスラーもデカかった。190センチを越えるレスラーが鶴田、坂口、カーン、上田、戸口、前田とたくさんいたし、みんな化け物のように頑丈だった。公表185センチのレスラーが多い昨今とは、比べ物にならないだろう。これも小さいレスラーが多い、新日が日本の主流となってしまったためだと思うが、プロレスと言うからにはやはり見たこともないデカさの人間同士の戦いが見たいものである。

 話が脱線してしまったので戻すが、IWGPタッグは天龍&越中対蝶野&天山の戦いとなった。この試合は外様天龍の頑張りにより、蝶野と天山の二人がいつも以上のプロレスを繰り広げていて面白かった。平成の新日レスラー達は、「こんな技見せときゃ良いんだろ」的試合が多くて、全然意表もつかれず、興奮もしない試合が多いのだが、今の全日の主流となった、「こんな技喰らってもまだ返すか」的プロレスの源流となる天龍が、レスラー生命の危機とばかりに張り切ってるため、新日にも天龍革命を起こしかけているかもしれない。新日のレスラーは身体能力も高く、練習もどの団体より厳しくやってるはずなのに、試合になると「この技とあの技やったから、ラリアットやってフォール」と言うような気の抜けた、楽な試合をする傾向にあるが(ジュニアと無我除く)やれば出来るのである。

 長州のラリアットバカ一代のせいで、おかしな方向を向いてしまったが、元々は死ぬか生きるか毎日が戦いのストロングプロレスだったわけで、今、全日で行われているようなお互いの技量がわかった者達による、熱く果てしない戦いのロマンこそが新日だったはずである。お互いの技量がわかっているために、相手の技を返すことも増え、相手に返されないために又新しい技を開発する。それが面白いプロレスだと思う。そんな意味で、外様の天龍に触発されてと言うのが少し情けないが、必殺技を喰らっても、まだ返す。というプロレスが、天山のようなとかく楽しがちな、若い世代にも出来たことがこの試合の最大の収穫であったと思う(蝶野は元々旨いからどんなプロレスでも出来るが)。ただ惜しむらくは、ケリのつき方が弱い者同士だったのが悔やまれる。

 メインのIWGPシングルは藤波対橋本だったが、こちらも良い試合だった。上が何となくいなくなってしまった全日に対して、こちらも何となくいなくなりかけていたのに、あえて世代交代の波を受け止めようとしている藤波は、やはり良いレスラーだ。エライ。体力的体格的には、圧倒的に不利な藤波だが、橋本の蹴り、チョップを受けきっていた。ジュニアから上がってきた小さい藤波には、昔からつらい試合が多いが、それでも相手の技をよけずに受ける辺りが非常に凄いレスラーだと思う。受けて受けて又受けて、最後の最後に必殺スリーパーという展開は師匠猪木を髣髴させる戦いで、ニヤリとさせる試合だったが、あらためて昭和世代の懐の深さを感じさせた。晩年の長州の試合を昭和のレスリングと勘違いしている、平成の世代のレスラー達は、藤波や天龍を本気にさせて、その奥深さを学んで欲しいものだ。


全日、日本テレビ日曜深夜(6/29記)

 今週は武道館大会の残り物で、ファミリー軍団と悪役商会の試合と井上&大森対ウィリアムス&ウルフの2試合だった。おもしろプロレスは、いつも通りの内容だったので取り立てて書くことはないが(相変わらず声はよく出てたが)、ウィリアムスの全日最後の試合は、色々見るべき点があったので記したい。

 まず日本側はニセ武藤とニセ中西のコンビだったのだが、ニセ中西こと井上雅央は本当に良いレスラーになってきた。体がそんなに大きくないので、本家中西の方が強そうに見えるが、頭の無い中西にはあそこまで客をわかすレスリングは出来まい。本当に天は二物を与えずって感じだ(どちらにも)。井上といえばメインのセコンドにつかせると、大技が出た時にリング下で、必ずやばそうな顔をして技の効果を最大限に客に伝える(特に週プロの写真など)いい役目をしているのだが、この試合でもそんな彼の持ち味が発揮されていた。一つ目は場外のウィリアムスに、調子に乗ってストンピングをくれてる時、突如いいパンチを貰って吹っ飛んだのだが、この顔が良かった。「俺は寸止めストンピングなのに、何すんのー?」という表情が、ウィリアムスのヤバさというか、おかしさを最大限に引き出していた。そしてフィニッシュでもウィリアムスに完璧にバックドロップを喰らってフォールをされるのだが、この時の喰らいっぷりが本当に素晴らしい。あんだけ素直に垂直に落とされていて、怪我がないのだからやはり旨いレスラーなのであろう。美しかった。で、それだけだとやられ役専門のレスラーみたいだが、あのウィリアムスを抱え上げてのバックブリーカーや、急角度でのパワースラムなど、見せるべき所では見せているのだから本当にいいレスラーだ。対してニセ武藤から脱却しようとしている大森や、ウルフは相変わらずしょっぱい。無いだろうけど、この二人のシングルなんて怖くて見れないなぁ。ウルフの興奮してのタコ踊りも、もうちょっと客の雰囲気を見て出せないものか?後はウィリアムスが全日に戻ってきた時に、ふぬけになってないことを祈る。

 放送の最後に、三冠戦で小橋に挑む秋山のコメントがあったようだが、秋山も大森と一緒でいまいち君だと思うので、見なかった。全日は秋山を無理して抜擢しすぎだと思う。そりゃみんな四天王の戦いには飽きてきているかもしれないが、秋山は違うだろ・・・願わくばジョニー・エースのようないい意味での裏切りを期待する。 


新日、TV朝日土曜深夜(7/5記)

 3週連続で良い試合内容だったが、今週はいつも通りの驚き、興奮の無い新日に戻っていた。必殺技喰らったら、カットも返しもなく決まると言う、あれである(いや、必殺技なんだから決まっても良いんだけどね)。更に中継する本数を増やすためか、前半カットの試合が多いのがその印象を強める原因となっていた。全日みたいに30分じゃないのだから、もうちょっと試合全体の流れを見せてもらいたいものだ。前にも言ったがTV朝日の局アナのコメントはいらないと思う。局アナのコメントやるぐらいなら、入場シーンでもやってもらったほうが良い。更に局アナの話題で申し訳ないが、TV朝日が最近のプロレス中継で押している真鍋アナなんだが、実況に変なクセというか個性が出てきて耳障りである。昔はしっかりした落ち着きのある実況だったのに、最近は技の名を言うときに、変なアクセントで伸ばし言いっ放すのである。注意して聞いて貰うとすぐわかると思うのだが、古館という偉大なスターアナウンサーを生みだしているせいか、TV朝日の中継はアナウンサーにまで、個性を持たして前に出しすぎだと思う。実況に装飾は必要ない。

 で、どうってこと無い中継で気づいた点を記しとこうと思うが、まずスキンヘッドにしたノートン。マサさんは似合わないと言っていたが、私はこの方がいいと思う。ノートンは、まさに今の新日を代表するようなラリアットバカ一代、パワーのみの不器用なレスラーだが、スキンヘッドにしたことによって、ニキタ・コルフとかのアメリカ系ロシアレスラーのクレバーな感じが出てきて賢そうに見える(見えるだけだが・・)。あと安田の体つきは、どんどん格好良くなっていくな。相撲取り出身のレスラーで、あそこまで逆三角形の体型になったレスラーは珍しいと思う(まぁ格好だけで相変わらずよろよろしてるが)。今週はそんなところかなぁ?あっ最後に一つ。ライガーはどうせ安全式で落とすのなら、直下式のブレインバスターをやらないで欲しい。あれをするとせっかく背面砕きから、正当な地位を取り戻しつつあるブレインバスターを、また只のつなぎ技に戻してしまうことになると思うので、本当に一考して貰いたい。直下式ブレインバスターは、本当の大一番にしっかり受け身の取れる奴にだけ使うような大技であって欲しい。つなぎで客をわかす為だけに使うのなら、普通のや高速ブレンバスターでよかろう。


全日、日本テレビ日曜深夜(7/7記)

 今週の放送は秋山中心の内容だったせいか、あまりパッとしない中継で物足りなさを感じた。只、番組の構成としては、懐かしのフィルムでタイガーマスク=三沢をやり、その三沢の骨折した膝を攻める秋山を取り上げ、更に足を負傷している小橋との三冠戦へのあおり、そして秋山&本田対オブライト&高山の試合と完璧な流れで、さすが30分をうまく使う日テレちゃんだなと思わせた。冒頭にも書いたが惜しむらくは、その構成に試合内容がついてきてないのが悔やまれる。それにしても日テレちゃんと全日はそんなに秋山をあおっておいて大丈夫なのだろうか、いくら三沢が欠場中とはいえ、その代役を担えるほどのレスラーとは思えないのだが・・・で、今週の放送のもう一人の主役が高山なのだが、高山も今週は不完全燃焼という感じ。まず一試合目の秋山戦では、「秋山相手なんかじゃ俺は燃えないんだよ」とでも言いたげなだらだらした戦いで、高山の持ち味でもある化け物っぽさが全然出ず、二試合めも、6人タッグだったせいか川田ともあまりうまく絡めず、あっけなく試合が終わってしまい面白くなかった。全日は噂されているように早く高山を正式入団させて、鶴田やアンドレ、前田のような化け物レスラーに仕立て上げるべきだと思う。でかい奴はみんなで大事に育てよう。北尾以来の大型日本人なのだから、今度は失敗しないようにせねば・・・

 その他気になった点。冒頭のタイガーマスクのマスク剥ぎ事件だが、対戦相手が谷津&冬木だったのにはびっくりした。更に解説がカブキ。日テレちゃんもよく放送したもんだ。それに冬木の細さにも目を奪われる。記憶という物は曖昧になっていくのだと感じさせるフィルムだった。後は本田多聞かな、新日の安田がどんどん格好良くなっていくのに対して、多聞はどんどん気持ち悪くなっていく。ぶよぶよした体、不潔そうな長髪、抜けるような白い肌。と、かぎりなくオバハンになろうと努力しているが(笑)、そんな本人の努力とは別にターザン山本!と声がかかる日も近いであろう。


新日、TV朝日土曜深夜(7/14記)

 うーん今週もいまいちだったかなー。新日っていう団体は昔から興行を試合内容よりストーリー展開で持って行きたがる団体だったのだが、最近はより一層そういう雰囲気でちょっとなぁと思う。TPGによるベイダー、ガスパーズの尻すぼみ、辺りで意図的なストーリーづくりの失敗に気づき、しばらくなりを潜めていたのだが(と言ってもブロンドアウトローズや平成維新軍等はあったが)、策士蝶野によるNWOが当たってからは、また復活の兆しである。

 今週の中継も事柄を追っかけるのに精一杯で、全然試合内容が面白くなかった。天山のマイクアピールを入れたいが為の第1試合など3分もなかった。しかもそのアピールが「藤波!今ここでタイトルマッチやってやるぞエー」というおよそ実現しそうもないことを言い、何か場内も失笑気味で、精一杯役作ってるのに気の弱さがでてるって感じで可哀想だったし。おまけにヘビーならヘビーの流れで番組作ればいいのに、あいだにカシンがごちゃごちゃやってるジュニアまで入れるもんで、本当に何がなんだかわからなくなっている。あんな中継ではストーリーの流れすらも視聴者は掴みきれないと思う。で、ただ展開をおってストーリーを見せるだけなら、プロレス雑誌を見てれば良いわけで、そちらの方が裏情報なども細かく乗っていて、ますますTV視聴率は落ちていくと思う。TVにはTVの良さがあるのだから、それをいかす中継をしてほしい。 昔は生だったから途中で切れることもあったが、クライマッマスだけでなく前半の寝技の攻防とかも見れて、プロレスのことがよく勉強できたものだ。新日のファンは飽きっぽくて浅いと言われるが、本当に良いファン育たないぞこのままじゃ。

 じゃあ今週気づいた点を何点か、まず健介のリポートの際には訳のわからんことを言って、辻をいらつかせていた真鍋アナだが、今週も暴走気味で聞きづらかった。あげく0コンミャ1秒だもんなー(失笑)。

 ヒロ斉藤のセントーンは良いねぇ。ハンセンのラリアット、マードックのリングサイドでのエルボーとまでは行かなくても、会場に来たファンはあれだけで納得するよ。最近のラリアットバカ一代のレスラーの中では貴重だねオリジナルな技があるってのは。

 おまけ。天山の後ろ髪すく仕草が、なんか指が立っていてオカマっぽくて嫌なんだが気にならないか?


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(7/21記)

 今週は世界タッグ戦がメインだったが、いまいちかみ合って無く、テレビ的にはモタモタした印象だった。これが結構問題で、生で見るのとテレビで見るのの温度差ってのは結構あるもんだ。この試合もきっと生で見てれば、190センチクラスの人間がガンガン蹴りあってるのだから凄い迫力に見えるはずなのだが、テレビのフレームの中では今一歩その迫力が伝わってなかったと思う。とにかく早いうちの高山の全日正式入団を望む。

 で、悲しいかな今週の一番の収穫は王道リスペクトだろう。全盛期の鶴田対長州。フルタイムドロー。二人とも素晴らしい体の張りだった、近年のラリアットバカ一代の長州には無い、ナチュラルな体のしなりと言うか柔らかさが美しかった。あぁこれなんだ俺の好きだった長州は、って感じ。鶴田のバックドロップも完璧。それどころか当時はつなぎ技にしか思えなかった、逆エビ固めも実に重厚感のある掛かりで、今更ながら鶴田ってレスラーの凄さを再確認した。逆エビのままドローを迎えた後の俺の勝ちだと言わんかばかりの「オー」も実に自然で心地良かった。ほんの十年前にはこんなに凄い試合が、テレビで見れてたなんて今思えば凄い時代だったんだなぁとつくづく思う。試合内容は良くても、やっぱり今のレスラーにはオーラが足りないよなぁ。

 もう一試合は秋山小橋がらみの、三冠戦前哨戦タッグだったのだが、いまいちしょっぱい秋山に一筋の光明が射してきたと思う。それはナチュラルヒールへの道だ。この試合で秋山は小橋の痛んだヒザをとにかく攻めまくったのだが、これが良い。キャラクター的に弱い上に、ルックス的にも中途半端な彼が歩むべき道は、相手の嫌がるところを徹底的に攻め、観客にブーイングを浴びることを快感と感じてるようなヒールが似合うと思う。そうすれば試合展開などもあまり考えずにすむ上に、なんだったら年を経るごとに、上手いレスラーなんて呼ばれるようになれると思う。ただ、ここで問題なのはあくまでも目指すべきなのはナチュラルヒールであると言うことだ。黒装束に凶器なんて言ういわゆるヒールは頭を使わなくてはいけないので、向いていない。全日の四天王はどれもベビーフェイスで、それぞれ観客に好かれているので、秋山というしょっぱいレスラーが成り上がって行くには、観客に嫌われるレスラーというのも良い味ではないだろうか?

 最後に、常時「三冠前哨戦」とか「世界タッグ」とか字幕出しとくのは、うっとうしいので止めていただきたい。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(7/27記)

 今週も次から次へと見た目は盛りだくさんの新日中継であった。その中では、ジュニアとじじいがらみの試合がやはり面白かった。ジュニアは相変わらず、技の当たりと切れが素晴らしい。何か技が、スパッと入りスパッと決まる。同じようなメンバーで日々対戦し、みんなのレベルが同じだけ高まってきているから、こういうプロレスが出来るのだと思う。本当に新日のヘビーの連中は、ジュニアのセコンドにでもついて見習って欲しいものだ。

 で、じじいがらみの2戦だが、やっぱり天龍が入ると新日の試合と言えどしまってくる。悲しいかな世間的には終わったレスラーと思われ(世代的にも最近の対戦相手的にも)、私も終わったレスラーだと思っていたが、新日に来て良い晩年の輝きを放っていると思う。この世代のレスラーは、みんな早々と消えていく道を選んでいるが、それは自分たちが馬場猪木と言う世代を越そうとして越せなくて、上がつまっている状況に辟易していたトラウマから来ているのだと思う。だが天龍はあえてぶよぶよになった体をさらけ出して、技も打撃系だけになりつつも次の世代への壁になろうとしている。病気リタイアの鶴田、権力に魅力を感じた長州、長州との主流派争いに敗れた藤波、戦うモチベーションを保てなくなった前田。みんな壁になることを拒否し潔く後輩に道を譲っているように見える。だが格闘家というのがそれで良いのだろうか?格好悪い姿はさらしたくない。弱くなったら辞める。それは違うのではないのだろうか?体力が落ちたら、知力でカバーをしそれでもダメになったら無様に負ける。そして師匠を倒してしまった悲しみ驚きに、弟子が震える。そんな世代交代を私は見てみたい。この先天龍がいつまで新日にあがるかわからない。また、天龍もさっさと辞めてしまうかもしれない。だが、橋本と天龍のしつこいまでのチョップ合戦には、天龍の格闘家としての生き様を垣間見た気がし、天龍否定派だった私でも嬉しかった。

 藤波対天山のIWGPは、藤波が良い感じで天山の持ち味を出してやっていて、良い試合内容になっていた。ただ、あくまで藤波が上手いだけで、天山というレスラー自体は、時代の波に乗っているだけのレスラーであまり魅力を感じない(時代の波に乗るセンスというのも大切なのだが)。今の新日のファンは天山とか小島とかを格好良いと思い、ファンになるのだろうが、どうしてこうも当たり前に作られたイメージのレスラーに魅力を感じるのかがわからない。いつも同じ技いつも同じ発言、そんな予定調和のレスラーのどこに魅力を感じるのだろう?やはり格闘技を見に来ていると言うより、演劇の役者を見に来ているという意識の方が強いのだろうか?こんな程度がプロレスだと思われ、さっさと飽きられ、「俺は昔プロレス好きだったんだぜ」なんてどこかで言われてるかと思うとゾッとする。大丈夫か長州?大丈夫か新日?大丈夫かテレ朝?それとも俺がずれてるのか?


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(7/28記)

 三冠戦。小橋対秋山。秋山はもうそりゃ徹底的にヒザ攻めをして、ナチュラルヒールへの道まっしぐら。まぁそれを嫌がりもせず受け止める小橋のデカさがあっての物だが。

 やっぱり全日は良い。大一番の試合には必ず驚きの技が出る。今回で言えば秋山のエプロンからのドラゴンスクリューがそうである。また、そういった驚きの技が出たときの客の反応が非常に良い。これは相当試合をのめり込んで見ていて、感情移入しているからの反応だと思うが、新日の試合ではこうはいかないと思う。新日では試合前にリングアナ=ケロが「冷やかしのヤジを禁止します、見つけ次第退場して貰います」なんて言論統制をするが、そもそもそんなヤジが出るって事は、客がしょぼいプロレスに飽きて集中していないから出るのであって、ちゃんと良い試合をしていれば、そんなヤジは出ない物だと思う。現にこの三冠戦では、リングサイドの客の「立ってくれ小橋!」なんて言う、ものすごく感情移入された声も聞こえた。これなんぞ、いつも同じ技を同じタイミングに出して予定調和で沸かす新日の試合では、なかなか聞けない声である。新日が勘違いしているのは、確かに昔のレスラーには、この技を見せておけば観客が納得する技という物があった。ハンセンのラリアット、マードックのブレインバスター、ブッチャーのエルボー・・・ただ観客が納得するのは、そういった技を使って築き上げてこられた伝説を知っているからであって、最初っから大した試合もしてないのに「はい俺の必殺技はこれです。これ見たから満足でしょ」では何度も言うが良い客は育たない。必殺技というのは、揉まれて揉まれて苦労して身に付いた物だから、格好良く決まるのであって、今日からこれ使う!ではダメなのだ。良い例が、この日のフィニッシュに使われた小橋のラリアットだが、これはもう素晴らしい切れ味だった。誰もが納得する終わり方。あんだけヒザを攻められていた小橋が唯一勝つために出せた技が、ハンセンゆずりのラリアットと言うのも良いドラマになっている。長州がハンセンのラリアットを何度も喰らって身につけたのと同じく、小橋もハンセンとの幾度との戦いの中でラリアットという技に目覚めていくのだが、あの腕の太さといい、しっかりノドに入る命中率といい本当に本家に迫りつつある。また長州がラリアットの命中率の悪さを乱発することによってカバーしてたのに対して、小橋のそれは本家の一撃必殺というイメージまでも忠実に受け継ぎつつあり(と言っても小橋も複数発出すが)長州を超えるラリアットの使い手となる日も近いと思われる。最後に、新日はラリアットの使い手花盛りだが、やはりハンセンのラリアットを喰らっていないと言うハンデはどうしようもなく、相手の胸やアゴにばかり当たるしょぼいレスラーが多いい。特に日本一のラリアット使いを自称する小島の「言ったもん勝ち」的態度には、本当に腹立たしさを通り越して虚しさを感じる。新日の会場で5発に1発ぐらいしか入らないラリアットを見ている暇があったら、テレビで小橋を見よ!


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/3記)

 今週は、メインの天龍&越中対蝶野&天山組のIWGPタッグタイトルマッチに絞って書きたいと思う。結果として天越タッグがタイトル奪取に成功したのだが、その決着の仕方は、両者ともヘロヘロになるまで戦っての新日には珍しい消耗戦で決していた。私が前から訴えてきたように、タイトルマッチぐらい立ち上がれなくなるまで、戦って欲しいと言うことを実践してくれたのだが、いまいち感動が伝わってこないのだ。それは私が新日に手厳しい見方をしているからとかでは無くって、TV朝日の中継の仕方に問題があるのだ。勝負時間は25分ぐらいであった、つまり全日ならともかく、新日の中継なら入場から勝利者インタビューまで問題なく入る時間である。なのにこのバカ放送局は、前半をカットしているのである。この試合のキーとしては、蝶野が前半からあまり体のキレが良くないうえに、ヒザを負傷したというのがあるのだが、このあたりの描写が前半をカットしているためあまり伝わってこないのだ。そりゃ、ヤクザキックで膝を痛めたかのようなシーンは映像として入っていたが、全体の流れとして、蝶野が何であんなにヘロヘロなのかが全然わからない放送になっていたのだ。そのため、フィニッシュで両チームヘロヘロになっていることに、素直な感動がわきにくい放送となってしまっていて非常に残念だった。たぶん会場で見ていた人たちは、大感動大満足で帰宅していったであろう。だが、テレビの前の視聴者は置き去りである。本当にテレビ朝日は、アナウンサーのコメントなどに時間を割いている暇があったら、試合を放送されたし。いつも言ってるが良い客が育たない、あれでは。

 と、TV朝日への注文ばかり書いたが、新日にも一言。良い試合であったが、やはり天龍という外様が入っての試合だった。個人的には他団体の選手無しで、これぐらいのハードな戦いをして欲しいものだ。

 おまけ、ヒールのくせに観客から同情のコールが起こる蝶野人気ってのも凄いものだ。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(8/3記)

 まず垣原対小橋。やっぱり垣原は小さい。いくら蹴っても蹴っても、あれでは勝てないだろう。一時UWF最強を信じてたものとしては、少し悲しい映像であった。UWFの考えとしては、どんなにでかい奴と戦っても、正しい位置にキックを入れればノックアウトできるし、間接技が決まれば一瞬にして、ギブアップをとれるという話だったが、プロレス相手に戦うときは遠慮をしているのか(今思うとUインターとかもそうだったが)、元々その程度の物なのかはわからないが、キックは胸板や太股にしか入れないし、間接技もしっかり決まるのを見たことがない。おまけに投げ技に対する受けが良くないときたら、どう考えても180そこそこのサイズではかなわないであろう。前高山が強かったのも、みんな185以上あったって言うのが要因であって、それだったらUスタイルでなくても素晴らしいレスラーになっていたんじゃないだろうか?逆に言えば、180無い、垣原や船木、鈴木達はいくら節制してもダメなんじゃないだろうか?そういう意味で、他団体と交わらない(?)姿勢のバンクラスと言うのは正解であろう。贅肉をいくら落として、キレを良くしても相手の技を喰らったら負けてしまうのだから、階級のない試合では、でかくて動ける奴にはかなわないだろう。そういう意味で、柔らかい体を持ち、鍛えられた筋肉の上に適度の肉が付きスタミナもあった、全盛期の鶴田や前田は本当に強かったであろう。

 次に馳組対川田組の試合だが、やっぱり馳はうまい。プロレスラーである。どんな試合でも面白く盛り上がる試合展開に出来る馳は天才である。何で新日は彼を切ってしまったのだろう?本当にもったいない。今の新日には正規軍でここまでプロレスを組み立てれる人は居ない。だからNWOの蝶野にみんなおいしいところを持って行かれるのである。橋本も、健介も自分のことでいっぱいいっぱいなんだもんなぁ。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/10記)

 G1クライマックストーナメント1回戦。どの試合も10分経過のケロのコールを合図にフィニッシュに入っていくのだが、それを更にダイジェストにしちゃってるので、どの試合も少々物足りない映像になっている。その中で光っていたのが、西村の格好良さ。西村のプロレスはいわゆる昭和のプロレスで今の目で見ると古くさいのかもしれないが、コブラから卍への移行やヒップアタックをドロップキックで迎撃するさまなどは本当に格好良い。やはりストロングスタイルの香りって言うのは良いもんだ。惜しむらくはキャリアの浅さからか、強さに結びついてないって事であろうか?悪く言えば善戦マン。とにかくこういうプロレスを新日の今のファン達が新しいと感じてくれるのを望む。で、この試合の延長線上にあったのが山崎対藤波戦だ。両者とも相手の弱点を集中的に攻め、お互いにそれを耐えきろうとする。まさにストロングスタイル。なんかUWFと業務提携をしていた頃を思い出す戦いだった。山ちゃんも久々に真面目に蹴ってるようだったし。何よりフィニッシュ後に自然にわき上がってきた山崎コールが、この試合のレベルの高さを物語っている。この日の試合で会場が一番わいていた。新日のファンもこういう予定調和じゃない試合が好きなんじゃん。ちょっと安心。でもやってるのは新日本体でない、藤波と山崎・・・

 それと関連する話題としては、今の新日の主流派と思われている人間には、本当にプロレスを組み立てれるレスラーが居ない。今日の試合でも試合を面白くしていたのは、後藤だったり小原だったりである。特に後藤のプロレスラーぶりは見事で、憎々しいヒールとしてのキャラクター、バックドロップの切れ味、自分のやりたいことがすんだ後はスッキリ負ける。もう完璧である。本当は試合の組立なんてのは、エースというか主流派が自分の好きなように組み立てるものなのに、今の新日本体のしょっぱいレスラーにはそれが出来るものが少ない。だから、たまにシングルでこの辺の主流じゃないプロレスラーと試合をやると、いつもと違う思いの外面白い試合になったりするのである。ラリアットとマイクだけじゃダメなんだよ。それは、試合の組立というかシリーズの組立の上手いNWO蝶野に、1年の流れを牛耳られている現状でわかるだろう。

 最後におまけとして、久々にNWO流の楽なプロレスをせずに、大汗をかくような熱戦を天龍と繰り広げた武藤だが、大汗の弊害として試合中の姿がなんともケンドーナガサキに見えて仕方が無かった。着々と進行しつつある。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(8/11記)

 うーんなんか今週はいまいちの全日であった。田上&川田対高山&垣原の試合は、高山の出番が少なかったのでちょっと盛り上がりに欠けた。先週垣原は小さいのでいくら蹴ってもダメだと書いたが、今週はそれにもめげず蹴りまくっていたのだが、結局簡単にやられちゃってダメな印象を拭い去るほどではなかった。ただ、蹴りを喰らう直前に田上が緊張していたのを見ると、全日勢にとってはやはりキックは驚異なのかなとも思う。ただ、いまだに胸板キックや太股キックばかりなので「すいませーん仲間に入れてくださーい」的遠慮が感じられて、UWFと言えどもこのあたりの選手だとプロレスラーなんだなと感じる。

 メインのジュニア王者決定戦も、なんか噛み合ってないのか、全日のレベルが低いのかピンとこなかった。全般的に全日のジュニアの選手は、ヘビー級と戦うときの方が輝いてると思う。大きな選手に立ち向かっていくときは、捨て身の大技とかを放たないと効かないからだと思うが、ジュニア同士でやっているときはそれらの技はなりを潜め、地味ーな展開になりがちだと思う。それもこれも渕長期政権の影響だろうか(いや淵がダメってわけでなく)?試合後のインタビューで小川が語っていたが、本当に誰の挑戦でも受けて(たぶんこの辺りはインディーのレスラーをさしてるのだと思うが)、新日がライガーを中心にジュニア黄金期を築いたように、全日のジュニアも活性化する時期にきていると思う。その為にはまず小川と菊池の二枚看板がしっかりするべきだと思う。一時はこの二人とジジイしか居なかった全日ジュニアだが、最近は選手層も厚くなってきた。浅子、志賀、金丸の全日勢にみちのく勢、バトラーツ、外道とリーグ戦どころかトーナメントもできる人数だ。今がチャンスである。基本はヘビーとやるときの気迫でジュニアもやると言うことだ。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/17記)

 G1クライマックストーナメント2回戦。見所としては安田対小島戦であろうか。安田というとデカイし、大相撲出身の割に逆三角形の格好良い体を持っているという、恵まれた素材なのだが、おろおろしてて足下がおぼつかないという印象がある。だがこの試合の安田は良かった。何よりも気持ちが常に前を向いていたし、技がどんどん出ていた。いつもの安田は、自分の得意技を一つ出してしまえば満足するようなところがあるのだが、常にこれぐらい技を連発できるともっと試合も落ち着いてくると思う。何と言っても安田がおろおろしちゃうのは、次の技が出てこないのが主原因だと思うので、それが改善されればもっと良いレスラーになると思う。またはタッグパートナーに頭の切れるレスラーを得て、タッグ専門チームになるってのもいい手だと思う。(ただ今の新日に頭の切れるレスラーがどれほど居るかってのも問題だが)で、せっかくの安田人生最高の試合も、小島が勝っちゃって場内ちょっと退き気味だったのだが、この試合後の小島のコメントがまた寒くて本当に困ったものだ。(今時あんなアメリカンレスラーみたいなコメントだすかね?)今の新日ファンはこんな小島が格好良く見えたり、反抗の象徴に見えたりするのだろうか?

 他の試合では、山崎対佐々木戦での山崎のニールキックを健介がキャッチして、バックドロップに投げてしまうってのは格好良かった。ああいうところを見ると、健介のバカ力ってのは本当に凄いと思う。(ただそれだけだが・・・)


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(8/17記)

 なんか今週もダイジェスト的コマ切れ中継で、ちょっと違うかなって感じの全日中継だった。これからはこの路線で行くのだろうか?王道リスペクトや選手へのインタビューは良いとしても、同じ映像を毎週毎週流すのは止めて欲しい。ただでさえ少ない30分なのだからその分試合を中継して貰いたい。ラッシャー木村のマイクも会場に来た人だけの楽しみで良いのではないか?やっても年末特番に総集編で良いだろう。それより試合だ。(個人的にはパンチの頃からずーっと木村ファンなので嬉しいが・・)

 でそんな中から今週良かった点。ジョニー・スミスが良い。本当に、キッドとデイビーボーイに挟まれてたときには、ここまで良いレスラーになるとは思わなかった。キッドかデイビーボーイ、どちらかが居ないときの人数会わせだったのに、今では二人より有用なレスラーになってしまった。小さな体でヘッドハンターを投げる辺りで、本当にテクニックのあるレスラーだと言うことがわかると思う。メインでも小橋のラリアットを一度かわしておいて、観客を驚き沸かせておいてから、きれいに決められる。本当にプロフェッショナルレスラーだと思う。こういうレスラーが一杯居ると興行も楽だと思うのだが、メジャー団体には何故かあまり居なくなってしまったのが不思議だ。

 王道リスペクトでのロードウォーリアーズだが、この映像も実に貴重で「日テレちゃんありがとう!」って感じだ。ただ、中学生当時見たロードウォーリアーズはもっとでかかった印象があるが、下手すると鶴龍の方がでかくてちょっとびっくり。(プロレススターウォーズの悪影響か?)


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/24記)

 G1クライマックストーナメント準決勝&決勝戦。小島がらみの試合は予想通り何の面白みもなく橋本の勝利となった。この試合の目指そうとした意図は、鍛え上げた大男達の真正直なまでの肉弾戦。って所だと思うが、いかんせん小島に迫力が無さすぎる。橋本もそんなに大きなレスラーではないが、厚みと今まで築いて来た歴史が体を大きく見せている。しかし歴史も身長もない小島では、大男には見えないし、かといってブヨブヨの体では鍛え上げられたって印象にもほど遠い、本当に小島が準決勝に残っているということに今の新日長州政権のおかしさがある。試合的には橋本の受けと耐えの旨さで、そんなに破綻を来していないが、新日は本当に小島の扱いを考え直して欲しい。とかくインディーと混同されるのを嫌う新日だが、小島というレスラーは新日でもっともインディーに近い男だと思う。

 それとは正反対に、新日主流派とは全然関係のない二人、NWOの蝶野とU系の山崎の試合は素晴らしかった。本当に長州は考えて欲しい。ここのところの名試合はすべて、新日主流派ではないレスラーによって成り立っているということを。蝶野だったり、藤波、天龍のじじい達だったり、越中、山崎の外様だったり・・・いかに長州が目をかけているラリアットバカ一代達が、頼りないレスラーかがわかると思う。

 で試合の方だが、新日の試合には珍しい驚きと感動に満ちた試合だった。ここでゴチャゴチャ書くよりも、早く録画しているビデオを見られたしという感じだ。個人的には決勝よりこの山崎対蝶野戦の方がいい試合だと思う。

 最後に今週の中継は見せたい試合、テーマもはっきりしており、時間的にもゆとりがあり、入場シーンも良い感じに入り、久々に黄金期のプロレス中継を見ているような良い中継であった。やっぱり山ちゃんのテーマは燃える。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/1記)

 大阪ドーム大会3試合。まず、ドン・フライ対健介。途中でマサさんが「フライはアルティメットファイターなので、格闘家として究極だ」みたいなことを言ってたけど、それってプロレスラーが一番強いって言う、新日の基本線を否定することに何ないのか?でもこの試合を見ているとマサさんがそういうことをポロって言っちゃうのもわかる気がする。結果はフライの反則負けなんだが、そうするのが一番誰も傷つかない方法だったって感じ。新日本体No.2の健介がフライに負けるわけに行かないし、フライにしても余裕で勝てる健介相手に、フォール負けはしたくないだろうし。なんか20年ぐらい前のプロレスを見ている気がした(あのころは本当に両者リングアウトと反則負けが多かった)。で、そんなに新日としては大事にしてた健介なのに、その後永田が出しゃばったせいで、なんか永田の噛ませ犬みたいになっていて、しょっぱい上に同情までされて健介っていったい・・・

 2試合目は天龍対橋本J1タイトルマッチ、橋本の受け&耐えと天龍のガッツンガッツンのプロレスが上手く噛み合ってて見応えがあったのだが、なぜ14分の試合で前半10分カット?1時間で3試合しかないのに?おまけに局アナも「ようやく10分が経過しました。それにしても濃いい10分でしたねぇ」とまで言っているのに、その濃かった10分を何故カットするテレ朝!だったら局アナに最初に語らせるの止めろって。で、良い試合だったのだが橋本の試合後のコメントがちょっと・・・?とにかく天龍のことベタ誉めするのだが、全盛期を過ぎて、近年は格下の相手としか試合してなかった全日出身のレスラーそこまで誉めてちゃダメだろ?確かに新日に来てからの天龍の動きは良いけど、あんなジジイはさっさとやっつけるぐらいの勢いがなきゃダメじゃないのか?まぁベルトは天龍が持って帰る物だから、試合に負けるのはしょうがないにしても、試合後のコメントでまであんなに丁寧に負けを認めなくても・・・

 メインのIWGも割合良い試合だった。本当に新日本体の絡まない試合は、名勝負が多い。蝶野も藤波も上手くて、ストロングプロレスを堪能できた。最近蝶野がよく使う監獄固めだが、マサさんは全盛期を過ぎてたし、谷津はやる気がなかったしで、日の当たる技にならなかったが、田上が輪島スペシャルを必殺技にしたように、蝶野も監獄固めで名勝負を繰り広げて、必殺技にまで高めて欲しいものだ。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(9/1記)

 今週も相変わらず、ブツ切れモードの全日中継だったが、全日にしては久々にリングの上での勢力争いが見られて面白かった。近年の全日は特にタッグで馬場の意向でパートナーが決められることが多く、オフの間に「時期シリーズから誰と誰が組むのでよろしく」的な発表があり、リング上でのプロレス的な(誤爆、諍い、君とはやってられんわ)、みたいなわかりやすい動きがなかったのだが、エースがやってくれた。田上に完璧にフォールされた小橋に完璧なまでのハーフネルソンスープレックス。ここまで見事に決別を表現できるとは、ひょっとしてエースも良いレスラーになってきたか?なーんてほくそ笑んでしまったほどだった(スミスという良い参謀もいるし)。おまけにいい具合に志賀が絡んできて、志賀もいよいよメイン進出か?って感じ。まさに機を見て敏なり。志賀も大物かも?でもまだ目方に不安有り。

 それとは別に、ここまで完璧に小橋をフォールしちゃったら田上の三冠奪取は、ほとんど無いのじゃないだろうか?四天王の中で、田上が一番しょっぱいというのはわかっているけど、それでも田上が好きな私としては少し悲しい。

 ハンセン組対雅央組は、赤で統一してきた雅央が少し気持ち悪かった。せめて赤のリストバンドだけでも止めて貰いたい。個人的には黒の方がしまって見えて良いのではと思う。他には、ハンセンを下からあおりで撮っていたシーンがあったが、あれは格好良かった。あれがハンセンである。ちょっと攻め込まれると息が上がってしまう近年のハンセンだが、あの映像には、往年の輝きが感じ取れた。日テレちゃんありがとう。

 メインの6人タッグはもうモタモタしてて最悪。プロレス出来ない人たちが集まるとどうなるかの見本。大森、多聞、泉田って・・・さらに相手は、Uインターだし・・・

 あー今週も三冠戦前哨戦って字幕出ててうっとうしかったです。しかも小橋に合わせてオレンジで。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/9記)

 新設されたジュニアタッグベルトの争奪戦オンリー中継。TV朝日と新日のこのジュニアを大事にする姿勢は本当に好感が持てる。新日は古くから全日と違いジュニアでも客を呼べる戦いをやってきていた。今では信じられないが藤波が最初のジュニアのブームを巻き起こし、タイガーマスクがその流れを引き継ぎ、同世代に優れたジュニアレスラーが多かったため名勝負数え歌となった。が、この流れもタイガーの引退あたりからおかしくなる。タイガーの後がまにフロントが無理矢理すえたザ・コブラは、体型の格好良さ、身体能力の高さとは裏腹に、とてつもなく弱く、あっという間に新日ジュニアの火を消してしまう。あげくキッド、小林が全日に主戦場を移してしまい、新日の本当の意味でのジュニアは、ライガーの登場まで冬の時代を迎えるのであった(高田対越中の名勝負などあったがあの試合はヘビーと何ら変わることなくジュニアの魅力は出ていなかったと思う)。

 そして満を持して新日に現れた天才ジュニアレスラー、獣神サンダーライガー。本当に彼の存在は大きかった。他の誰でもない、彼がいたから今の新日ジュニアがあるのである。新日という団体は長州というプロデューサーによって動いているわけだが、ジュニアだけはライガープロデューサーによって動いていると思う。新日の中にもう一つ団体があるような物だ。本当にこのようなシステムを認めている坂口は大物であると思うし、坂口にそこまで認めさせたライガーという男もまた本当に凄い男である。

 金本や大谷の世代の勢いも凄いものがあるが、しょせんライガーの引いたレールの上というか、ライガーの作ったリングの中で競っているにすぎない。また、金本達もそのリングだからこそ安心して戦っているのであろう。この先ライガーの考えたジュニアというものを、ぶち破るようなレスラーが出てくるとはとても思えないのが残念だが、当分安心してこのクオリティーの高い戦いを見ることの出来る今の我々は幸せな世代なのかもしれない。

 何て事をジュニアオンリーの中継を見ながら考えたのだが、今週は試合内容については書くこと無し。いつも通りレベルが高く驚きにも満ちていた。そんな中から気がついた点を2点。まずいつも書くが、安全式の直下型ブレインバスターやフィッシャーマンズバスターは止めていただきたい。そういうことをし出すと必殺技がどんどん必殺技でなくなるのだから・・・必殺技はもっと大事に使いましょう。それと、ワグナージュニアはなぜあんなにヘッドパットでカットに入りたいのだろう。カットするだけならあんな危険な事しなくて良いのに。一度なんかマサさんが思わず「おっ」とか言っちゃってたぞ、不思議だ?


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(9/9記)

 うーん完全に細切れ中継定着。ここまでの流れあり、レスラーのインタビューあり、うっとうしいテロップありの、毎週中継見てない人でもわかりますよ仕様になって随分たつが、やっぱりなじめない。30分しかないのだからもっと試合を流すべきじゃないのだろうか?毎週見てる人間には結構うっとうしい中継だぞ。かろうじて編集の仕方が上手いのが救いか。

 で今週の中継、最初からマイナスイメージで見てたせいか、徳山という土地柄か、客が全然暖まってないように見えた。普通なら大技が出るとドーッと沸くものだが、徳山市民体育館の人たちはざわざわしてるだけ。ひょっとして全日の中継無いのかなぁ?それなら馬場の時代のプロレスの感覚で来た人には、今の人たちのプロレスはいまいちわかるまい。プロレスというのも勉強してないとついていけなくなる物なのかなぁ?とにかく大技が出ても客が沸かないと、良い試合でもしょっぱく見えるということも発見できて貴重な徳山大会だった(もしかして本当にしょっぱくて沸いてなかったのか?)。

 で今週の気づいた点は、小橋がまたかなり太ってきたなあ。腹と太股はあれで良いのだろうか?腕はともかく腹と太股はもうちょっと絞った方が動けるんじゃないだろうか?ヒザの故障もあるんだから、減量すればいいのに。他では三沢対Uがらみの試合が面白かった。Uというと、スープレックスや打撃系で倒してから間接技ってイメージだけど、三沢は簡単にグラウンドに持っていく。ヒザカックンとかの大して力のいらない方法で、相手を簡単に倒し実にスムーズに間接を決めに行ってしまう。なんかグラウンドに行くには、投げてからという固定観念を破壊されてちょっと衝撃的だった(俺の勉強不足か?)。


ワールドプロレスリングTV朝日系土曜深夜(9/18記)

 永田凱旋&カブキ引退がメインの中継。

 さて1年半にわたる海外遠征から帰国した永田だが、天山、小島のように急激なイメージチェンジは行わず、新日の海外遠征組としては珍しい帰国の仕方をした。新日の海外遠征というと、昔から新たなキャラクターを背負って華々しくデビューというパターンが多い。タイガーマスクやコブラ等のように別人になるものもあれば、610武藤や天山、小島のように元あるキャラクターをパワーアップしたもの等、とにかく新しいレスラーの誕生ですよ的な過剰な演出が目に付くのだが、永田はすんなり帰国してきて好感が持てた。そんな過剰演出という新日のバックアップが無かった永田唯一の帰国ご褒美は、新日本体ナンバー2の健介を噛ませ犬に使って良しと言うことらしく、永田輝くところに健介有りという感じで、ラリアットバカ一代長州もいよいよ健介に見切りをつけてきたかと思わせられる試合が続く。で、永田の凱旋でもう一つ良かった点は、あんまり肥えなかったと言うことだろう。天山、小島が身長の無さを補うために、バクバク食べてでっかくなって帰ってきたのにたいして(小島はあれでも太りやすい体質を考えて食事に気を使っていると言うが)、永田は多少ふっくらとしたものの元のキレは失っていないようで安心した。まぁ現状で組ませて貰える相手は藤田か健介しか居らず、期待されてるのかいないのかいまいちわからないが、コメントだけは帰国直後レスラーらしくでっかいこと言ってたので今後に期待したいと思う。あ、あと藤田だが、B級ベビーフェイスレスラーというポジションといい、それから脱皮するのに金髪という手法を用いるのといい、後藤を非常に連想させる。金髪〜ハゲ〜デブ〜ヒールの道を歩むのだろうか?

 メインのカブキ&ムタの親子タッグだが、カブキの小ささにびっくりした。すっごくしぼんでるんだもの、あれは引退するよ。ウン。引退する体だ。全日はおろか新日にいたときも、カブキは実際の身長以上に自分を大きく見せれていた。少なくとも私には185センチぐらいあるように見えていて、名鑑などを見て実際の身長をみて驚いたものだった。それがこの中継でのカブキは本当に小さく、何だったら小原よりしぼんで見えて悲しかった。後藤小原の元同僚達にボコボコにされる姿には、東洋の神秘としての怖さは既に無く「少ーしだけ」と言ってにこやかに微笑む、人の良さそうなおっさんの姿しか浮かんでこなかった。テレ朝放送陣はいろいろと伏線を画策して煽ろうとしていたが、もうそんなことをするほどのオーラも彼の体からは漂っていなかった。でもまぁカブキというレスラーの引退試合としては良い試合だったと思う。出るべき技もきちんと出たし、毒霧も色変わってたし、何と言っても回ってたのが良かった。あれぞカブキ。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(9/16記)

 田上対小橋の三冠戦一試合だけで久々に落ち着いて見れる全日中継であった。さて色々と書くことはあるのだが、まず馬場解説委員について。馬場の解説は昔から結構良いところついていて当たり障りのない他の解説者に比べて非常に面白いのだが(双璧はマサさん)、今回も出足田上のもたもたした試合展開に、スピードが無くダメだみたいな辛口解説でよく見ていた。だがあの程度の試合レベルは、ヘビー級の試合としては普通で(この辺は馬場も言っていたが)、全日のヘビー級の試合がハイレベルハイスピードすぎるのであって、酷評された田上は少し可哀想だと思う。思うに馬場は、三冠戦では三沢対小橋戦ぐらいの試合をやって欲しいのであろうが(あまりの試合の凄さに馬場が泣いたというあれである)、人には人のペースというものがあると思うので初っぱなからあそこまで辛口でなくともと思った(現にあの後試合は満足行く内容へと進んでいくのだし)。ただ馬場はああいう試合をやっている限りでは、田上には天下は取れないよと言うことを示して、田上に変わることを促しているのかもしれないが。

 次にチャレンジャー田上について、田上というレスラーは全日ファンの中でも評価の低いレスラーだと思うが、それはやはり普段のやる気の無さから来ていると思う。田上というレスラーは、いわゆる鶴田系の化け物レスラーの系譜を引き継ぐ打たれ強いレスラーだと思うが、普段の試合ではあまりその本領は発揮していない。あんまり無理したり頑張ったりしないのだ。小橋や三沢、川田がわりかしいつも全力で精一杯のファイトを繰り広げていても、田上はこんなもんかな的試合が多い。さらに田上の凄みは、攻め込まれてからの驚異的な粘りから来るので、普段のタッグマッチではそこまで攻め込まれることもなく、自分の持ち味を出し切れてないのだ。そう言う意味でタイトルマッチでの田上は、唯一田上の良さの出る試合が見れるチャンスだと言えよう。この試合でも、かんぬきスープレックス二連発には本当に驚かされたし(私は田上の細い腕を見て、田上のかいな力は凄いという説に否定的だった)、10回に1回ぐらいしか成功しないエプロンからののど輪落としも見事決めて見せた。さらに後半小橋の必要な攻めにも、普段はモタモタ立つくせに三冠戦仕様の田上は、すぐに起きて迎撃するなど本当に良い持ち味が出ていて「あーやっぱり田上は田上で良いキャラクターだな」と心底思わせた。ただ馬場も言っていたように、今のままでは何かが足りないのだ。今のままで田上が勝つには、後半戦のようなすぐ起きあがってきて攻撃。というのを馬場が指摘したとおり試合開始直後からやって、圧倒的強さで勝つしかないだろう。試合を組み立てようとか考えると、今の田上の技ではいずれ手詰まりになり、逆転されるのがおちであろう。

 何故手詰まりになるかというと、田上の必殺技のど輪落としに問題があると思う。上記したように私は田上のかいな力を信用していない。何と言っても見た目の腕が細すぎるからだ。さらに試合開始直後ならまだしも、30分戦った後で100キロを超える相手の首だけ掴んで、片手で空中高く抱え上げるなんてのは、無理が有りすぎて説得力に欠ける。新日の小原がやるように、相手のパンツを掴んで上げるのならまだ納得がいくが、あれでは受け身が取りやすそうでまた説得力に欠ける。つまり試合終盤で相手に一撃必殺でダメージを与える技としては、すべてに置いて無理が有りすぎるのだ。結局素人目には「相手が飛んでるんじゃないの?」ということになって会場が盛り上がらない。盛り上がらない技というのは、返してよい技なので当然フォールは奪えない。これがのど輪落としの欠点なのだと思う。つまり田上はのど輪落としに変わる必殺技を身につけなければ行けない時期に来てるのだ。のど輪落としは封印するか、やってもエプロンからのフリーホールか(これですら場外に放つ技なのでフォールが出来なく必殺技としては不適当である)、今回見せたような大外刈り式の抱え上げない(つまりのど輪落としではないね、落とさないのだから)輪島スペシャルかに限定するべきだと思う。そして新たな、一撃で相手を倒せる技の開発を急ぐべきだ。ブリッジの上手くない田上には、相手の脳天を打つ現代のもっとも説得力のある必殺技スープレックス系は不可能だし、ラリアットは小橋の独壇場。本当に田上向きの必殺技って無いものかな・・・個人的にはハイキックの跳躍力から、急角度のジャンピングネックブリーカーなんて良いと思うけど(輪島スペシャルを復活させたんだから、また復活技が良いと思う)。あとダイナミックボムもなんか間延びしてて説得力薄い。相手の両腕を足で押さえれてないこと多いし(つまりすぐ肩が上げられる)。本当に田上は新必殺技を早急にマスターして欲しい。このままでは四天王から脱落するぞ。

 長くなったが、最後に見事にラリアットで防衛を決めた小橋について。この欄で何度も書いているが本当に小橋のラリアットは凄い。今回の田上に放った3発目のラリアットも、田上はまるで受け身が取れて無く、後頭部がマットに直撃している。一般に打撃系オンリーでないプロレスでは、受け身の技術が進んでいてあれほどまでに凄い衝撃をマットから受けることはない筈なのだが、あのシーンだけはボクシングのKOシーンを見ているようだった。何度も巻き戻して見たのだが、当たった瞬間の衝撃も凄く、田上がラリアットの力を分散させるために、自ら後ろに飛んでいるのではなく、小橋の腕でまさに文字通り吹っ飛んでいるのである。で田上の意志とは関係ないため、そのまま受け身を取ることもなくマットに後頭部直撃。本当に凄いラリアット使いである。腹廻りの肉のたぷつきが非常に気になる小橋であるが、あのラリアットを放つための、パワーを貯めてあるのであるとすれば太り気味もしょうがないかなと思う。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/21記)

 しばらくなりを潜めていた、新日らしいプロレス的展開が多く見られた週であった。一番の問題は、そう言った演劇的世界とは無縁と思われていたジュニアにまで、そう言った流れがでてきたと言うことだろうか。特に新設されたジュニアタッグにそう言ったストーリー性を持たせようと言うのがありありで、カシンの一人でのぶち切れ気味と合わせて見ていて不快である。

 そんな世界とは無縁に見えるジュニアシングルだが、これはこれで不快な試合であった。先週の放送からライガーはサスケのコンディションが悪いことに不満を漏らしていたが、今週の試合後のコメントでも言いたい放題であった。で、何が不快だったのかと言うと、ライガーの試合内容である。サスケの体調は確かに良くないかも知れないが、サスケはサスケなりに出せる技は出していたし、その中にはサスケでしか出せないような度胸一発自爆系の技も含まれていた。そんなサスケに対してライガーは、いつも通りの技出しときゃ良いんだろ的プロレスで、全く面白みがない酷い試合だった。はっきり言ってこの試合をダメにしてたのは、体調の悪いサスケではなく、勝手にやる気を無くしていたライガーである。そりゃライガーにやる気を無くさすほどコンディションの悪いサスケってのも考え物だが、前述したとおり悪いなりに頑張っていたしそのファイトは観客も沸かせていた。むしろ今日のサスケより、南条隼人や安良岡の方がしょっぱくて見てられないのに、自分で新日のリングに上げて、かばっていたりする。サスケに対する期待値と南条達に対する期待値が違うのかも知れないが、それにしても試合にまでそう言った態度を出すのはどうだろうか?ライガーというレスラーを私は嫌いだが、プロフェッショナルな仕事ぶりと、ジュニアの未来を考えている懐の広さで評価はしてきた。だが、ここのところの新日ジュニアの動きと合わせて、今週の試合態度には正直言ってがっかりさせられた。自分だって怪我をしているときは怪我をしているなりのファイトだっただろうに。何故完調のライガーがあの程度のファイトか?あれでは新日ヘビーの試合と何ら変わりがない。

 で、もう一つの演劇的ストーリーとしてはNWO分裂か???と言う奴だが、これについては蝶野がきっと面白そうな流れに持っていくのだろうからしばらく静観したい。むしろその辺に絡んでの、マサさんと辻の噛みあわなさ加減が凄かった。前にも書いたとおりマサさんは馬場と並んで、着眼点の鋭い面白い解説をする方なのだが、この二人の共通の弱点としてシリーズ全体の流れとかはあまり関係なく、試合のみの解説になりがちと言う点がある。今回もそんなあたりからマサさんがおかしな事を言いだし、辻のフォローに対して「何だ俺に恥かかせやがって」的リアクションを取っていて非常にドキドキした。結局ぎくしゃくしたままおかしな放送が続いていたのだが、テレ朝はマサさんに恥をかかせないように放送前にきちんと説明をしときましょう(そんなのマサさん面倒くさがって聞かなそうだけど・・・)。

 メインでは永田抜擢シリーズで、健介が相変わらず噛ませられていた。で、その永田だが本人も言ってるとおり、ちょっとレトロな技で試合をやっているのだが(キャプチュードとかバックドロップホールドとか)、いまいち客の沸きが良くないようだ。凱旋帰国してきたレスラーなのだから、もう少し客も好意的に見てくれると思っていたが、今のラリアットバカ一代プロレスに洗脳されている新日ファンには、永田のUWF的スタイルは古く見えるのだろうか?とにかく当たりの激しくない試合は、あんまり喜んで貰えないようだ。永田ピーンチ。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(9/21記)

 今週は小川良成大抜擢シリーズ。三沢のパートナーとしての小川を世間的に認知させるべく構成された放送であった。で、前々から全日のブツ切れ中継には苦言を呈してきたのだが、今週たまたま生で見れたので見ていたら、結構見やすかった。まぁテーマが小川一人だったというのもあったのだろうが、生で見ると結構引きつけられるかも・・・

 さてそんな小川パートーだがどうなのだろう?確かに小川は上手いレスラーであり、誰と試合をやってもそれなりに面白い試合を組み立てる。この試合でも数多くの切り返しを見せ、秋山をてんてこ舞いさせ、観客を大いに沸かせていた。ただ、今は小川という存在が珍しいからそれで受け入れられているにしても、この先はどうだろう。近年の全日ファンは本格派同士の体と体のぶつかり合い、相手の技はなるべく受けて勝つ。というプロレスに魅力を感じている。そんな中で小川というすかし系レスラーが支持されるのだろうか?それともこれが新たなる全日革命の始まりなのだろうか?ただ単にマンネリ気味のカードの中に変化をもたらせるための抜擢であったとしたら・・・三沢の思惑やいかに?そして願わくば、小川がこのチャンスをモノにして大きく化けてくれることを祈る。

 この件に関しての馬場のコメントも凄かった。「最近はヘビーと言っても小さい人が増えてきたから」おいおいそれだけは言っちゃダメだろう。「180センチ94キロの小川なら、後2.3キロ増やしたらヘビーで充分やれますよ、むしろヘビーに行った方が良いんじゃないですか」えー180センチしか無くてヘビー?94+3=97キロ?まだ充分ジュニアじゃん?それに小川って、全然太れない体質何じゃなかったっけ?大丈夫か馬場プロデューサー。インディー見すぎで感覚おかしくなってるのか?とにかく今から暮れの最強タッグが楽しみである。

 今週の王道リスペクトは、ちゃんとタイムリーにカブキの試合だった。この辺り日テレちゃんは本当に臨機応変で偉い(豊登の映像までカバーしてるし)。しかも、三沢タイガーも絡めて今週とのつながりも完璧な上に、カブキの額からの水芸、樋口の失神。本当に言うこと無いです。よだれが出てきます。さらに終わりは冬木の乱入。映っちゃいけない人だらけです。挙げ句の果てに、制止に入ってる若手レスラーの中にスポーツ刈りの小川が・・・何と濃いい時間だろう。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/30記)

 今週もジュニア&ヘビーのタッグ戦の中継。

ジュニアの試合は、メンバーが固定されているため、いつもの展開いつもの試合になりがちなのだが、そこはやはり全日の試合のようにやってるレスラー達の本気度が高いため、マンネリ気味ではあるが見ていてそれなりに面白い闘いになる。そんなマンネリ打破のためにタッグベルトを創設したのだろうが、まだベルトに価値がないのと、組んでいるタックに必然性がないため、いまいち盛り上がってないように思える。そんな中では最近自己主張激しく、売り出し中の(今更売り出し中というのも変だが)エル・サムライのインタビューが試合後あったのだがこれが問題だった。試合終了直後にベルトを強奪し、そのベルトを掲げ一世一代のアピールをしているその時に、横からラリアットバカ一代長州が出てきて「何やってんだ返せ」ってすんなり奪っていってしまうのだ。しかもその一部始終をテレ朝が流してしまうのだ。この放送態度には疑問符をつけたい。レスラーがアピールしている時にそれをぶち壊しにする長州も長州だが(現役で取り返しになぐり込んできたのならまだしも)そんなただのフロントのおっさんに、たしなめられている姿をテレビで流す必要があるのだろうか?テレ朝にしてみれば、おいしい映像が撮れたので流しちゃえと思ったのだろうが、レスラーにとってマイクアピールというモノは、自分のキャラクターを決定づける非常に大事なモノだと言うことをよく考えて貰いたい。あの叱られた子供のようなサムライの悲しそうな後ろ姿を見て、サムライを格好良いと思う視聴者はいないだろう。本当にサムライにとって気の毒な放送だった(でも松田なんてあんなもんだけどな)。

 あとはヘビーでの永田抜擢シリーズが続いてたという感じ。でも今日の勝ちはちょっとなー?なんで新日はそんなに無理矢理急遽スターにしたいんだろ?やっぱりラリアットバカ達だけじゃ不安になったのか?でも最大の問題点としては、客が全然永田についてきてないぞ!大丈夫か永田?もうちょっと待った方が良いんじゃないのか?ダメだったら長州は使い捨てるぞ!


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(10/1記)

 三沢対モスマン、川田対垣原戦の武道館余りカード中継。三沢対モスマン戦はさして見るところ無し。現状のモスマンはあんなもんであろう。良くも悪くも無し。

 で、注目はやはり川田対垣原戦であろう。体格的にはほぼ互角の両者がどんな闘いをするか興味をそそられた。全日にしては珍しく入場のシーンが放送されるというのも、いやがうえにも気分が盛り上がってくる(もっともこれには別の理由もあったのだが)。しかし全日の試合でUのテーマがかかるとは、時代も変わったものだ。

 さてそれだけ期待した試合だが、垣原はまるっきり歯が立たずに川田の圧勝であった。昔UWFが新日にUターンした時も、新日のレスラーは真正面からUWFの技を受け止めたモノだが、今回の試合でも川田は垣原の技を受け止めていた。ただ同じ受け止めるにしても、新日の時は互角に見えていた闘いが今回はまるで勝負になっていなかった。これほどまでに全日のレスラーの体は頑丈なのかと正直驚いた。さらに全日のレスラーは受け身も上手いため、垣原の攻撃が本当に通用しない。はっきり言ってショックだった。あれほどまでに我々の世代があこがれたUWFと言うモノが、こんな程度のモノだったなんて・・・そりゃ体がでかい奴の方が強いとは思っていた。鶴田と高田がやったら鶴田が勝つだろうと思っていた。しかし、ほぼ体格が同じ者同士がやってこれでは、Uの幻影丸つぶれである。UWF第三世代はUWFの遺伝子を受け継いではいても、その威力は限りなく薄まっていた。プロレスルールだったからと言う考え方もあるかも知れないが、UWFルールでやっても川田は倒れなかったであろう。それほどまでに差を感じた闘いだった。こうなるとUWF第一世代の前田、高田、山崎が突出した選手だったから、UWFと言うモノは存在していたと考えるのが妥当かなとも思う。つまりUWFが凄くて強いのではなく、あの三人が強かったのだと言うことである。垣原だってUWFインターの中では、トップクラスの選手だったわけなのにあの様では、同世代のプロレスラーをやっていないUWF系のレスラーの実力には疑問符をつけざるを得ないと思う。いやー本当にUWFって終わってるんだなあ。

 王道リスペクトは、まだかろうじて格好良かった頃のラッシャー木村で嬉しかった。マイクアピールをしてるのだが、状況と間がわかっていなく、おどおどしながらやってるんだろうなぁと思わせ微笑ましかった。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/5記)

 今週もジュニア&ヘビーのタッグ戦の中継。

 前々から思っていたのだが、ジュニアの世界においてケンドー・カシンと言うキャラクターは必要なのであろうか?わかりやすく、激しい新日ジュニアの中で、あの駄々っ子のようなヒステリックなキャラクターに私はどうしてもなじめないでいる。カシンにはカシンのプロレススタイルがしっかりある。瞬間的な返し技を中心とした間接技などがそうである。そういうスタイルがありながら何故覆面を被ってあの駄々っ子のようなキャラクターを演じ続けてるのかがいまいちわからない。チーム編成的にもマスクを被っているせいで、マスク組(ライガー、サムライ)に入れられることが多く、いっそのことマスクをとって素顔でファイトした方が、あのヒステリックなキャラクターも感情移入出来て良いのではないだろうか?とにかく今のままではカシンというキャラクターは鬱陶しすぎると思うのだがいかがなもんだろう?(ナンバーのカシンインタビューは見れなかったので、その辺語ってたらすまぬ。)

 ヘビーは相も変わらず永田抜擢シリーズ継続中である。今週はついに外様山ちゃんまで負けて上げちゃって、いよいよもって何だかなぁって感じである。「IWGPのベルトを取って全日行きますよって」意気込んでたのはやはり格好付けであったか、山ちゃんも落ちたよなぁ(でも好きだけど)。で、客はあんまりついてきてないけど、新日本体では異様にブームになり、永田を囲む会なんぞが試合後に行われるなど、どんどんおかしな方向に行っている永田抜擢シリーズだが、今週も見事なまでに健介が噛ませられていて笑わせていただいた。試合後「IWGPに挑戦するぞ」と脳天気に塩田ばりの笑顔で(HMFレスラー)マイクアピールをし引き上げてきた永田に、格好つけレスラーモードしゃべりの健介が「永田、やれるのか?(やや鼻にかけ気味)」と問いかけると脳天気永田は健介を前にしながら「やりますよ、僕以外に誰もいないでしょう」と甲高い声で自信満々に返答。僕以外にだれも・・?俺はどうなるんだ?俺はダメだとでも言うのか?という健介の心の葛藤が、しばらくの間とその後のしどろもどろな対応に現れていて悲しくも笑わせていただいた。先週に続きテレ朝は本当に放送するシーンを考えて貰いたいものだ(別に健介嫌いだからどうでも良いけど)。

 あと永田がらみでは、永田受け身(時間差)と永田悲鳴(うわぁ↑)という新しい技が開発されつつあることを、記しておきたいと思う。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(10/5記)

 小川認知シリーズ。ヘビーに混ざっての小川の闘いが注目されたが、前から6人タッグなどでは闘っていたので、さして問題はないかなと言う感じ。むしろ無理矢理小川の格を上げようとしていることに問題を感じる。最後にしても田上の足が一度ロープにかかっているのにも関わらず、3カウント入っちゃって興ざめだった。田上も普段やり慣れてない相手だっただけに、しょっぱさを露呈したという感じか?

 それ以外は、もう全開バリバリにブツ切れモード。10分番組で毎日放送した方が良いのでは、と思わせるほど細切れであった。選択されている事柄は面白いだけに、じっくりやれないのが残念だ。ハンセンと高山の抗争などは、ハンセンが久々にテンション高くて、以後盛り上がっていけば本当に良いなぁと思わせる。思えば、衰え始めていた馬場の最後の好敵手としてハンセンがやってきて、馬場が若干生き返ったように、衰えてきたハンセンの最後の恋人として、高山が上手く絡めばハンセンももう一花咲かせられるであろう。時代は繰り返すものだと感じた。

 で、秀逸だったのは王道リスペクトの三沢対越中戦であろう。久々の映っちゃいけない人シリーズと言うのもあるが、あまりに若く細い二人の映像は大変貴重なものだった。本当に日本テレビプロレス放送の歴史には、頭が下がる。出来れば昔のテレ朝のように、深夜枠で良いから再放送でキッチリと見たいものだ(無理か、レギュラー枠ですら深夜で30分なのに)。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/28記)

 NWO色に染められた中継。黒いマットはアメリカンプロレスのような雰囲気で格好良かった。こんな余計なことに金をかけられる新日は、相当潤っているのであろう。試合数減らして、糞田舎には行かないっていう営業努力のたまものでもあるかな?会場に全然客が入らなくて、テレビ中継に差し支えるのでリング上の照明しか点けてなかった日が懐かしい(でもあの頃の方が面白かったけど)。

 NWO一色の中継でもジュニアはいつものようにジュニアだった。試合展開もいつも通り。やっぱりマンネリ気味かも?一人誰か外様が入ってるだけでかなり動きが変わって来るんだけどなぁ。でもそのせっかく呼んだ外様は、大概誰かがボロクソに言っちゃって凹ましちゃうし・・・ライガーの試合もドンドンつまらなくなってくる。ライガーの考えてることとか、やろうとしていることは立派なんだけど、試合のレベル自体は年々手抜きモードになっていると思う。あんだけジュニアのことを考えている人がどうしてあんなジュニアの試合しかできないのか不思議である。適当に相手に技をかけさせておいて、ある程度試合が盛り上がったら掌底で形勢逆転、で安全式の垂直落下ブレインバスター。フィニッシュはカウンターの掌底。こればっかしである。特に掌底の乱発ぶりはヘビー級のラリアット連発を彷彿させて、何かジュニアの先行きを不安にさせる。もっと試合のことも考えましょうライガー。

 でヘビーで言いたいことは、また永田がらみのことである。本当に何度も書くが永田の技で客が沸いていない。こんだけ毎週新日とテレ朝が盛り上げているのにだ。特にビックリしたのはドラゴンスクリューでドッと会場が沸いたのに対し、永田のキャプチュードの時には本当に冷ややかな反応だった。キャプチュードだよ。我々の世代なら拍手ものの技だ。ファイヤープロレスリングでも前田がやるとザワーってなる奴だよ。それなのに今の新日の会場じゃ沸かないのだよ。そりゃ前田がキャプチュードやってたのなんか今の観客は知らないのかもしれない。それにしたって普通、見たこともない投げ技が出たらもっと沸くだろう。これは、単純に永田の人気がないだけならまだ良いが(良くないけど)ひょっとして新日のファンって予定調和の技じゃなきゃ反応出来ないんじゃないのか?そうだとしたら偉いことになりかけてるぞ。だらだら毎週、同じ技同じ展開をアメリカンプロレスの亜流のように続けてきた弊害が出てきてるんじゃないのか?新しい技や見たこと無い技に沸けないなんておかしいぞ。勉強不足だ新日ファン。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(10/28記)

 書くこと無いなぁ。久々の更新なのに申し訳ないです。なんと言っても来週の三冠戦小橋対三沢を盛り上げるために、30分しかない中継の半分ビデオなんだもん。初めてプロレス見る人には良いかもしれないけど、やっぱりダメだこのブツ切れ中継は。

 そんな中で面白かったのは、小橋の肉の付き方の歴史が たどれたことだろうか。記憶の中では最初の頃の小橋は細かったという印象があるのだが、実際に見てみるとタイガーとやった頃の小橋はやはり細い。記憶ではもっと細かった気もするのだが、それは志賀を見慣れているせいから来る勘違いかもしれない。個人的にはこの頃の小橋が一番バランスとれていて格好良かったと思う。確かに今のパワーあふれる小橋は凄いが、凄いのと格好良いのは違うので純粋にどっちが格好良いかと言われれば、あの頃の小橋のほうが良いと思う。願わくば、あの頃の体型で今のようなラリアットを放って欲しいものだ。

 志賀の話しが出たので触れるが、ガリガリだった彼もようやくレスラーとして見れる体になりつつあるなと感じた。まだ筋肉が目立って大学のボディビルだーみたいだが、後ろから見た姿なんかはかなりでかくなってきた。上背があるだけに期待をしていたのだが、このまま全然肉が着けられなくて、一生ジュニアだったらどうしようとか思ってただけに一安心である。そういう意味では、今のうちに志賀の試合をビデオに撮っておいた方が、後々楽しめるのではないだろうか。

 あと風の噂で、全日の中継時間が45分になるかもと言う話を聞いた。どうせ延ばすのなら45分も54分も変わらねーじゃん1時間にしろよ!とも思うが、あのブツ切れ中継は見ていてうっとうしいので、少しでも放送時間が延びてゆとりのある中継が成されるのを期待したい。日テレは他局が開拓したK-1なんか横取りしないで、じっくりプロレス中継をしましょう(まぁこの局はドラマもバラエティもパクリばかりだが)。みんな旨くなっちゃってノックアウトの無くなってきたK-1なんて、いずれ廃れて行くのだから今のうちにプロレスに力入れておいた方がいいぞ。ブームになったらおしまいである(F1しかりJリーグしかり)。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/3記)

 今週の中継を見て思ったこともまた先週の中継と同じ事であった。

 まず一つ目はライガーの試合内容の情けなさ。今週の試合でもライガーの使った技は非常に少なかった。そして目立つ技はいつも通り掌底だけであった。何でこんな省エネ試合をするのだろう。昔のライガーはこんな試合はしなかった。ハラハラする展開、骨法をいかした技、色々なスープレックス、そしてフィニッシュは度胸一発の大空中技。本当にライガーの試合は面白かった。なのに今のライガーの試合はなんだ、あれでは只の新日ヘビーの縮小版である。ラリアットが掌底に変わっているだけである。新日ヘビーの今の闘いもあまり認められたモノではないが、まだ体のでかさがあるから打撃系のフィニッシュでも納得できる。でもジュニアの小さい体で同じ事をやってもダメだ、そりゃライガーの掌底の切れ味は抜群かも知れない。でもジュニアの試合に求められているのはそう言う試合ではないと思う。打撃系のフィニッシュが見たければ、K1を見ればいいのだから。何でもっと高度な面白いプロレスを組み立てられるはずのライガーが、あんな程度の試合を毎週続けているのか理解できない。頭の腫瘍がなんか影響しているのだろうか、過度なファイトは避けるようにとでも言われているのだろうか(そう言えばブリッジ系の技は全然出してないような気もする)、それだったら仕方のないことだが残念だ。馳は、臨死体験をしてから見違えるようにファイトが良くなったが、臨死体験ではないが同じように生命の危機をさまよってからのライガーのファイトは、まったく精彩を欠きつつあり悲しい限りだ。今の情けないファイトが、一時の気の迷いのせいで、病気のせいでないことを切に願う。

 もう一つは、永田不人気&新日ファンのレベルの低さについてだ。あいかわらず、永田が何をやっても会場はシラーっとしている。ニールキックが炸裂しようが、華々しく投げようが、中西のラリアット一発ですべて持ってかれてしまっている。これは本当にどう判断したらいいのだろうか?みんな永田が嫌いなのか?それともやはり、打撃系の技やいつも見ている技でないと反応できないような、バカファンで会場が埋まっているのだろうか?それともラリアット連発の単純な試合で沸けない、私が時代に遅れているオバカさんなのだろうか?それと関連するのかNWOの展開も、昔のプロレスみたいなわかりやすーい演劇的展開になりつつあって、バカ専用という気もする(また武藤のパートナーがおバカさん小島だしなぁ)。こんな展開で良いのだろうか?新日。低いレベルに合わせていると、低いレベルでしかできなくなっていくような気がするぞ・・・そのうち受け身の出来ないレスラーとか出てきそうだなぁ。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(11/3記)

 三冠ヘビー級試合、小橋対三沢戦。

 新日の試合に比べればまだましだが、近年の三冠戦の中ではいまいちの内容だったと言わざるを得ないだろう。何と言ってもびっくりしたのは、放送開始直後の15分経過のアナウンスである。この最初の15分をぶった切っているせいで、この後の二人がヘロヘロになって戦っているシーンに感情移入できないのである。さらに本当に二人とも疲れているので、馬場も言っていたが、技が全然たたみかけてこなく、見ていて非常にダラダラした試合に見えるのだ。会場にいた人間は、ばっちし盛り上がっていて、もう感情移入しまくりの声援とか飛んでいるのだが、テレビの前の私たちはなんか置き去りである。全日本プロレス中継30の弊害がもろに出た中継であったと思う。ただ、後半のあんだけダラダラした試合をカットも無しで見せたって事は、前半も大した内容でなく、ダラダラやっていたのかも知れないという気がしないでもないが(前半の内容はプロレス雑誌でも未確認なモノで・・)。

 で、このダラダラした試合最大の見せ場は、やはり場外へのタイガードライバーであろう。これこそ今の新日の選手には絶対に出来ない、又やる必要もないような、大大バカ技であろう。なんかダラダラしてると三沢は思ったのかも知れない。このままではいけない。せっかくの三冠戦が、武道館大会が・・・試合を引き締めねば!と考えたのだろう?でもやるか普通?あんなバカ技。しかも小橋の落ちた地点は、ややマットから外れているし。本当に全日の選手には、というか三沢には、「凄い試合をしなきゃいけない」という危機感が染みついてしまっているような気がする。なんか客がびっくりするようなことをしなきゃ、前より凄いことをしなきゃ!プロレスバカである。本当に私はこの時代、この全日を見られて幸せである。と同時に恐ろしさも感じる。どこまでエスカレートするのだろう?きっとこんな無茶なプロレスは二度と見れないと思う。今の全日。選手が大量離脱しちゃって、試合内容で客を掴まなければいけなかった全日。本当にいろんな偶然からこうなってしまった全日。いつまで続くのだろうか・・・もう外人はついてこれていない。小橋革命というのも、こんな無茶なプロレス辞めようって事じゃないのか?

 もう一度書くが試合内容としてはいまいちだった。フィニッシュにしても、なんの盛り上がりもなく、ダラダラといつまでも抵抗していた小橋が力尽きて終わってしまった。小橋もプロレスラーなら、相手をうわまえる技を出せる自信があるときにのみ、フォールを返してほしい。何も自分には出来ないのに肩を上げるのは、プロレス道に反していると私は考える。そうでなければ、気絶するまで試合は続けられるのだから。本当はタイガードライバー'91?で綺麗に決まっている試合だったはずだ。そんな試合だが、三沢のバカ技一発で、何となく心に残る試合になってしまうのだから、三沢は恐ろしい。いつまで続くのか・・・


UFO TBS系11/6深夜(11/9記)

 アントニオ猪木率いるUFO。放送されることは知っていたのだが、いつだか忘れてしまっていて危うく見逃すところだった。しかしプロレスの神様が偶然にも私にテレビをつけさせて、後半四試合は見れることとなりラッキーであった。しかも思わぬ拾い物の予感さえしてきた。

 私はプロレス好き人間に良くいる、「格闘技はみんな面白いぜ」っという人ではなく、「プロレス最高」という人なので、あまりプロレス以外の格闘技は熱中してみられないタチなのである(と言ってもプロレス最強論者でもない。むしろ面白いか面白くないかで考えるので、何となくセメントぶってる他の格闘技に集中できないだけかも)。だから初期のK-1のようにKOが連発されれば、素直に凄いなぁとは思うが、あまり面白がれない人なのだ。

 そんな私が見たアントニオ猪木率いる、UFOという胡散臭い団体の評価は案外良い感じだ。表面上プロレスとは違うよーという雰囲気をかもしだそうと努力をしているが、試合内容などは実にプロレス的で面白かった。プロレス系格闘技団体が(リングスやパンクラス)割合ルールをがっちり決めて、プロレス的八百長臭さを消そうとして、つまらなくなっていっているのに対して(あくまで私的に感じるだけだが)さすがインチキ大王アントニオ猪木。いけしゃーしゃーとノールールだとぶちあげた。ノールールの割にみんな、規則正しく戦っていたようだが、この辺の曖昧さも実にプロレス的で面白いと思う。まぁどう面白かったのか、後半3試合を一つ一つ振り返って具体的に解明していこうと思う。

 まず初代タイガーの試合。私は前述したように格闘技のことはまるで詳しくないので、このタイガーの対戦相手がどれほどの実力の持ち主だかまるで知らないのだが、実にプロレス的良い対戦相手だったと思う。そう、言うなればバンバンビガロ大佐のような。まずタイガーとの体格差が「タイガー大丈夫か?」と言う気持ちを煽る。さらにタイガーのいつも通りのたるんだ腹が、不安を抱かせ、開始早々のパンチでタイガーがグラッと来てみる辺りで、観客のハートをグッと掴むことに成功している。さらにその後も、タイガーが手を抜いているのか、間接技に入られても見事に耐えて見せ、観客にアピールしてみせるプロレスぶり。本当に彼はプロレスが良くわかっている格闘家だった。しかも、足を間接で決められてからのローキックが過剰に効いているアピール、そしてロープ際だけどフィニッシュ。実に、プロレスは格闘技の中で最強派を満足させやすい展開であった。いつまでたっても減量できない佐山を、いまいち格闘家として信用していない私としては、こんなうがったプロレス的味方で楽しんでしまったのだが、マスクを被ってきてるって事は、佐山もプロレスをやりに来ているのだろうから、こんな楽しみ方で良いのだろうと思う。

 次はノールールといういい加減さが最大限に生かされた、ゴルドーの試合である。結果としては、ゴルドーのサミングにジョンストンのセコンドが良いタイミングでキレて(プロレス的タイミング)、乱入ノーコンテストとなったのだが、実にゴルドーの格好良さが目立った試合だった。日本に来るゴルドーは年々やばさを増幅させて来ている。UWFで前田とやった時は、只の間接技の出来ないキックボクサーだったのに、今では近年プロレス界にもあまりいない、観客が本気で近寄れないような怖さのある格闘家になっている。入れ墨といい、良い感じでたるんだ腹といい、やつれた顔といい、本当に町中で暴れてそうなやばさが感じられる。またコメントも実に往年のプロレスラー的で格好良い。「相手に怪我をさせるのが俺は大好きだ」こんなコメント今のプロレスラーがいっても笑い話である。でも、ゴルドーなら本当に試合中に骨の一本や二本折りそうだからやはり凄い。今の生ぬるい、似非アメリカンプロレスの新日に上がって調子づいているジョンストンには、何も良いところの残らない試合であったが、本当にゴルドーに子供扱いされたって感じだった。ゴルドー恐るべし。

 で、問題のノールールなのにサミング、乱入、ノーコンテストだが、これがこのUFOのプロレス的面白さだったと思う。結果がどうこうでなく、あのゴタゴタした険悪な雰囲気は、実にストロングスタイル、プロレス最強、誰の挑戦でも受けると言っていた頃の、格好良い新日の雰囲気であった(結末のインチキ臭さも(笑))。今のふぬけた新日にはない、あのころの雰囲気がこんな所で(こんな所でって、猪木なのだから当然とも言えるが)味わえるのが、私はUFOを買ってる理由だし、ここいらを魅力に伸ばして行くべきだと思う。

 さて最後は、新日から引きずってきた小川対フライの因縁の闘いであるが、これもまた最初から最後までプロレス的魅力に溢れた試合だった。まず、小川とフライの路上での乱闘シーンだが、こういうシチュエーションがもう最大限にプロレスであろう。わざわざカメラの前でふっかけ、頃合いの良いところで廻りが止める。そしてタクシーでさっさと帰る。誰に教わったのか小川完璧である。で、タクシーの中での捨てぜりふも実に良い感じだった。

 考えてみると小川ってのは、レトロな臭いのするレスラーだと思う。まず体がでかく、ナチュラルな強さを感じる。今のレスラーのような無理矢理作った体でないようなのも良い感じだ。で、投げ技とかも不器用なぶん危険度が増して迫力がある。決定的なのはおつむが弱そうってことだ。会社の操り人形って感じで、実に昔のプロレスラーっぽい。「こういう時は怒るんですよ、こういう時はアピールしましょう」って一々指示出されてそうだし。言うなれば国際プロレスのレスラーっぽいな。グレート草津とかストロング小林とか(良く知らんけど)祭り上げられちゃった系とでも言うか?でもこのまま順調に伸びていったら、鶴田みたいにならないかなぁ?期待してるんだけど。

 話を試合に戻すが、結末もまたプロレス的だった。昔の新日に良くあった、勝手にレフリーが判断しちゃって選手はピンピンって奴だ。ノールールなんだからレフリーが止めなくてもと思うが、そこがノールールの奥の深いところで、KOやギブアップでないと試合は決着しないと言うルールもないんだから、レフリーが勝手に止めても良いのであろう。恐るべしノールール。まさに何でもあり(別の意味で)。この辺のさじ加減次第でどうにでも変わるインチキ臭さは、まさにアントニオ猪木の本領発揮という感じであろうか?まぁ結果としてはこれからも興行の柱となる、小川対フライの対戦成績が五分となり、良い感じの因縁も残りで、万々歳の判定であったと思う。

 いつまで猪木のやる気があるかわからないし、いつ猪木の気が変わるかわからないが、このままの路線で進んでいくのなら、私は結構面白い団体になっていくと思う(私が飽きるかも知れないが)。とりあえずは次の12月30日の試合が楽しみである。新日と交わっちゃって新日の連中の煙をまくってのもいいなぁ。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/11記)

 また今週もライガーダメ話で申し訳ないのだが、せっかくのタイトルマッチなのに、全然盛り上げようとか良い試合にしようとかしていないその姿勢に頭に来たので書かせていただく。

 試合展開としては、ライガーが最初チョコチョコとせめて、サムライが挽回して猛攻するのをライガーが只ひたすら耐え、観客のフラストレーションが溜まったところで、形勢逆転の掌底。2.3技出して掌底フィニッシュという、昔からプロレス界に存在する典型的な試合パターンであった。本当に今のライガーに新しい物を生み出そうという気は、全然無いようだ。酷い話だ。この試合もタイトルマッチとして成立しているのは、サムライの頑張りにあると言っていいと思う。ライガーがただ肩を上げて3カウント入らないようにだけしている楽な時間に、色々な技を駆使し、新しい技なんかも出して観客の興味をずーっと引いていたのはサムライなのである。先週の全日の方でも書いたが、レスラーは気絶でもしない限り、カウント2で肩を上げること事態はそんなに難しいことではない。むしろそこで肩を上げてしまってから、試合を成立させられるかどうかが難しいのである。今日のライガーのように、只耐えているだけでその間に技を出さないのなら、ライガーの出すべき技はいっぱい残っているのだから、ライガーは安心してカウント2で肩を上げられるのだ。こんなに楽な試合はない。こんなに楽な試合をしているのにも関わらず、ライガーのフィニッシュへの技は、掌底、ライガーボム、掌底だけである。これだけの技で、観客を納得させられるライガーの人気と実力は凄いのかも知れないが、それはサムライがたくさんの技を見せて、観客を納得させていたから、みんな満足するのであって、こんな楽な試合をライガーはしていてはダメだと思う。前に新日のジュニアと全日は似ていると書いたが、全日ならライガー役も技を惜しみなく出し、二人してヘロヘロになるまで名勝負を繰り広げたであろう。何たって今回の対戦相手は「妖怪?」サムライなのだから。一方的に攻めて出す技が無くならなければ、そりゃ良い試合になったと思われる。現に過去は良い試合をやっていたのだから。

 試合後のコメントを聞いても解るとおり、ライガーは猪木になりたいようだ。「いつ何時誰の挑戦でも受ける」笑わせないで貰いたい。今のライガーの試合は勝負には勝ってるかも知れないが、試合では完璧に負けている。そんな寂しい輩が豪語するようなセリフではないはずだ。確かに晩年の猪木には似ている。耐えて耐えて、延髄ちょこん。卍、だーっ。提供字幕。だがそんな時代の猪木になりたいのか?あれは衰えてきた猪木、最後の抵抗だったのではないのか?それとも金本、大谷の試合を見ていて自らの衰えを感じたのか?本当に今のライガーはなってない。

 後は小島のバカっぷりかな?試合後のマイクアピールで「どいつもこいつもバカばっかだ」とやっていたが一番のおバカさんはお前だろう?それともNWOが好きで、ラリアットが好きで、型にはまった試合にしか反応できない新日ファンのことを皮肉っているのだろうか?


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(11/11記)

 今週は武道館大会の残り試合。馬場と邪道外道の絡みの試合は、実にプロレスしていて面白かった。メジャーとインディーとを良く区別をするが、むしろ今の新日のレスラーのしょっぱさを見ると、ちゃんとプロレスが好きでやっているインディーのレスラーの方が、プロレスラーとしては(格闘家としてではなくね)しっかりしているレスラーが多いと思う(どうしようもない人たちも多いけど)。何と言ってもインディーのレスラーで、メジャーに上がるような人たちはキャラクターがしっかりしていると思う。みんな小太りで、ラリアットばかりで似非長州のような新日のレスラーに見習わせたいものだ。テレビ放送が無いため、どの会場でも初めて見に来てくれた人に、ちゃんと解るように個性が際だっていると思う。

 川田&田上対高山&垣原の試合で気になった点は、タッグにもかかわらず川田でなく田上が試合を組み立てていたということである。通常田上はナチュラルな運動能力の高さを武器に、流れに身を任せたまま試合を乗り切ってしまうことが多いのだが、この試合では高山の金的で劣勢になった状況を耐えて、挽回して勝利をものにしている。どこが試合を組み立ててるのかというと、どう見ても高山のニーは金的には当たっていないのである。それなのに当たって悶絶して、そこから劣勢になって行くなんていう筋書きを田上がきちんと描いているのが、今までの田上にはなかったNEW田上なのではと言いたいのだ。やってることは左のライガーと似ているのだが、プロレスラーとしてのレベルを考えるとライガーのやっていることは退歩であり、田上のやっていることは進歩である。今まで何でも鶴田任せ、川田任せだった田上にとってこれは大きな進歩なのではないだろうか?三沢を中心に激震が無理矢理起こされている全日の中で、唯一安定していた川田、田上組もいよいよコンビ解消で、独自の道を歩むことになるのだろうか?そんなことが感じられた一戦だった。

 後は田上のガードというかファイティングポーズが、おちょっくってんだか大まじめなんだか、とにかく滑稽で笑えた点と。たかだか一週だけ45分になったのに騒ぎすぎって事かな(いや、そりゃ嬉しいのも頑張ったのも解るけどさぁ、いっそのこと最強タッグ中はずーっと45分とか、一気に60分とかならネェ)。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/18記)

 今週も蝶野不在で、ガタガタしかけの雰囲気をかもしだしたいNWOタイフーンシリーズ。

 一応武藤、小島組にNWOの外人はしたがっている図式になっているが、この外人達は本当につまらない外人達だ。前々から思っていたのだが、どうしてこのおっさん達はこうも華が無いのであろう?みーんな同じに見える。白く塗ってるのがスティングで、ハゲで固太りなのがノートン。これ以外はみんな同じに見える。そろいも揃ってただデカくて、頑丈で、体なんか鍛えたことなくて、当然ブリッジなんか出来無さそうな、酒場の用心棒みたいなのばかり。まぁ華が無いからアメリカでダメで日本に回されているのだろうけど、プロレスは出来るにしても、あまりにキャラがかぶりすぎであろう。やっぱり日本は未だになめられてる。唯一日本に定着している形のNWOスティングにしても、いつまでもスティングではダメだろう。アメリカで出てきたときにこそ、偽スティングの価値はあったかも知れないが、日本で偽スティングをやっている必要性はまるでない。日本のファンにはスティングの印象なんて、世界のプロレスに出ていた角刈りでサソリのタイツ履いたあんちゃんぐらいのイメージしかないのだから。なんかマサさんと辻が絶賛していたが、それほどのレスラーとは思えないんだけどなぁ。まぁ新日の外人レスラーはいまいちなのが多いからかもしれないけど・・・

 ジュニアでは久々にワグナーJr.が参戦していて、いつもと変わった雰囲気が出て面白かった。やっぱりこのおっさんは良いよ(おっさんかどうか知らないけど)。独特の雰囲気があるモノ。フランケンシュタイナーとかの回転技の時に、ワンテンポ遅れて体が回ってくるところとか(一瞬、なんだ失敗か?とドキドキさすのがイカス)外人なのにマシン語話すとことか(う゛がーって奴ね、平田がラリアット出す時とかに喋るあれ)本当に良い外人だ。そう、こう言うのを良い外人というのだよ。デカくて頑丈なら良いってのは間違ってると思うぞ。

 後は不人気永田の、レトロ技シリーズにまた新しい技が加わってた。鶴田が大一番で良くやってたあれだ。相手をロープに振って飛びつくんだけど、自分がデカすぎて必ず反対側のロープに体ごと倒れ込んで、首が引っかかって自爆するあれだ。良いぞ永田。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(11/17記)

 年末恒例最強タッグ開幕戦。いやーやっぱり全日の一年間の構成は良い。最強タッグが来ると本当に今年も終わるなぁって考えさせられる。上手くできてる。

 最強タッグといえば、やはり全選手の入場式でしょう。これをカットしている年はやっぱりちょっとテンション下がりますし。ピポピポピポポポ、ピポピポピポポポ、チャラチャチャチャチャチャチャチャチャーチャチャーンって曲と同時に弱いチームから入ってくるあの入場は、本当にわくわくさせてくれます。例年だとリングアナの紹介と、テレビの映像がずれているのが若干気がかりだったのですが、今年はリングインと同時にコールしていたため、タイミングドンぴしゃで良い感じでした。

 で、肝心の試合の前に一つ。私は日テレの全日の中継の仕方にずーっと苦言を呈してきていたが(ドキュメンタリータッチのブツ切れ中継ね)、こと最強タッグに関しては、この放送形式がピッタリだと思う。それはなるべく多くのチームの試合を映さないと、やはり全体の流れみたいなモノが掴みにくいからだ。特に30分になってからは、こないだ開幕戦やったのにもう決勝かよって自体に陥りやすいので(まぁ日テレが行ってない会場が多すぎると言うのもあるが)なるべくいろんな試合を流して、全体の流れを把握させてほしいモノだ。

 では試合の方から気になった選手などをあげていこうと思う。まずもっとも期待されていたベイダーだが、やはり東京ドームの時のような遠慮が感じられた。新日の選手から変な風に聞かされているのか、あまり全日というモノが掴めていないような気がする。もっとガンガン行っても全日のレスラーは壊れない。一つ一つの技は、新日の頃と同じようなモノを出しているが、いまいち破壊力、迫力に欠けているように感じる。やっぱり小川の小ささにびっくりして遠慮しちゃったのだろうか?

 もう一人の大物、バート・ガンだが、結構ちゃんとしていて驚いた。試合の組立などはダイジェストなので良くわからなかったが、少なくともエースときちんと連携できているところを見ると「ちょっと小遣い稼ぎに来た」程度のお気楽ぶりではないようだ(ちゃんと二人で練習したんだなぁ)。

 これまでは、あまりボロの出ていなかったヘッドハンターズだが、やはりこのメンバーの中にはいると厳しい。特に今回は極端にレベルの低いチームが(本田、泉田組とか)無いだけに、得点配給チームになりかねないと思う。やはり強いと言うより、面白さで食べているチームなので、世界最強タッグという括りの中では苦しいか?アジア最強タッグ向き?

 


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/24記)

 右の全日の枠は書くことがいっぱいあるのだが、今週の新日には見事に書くことがない。毒づく気にもさせない。あんまり面白くないのだ。今週のストーリーとしては、仲違いしていたNWOジャパンの武藤・小島組と天山・ヒロ組が、何となく納得はしていないけど、お互いを認めつつあると言うストーリーなのだが、だからどうしたの?って感じだ。相変わらず会場の新日ファンは、アメリカの小学生のように盛り上がって喜んでいるが、そんなに面白いか?そんなに応援して盛り上がれる対象か?小島が?

 大体毎週プロレス雑誌が出ているこのご時世に、テレ朝の中継は遅すぎる。元々底の浅いストーリー展開で突き進む新日演劇を、さらに先がどうなっているか解ってて見るプロレスファンのことを考えたことがあるのだろうか?この深夜のバカみたいな時間に、わざわざチャンネル合わせてプロレス見ている奴なんて、当然毎週プロレス雑誌も見るであろう。すると試合の結果なり、流れは雑誌に出てしまっているのだ。特に全日やジュニアのように試合内容で見せているのならまだしも、新日ヘビーはストーリーで見せているのだから、試合結果と流れは致命的である。試合内容にたいして魅力がないのに、この先どうなっているのか解っていては、何も面白いところはないのである。昔の新日は生だったし、雑誌も週間ではなかった。だからテレビの前の視聴者も、猪木と新間が繰り広げるインチキ演劇に(良い意味でね)、のめり込むことが出来た。でも現状で、ああいうことをやろうとしてもダメだ、そりゃ時代は一回りしていて、ガスパーズで失敗した事を覚えている人も減ったであろう。UWFの真剣勝負っぽさも幻想であった事になりつつある。大衆演劇的プロレスを支持する要素はあるかも知れない。だったらまず、テレ朝は週刊誌より先に試合を放送すべきである。昔みたいに興行数が多いわけではないのだから、充分フォロー出来るはずである。そうでなければ、何度も書くがレスラー自体に魅力が薄い今、ネタがばれていてはこういう形式に魅力はまるでない。だから今週の放送も、天山が小島に活を入れたという週プロの記事を読んでしまった身には、まるで面白味がなかった。二週間は、ずれすぎである。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(11/24記)

 先週書いたとおり、やはり最強タッグシリーズに、日テレのドキュメンタリー風ブツ切れ中継はピッタリである。例年の最強タッグシリーズより遙かに得点経過が解りやすく、全体が把握できる。そして、試合自体が早かったこともあるが、今週の二試合は割合じっくり見れたし今のところ本当に良い感じである。

 さて今週もベイダー旋風が吹き荒れている。先週も書いたようにいまいちパンチなどの打撃系の技に、新日にいたときの迫力がないように感じるのだが、反対に体全体を使った技は、新日時代より確実に迫力を増しているように感じ、総じてベイダーの迫力自体は全然衰えていなく、今回の全日参戦はベイダーにとっても、全日にとっても大成功だったのではと思う。唯一割を食っているのが、ベイダーのせいで一回り体が小さく見え、ますます衰えて見えるハンセンだが、動き自体は例年になく良く動けているので、後半戦ではベイダーの添え物でなく、主役としての活躍を見せて貰いたいものだ(でもベイダーの動きとかを見てると、もうハンセンは化け物ではないなと感じるなぁ)。新日にいたときはあまり感じなかったのだが、ベイダーというのはあの体で実に良く動く。特に全日マットでは、試合時間短縮のためかガンガン責めるので、ゆったりした休む動きが全然無く、本当に化け物のようだ。コンディション自体も新日に参戦していたときより良いのではと思えるし、何にもやって無さそうで実は結構トレーニングしてるのだなと感じた(でも本当は何もやってないか?)。昔はこういう只の田舎のおっさんみたいなのに、無性に強いというレスラーが結構居たものだが(レイス、ローデス、マードック、ハンセン等々)、近年はタッパがデカイだけだったり、無理矢理筋肉作ってたりする外人レスラーが増えてしまい、化け物みたいなレスラーもベイダーで最後かなぁ?なんて考えたりするとちょっと寂しくも思える。アメリカではあまり活躍する場所は無さそうなので、全日でその化け物ぶりをもうしばらくアピールして欲しいものだ。

 ガン・エース組も全勝で突っ走ってるわけだが、エースは本当に良いパートナーを得たという感じだ。エースというレスラーは元々試合の組立や技の入り方にぎこちなさの目立つ、ある意味しょっぱいレスラーなのだが、ガンは良くその欠点を補っている。また、自分が自分がというところもなく、エースにもちゃんとおいしいところを残しているので、このタッグは案外長続きするのではないだろうか?実際良い感じに乗せて貰ったエースの最後の連発技はみんな素晴らしく、三沢からフォールを奪うのも十分納得できる切れ味だった。

 むしろ心配なのは、三沢・小川組であろう。開幕前の試合では、ヘビー級相手の試合でもそつのないところを見せていた小川だが、いざ蓋を開けてみると例年になく外人勢の出来が良く、非常に苦戦していると言わざるを得ない。昨年までなら、衰えてきてパートナーにも恵まれてないハンセン、日本人と組んでいるエース、キマラで、注意すべきなのはウィリアムス・オブライト組ぐらいで、今年ほど苦労せずにリーグ戦を乗り切れていたはずだが、いかんせん今年はタイミングが悪すぎた。せっかく三沢が小川を大抜擢し、観客もそれを認めかけていたのにこのシリーズで台無しになる可能性すらある。特に小川がやられて負けるのならともかく、三沢に的を絞られて負けている現在は、あまりにも小川が機能していないように見えて印象が悪すぎる。後半戦は日本人中心の試合になるのでいくらか盛り返すだろうが、小川良成というレスラーを殺さないためにも、もう少し三沢共々頑張って貰いたいものだ。このままではジュニアにいたままの方が、小川の価値が下がらなかったとか言われかねない。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/1記)

 今週から新日も全日のパクリ企画、暮れのSGタッグ戦シリーズが始まった。

 で、それとは関係なく淡々と試合が繰り広げられているジュニアの話題から。もうライガーに関しては諦めようと思う。やはり頭の腫瘍のせいで、激しいファイトは出来なくなっていると好意的に解釈しようと思ってもいる。スープレックスでブリッジをしないで投げっ放すのも、シューティングスタープレスを出さないのも(これは年のせいか?)、掌底とボディーアクションのみで観客を沸かすのも、全部それで説明がつくからだ。これからは彼も温かい目で見てあげるレスラーの仲間入りである(でもだったらあんなに偉そうなこと言わなきゃ良いのにとも思う)。

 先週からワグナーJr.がジュニア戦線に復帰していて、ジュニアの試合にまた活気がすこし戻ってきている。今週も新しい技などを出して試合を盛り上げているのは、ワグナーJr.で、本当に彼は良い選手である。今週の試合でもフィニッシュで高岩にデスバレーを喰らった後、フラフラと立ち上がってしまい、ラリアットを真正面から喰らう辺りなんかはもう本当に絶品だった。タイミング、方向、よろけっぷり、喰らいっぷり、もうすべて完璧。旨いレスラーだ。

 メインの公式戦では、小島&武藤組を話題の中心としたいようだが、いかんせん小島を認めていない私としては辛い中継であった。喋る言葉は3パターン(行っちゃうぞ、うるせぇ、痛っえな+バカ野郎)の繰り返し、出す技もラリアットだけ。しかもそのラリアットは日本一の使い手だとほざく。本当に画面に出ているだけで不快である。しかも今週の中継では、辻アナが何を思ったのか「日本一のラリアッター」の大安売りで、聞いてるこっちが恥ずかしくなってしまった。辻は本当に日本一のラリアット使いだと思ってるのだろうか?今週の全日のハンセンのラリアットを見れば、そんな戯言は恥ずかしくて言えないはずだし、日本人に限定しても小島クラスのラリアット使いなんて、インディーにだってゴロゴロしていると思う。日本人で一番のラリアット使いは、疑うことなく小橋である。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(12/1記)

 今週も最強タッグシリーズだが、公式戦でなく三沢、ベイダーの絡みのある六人タッグが一試合目の中継に選ばれた。試合を見れば中継をしたくなる理由も解るのだが、リアルタイム?中継を心がける日テレでは、来週もう公式戦決勝なのだから、出来るだけ公式戦の中継をやってほしかった。特にこの後は星取り表の上で重要な闘いがあるのだから、一週ずらしてでもその辺りの試合もキッチリと中継して貰いたい感じだ。言っていることがコロコロ変わっているように感じるかも知れないが、要は視聴者、プロレスファンのことを考えた中継をして貰いたいって事である(新日は年間を通して放送が遅すぎるし、全日は最強タッグ戦に関して、終盤の大事な試合をないがしろにしすぎる)。

 さてそんな大事な公式戦を押しのけてまで、中継することになった六人タッグだが、これはもうフィニッシュだけで見る価値があった。ハンセンの続けざまのラリアット2発でケリが付いているのだが、このキレと破壊力が本当に素晴らしいのだ。久々にハンセンのラリアットで鳥肌が立った。やはり囁かれているとおり、ベイダー効果が現れているのだなぁと言うのを感じさせられた一撃(二撃?)だった。入退場の暴れっぷりも実に気持ちがいい。あれぐらいの迫力だと体を触りに行くのにも価値があるってモノだ。

 公式戦の方は外人土付かずチームのもう一方の雄、エース&ガン組が川田、田上組に敗れた。さすがに暮れの最強タッグ、武道館に外人同士のメインはどうなのか?というバランス感覚が働いたのだろうが、外人同士の決勝戦も面白かったと思うし、今回はその方が説得力があったように思う(いや、まだ現段階ではどこが出てくるか解らないけどね、只ここで勝ったってことは、田上&川田組が決勝に進みそうな流れだなぁと考えて書いている。ほらそう言う意味でも、一週間ずらして決勝までの大事な試合を中継するべきだと思うぞ。)。

 ひょっとしたら日テレも気をきかして、延長分の15分で決勝戦までのダイジェストやるかも知れないし、決勝戦の相手もエース&ガン組みになってるかも知れないので、来週の中継はいろんな意味で楽しみである。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/7記)

 遂に画面に出てしまった。最悪レスラー大仁田厚。相変わらずマイクアピールは何を言っているのか解らないし、本当に最悪である。天下の新日がどうしてこんなのの相手をしてしまうのだろう(まぁそんなことを言ったら小鹿や石川の相手もしてしまったが)?私はこいつだけは認めることが出来ない。受け付けないのだ。引退後プロレスがやりたくて、自分で団体を起こした辺りまでは良いだろう。そしてその手段がデスマッチだったのもまだ良い。だが次第に勢力が大きくなり、一般マスコミに扱われるようになってきてからはダメだ。プロレスが出来さえすれば良かった男が、新日、全日に次ぐ第3勢力となり、邪道プロレスなどとと言う看板を抱え天下を取ろうとまでする。そんな器でもないのに。

 一番許せないことは、一般人への認知度の高さだ、デスマッチは血が出る、血が出ると言うことは痛い、それを縫うのもまた痛い、これは実に解りやすい。プロレスを知らない人にとって、どんな凄いスープレックスや間接技より、自分の経験値で痛みが解ってしまうのである。投げ技で受け身を取り損なった衝撃とか、間接技がしっかり入って靱帯を痛めたりとかは、一般人には解らないので説得力がないのである(まぁ実際にはダメージが残るようには決めないのだが)。つまりカッターで指を切ったことの方が、転んで脳震盪を起こしたり、骨折したりすることより、凄いと思われているのと一緒なのである。で、そのわかりやすさのせいで、マスコミもガンガン取り上げる、すると只の見せ物プロレス、ガマの脂売りプロレスの分際で、世間の認知度は鶴田より上、長州より上となってしまうのだ。これは許せないことであろう。

 大仁田本人は、自分のやっていることのインチキさは当然知っていてやっている。なんたって自分はその、人に見えない解らないヒザの故障で引退しているのだから。そんな自分が出来るプロレスが、ああ言う見せ物プロレスだったわけだから。なのに奴は分をわきまえるのを忘れてしまった。新日や全日の軒先を借りて、インチキプロレスをやらせて頂いていたのに、世間のあまりもの認知度に自分のインチキプロレスも正しい、これもプロレスだと開き直ってしまったのだ。

 ちゃんとしたプロレスが出来なくなった者が、自分なりの考えで、プロレスのようなことをやって飯を食っていくことを私は悪いとは言わない(小鹿とかね)。また、自分の体格的ハンデや技術的未熟さを、デスマッチという形でごまかしても、それはそれで有りだと思う。だが、それらのレスラーには、常に新日、全日などのきちんとしたレスラー達に対する尊敬というか、謙虚さを持っていて欲しいし、持っているべきである。それなのに、大仁田という男にはそれがないのである。世間的には、知っているプロレスラーというと馬場、猪木、大仁田なんだそうだ。奴はこの認知度にあぐらをかいて飯を食っている。それが許せない。ちゃんとしたプロレスももう出来ない体であるのに。だから私は、どんなに奴の頭が回ろうが、それに世間が踊らされようが、大仁田厚だけは絶対に認めない。

 そんなバカレスラーを新日はリングにあげてしまったのだが、新日の「金になりそうな奴は誰でもあげる」という姿勢は本当にどうにかして欲しいと思う。今回もマンネリ気味の東京ドーム大会へのテコ入れにちょうど良いと思ったのだろうが、どうせ飽きられたらポイ捨てするにしても、もうちょっと節度のある対応をして欲しいと思う。これは「いつ何時誰の挑戦でも受ける」と言うのとはちょっと違うと思う。あまりにも天下の新日が利用されすぎだと思うぞ。

 この件で一番可哀想なのが健介だろう。一時はトップ近くまで登りつめたものの、ラリアットバカ一代のしょっぱさぶりで干されかけ、永田の噛ませ犬に成り下がってただけでなく、大仁田の対戦相手だなんて・・・評価が下がることはあっても上がることは絶対にないこんな試合をやる価値があるのだろうか?ますます健介危うしである(金本とかにボカボカにさせちゃえば良いのに)。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(12/8記)

 さて、ハンセン&ベイダー組のおかげで、近年にない最高の盛り上がりを見せた世界最強タッグシリーズだが、結果的には最悪な結果を迎えてしまった。この日も入場シーンから迫力一杯で、場内の盛り上がりも最高調。昔まだゴールデンタイムで放送されていた頃の、プロレスの輝きが蘇ったように感じたモノだった。それほどまでにベイダーというレスラーの存在はでかく、また本人のコンディションも最高だった。そして全日という空間も元々巨大レスラーを歓迎する傾向にあって、すべてが完璧に良い方向に流れているように思えた。

 しかし、歯車はやはり先週からずれ始めていた。バランス感覚により決勝に進出してきたのは、私が予想した川田&田上組ではなく小橋&秋山組であった。嫌な予感はした。リーグ戦の組み合わせも最後に小橋&秋山組の試合がまとまっていたし、何と言っても小橋&秋山組には天下を取る大義名分がある。革命という名の。もう一つの革命を起こすべきチーム三沢&小川組が、全然本戦に絡んでこなかった現状では、全日を支えるべきなのは、その三沢と好勝負を繰り広げてきた小橋であるという暗黙の了解。

 結果は小橋&秋山組の優勝だった。だがベイダーの勢いを止めての優勝なら良い。また、小橋という男に全日ファンはそれを期待していた。小橋ならやってくれる。体格的にも今の全日でベイダーに対抗できるのは小橋しか居ない。「あぁそう言う意味で、決勝は小橋だったのか」そう考えたかった。だが、やはり結果は最悪だった。一瞬の隙をついてのラリアット。側頭部に入った為、見栄え、説得力はいまいち。だが場所が頭だっただけに、効いたのだろう。何て言っても日本一のラリアット使い小橋の放った一撃なのだから。問題は、喰らってぶっ倒れたのがハンセンだと言うことだ。そう、小橋&秋山組はこの試合で何もできなかった。ベイダーの勢いを止めるどころか、蘇ったハンセンの勢いすら止められなかったのだ。前半戦は私の思ったとおり力をセーブしていたベイダーだったが(ハンセンのアドバイスだったらしい)、この日の試合では全開バリバリだった。もう秋山なんかゴムまりのように吹っ飛んでいたし、小橋もヘロヘロタジタジだった。「ベイダーには敵わない」観客も実況席も小橋達もそう思ったであろう。しかし、その瞬間おかしな事が起きた。コーナーポストに秋山を振ろうとした時に、ベイダーは秋山に何かを囁いた。その直後秋山はベイダーアタックを避け、ベイダーのヒザにドロップキック、交代した小橋もヒザにドロップキック、そしてバックドロップである。バックドロップの時、そりゃベイダーは良く飛んでいた。ナイスジャンプである。

 ベイダーはやってしまった。あらかじめ全日サイドから言われていたのか、あの場で自分で判断したのかは解らない。だが今の全日に一番そぐわないことを、新日の時のように平然とやってしまった。「自分の力は充分アピールできたからもう良い」そう考えたのかも知れない。あるいは小橋達に反撃のチャンスを与えて、それをしのいで自分たちで勝って、より強さをアピールしたかったのかも知れない。だが、一度傾いた流れは変わらなかった。あんなに強く、誰もが勝利を疑わなかったハンセン&ベイダー組は負けた。しかもベイダーでなく、復活か?と期待させておいたハンセンがフォールされて。また書くが、ベイダーの勢いを止めて勝つのなら良かった。たとえベイダー自ら勢いを止めたのだとしても。それなら小橋の勝利にも意味があった。だがハンセンではダメだ。何も良いことはない。せっかくのハンセンの復活を喜んだプロレスファンがどれだけ居たであろう。入場の時の迫力は、ブロディと組んでいたとき以来の迫力であったし、ラリアットの破壊力も抜群であった。久々のハンセンの優勝に涙する準備もあった。全日ファンはそう言う流れが好きだ。それは外人にも日本人レスラーと同じだけ愛情を注いでいるからであり、全日の外人レスラーは、そのファンの期待にも充分応えている。  

 なのに、あれではダメだろう。今年は圧倒的強さでハンセン&ベイダー組が優勝し、来年のタッグ戦線はあの二人を軸に進んでいくという流れが良かったのではないか?なのに来年の最初のタイトルマッチは川田&田上組対小橋&秋山組である。はっきり言ってベイダーのド迫力ファイトを見てしまうと、今までの全日のファイトは少し見劣りする。現に、優勝戦の後に放送された6人タッグは、良い出来だったのにもかかわらず、物足りなく感じた。最高レベルの闘いだと思っていたモノは(いや受け身やスタミナは未だ最高レベルだけどね)馬場の考え「体の大きい人の方が有利なんです」のもとに簡単にうち砕かれようとしているのだ。ある意味、三沢プロデューサーの作ってきた今の全日のスタイルと、馬場プロデューサーの昔ながらのプロレススタイルの闘いでもあるのだが、そういう旬な争いも小橋&秋山組では、実現しないのだ。やはり、来年一番のタイトルマッチは川田&田上組対ハンセン&ベイダー組であるべきだっただろう。

 とにかくあの試合結果がすべてを台無しにしてしまったと私は考える。小橋のあの勝ち方は、まだ鶴田にあまりやる気がない頃の、ニックボックウィンクル戦?を思い出させた(ニックに好きなようにやられて、勝ちだけは貰った)。小橋にもハンセンにもベイダーにも全日にも、マイナスな一戦であった。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/15記)

 SGタッグ戦シリーズ。全日が早々とカレンダー通り、決勝まで放送してしまったのに対して、新日は1/4まで順調に独自の放送スケジュールで展開している。元々組んでいるタッグに必然性が無く、後のタッグ抗争にもあまり関連してこないこのシリーズは、結果というモノがさして重要でないように思えるので、雑誌などでネタバレしても問題なく、安心してゆっくりしたテンポで見られるのがいい点だ。

 新日という団体は、昔から軍団抗争が好きな割に、タッグよりシングルに重点が置かれているので、こういうタッグ戦をやっても後々盛り上がっていかないのが残念だ。というか、みんなタッグのベルトにあまり興味がないのか、あまりタッグベルトの扱いに品位が感じられないのも特徴的である(急造チームがいきなり獲ったり、あんまり防衛しなかったり)。

 さて、そんな中今週の放送分では武藤組と山崎組の試合が面白かった。放送中でも再三言われていたが、この試合の山ちゃんはことごとく武藤の攻撃を読んでいて、返し技がビシバシ決まって非常に格好良かった。で、放送席もみんな山ちゃんのことを褒め称えていたのだが、ちょっと待て。考えてみれば武藤のファイトスタイルなんてモノは、610武藤の時代から変わっていない「こんな技出しときゃお前ら満足だろ!」プロレスなので、今まで読むレスラーが居なかった方が不思議なのである。そりゃ一つ一つの技を単発で見切るレスラーは居たが、10年以上同じ事をやっているレスラーに対して、新日のレスラーはあまりにも今まで工夫が無さ過ぎたのではないだろうか?だから武藤自体もあまり進歩せず、本来の潜在能力以下のつまらないレスラーになってしまっているのではないだろうか?やっぱりレスラーというモノは、得意技を破り破られしながら、新たなステップに上がっていくモノだと思うので、武藤がプロレス自体で成長するわけでなく、キャラクターや怪我などプロレス以外のことでハードルを越えて成長してしまっているのは、他の新日レスラーに問題があると言わざるを得ないと思う。そんな意味で一連の山ちゃんの攻撃は、武藤が新たなステップに上がるために非常に良い攻撃であったと思う。他のレスラーも見習って、いつまでも武藤に同じ事をやらせないようにしてほしい。同じ技を同じパターンでやるのは、皆に温かい目で見られるレスラーになってからで良いのだ。

 後は相変わらず中西のアルゼンチンは凄いってのと、ノートンがマードック式のエプロンから首だけ出すエルボーをやっていたのが少し嬉しかった。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(12/15記)

  先週の放送で今年分の放送は終わってしまったも同然なので、今週の放送は残り物ピックアップである。

 圧倒的強さで独走しながら、一瞬の返し技で惜しくも敗れた(美辞麗句)ベイダー組だが(ハンセン組と書いていない自分が悲しい)ベイダーのこのシリーズでのコンディションは本当に良かった。あれだけ動き回っているベイダーと言うのは、新日の時でもあまり印象になかった。最近はあまり試合をやっていなくてコンディションが良かったのかも知れないが、以後いつまであのコンディションが維持できるか楽しみでもあり心配でもある。一番不安なのは、巨体レスラーなら必ずやられるヒザである。特にベイダーの技はヒザを酷使する技が多く、ベイダーが飛んでヒザで着地する度に冷や冷やしてみてしまう。全日に上がるのが少し遅すぎたと言われないように、ベイダーにはこの後も健康で、頑丈で名勝負を繰り広げてほしいモノである。ハンセン以降、全日でトップをはれる外人は、みんなフェードアウトしてしまっているので(ゴディ、ウィリアムス)、何とか定着して欲しい。

 で、優勝を何とかさせて貰った小橋&秋山組だが、このタッグはあまり良いチームではないと思う。この欄で何度も書いているが、秋山というレスラーは本当に扱いの難しいレスラーだ。体格的に飛び抜けているわけでない、顔が良いわけでもない、技はそこそこ起用にこなすが頭はそんなに回る方ではない。と、非常に個性に乏しいレスラーなのだ。そんな秋山が唯一光ったのが、三冠戦での徹底した小橋へのヒザ攻めであった。相手の弱い場所、痛めてる場所をいやらしく責めるのが、秋山のキャラクターとして適していると思ったのだが、小橋と組んでいてはそう言うナチュラルヒール的な嫌らしさは出てこない。そう、小橋と組んでいる限り、今までと変わらない、何だかパッとしない小橋の補佐の善戦マンでしか無いのである。本当に四天王の一角に食い込ませたいのなら、小橋などと組ませていないで、川田辺りと組ませてキツーイ試合を繰り広げるチームにさせた方が良いと思う。顔面ガンガン蹴る川田に、敵の急所ばかり責める秋山。これは嫌なチームである。

 後は、緊急発表にあったジュニアヘビータイトルマッチ小川対垣原が非常に楽しみである。はたして旨く噛み合うのか?「垣原はジュニアなんかやりたくネェ」とか考えてるんじゃないのか?はたまた小川はこれをきっかけにジュニアを卒業しようとか企んでいないのか?全日にもジュニアの波が来るのだろうか?浅子、金丸、志賀は?そして菊池の動向は?いやータッグ戦線がスカされただけに、本当に楽しみである。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/22記)

 SGタッグ戦決勝。さすがに今年も残り少なくなっての大一番だけあって、新日の試合にしては気合いの入った良い試合が多かった。ただ全体の流れとしては、全日の小橋秋山組をどうしても優勝させたいというのと同じく、小島武藤組を優勝させて、小島をスターレスラーにしたいという新日サイドのゴリ押し的展開に辟易させられた。

 どう考えてもあのブタゴリラにそこまでの資格があるとは思えないが、親日的にはかなり彼を押したいらしく(長州的?)今日の試合でも場外で何故か飯塚、藤田にキックを喰らい、場内の同情を集めコールをされている様なんぞは見ていて本当に虫酸が走った。それにしても飯塚も落ちたモノである。長州のパートナーにいきなり抜擢されて、タッグベルトを獲った日は遠い過去の話である(飯塚効いてるぞ!でお馴染みの)。通り一辺倒のことしか出来ず、話せない小島のしょっぱさに気づいたのか、とにかく最近の小島は、やられてやられて耐えて耐えて武藤につなぐという、あんまり頭を使わなくて良い試合ばかりやっている(やらされている?)。これがまたおバカな新日ファンの琴線に触れるらしく、実に簡単に小島ファンが形成されている。みんなもう一度よく見てみよう。君たちが熱狂してコールをしているその後ろ毛の長いデブは、ちょっと顔の出来の良い泉田みたいなモノだぞ。いや泉田の方がプロレスラーとしては上かもしれない。世が世なら(長州政権でなかったら)テレビにも映らないようなレベルのレスラーなのである。あまり新日の描く浅いシナリオに簡単に乗らないで、自分の目でレスラーを見極めて欲しいモノだ。

 対して、武藤は小島を引っ張ってきた都合上いつもより頑張っていたように見える。先週武藤封じの技が多く出ることによって、武藤はより成長できるのではないかと言うことを書いたが(逆説的にね)今週もその思いを強くした。武藤はもうレスラーとしては天才的なセンスを持つのに、ある程度のレベルで妥協しているようにも思える。それは自分の怪我のせいもあってセーブしていると言うこともあるかもしれないが、やっぱり武藤を本気でやる気にさせるレスラー、試合が少ないからではないだろうか?武藤が80年代初めの新日や今の全日にいたら、もっと閃きのあるキラリと光る名試合を多く残していたと思う。今週の試合、天龍への場外へトップロープからのエースクラッシャーなどはまさにそれで、天龍という武藤を熱くさせ、かつ安心して技をかけられる相手だったからこそ出た大技だと思う。NWOの勢力争いで再び蝶野に巻き返され、新日を飛び出して一年ぐらい全日に参戦させて、一皮さらに剥かせた凄い武藤が見てみたい気もする。


全日本プロレス中継30 日本テレビ系日曜深夜(12/22記)

 今週は最強タッグシリーズの総集編なので特別に書くことはあまり無いのだが、一つ声を大にして言いたいことがある。それは、30分の枠を四苦八苦して45分にしているのに、年末スペシャルとはいえプロレスバラエティには簡単に60分準備できる日テレという放送局にはやはり問題があるだろう。と言うことだ。

 志村けんやダチョウ倶楽部の名前で残り15分が簡単に取れたのかも知れないが、どうせ60分取れるのならそれはやはりプロレスの試合で使うべきであろう。確かに去年の選手だけの座談会は酒の勢いもあり、選手の素顔がかいま見えて面白かった。だが予告を見る限り今回の放送は、素人にプロレスの技をかけてどうこうという、昔ながらの浅ーいプロレスラーの扱いになっていそうで今から興醒めである。こんな低レベルの企画モノこそ30分や毎日のスポーツニュース(日テレのはスポーツバラエティだが)のワンコーナーでやればいいのである。日テレのプロレス中継スタッフには熱い輩が多いのに、日テレ本体やスポーツ編成部のプロレスの扱いの低さには寂しいモノがある。もう一度書く、60分枠が取れたらそれはやはり試合で埋めたい。

 で、総集編を見てて思ったこと。バート・ガンという選手は、自分が責めていて勝ち試合の時は、実にスムーズで良い試合をするのだが、負け試合の時の負けっぷりと言うか、やられっぷりにまだまだプロレスラーとしては、しょっぱさを感じる。簡単に言うとワザとらしいのだ。馬場がプロレスラーとしては、ガンはまだ甘いというのはその辺りを示しているのではないだろうか?いまいち「俺はしょうがなく負けてやっているんだよーん」的に見せてしまうのは、やはりいけないことだろう。負けるときも精一杯やって惜しくも負けましたというのが、今の全日に求められているスタイルであって、全日に定着するのであればその辺りの技術はしっかりエースなりに教えて貰うべきだと思う。そう言う点ではエースはしっかりしてきているのだから。


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