ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(1/5記)
いやー、やっぱりグダグダになったよね、小川村上組対橋本飯塚組。まぁ今後への展開としては理想的な終わり方かも知れないけど、実力も伴ってないのにまだやるの?って気もするなぁ。今回は村上がバカみたいにいきり立っちゃってて、冷静さを失っていたせいで、新日サイドのペース(つーかプロレスペース?)になってたけど、普通にシングルでやったら、やっぱり新日サイドは全然敵わないじゃないのかなぁ?だって一発一発のスピードとかキレは、絶対にUFOサイドの方が凄かったって。
一つわからないのは、この試合は小川サイドからタッグマッチにしてくれと言う話だったんだけど、アレって本当なんだろうか?そりゃ小川にしてみれば、自分は橋本とはもう対戦する意味がないのだから、ここは村上のリベンジのために一肌脱ごうというのもわからなくはない。でもさぁ新日のマットでのタッグマッチだよ?そんなやったこともないルールの上に、圧倒的不利な条件を自分から切り出すかねぇ?現にこの試合だって、いわゆるプロレス的なカットのタイミングが解っているかいないかで、勝負の決着がついたようなモノだし(村上がピンチの時でも小川はカットに行かなかったのに対して、飯塚はフィニッシュに導くドロップキック。またここでドロップキックを選ぶのが、プロレス的でいいセンスしてるよ飯塚)。なんか個人的には、新日サイドがタッグマッチを要求した気がするなぁ。
新日ファンは今回の結果みたいなので納得できてるのかな?ある意味、どんな卑怯な手を使ってでも勝つというのは、新日伝統のスタイルだし、元を辿れば猪木のスタイルな訳だから、らしいといえばらしい結末だったと思う。最初村上のキックが飯塚にジャストミートして戦闘不能になった時も、良いタイミングでセコンド新日戦士達が乱入してノーコンテストにし、飯塚回復の時間を確保したし(その時の安田の活躍と来たら。安田最強説?)、全然タッチなんか行われていないのに、その時リング上にいる人物が戦う権利があるように、巧みにタイガー服部が裁いて行くし、実にアバウトなプロレス的な空間が形成されていたと思う。前記したが、UFO側は実力では勝っていたが、巨大なるプロレス空間というモノに負けた気がする。まぁこのプロレス空間というモノは、猪木が異種格闘技戦をするときに、限りなく上手に使っていたモノなので、皮肉と言えば皮肉な結果になったと思う。ああ言うノウハウみたいなモノはキチンと生き残っているんだねぇ。
後、小川にあまり戦う意味合いみたいなのがなかったのも、新日側には幸せだった部分だと思うね。前記したように、小川にはもう橋本と戦う意味がほとんど無いんだから、今回は一歩引いて、村上のやりたいようにやらせてやろうというような姿勢だったと思う。それで、ちょっと本気になるのが遅れたというか、村上が頑張ってるのを邪魔しちゃいけないみたいな、小川本来が持っている人の良さのようなものが出てしまった試合だったと思う(柔道の時はそのせいで、圧倒的強さはなかったよね)。つまり、キレて無かったよねこの試合の小川は。はっきり言って。そう言う意味でも小川の試合の面白さと言う意味では、過去最低の試合だったと思う(でも結局橋本フラフラだったけどね)。
まぁ今後も新日とUFOは商売になる限り、つかず離れずで戦って行くんだろうから、適度な遺恨と緊張感の残る、絶妙な曖昧判定だったと思うよ。
他の試合は、この後新日がオフの期間に再放送されていくだろうから、その時細かく触れたいと思う。結局天龍のベルトは行って来いだったし、ライガーもいかにもなぁって結果でした。
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(1/10記)
ゲーリー・オブライト突然の死去。せっかくウィリアムスが戻ってきて、ふぬけていたオブライトに気合いが入ってTOPの再結成を楽しみにしていたのに残念である。本当にトップレスラーというのは何故か突然消えてしまうものである。また今週放送された武道館の試合が、軽量の雅央が相手とはいえ、デンジャラスにポンポン投げていて、実にオブライトの魅力満載な試合でより一層残念さがつのる試合であった。
そんな突然の訃報で始まった新年一発目の全日の中継は、ヘビー級スーパーバトルロイヤルから始まるというパターンを崩して、馳対三沢シングルマッチの中継から始まった。いやー凄い試合だった。おとそ気分のヘビー級バトルロイヤルをカットしてまで放送する価値のある、実に素晴らしい試合だったと思う。この試合を企画した三沢社長も素晴らしいが、それに見事答えて、何だったら三沢の度肝も抜いてしまった馳はやっぱりひと味違うレスラーだと言えよう。三沢にしてみれば、カード的面白さと馳のプロレスラーとしての実力を買っての抜擢だったのであろうが(全日的価値観から考えるとやはり抜擢だろう)、ところがどっこい馳はそんなおとなしいタマではなかった。何と言っても新日の道場主として若手を鍛えていた男である。さらにプロレスの試合づくりにおいては、現在の日本マット界で確実に5本の指に入る男なのである。三沢の思惑以上に素晴らしい、そして恐ろしい試合がマット上に展開されることとなってしまった。
試合開始直後、最近の試合にしては珍しくグラウンドの攻防から試合は展開していった。初っ端からスパートをかけるハイスピードレスリングの最近の全日マットでは、ちょっと忘れられていた新鮮な試合展開である(この時点から馳の思惑がちらほら)。馳の狙いはエルボーを放つ三沢の肘一カ所である。それはもう、ありとあらゆる方法で三沢の肘を攻めて決めていく。新日のグラウンドの練習にまだ確実に技術があった頃に育った馳である、全日純粋培養の三沢は当然のように手こずって苦戦していく。しばらく時間が過ぎたが、まだ試合はグラウンド中心、それもほぼ馳が攻めっぱなしである。しょっぱいレスラーなら、一カ所を重点的に攻める事に手一杯で、観客を置いていってしまいがちである。だがそこは馳である。肘。肘一カ所を攻めているだけなのに、まるで観客を飽きさせない。色々な攻撃、色々な技への入り方、それらが実に流れるように三沢に注がれていくのである。
だんだん場内の雰囲気が変わっていく。あれ馳って国会議員であんまり練習できていないんじゃ?それなのに三沢がタジタジだぞ?馳って体もそんなに大きくないよな?なのに何で馳の技かえせないんだ?そうかこれが間接技なのか?凄いぞ凄いぞぉ!!でも三沢。三沢おまえエースなのに負けちゃって良いのか?しかも新日辞めてきた馳に負けて良いのか?場内のファンは明らかに三沢を心配している。それほどまでに馳の攻めは完璧で凄かった。グラウンド主体のスリリングな試合に慣れていなかった全日のファンもしっかり引き込まれていた。最後には馳の大技を食らった三沢に対して「三沢〜かえしてくれ」と言う、全日ファンの悲痛な声援。場内は完璧に馳ワールドに染まっていた。試合こそ三沢が勝ったが、明らかに内容は馳の勝ち。しかもそれはただの一勝でなく(勝ってないけどね)、今後の全日マットの方向性が変わるかもしれない大きな試合だったと思う。早くレスラー専任になってくれ。馳よ。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(1/18記)
新日お休み中につき、恒例の東京ドーム大会再放送シリーズ。初っ端はまぁ当然と言ったら当然だが、小川村上組対橋本飯塚組の試合である(たださぁ、この試合はほとんどノーカットで当日やってるんだから、丸々再放送する意味ってあるのかねぇ?)。
試合内容については先々週触れたので今更書かないけど、びっくりしたのはいわゆる世の中のプロレス系マスコミの対応だよね。週プロもゴングも、何だったら時々プロレスネタ取り上げる週刊誌も、みんな「新日、UFOを迎撃!リベンジ果たす!橋本小川に圧勝」だもの。どこ見て記事書いてるんだろう?よっぽど偏った新日ファンでない限り、結果はともかく試合内容では、どう見てもUFO側が勝っていることは素人目に見ても明らかであろう?村上の蹴りでフラフラになり、新日セコンド陣の好判断でKO負けにならずに済んだ飯塚。確かに前回よりは気迫にあふれ、鋭い蹴りを放っていた橋本も、STOを一撃喰らっただけですぐにヘロヘロに。先週書いたプロレス空間がなかったら、まず新日勢に勝ち目は無かったのは誰の目にも明らかである。
だのに何故プロレスマスコミ達は、ああ言う表紙見出しなのだろう?試合後の橋本の表情、コメントが全てを物語っていたのにも関わらずだ。プロレスマスコミ達はプロレスマスコミなのだから、そりゃプロレスを滅ぼそうとする外圧や侵略者には、抵抗するような記事を書くであろう。だから今回も、「老舗プロレス団体、しかもストロングスタイル真剣勝負を謳っている新日のエース橋本」に何だかよく解らない柔道上がりの格闘家が挑戦してきて、一度ならずも二度までも圧勝してしまった。これはいかん、プロレスの危機だ。となってしまっての記事内容なのであろう。
しかし、このプロレスマスコミ達の捉え方は、あまりにも時代からずれている。小川はいまやプロレス界、いや新日においても、ヒールではないのだ。小川の圧倒的なまでの説得力のある強さは、それだけでプロレスファンの心をがっちりとつかんでしまっているのだ。さんざん演劇プロレスを見せられて辟易していた、古くからの新日ファンは全て「そう。そうだよそうだよ!」と握り拳をしながら、小川のファイトを見ているのである。高田がヒクソンに惨敗して、プロレス最強格闘技のイメージは地に落ちた。だが、その地に落ちたイメージを本来回復させなければいけない、誰の挑戦でも受ける団体新日は、毎日毎日演劇プロレスでお茶を濁していて、関心も示さなかった。そんな中、誰の挑戦でも受ける男アントニオ猪木は新日に失望し、自らの手によって小川という怪物を作り上げたのだ。小川は格闘家と言うよりはプロレスラーであろう。この男をいつまでもプロレスの外敵として捉えていては、プロレス界の大きな損失である。プロレスマスコミの大好きな、アントニオ猪木の作り上げた小川を何故プロレスマスコミ達がこうまでも、敵視するのか本当に理解に苦しむ対応であった(まぁ自分達が一番巻かれている新日が、小川のせいで不人気になったら、おまんま食い上げになるって考え方もわからなくはないけどね)。
山ちゃん引退試合である。全然駄目だ。例えリングサイドで前田と高田が、田村が見守っていようと、一瞬たりとも山ちゃんの輝きは戻ってこなかった。余力を残して「まだまだやれるじゃん」とファンに思わせて引退する選手も多いいが、山ちゃんは本当に一杯一杯な感じがして、見ていてちょっと辛かった。満足な練習も出来ずにたるみきってしまった腹を隠す、硬質なコルセットもらしくなかったし、新日に来てからすっかり寸止めになってしまっていた、シューっと言うキックにも全然華がなかった。やっぱり山ちゃんはUWFインターのゴタゴタがあった段階で、整体師の資格を取りに言った段階で、プロレスラーとしては終わっていたのかも知れない。まぁプロレスラーとは大体そう言うモノでもあるが(一時期頂点を極め、後はそのイメージと言う財産で食っていく)、近年の山ちゃんは、本当にUWFを知っているモノとしては悲しかっただけに、妥当な引退であったと思う。やっぱり山ちゃんの場内コールは「やーまざきー」ではなく「やーまーちゃん」なのである。
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(1/18記)
放送順ではテレコになっていたが、ベイダーウィリアムスが電撃合体した次の試合が、ベイダースミス組の三冠挑戦試合であったのである。そりゃベルトなんか取れるわけないよなぁ、もうちょっと考えて分かり合ってくれ(笑)。
と言ってもベイダーとスミスが仲間割れをしたわけでなく、ベイダーがその都度スミスなりウィリアムスなりと組むという話でいささかややこしい。ウィリアムスと組んでしまったら、悲しいかなやっぱり小兵のスミスの存在意義は無くなっちゃうのではないだろうか?ノーフィアーに入った浅子もそうだが、ヘビーのコンビの中にジュニアクラスの選手が入っても、カード編成に余裕が出来る程度で、戦力的にはあまり意味を成さないのではないだろうか?5.6人の集団の中に、一人か二人ジュニアが居るって言うのならまだしも。
そのウィリアムスだが、全日のチャンコを長い間食わなかったせいか、実に体が絞れていて今後のファイトに期待が出来る。ガンに一発でのされてしまってアメリカではあまり活躍できなかったようだが、日本ではそのガンが伸び悩んでいるだけに、別の面での格の違いなどを見せつけてくれると面白くなるのではないだろうか。また気づいてみると、ベイダー以外の外人はいささかパッとしなくなっている状況なので、ウィリアムズの全日復帰は全日マットの活性化のためにも良いことだと思う(でもそのベイダーとくっついちゃなぁ?)。
で、まぁ今週の放送から何か書かなきゃいけないんだけど、あんまり書くこともないんだよねぇ。世界タッグもあんな状況だったせいで、試合自体も少し盛り上がりに欠けてた気もするし(大体シリーズ中盤の地方大会での試合で、なんか大事が起こるはずがないんだが)、ノーフィアーとバーニングのシングル対決も、シングルだと悲しいかな両者の実力差がくっきり出ちゃって、ノーフィアー全然良いところ無しだったし・・・あっ秋山だけは、本当にノーフィアーとやってると生き生きしてるよなぁ。なんか思うとおりに立ち回れてるって感じ?狡猾さがよく出てる。でも全日の秋山抜擢作戦には少し疑問符。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(1/26記)
新日お休み中につき、恒例の東京ドーム大会再放送シリーズ。キモ対藤田、IWGPヘビー天龍対健介。
キモ対藤田。タイガー服部〜〜。アレで良いのか?せっかくの大物をわざわざ新日のマットに上げたのに、あれで良いのだろうか?誰が連れてきたのか解らないが、藤波が頑張って連れてきたのであれば、やっぱりストロングスタイル格闘家路線を快く思っていない長州の意向が、タイガー服部の判定から漂ってくる気がする。長州−タイガー服部−リングアナケロ、このラインを何とかしない限り、藤波社長も相当大変だと思うなぁ(あと営業サイドもか)。そう思ってたら、何だか自信つけちゃった藤田が新日離脱だよ。ファン的には楽しみだけど、もう少し藤波を守るような行動をとっても良かったんじゃないのかなぁ?
IWGPヘビー天龍対健介。いやー、行って来い。まさに行って来い。さすがの藤波社長も外様天龍に、そんなに長い間ベルトを巻かせとく程懐は広くなかったか?残念。たださぁ、ベルト獲ったのが健介ってのがねぇ?実際に見に行っていた奴の話だけど、健介が勝った途端にアリーナの客がダーッと帰ったらしいじゃん(その証拠に当日の放送も今週の放送も、試合後すぐ画面カット)。で、それを見てながら健介は健介で、勘違いマイクアピールしたらしいし・・・器じゃないんだよねぇ。健介って。まぁ新日本体、橋本が小川にかまけている都合上ナンバー2は健介になっちゃうんだろうけど、やっぱりあの体、あの試合内容では観客のハートは掴みきれないよねぇ。この試合も悪い試合じゃなかったよ。でもそれも結果が決まってて、相手が天龍で健介ごときが何やってもぶっ壊れないから出来た試合だよなぁ。本当にこの健介天龍の攻防は、ずっーと天龍におんぶに抱っこって感じ。健介自身は何もできてない。ストーリーも流れも試合もみーんな天龍に作って貰ったってとこだね。駄目だよ健介。本当に器じゃない。タッグでエースをサポートとか、地方大会で凄い試合するとか(一方的に若手をぶっつぶすとか)が似合ってるよ。何だか全日ナンバー4の男、石川の臭いに限りなく近づいてきた気がする。馳がいればねぇ(嫁さんマネージャーにするとか、嫁さんの方がはるかにプロレス上手いだろ)
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(1/26記)
三冠タイトルマッチベイダー対秋山、川田復帰戦川田対小橋。
近年の全日の偉いところに、「絶対それはないだろう?」と言うことが起きないと言う点がある。言い方を変えれば、説得力をとても大事にしているとでも言えようか。この日の三冠戦もその例に倣った試合だった。
ここまでの1年以上に渡る流れで、明らかに全日は秋山を売り出し1本立ちさせようとしてきていた。何だったら四天王田上より上ぐらいのポジションを彼に与えようとしていたのだ。そしていよいよ、その秋山の集大成となる試合がやってきた、三冠挑戦である。ここまでの流れから来ると、昔の全日やそんじょそこらのヘボ団体なら、取り敢えず一度秋山にもベルトを取らせておいて、ハクつけさせとくか?ぐらいのことを考えてもおかしくはなかった。だが、対戦相手は化け物ベイダーである。これは運がなかった。三冠王者が田上ならベルトは100%取れたであろう、三沢や小橋でも30%ぐらいは可能性があったかもしれない、でもベイダー相手では、どういう試合をしても秋山勝利!という結果を導くのは不可能だ。誰もが考える、この絶妙な全日のパワーバランスを、あれだけ盛り上げていた秋山に対しても崩すことはなかった。この姿勢が今の全日を支えていると思う。どんなに良い試合をしても、どう理詰めで行っても、今の秋山に今のベイダーを倒せるわけがないのである。この結果を崩さなかったのは本当に偉い。この結果を忠実に守っているだけで、例えベイダー先生が自分で飛んで投げられようが、場外パワーボム途中で手を緩めようが、説得力が増すのである。
何度も書いたが、プロレスというのは相手に技を受ける気がなければ、ほとんどの技がかからない。そう言う非常に微妙な戦いの中で、リアリティをいかに出していくかが大事なのである。プロレスから説得力というモノが無くなってしまったら、それは只の演劇なのである。プロレスにおいての良い試合には、本来結果など重要なことではない。いかに観客が、盛り上がれて興奮できたか、それがプロレスにおいて一番大切なことなのである。逆説的だが、この試合においては、結果がベイダーの勝利に終わったからこそ、観客は自分の味わった興奮をリアルなモノと感じられて、喜べたわけである。
続く川田復帰戦でも、この説得力というモノは忠実に守られた。2度に渡る長期欠場で川田のポジションは、全日ナンバー2から小橋の下ぐらいに落ちてしまった。これからの川田の戦いによっては充分ひっくりがえる可能性はあるが、今現状での力関係を守れば、この試合の結果は当然の結果であろう。前半またもや見事にビルドアップされていた川田は、ガンガン飛ばして小橋を追い込んだ、だが長期欠場で試合感の無い川田は、やたらハイキックに頼ることとなる。そうなってくると試合が組み立てられない川田に当然のように勝機はない。じっくり川田の技を受けきった小橋が、自分のペースでかっちりとラリアットを叩き込み、ある意味格の違いを見せつけた試合であったと思う。これが大事なのである。せっかくの復帰戦、川田に花を持たせてやってもとも考えるが、今の全日はそんなことはしないのである。病み上がり川田に小橋を倒せるわけがないのである。それほどまでに今の小橋というレスラーは絶対的なレスラーなのであるのだから。実に誠実な全日の試合2試合であった。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(1/31記)
新日お休み中につき、恒例の東京ドーム大会再放送シリーズ。フライ対ノートン、蝶野対武藤どっちが黒いか対決。
フライ対ノートン。この東京ドームでの試合は、本当にレフェリーの判断一つで試合が決まってしまうものが多かったが、この試合もその一つであろう。どう見ても最後のカウントは2.8ぐらいで、和田京平なら確実に体がくるっと回転して、カウント2の日本指を高らかに掲げていたであろう試合だった。別に黒い人たちの対決なんて、基本的にどっちが勝っても良いと思っているので、勝敗にはこだわらないが、あまりにもレフェリー主導のこのドーム大会には本当に辟易させられる(またタイガー服部かよ?って思ったら違ったけど)。
蝶野対武藤。当日に放送されたカットされまくりバージョンでは、何だかパッとせずに二人の体調の悪いのばかりが目に付いたが、今回フルタイムで見て、まぁ体調の悪いのはさておき試合内容的にはなかなかのものであったと見直した。やっぱり腐っても蝶野は蝶野武藤は武藤であるわけだ。本当にこの二人が怪我に苦しめられていなかったら、新日ももっとまともな方向に向かっていたであろうと思うと残念でしょうがない。天山小島あたりは、バカな事ばかり言ってないでこの試合でもっと色々なことを感じて欲しいものだよ。
試合結果は蝶野の辛勝という感じだったが、はっきり言って体調は蝶野の方が悪いのであろう、もう試合に対する必死度が段違いだったと思う。武藤は悪く言えばいつものドーム用プロレス。それ以上でもそれ以下でもない。観客を満足させる程度の必死さは見せつつも、特別過剰な無理はしない。対して蝶野は本当に必死だった、前にも指摘したが腰のコルセットはいつもにも増して分厚い頑丈なものになっていたし(大体シリーズ中のつなぎにしても、色々体の不具合を隠す為のモノだったと思う)、技一つ一つとっても「これで決める」と言う覚悟みたいなモノがひしひしと伝わってきた。
通常新日の彼らぐらいのレベルの選手は、相手にさしたるダメージを与えずに観客にアピールする技で試合をつなげて行くわけだが(テーズ理論ね(決めてるように見えれば良い、決める必要はない))、この試合の蝶野は本気で武藤にダメージを与え、そして勝とうとしていたように思う。首が弱点と見るや、えげつない角度でパイルドライバーを見舞うし、同じ腕ひしぎ逆十字でも蝶野のそれはしっかりと相手の親指が上を向いていた。フィニッシュもそうである。とにかく首。首を決めて勝つ。その必死さに武藤は負けたのであると思う。
武藤は確かに体調は悪いモノの、治せばそれなりに回復できると思っているのだと思う。(100%は無理にしてもね)対して蝶野の具合はかなり悪いのではないだろうか?それも回復不可能なような状態なのではないだろうか?今の蝶野は本当に、現状出来ることは精いっぱいやっておいて、自分の体が利かなくなった時に、自分のポジションをしっかり維持できるようにしようとしているように思える。その為にもこの日本で一番黒い人対決にも負けるわけには行かなかったのだと思う。蝶野は世界的視野で自分の地位を確立して、プロレス界を牛耳れる地位につきたいのではないかと思う。たいした試合をしてなくてもネームバリューでドンとして君臨できるような。そこら辺のビジョンの差もこの試合の結末に大きく影響したように思える。武藤からはそこまでの危機感は感じられなかった。
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(2/1記)
ノーフィアー対川田田上組、ウィリアムス対バートン。
いやー年末の最強タッグではなりをひそめてたけど、新年に入ってまたまたノーフィアーに勢いが付いてきた感じだ。本当にこの二人の試合はスケールがデカイ。ヨロヨロしてる田上と病み上がりで小さい川田なんか、モノともしてなかった。何だったら川田のキックとかも、敢えて受けて見せるみたいな懐の深さする感じた。はっきり言って今の川田レベルのキックでは、ノーフィアーの二人には大したダメージにならないのではと思える。実際ハイキックを顔面に喰らっても、その時は大げさに倒れてみせるが、しばらくするとケロッとしてる。本当に日本人にしては珍しい化け物じみた強さを感じる二人である。このスケールのでかさは「和製ハンセンブロディ」と言っても差し支えないと思えるほどだ。個人的には高山の体にあと二絞りぐらいくれてやれば、完璧なチームが出来上がると思う。今の全日では確かにベイダーが強いが、全盛期のハンセンブロディはあれぐらいのサイズで、ガンガン動き回ってスピードがあったわけだから、高山大森もそう言う路線で化け物じみた強さとタフさを感じさせて、小さいトップレスラー達を駆逐して欲しいモノだ。本当に大森高山の二人には、昭和の良い時代のプロレスの臭いがプンプンしてくる。レスラーはやっぱり185はゆうに越えてないとな。
対する川田田上組はどうなんだろ?正直この試合の田上はそこそこ頑張っていたけど、やっぱりムラがありすぎるよなぁ。最低限この試合レベルぐらいの動きをしてくれていないと、四天王と言われているのも本当に苦しいと思う。最強タッグの時ぐらい限界ギリギリで頑張れないものかね。田上に鶴田をどうしても重ねてしまうおいらとしては悲しいよ。川田も橋本と一緒で絞れてるんだけど、そのせいで小さく見えちゃってるのが問題だと思う。未だに川田独特のオーラみたいなモノは漂ってきていない。
スティーブ・ウィリアムス対バート・ガン因縁の対決。と言っても年末に名前をバートンに変えてからは、全くと言っていいほどパッとしなくなってしまったバートンと、水が会わなかったアメリカマットに失望し、オフの間日本に来れることが嬉しくて、ガンガンに体鍛えて絞ってきたウィリアムスとでは、勝負にならないほどの差が付いてしまっていた。ウィリアムスは新日在籍時かと思うほど、絞りに絞り上げていて実に動きが良い。怖いのは動きが良いだけでなく、あのパワーはそのまんま健在だと言うことだろう。大丈夫か?こんな奴ベイダーと組まして。本当に誰もかなわなくなりそうな気がする。カード的にもベイダーの敵にしておいた方が美味しいような気がするなぁ。まさに殺人医師復活(すんごいキャッチフレーズだよなぁ)。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(2/6記)
危ね!久々にやりかけたビデオ撮り逃し。取りあえず黒ライガーの試合は見逃したモノの、その後の試合は見れたので良かった。
で一番気になったのは、やはり橋本飯塚組対永田中西組の試合であろう。いやはやもう凄い変わりようである。橋本飯塚組。飯塚が角刈りになって剛竜馬になっているとかそういうレベルだけでなく、今までと全然気合いの入り方が違うのである。恐るべきUFO効果である。
ちんたらちんたらネームバリューに溺れて、楽な試合ばっかりやってきていた新日勢の中に、今確実に古くからのストロングスタイルの芽が甦りつつあると言える。全部猪木の思うとおりである。自分の影響力が無くなってきて、それまでは確実にあった新日イズム、ストロングスタイルへのこだわりが薄れてきた中、猪木は小川を引き連れ新日を離脱した。新日を見捨てたかに見える猪木の行動は、そんな単純なモノではなかったのである。猪木の手により小川を化け物に育て上げ、その化け物を新日にぶつけることによって、もう一度新日にかってのストロングスタイルを復活させようと言う野望。恐るべきアントニオ猪木、さすがである。
まだまだ世間的な目は(つーかマスコミ的目?)黒い連中にむいているが、橋本の目にあれだけの鋭い光が宿った今、これからの新日は変わっていくのではないだろうか?橋本飯塚組が、この試合のような気迫あふれるキツイ試合を続けていけば、対戦相手である他の新日正規軍たちもそういうレベルの試合をやらねばなるまい。そうなって初めて新日全体に、失い掛けていたギラギラした闘争心みたいな物が前面に現れた、ストロングスタイルが復活するのである。今はまだ、小川と戦っても橋本は勝てないであろう(技術的にね)。ただ過去の無様な敗北で、失っていた純粋な戦いに対する気持ちみたいなモノが甦ってきたのは収穫であったと思う。ここの所の新日の選手は、サラリーマンレスラーで全然試合にかける迫力みたいなモノが感じられなかった。でも、今日の橋本飯塚組は明らかに違った。試合後の眼光鋭い眼差し。あれがかって新日の選手たちには宿っていたモノである。それがUFOによって甦りつつあるのだから、本当に新日はアントニオ猪木さまさまである。やっぱりどんなに形を変えても新日はアントニオ猪木の団体なのである。やれば出来るのである。毎試合このようなハードな戦いを期待したいモノである。
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(2/7記)
ジャイアント馬場一周忌大会。全4試合の放送だったため、どれもダイジェスト的展開で語るべき事はほとんど無し。個人的には小川対菊池のジュニアヘビー選手権が一番見たかったのだが、それが最も短く、試合日程と共にの放送だったのは皮肉なモノである。頼むよ日テレちゃん。
で、まぁ全体だらーっと見てて思ったのは、ハンセンの気合いの入り方が素晴らしかったと言うこと。他の日本人選手達は、どちらかというといつもよりチンタラ気味な試合運びだったが、ハンセンからは「親愛なる馬場の為の試合!」と言うような意気込みが感じられた。本当にスタン・ハンセン良い奴である。
他では時間差バトルロイヤルでの、渕のキレの良さも目立っていた。最近は楽しい方の試合ばっかりの渕だが、まだまだジュニアの第一線から退くのは早いのではないだろうか?バックドロップの切れ味一つ取っても、あれより凄いのはウィリアムスぐらいかというモノだし、本当に渕はまだまだ動けるだけにもったいないと思う。楽しい試合をする人達のメンツが減ってきているという問題もあるのだろうが、まだバリバリやれるのに、じぃさんたちに付き合っちゃぅのもどうかなぁと思う(同菊池)。何度も言うが今や全日のジュニアもけっこうな人材の宝庫である。頂点は小川としても(それにしたって渕を乗り越えて行ったという感じでは無いし)、ジュニアの重鎮として渕の存在は必要なのではないだろうか?
小川、渕、菊池、浅子、志賀、金丸、丸藤、みちのく勢、バトラーツ。これだけいればさぞ、新日とは違った形のジュニアが展開されて面白いと思うのに、本当に宝の持ち腐れである。そんなことをまた思わされた、渕の素晴らしい動きであった。今ライガーとやっても良い試合するぞ、渕なら。うん。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(2/15記)
黒い人どっちがより黒いか対決。武藤と蝶野の直接対決だけでは不満に思ったNWOジャパンの残党が、ノートンを加えて直接対決を要求。と言う筋で、たぶん新日的には大変大事な頂上決戦的意識が強いはず。
でもさぁ俺的にはたまらんよ。だって一時間丸々黒い人の試合だよ。こんな放送見てられ無いって。だってまともにプロレス出来るの蝶野だけじゃん(それにしたって怪我人だし)。かろうじてどうにかなるのもヒロと天山?フライは普通にやってりゃ良いのに、いざプロレスをやろうと意気込むと途端にしょっぱい人になるし、外人二人はデカイだけ。野上にいたってはキングオブしょっぱいレスラーで、この試合でもヒロ相手に息が合わずに技失敗してるし、本当に救い用のないメンバーに一時間牛耳られちゃったって感じだ(ん?小島?小島については今更言うことも無いよね)。
本当は一試合一試合、細かに語っていかなきゃいけないんだろうけど、頑張って見ても頑張って見ても、誰かがおいらの意識を遠くにつれていってしまうのだ(きっとプロレスの神様だと思う)。で、おイカンイカン巻き戻し巻き戻しって思って巻き戻していると、その時もまた意識が無くなっていて、際限なく巻き戻っていたりするのである。もう、典型的新日つまらない時使用の俺である。そんなこんなで結果すらはっきり覚えていない。確か3対1でT2000が勝っていたような気はする。最後に相変わらず小島が役にも立たない笑いも取れないようなことを言っていたような気もする。本当に申し訳ないんだが、こんな苦痛をおいらに味わわすのはもう止めて欲しい。しっかりケリが付いたんだから、どっちが黒いか対決はもう良いだろう。来週からはキチンと復活の気配漂うストロングスタイルな試合を見せて欲しいモノだ。
どうせだったら負けた方は新日追放とか言うルールでやれば面白かったのにな。新日選手多すぎるんだから、プロレスも出来ないような人たちは解雇だよ解雇。くすぶってる奴はいっぱい居るんだから。藤波、木村とか平田とか木戸とかの安定感あるプロレスも見たいぞ。あっ犬たちとかもな。
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(2/15記)
世界タッグ挑戦者決定戦。ベイダーウィリアムス組対ノーフィアー。
あちゃーやっちゃったよ。ノーフィアーお得意の、勢いに乗っている時に痛い敗北。もうまさに惨敗。ベイダーウィリアムス組に何もできずに敗退。これは痛いよなぁ。何でこうなんだろ?昨年1年間非常に良い勢いで突っ走ってきていながら、暮れの最強タッグで全然良いところが出せず失速。今年に入ってそのイメージを払拭する試合を展開しながら(田上川田戦とかね)、またもや失速。何故だ何故なんだノーフィアー?
そりゃね、前にも指摘したとおりベイダーウィリアムス組は反則だよ。組んじゃいけない人達だよ。何だったらこの二人に勝っちゃったら、その瞬間から全日は、途端に嘘っぽい団体に見えてしまいそうなぐらい危険な存在だと思う。でもね、今のノーフィアー。全日で一番デカイ日本人コンビ。この二人なら、勝てないにしても場内大盛り上がりの熱く、そして凄い試合が展開されるかも?って誰でも期待するじゃない?そうでしょ?なのにこれだもんなぁ・・・あぁ次、陽が当たるのはいつのことになるんだろう?
で、もう一試合はバーニング対ハンセンスミス組。まぁ調子自体はどの選手もそこそこで、手堅い試合だったんだけど、ちょっと気になったのは実況の若林アナの事だ。なんか復帰当初はそんなに感じなかったんだけど、最近の試合を見ている限り実に実況がたどたどしくて聞きづらい。当然ブランクがあるのだから仕方がないが、いかにも資料を見ながら話してますと言うような間が空いたり、思いだし思いだし話すせいで試合展開についていけなかったり、ちょっと若林アナらしくないのだ。さらに良くないのが、なまじ昔のプロレスのことは知っているだけに、辺に実況に偏りが出てしまう点だ。この試合でもスミスのことを、何となくまだブレイクし切れていないような言い方をしていたが、皆さんご存じの通りスミスは通の間では誰もが認める名レスラーで、地方に行ってもその抜群の試合展開で、必ずスミスコールが起こるほどの選手なのである。たぶんに若林アナの中では、ブリティッシュブルドックスの穴埋め的存在だった頃の印象が残っている為の発言なのだろうが、ブランクを埋めるにはまだ当分かかりそうだと言う印象である。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(2/21記)
黒い人対決の翌週は、何故だかいきなりタイトルマッチ三連発。実に偏った放送内容で笑える。
で、まぁジュニアのシングルとタッグのタイトルマッチがあったわけだが、相変わらず歯車が噛み合っていない人達だなぁと言うのが率直な感想だ。昨年末のライガーの「ぬるま湯」発言から、ようやく新日ジュニアの問題点みたいなモノが明確になりつつあるわけだが、お互いがお互いで文句を言い合っているだけで、全く状況が進歩していないように思える。
今日のジュニアタッグのタイトルマッチも、会場で見ている人や、最近新日を見始めた人にとっては、実に動きも激しく、テンポも良い素晴らしい試合に見えたであろう。だがもう20年以上プロレスを見ている人間にとっては、否ここ3.4年新日を見ている人にとっては、また同じだよと言うのが正直な感想だ。そう、ほんの2年ぐらい前までは新日のジュニアの試合というモノは、本当に素晴らしい試合が多かった(つーか代々レベルが高いんだけどね)。限られた選ばれたメンバーにより、毎試合毎試合高度なやり取りが続くため、ドンドンドンドンレベルが上がっていき、分かり合った連中の中でしか繰り広げられない実に高度な試合が繰り広げられていたのである。はっきり言って新日ヘビーよりジュニアの方が試合内容が優れているなんて事は、至極当たり前だった時期があったのである。この限られたメンバーで続けられるプロレスというのは、全日ヘビーとも通ずるところがあって、全日も毎試合毎試合同じようなメンバーで続けているため、試合内容が素晴らしくなっていき、それが今の玄人筋のプロレスファンを唸らせる状態につながっていったわけだ。
で、全日の選手達は試合のマンネリ化を払拭するために、ドンドン新しい技に開発チャレンジしていき、観客の目を飽きさせないように必死になっているわけである。一時期の新日ジュニアも当然これに併走するように、ドンドン新たな展開を身につけていき、日々進歩を続け素晴らしい試合を展開していったモノだ。だが現状はどうだろう?今日の試合でもいつもと違う新たな技を出していたのは、ワグナージュニアぐらいのモノである。この外様の研究熱心なレスラーは、来日の度に必ず新しい技を身につけてきている。
対して迎え撃つ新日ジュニア勢はどうだろう?大谷?高岩?酷いものである。あんなにハイレベルだった彼らが、今や黒い人達と同じ「こんな技だしときゃ良いんだろ」プロレスをただ淡々とこなし、それで自分達は激しいプロレスをしているつもりになっている。実に嘆かわしいモノだ。確かに一度築き上げた試合のレベルがかなり高いところにある為、一見して全然見劣りはしない。だが彼らのプロレスはもう進歩の歩みを止めてしまっているのである。だから、彼らだけで試合をしているときは、あまり面白くなく「また同じだよ」と言う試合になってしまうのである。現状ではそのマンネリ化を打破するために、ワグナーを呼んだり田中稔を抜擢したりしているわけである。そう言う意味ではライガーの「ぬるま湯に浸かっている」発言は実に的確な表現だと思う。
だがしかーし、ライガーを支持しているわけでもないのだ。そもそも今のマンネリ状態のジュニアを生み出したのはライガーその人が原因なのだからである。大谷らの世代が出てきて、新日のジュニアに活気が戻り、ハイレベルな試合が展開できるようになった頃(この頃は大谷らも若手だったから切磋琢磨してたわけだ)、ライガーは突如技の数を減らしていく(長州の影響なのか、腫瘍の影響なのかは解らないが)。それまで実にバリエーションにとんだ技を駆使して、観客を飽きさせない試合をしていたライガーが、掌底とライガーボムにだけ頼った試合をするようになるのである。好意的に見れば、自分は技を少なくして、なるべく若手達の技を目立たそうと言う配慮なのかも知れないが、素人目には散々技を若手に出させたあげく、自分は掌底一撃で勝つという、実に省エネな試合に見えたモノである。この辺りからライガーの試合は実に退屈でつまらない試合になっていく、最初は相手に責めさせるだけ責めさしておいて(いや、それはそれで凄いことなんだけどね)、10分を過ぎたら突如掌底のラッシュで形勢逆転である。で、お得意の首を刈るポーズをして見せてライガーボムでフィニッシュ。今の大谷達と同じである、と言うか大谷達より酷いとも言える。毎試合毎試合同じ技、同じ展開。これを見ていた大谷達が、そう言う楽な方向に流れていくのも仕方のないことではある。だから、今になって偉そうなことを言い出すライガーには、すんなり同意が出来ない訳なのだ。結局自分が目立ちたいだけなんでしょ?と。
で、今現在ライガーが展開している試合が、これまた実に誰のことも考えていない酷いプロレスで、確かに今はあそこまでガチンコ風のプロレスは珍しいので、注目を集めているかも知れないがあのプロレスは駄目だと思う。と言うかあれはプロレスではないのではないだろうか?自分より格下の相手に対して、いきなりガツンとお見舞いして、面食らっている間に、ドンドン喰らわして勝つ。相手の技を受けようとか、観客を湧かせようとか言う要素はまるで無しである。別の意味での省エネ試合とも言える。これまた良いように言えば、本気の技を喰らわすことによって、ぬるま湯に浸かっている奴の目を覚まさせてやっているのだととれなくもないが、多分それは違うと思う。基本的にライガーは、もう自分がいかに楽で、それでいて、いつまでもトップでいられるか、伝説を残せるかにこだわっているのだと思う。技の攻防を延々と続けるような試合は、もう彼には辛いのだろう。だから今のような短期決戦でガツンと勝つという試合形態を選び、それでいて「金本が一瞬でのされたよ、やっぱライガーは別格だね」と言うイメージを内外(ファン、マスコミと選手ね)に植え付け、これでしばらく食えるとほくそ笑んでいるように思えるのだ。
一度ついたイメージというモノは、なかなか払拭しづらく、ファンは当然そう言うイメージを期待して試合を見に来るわけだから、当然試合相手もそのイメージにはつき合わなければいけない(それがプロレスなのだから仕方ない)、実にライガーはずるく頭の良い男である。さすがだ(また、UFOの影響でプロ格が流行り始めてるって、感知するアンテナも優れてるし)。大谷達もいつまでもこの老いぼれに良いようにあしらわれていないで、自分の頭で考えて面白いプロレスを展開していって欲しいモノだ。ライガーを意識している限り駄目だよ、大谷君。
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(2/21記)
ベイダー対川田因縁の初対決。&小橋対ウィリアムス。
果たして今、川田とベイダーが戦う必要があるのだろうか?いや、今川田とベイダーが戦って試合になるのだろうか?試合を見る前は正直そう思っていた。何と言ってもベイダーは、今や全日本に勝てる選手は皆無と言っていい存在。対して川田はようやく試合勘を取り戻してきたとはいえ、病み上がりでベストとは言いにくい状況。こんな二人が試合をやっても観客が満足できるような試合にはならないだろうと誰もが思ったに違いない。むしろ下手に、元全日ナンバー2と言うことに遠慮して、ベイダーが気を使って好試合を演出したら、そっちの方が今の全日の雰囲気ぶち壊しで問題が残るので、さっさと秒殺でも何でもしてくれないかなと考えていた。
だが、試合自体はまぁまぁ納得できる好試合だったと思う。何と言っても前述したとおり、ベイダー先生は川田に対していらん気を使っていなかった。これが試合に説得力を生んでいて良かったと思う(もっとも試合開始初っ端のバックドロップは飛んで頂いたって感じだったが)。ベイダーが川田に気を使わなかった要因として、試合開始からの川田の激しいラッシュにあったと思う。あれでベイダーは「おっ川田め、なかなかやれるじゃないか」と思ったはずだ(川田にしてもそう言う意図も含めてのあのラッシュだったと思うが)。その後も川田は、ベイダーの攻撃はなるべく見切って避け、ありったけの力でローキックを叩き込んだ。ベイダー先生はいつものベイダー先生なので、それが決定的ダメージとして残ることはなかったが、今の川田としては最高の試合方法だったと思う(つーか格闘技スタイル?離れて蹴って、倒れたら関節だもんね)。まぁあれだけ蹴って蹴って蹴りまくっても、ベイダー先生がぶっ倒れるほどのダメージには結局はならず、ベイダー先生の圧勝となるのだが、実に見ていて面白い試合だった(勝てるとは到底思わなかったが)。思えば、復帰直後ノーフィアーと戦った時の川田は酷い状態だったが、この試合を見る限りは、気迫も戻ってきて、もう本調子と言っても良いのではないだろうか?このベイダー対川田というマッチメークは、そう言う意味も(川田に本調子を取り戻させる)含まれてのモノだったのかと、試合後改めて三沢の深さを感じさせられた一戦だった。
ウィリアムス対小橋。いやーウィリアムス大爆発。個人的にはただ強いだけのベイダーより、今はウィリアムスに釘付けである。とにかく、スープレックスの切れ味が素晴らしい。体が絞られてる分がそのままスピードに結びついているようで、全く持って今のウィリアムスには隙がない(っても負けてるんだけどね)。三沢社長になってから、何となく外人には舐められているような印象だったが、本当にウィリアムスを取り戻したのは大きかったと思う。
ここのところの全日は技のインフレ化が進み、首から落ちてはいるモノの一時期ほど衝撃のあるスープレックスは見られなくなっていた(我々が慣れたというのもあるが)、で、色々投げる角度を変えたりして新必殺技を生み出していたりしたのだが、ウィリアムスを見てそれが間違いなのではという気がしてきた。ウィリアムスの投げる技は昔から有る技ばかりである。バックドロップ、ドラゴン、フロントスープレックス。どれもが誰もが使い、見慣れた技なのである。だけど彼が使うと、場内が凍りつき、百田が「あーっ」っと声を上げる。要は選手の力量一つだったのである。最初は必殺技だった技も、相手が研究すれば受け身の取り方も上手くなり、必殺技では無くなってしまう。通常ならここで新しい必殺技の開発となってしまうのだが、ウィリアムスは違った。自分の必殺技をより極め、相手の想像以上のスピードなりキレなりで叩き込むのである。それによって相手は、自分が想像していた技の基準値と違い受け身を取り損ね、ダメージを受けるわけである。これはドンドンドンドン技がインフレしていってしまう、今のプロレスへのある種の提言ともなるのではないだろうか?考えてみれば鶴田の必殺技は、最後までバックドロップだった。必殺技とはそう言うモノなのかも知れない。そういえぱこの試合のフィニッシュ、小橋のラリアットもそう言うモノになりつつあるなぁ。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(2/29記)
4.7ドーム大会は、2時間生放送となった。たまたま2時間特番の枠が金曜日だったからと言って、そんなにバカみたいに盛り上がる必要はないと思うんだが、テレ朝プロレス班的には大事件らしく、わざわざ偉いさんまで呼んでリング上での大発表となった。レギュラー枠の放送がゴールデンタイムに復活したのならともかく(10時台とか土日の夕方でも良いのになぁ)、たかが特番一本の枠が確保できただけで、あの盛り上がり用は滑稽ですらあった。まぁこの特番がこけたら、それこそゴールデンの復帰どころか、今の深夜枠からの脱出何てあり得ないので、テレ朝プロレス班が必死になってプロレスファンにアピールするのも解らないことではないが(でもやっぱり視聴率はプロレスファンよりいかに一般視聴者にアピールするかだと思うけど)、そのために頼るのは、結局アントニオ猪木なのかというのも、悲しい事実であった。
で、またせっかく担ぎ出した、今や外様のアントニオが全然新日、テレ朝の思うとおりに動いてくれなく、辻アナの動揺も見ていて悲しさを通り越して、これまた滑稽であった。やっぱりアントニオ、凡人には解らない思考回路で動いている。どうやら誕生日が同じらしいが、ある意味長嶋茂雄と通ずるところがあるかと思う。でも凄い脱線ぶりだよなぁ。4.7ドーム大会の発表を新日のマットでしているのに、何故だか力道山メモリアルで小川と橋本が組むか組まないかで盛り上がっている。あれじゃおバカなファンは、4.7に小川と橋本が組むのか?って思うよ確かに。本当に自分が目立てばそれで良いんだから・・・(この辺も長嶋と似てる)アントニオ健在な一コマであった(笑)。で、結局4.7は小川と橋本再戦するのだろうか?その前までの試合で押しちゃって、試合開始と同時に「では放送はこの辺で!さようなら」ってなって、CM明けスポンサーの紹介をやってる時に小川が猪木とダーッってやってたら最高に面白いのになぁ(そこまで再現するなって?)。
と、まぁ試合とは全然関係ないところで盛り上がってしまった今週の放送だが、野上〜。おまえちゃんと練習やってんのかよ?本当に毎試合毎試合きっついなぁ。大体タレント業の片手間でレスラーやってるってのが納得いかないんだよねぇ。天下の新日の試合は、そんな選手がでていても成り立つのか?って感じ?その辺のいい加減さが試合に出てるよねぇ。今週も簡単に落とされちゃうし(大体本当に落とされちゃうってのも、他の選手に「舐めんな」って思われてる証拠じゃないのかな)、他の選手と絡んでいても何か一人歯車がずれてるし。いっその事マネージャーとかになって、タイミング見て「飛び」で乱入するだけの存在とかになればいいのに(しょっぱくちゃマネージャーなんか余計無理か)。本当に飯塚がかなり仕事人的で良い感じになってきてるのに(いや飯塚は元から良かったんだけどね)、野上はいつまでも野上だよ。まったく。
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(3/1記)
三冠タイトルマッチベイダー対小橋。
やっちゃった。最悪の三冠戦だ。おいらがこの欄で口を酸っぱくして言い続けていた、全日の砦でもある説得力のある試合がついに破られた。本当にがっかりだ。小橋が勝つなんて。しかも脇腹を痛めてテーピングまで施している小橋が勝つなんて。まともに出せた技はラリアットだけだった。フィニッシュもそのラリアット、流れを変えたことになってるのもラリアット。ん?バックドロップ何度か出したって?あーベイダー先生が自分で上に飛んで肩から落ちる奴ね。あーあれバックドロップって言うんだ?3回ぐらいやったよね、特に最後のなんかベイダー先生の飛ぶタイミングと小橋の抱えるタイミングが合わなくて、とても変な技だったよね。がっかりだ。本当にがっかりでがっくりだ。
序盤からベイダーが飛ばしていたので、ほんのちょっとうっすら嫌な予感はしていた。でも全日は説得力のためには越えてはいけない一線を、確実に守ってきた団体だ、この状態の小橋が勝つことはあり得ないだろう。きっとこのままベイダーが圧勝するか、一度小橋に流れが行くモノのやっぱりベイダーには敵わないってなるんだろう。そう信じていた。アナウンサーがやたら小橋を持ち上げているのも気になった。秋山が出てきたのも気になった。小橋がラリアット連発しだしたのも気になった。でも最後まで信じていた。駄目だよ三沢。今年になって盛んに発言していた、馬場カラーからの脱却、三沢色ってのはこんなちんけな筋書きプロレスのことだったのか?
とにかくベイダーが負けるための要素というか説得力のまるでない試合だった。確かにさすが小橋のラリアットである。良い角度で入っていたとも思う。でも相手はベイダーなのだ、例え良い一撃を喰らったとしても、それであっさりとスリーカウント取られるようなレスラーではないのだ。この試合で、ベイダーの価値も一気に下がったと思う。今後もベイダーは全日の流れには絡んでいくだろうし、ベルトも取るだろう。でも、またこのような試合で(そうそれは新日のような試合)あっさりとベルトは移動するわけだ。そんなベイダーはつまらない、化け物じみていたからファンに指示されていたわけだ(だってこれと言って凄い技を持ってるわけじゃ無いモノ)。
ベイダーに限らず、チャンピオンベルトなんて言うモノは、移動すればするほど価値の下がるモノだと思うのだが、どうだろう?確かに同レベルの選手が競っているのなら、ベルトの移動も頻繁になるだろう。でも誰がどう見ても、ベイダーだけ突出している。で、第2グループで三沢、小橋、ウィリアムスと言う感じだろう?第2グループの間でベルトが行ったり来たりするのは良い。だけど突出しているベイダーに勝つには、こんなちんけな勝ち方では駄目だ、ベイダーの攻めを耐えて耐えて、ベイダーが出す技が無くなって勝つとか、とにかくベイダーの膝なりなんなりを徹底的にせめて関節技で勝つとか、全日ならではの説得力。それが大事だったのである。
説得力があったからこそ、古くからのプロレスファンにも指示されていた全日。でも三沢的には横目にチラチラ映る、キャラクターだけしっかりしておけば、簡単に大会場が満員になるプロレスがどうしても気になっていたのであろう。全日の新日化。それはホンダのトヨタ化のように、一時は良さげな流れに見えるが、長い目で見れば確実に自分の首を絞めている事になる、危険な事態であると思う。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(3/6記)
いよいよ本格的になってきた新日本体対黒い人達。取り敢えずは5対5三本勝負という割合珍しい形での対決となった。
うーん、結構面白いかな。特に最近の新日本体は、一連の小川抗争で気合いが入っているため、みんな良い顔して試合やっている。橋本も技術的にどうこうと言うより、プロレスラーとして実に良い顔になってきた。その橋本を一方的にライバル視している健介がまた、「新日とのトップは俺なんだ」と言う勘違いを、良い感じでしていてこれまた実に良い顔してる。で、中西も当然上り調子だし、飯塚は今が2度目の旬。この新日本体のメンバーは実に良いねぇ(藤波は社長だからね)。少なくとも、黒い人達のような対プロレスラーと試合をするんで有れば、昔ながらの新日のプロフェッショナル格闘家みたいな色合いが実に良く出ていて格好良いと思う(黒のショートタイツ達がまた痺れるんだ)。
対してのんびりと演劇プロレスやってきた黒い人達だが、遂にと言うかやっとと言うか新日本体と相まみえることとなった。新日本体のメンバーがキチンと揃うのを待っていたとも取れなくはないが(橋本駄目、健介しょっぱい、中西永田まだまだ。と言う状態がほんの1.2年前)、今更新日本体とやると言うことに対してのモチベーションはどうなのであろう?特にあまりにも猥雑しすぎたため、何か勝手にまとめられてしまった感のある、天山小島、犬2匹は納得しているのだろうか?NWOジャパン創設期の勢いは既に無く、ただ地方でのグッズの売り上げ増のために存在しているともとれる、黒い人達の扱いが今後どうなっていくのかが、新日本体との争いでの注目点だと思う(だってどう考えても、ちゃんとしたプロレスファンの注目はプロレス格闘技に向いているよ。時代は繰り返すって感じかな?)。おいら的には一部の人間だけ生き残って、何となく2軍扱いにされた平成維新軍の臭いがプンプンしている(蝶野−越中?)。
で、やっぱりしっかりとしたカラーの違う人達同士でやる団体対抗はおもしろい。そう言う意味では、長々と黒い人達を育てて、新日本体と対抗する勢力にちゃんとしたのは良い判断だったかなと思った(しかも今までほとんど交わってなかったし)。過去の団体対抗というと、国際だったりUWFだったりとあくまで他団体との戦いだったからこそ盛り上がっていたきらいがあった(その証拠に平成維新軍、レイジングスタッフはいまいちだった)が、今回初めて身内同士なのに盛り上がれる団体対抗(あっ昭和の維新軍は盛り上がっていたか。しまった)と言うことで、今後の展開が大変興味深い。取り敢えず今のところは、ストロングスタイルバリバリの本体と演劇手抜きプロレスの黒い人達の温度差が良い方向に出ていると思った。
それにしてもみんなマイクアピール下手すぎ。何言ってるか全然解らない(総マシーン化?)。
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(3/7記)
いやープロレス放送史上最低な中継であった(ギブアップまで待てない以来か?)。
そりゃ30分しか時間のない中でありとあらゆる事をやって、視聴者の興味を引き、なるべく多くの試合を放送するのだからちゃかついてしまうのは解る。だから試合の一番良いところでCMが入るのも(ダビングの時面倒くせー)、ダイジェスト的放送内容になるのも今まで我慢してきた。でも今週のはないだろう?最後になって解ったのだが、今週放送する気のない秋山対三沢の試合。確かに名勝負であったのだろう、多くの人に見て貰いたいのも解る。だがその試合をぶつ切りにしたあげくCM前などに3度に渡り流したのは、やりすぎ以外の何ものでもない。そのせいで、本来もっと重要な試合であった「世界タッグ、ベイダーウィリアムス対小橋秋山」や(小橋秋山負けたからこんなやる気無い扱いなのか?)「ジュニアタイトルマッチ小川対池田」が、何ともつなぎ的なボリューム感のない放送となってしまっていた。ウィリアムスのスープレックスや池田のラリアット。しっかり時間をとって試合の流れの中で飛び出していたら、もっと凄さが視聴者に伝わったであろう。あんな技紹介番組みたいなダイジェストでは、プロレスの凄さ、面白さは全然表現されていない。本当に勘違いも甚だしい最低の中継であった。
番組の放送順もおかしかろう?今週世界タッグの扱いがあんなに悪いのであったなら、なぜ先週三沢対田上戦の替わりに、三冠戦の前に放送しなかったのだろう?試合順通りに放送しないと、やっぱり実況とかでおかしな面が出てくるので気持ちが悪い。そうじゃなくても最低小川対池田を先週放送しとくべきだったんじゃないだろうか(これまた小川の勝ちに全然説得力無かったから、後回しなのか)?せっかくの45分枠を無駄に使ったあげく、30分枠がこんなレベルでは本当に悲しくなってくる(重大発表でぶち上げたんだからアジアタッグの試合はキチンと放送するんだろうな?)。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(3/15記)
新日本体対T-2000全面対抗戦10対10。おいおい何だよ、10試合1日にまとめちゃうのか?おまけに決定戦1試合で11試合。全然試合内容把握できないぞぉー。先週の全日並にダイジェストな放送であった。
そんなわけで、試合展開などをメモっていなかったおいらは、全然誰が誰とやったかうろ覚えである。何だったら延長一試合の試合結果も忘れてしまった。だから印象に残った選手を記そうと思う。
やっぱり一番はヒロ斉藤だろう。いやープロフェッショナル。短い放送時間だったが、実に持ち味フルに出して本領を発揮していた。対戦相手が旬の飯塚と言うこともあり、勝つことはないだろうと思っていたが(この時はダイジェストになるとは思っていなかったので、真剣に試合を見ていた)、試合内容は完全にヒロの勝ち。ヒロが試合を組み立て、ヒロが観客を引きつけ、ヒロが観客を暖める。飯塚に与えられたモノは、勝利というプロレスラーにとっては(特にヒールにとって)さして重要ではないモノだけだった。全て自分の持ち技を出し、満足しきった顔でチョークスリーパーを喰らうヒロの顔は、後頭部同様光り輝いていた。
おっ思い出してきた。金本と野上の試合有ったよな。これまた役割だから仕方ないが、例えヘビー(しかもジュニア上がり)とはいえ、野上に負けていては、金本ちょっと辛いなぁ?年上、ヘビーと二つの壁があるとはいえ、今日も技出し損なっていたしょっぱい野上に負けるのは、イメージ上も良くないよなぁ(でもライガーも小島に負けてるけどねぇ、あの小島に)。
後、じっくり見たかったのが後藤対平田の試合。まぁ試合自体も短かったんだろうけど、この二人がしっかりやったら結構面白い試合になってると思うんだよねぇ。
その他の試合はだいたい順当な結果かな。大将対決も行って来いだし。でもタオル投げたのは橋本ってのがちょっときな臭いよね。橋本は絶対外様長州ラインの健介の事、認めてないと思うモノ。新日本体のエースは俺っだってね。あっそうそうそのバカ橋本だけど、このブタ4.7の小川戦に引退かけるとかふざけたこと言い出しやがった。バカみたいな事言ってんなよー、そんな事言ったら橋本勝つに決まってんじゃん。何でやる前から結果見えるようなこと言うかなぁ(引退かけることによって、負けは無くしたいって事か)?体力衰えてないのに、引退かけて本当に負けちゃったのなんて木村健吾ぐらいだぜ(一時本当に新日から消えるモノの、キックボクサーとして復活し、なし崩し的に無かった事に(笑))?普通負けはないよなぁ・・・がっかりだよ橋本。
ところで今週有る予定だった藤波社長からの重大発表とは?(株式上場の発表だったんだろうけど、まだやってないよなぁ?)
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(3/15記)
さて、前週1週間使って予告編を流した期待の三沢対秋山戦。確かに試合内容は素晴らしいモノであったし、結果も大変重要な結果だった。
あれだけ先週予告流したのも、結局は秋山の三沢越えって言う結果があったから何だろうけど、この三沢越えってそんなに大したことなんだろうか?本当に秋山は三沢を追い込んで、三沢を倒したんだろうか?どうもそれは違うと思う。確かに秋山はいつもと違い、技がぬるくなかった。どの技も気迫にあふれ、遠慮無く三沢に叩き込んでいた。でも三沢には、まだまだ余力があったように見える。何だったら秋山に本気を出させたのは、三沢のえげつないまでの本気度の高い技からだとも言えよう。そう、三沢はこの試合で秋山のイメージを高め、格的にもはっきりと四天王に並ぶ存在にしようと思っていたのであろう。それだからこその、本気度の高いエルボーであり、その他の技なのである。それらの技を受けた秋山は、「なにくそ」と思ったであろう。いつも通りの緩い技を出していては、三沢に簡単にやられちゃうぞと危機感を抱いたであろう。その結果が今日の秋山の好ファイトに繋がったわけである。全て三沢の思惑通りの試合だったのである。その思惑とは、レスラー三沢と言うより、社長三沢としての思惑であった訳なのだ。
この流れは、随分前から見えていた。田上がパッとせず、川田が故障がち、自分は社長業と並行。四天王のうちでしっかりしているのは小橋だけである。団体のトップとして、こんなに不安なことはない。いつまでも自分と小橋の試合だけで客が呼べるわけがないのである。新たなスターレスラーを育てなければならない。そう考えるのも至極当然のことであろう。まずノーフィアーの売り出しにかかった。これはある程度成功した。次に考えたのは、小橋のしっかりとライバルになるレスラーである。そう、秋山以外に居るまい。小橋より年寄りでは仕方ないのだから。そうして、ぬるい秋山のイメージアップ作戦が始まった。それと共にバーニング自体のイメージアップも。タッグベルトも取った。小橋はベイダーからシングルのベルトも取った(取らせて頂いた)。そしてこの試合である。秋山が三沢を破った。これによって全日内の格付けは、1.小橋2.三沢3.秋山4.川田5.田上。と言うような状況になったわけだ。三沢社長大満足である。ある意味自分がいつ退いても大丈夫なような状況の基礎を、ようやく作り上げられたのだから。
全日のレスラーの育て方は、昔から「地位は人を育てる」である。そう言う意味では、今回のやや強引なまでのバーニングの抜擢は、長年のプロレスファンから見るとそうおかしな事ではない。ただ、絶対に勝てないであろうベイダーに説得力無く勝ってしまったり、これまた団体のトップレスラーがたいして衰えてもいないのに、わざわざ負けて上げたりと、いささか手心が加わりすぎているのが気になる。せっかくの三沢越えという大イベントなんだから、1.2年かけてじっくりと成し遂げても良かったのではないだろうか?その方がプロレスマニア達も秋山の存在を認めたのではないだろうか?この性急な秋山、バーニング抜擢劇には、全日のしっかりとしたプロレス、しっかりとした流れ、みたいなモノが失われているようで少し今後が気になる展開であった。大丈夫か?三沢社長!
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(3/21記)
さて、今週は百田光雄に何の断りもなく開かれている不思議なイベント、力道山メモリアル。その中で重要だったのは、猪木がいきなり組ませた橋本小川組の試合であろう。だが中継権の問題か、テレ朝的に不必要と見たのか、試合結果自体にはまるで触れられることが無く、橋本が村上に襲われて大流血という事柄だけが大きく取り上げられていた。
いやはや、何とも新日的な展開だねぇ。しかも昔の。懐かしくなって来ちゃったよ。ただ、昔と違うのはテレビカメラの前で行われたと言うことだろうね。昔と今じゃ新日とテレ朝の結びつきは微妙に変わってきているようで、今回もこの大事な事態が、さも当日そこで行われると決まっていたかのように収録され放送されていた。最近のプロレスファンにとってはまことにショッキングでスクープ的映像で、かぶりつきで見てしまったかも知れないが、はっきり言ってこれを放送したのは失敗だったと思う。昔のように写真と文章で伝えられた方が、想像力をかき立てられて、より凄味が増したように思う。テレビで中継してしまったが為に、粗が見えてしまって逆に白々しさが出てしまっていた。
まず何より、橋本の流血の仕方が古典的新日流血でおかしい。そう、ブロディがテレビの前でやってしまってしばらく封印されていたあれである。まず誰かに襲撃を受ける、で、数発殴られて見せて倒れ込みうつぶせになる。カメラ的にはこの時必ず足の方から写して頭の方は死角にする。大丈夫ですかと介抱しつつ頭の回りを取り囲む。頃合いを見てカメラが頭の方に寄って行く。顔のアップ大流血!って奴である(当然最初にうつぶせになった辺りから介抱されるまでに、自分で額に傷を付けるわけだ)。その証拠に村上の襲撃で、橋本の額が割れるような攻撃は無かったように見える(ブッチャーやトーアカマタの様な触れたらすぐ切れるような額ならいざ知らず)。さらにおかしいのは、最初担がれて会場入りする際の橋本の流血はそんなに大した量じゃなかったのに、それからずいぶん経っての選手入場の時の方が出血量が増えている点だ。だって包帯まくより、まずテープ貼って止血しろよ?明らかに襲撃されたという事をアピールするために(さっきの流血は足りなかったと)、酷い流血にしている。ちょっと興醒めであった。
いやね、こんな八百長まがいのことをやって盛り上げるなって言ってるわけではないんだよ。むしろ効果的に行われれば、これほど想像力がかき立てられて盛り上がると事はないんだから、昔からのプロレスファンとしては喜ばしいことなんだよ。ただ、テレビカメラが入っちゃったことで粗が見えちゃったのが悔やまれるって言いたいんだよ。それにしてもこれでますます4.7は橋本が勝ちそうだよねぇ。誰の入れ知恵だか知らないけど、完全にプロレスペースで話が進んでいるよ。引退もかかってるし、小川の勝ちはないよなぁ。
で、次に気になったのはライガー対サムライのジュニアタイトルマッチ。柴田がゴマすって、黒ライガーのライガーイズムが伝わっていて、試合内容が明らかに違いますよって言ってたけど、本気で言ってんのかあいつ?明らかにライガー、サムライに合わせてたじゃん?ライガー昔からサムライには優しいんだけど、今回もそうだよねぇ何でだろ?試合後のコメントでも、もったりしたサムライを持ち上げるコメントばかり、サムライには本気にさせるほどの価値も無しってことか?
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(3/21記)
じゃーんビデオ撮りそこね。月曜と日曜気をつけてたんだけど、午前と午後間違えてるじゃーん。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(3/29記)
IWGPヘビーシングルタイトルマッチ、健介対小島。
橋本があの状態なので自動的に新日のトップという地位についている健介。個人的には佐々木健介というレスラーはあまり認めていない。いや身体能力でレスラーを語るのなら、あの小さい体であのパワーを絞り出しているのだから凄いレスラーの一人であることは確かだ。でも、プロレスラーそれだけでは駄目なのである。頭が良くて、機転が利き、観客を多いに乗せられる男でないと、良いプロレスラーとは言えないのである。
健介はナンバー1にしてはいけないレスラーである。180無い小ささも問題だが、何と言っても彼には華がない。多くの人間を魅了するだけのモノがないのだ。本来彼はエースの補佐について、団体を支える縁の下の力持ちであるべきなのだ。猪木の下の坂口。藤波の下の木村。木村の下の浜口(?)。今では信じられないが、天龍ですら鶴田の下ではきっちりとその役回りをこなしていた。それなのに今の新日には健介が仕えるべき存在が居ない。馳と組んでいたときの健介が一番良かったように感じることからも、本来彼は地味な仕事人タイプであるのがわかる。なのに今の新日本体は人材不足である。そんなエース不在の中、何となくエースをやらされている(本人は勘違いするほどやる気満々だが)健介には、グレート草津、ストロング小林のような無理矢理な臭いが感じられる。実力と立場が一致していないのである。
で、そんな散々な評価な健介だが、相手が格下となると実力をフルに発揮する。そう、本来のレスラーとしての良さが出るわけだ。この日の相手は健介に輪をかけてしょっぱい小島である。もう全然レベルが違う。ある意味両者とも長州の流れを汲む「ラリアットバカ一代」系のレスラーなのであるが、ラリアットの当たり、それにかける意気込みみたいなモノの差が試合にはっきり出ているのである。一時期小島は日本一のラリアッター等と言う、とてつもなく勘違いなフレーズを定着させようとしていた(最初はしきりに使っていた辻アナも、あまりの恥ずかしさに使うのを辞めたのであろう)、だがハンセンのラリアットを喰らいまくってモノにした長州のラリアット。その長州にずっとついていて直伝された健介。ただ腕振り回しているだけの小島。違いは歴然である。小島のラリアットなどラッシングラリアットに毛の生えた程度のモノなのだ。その辺の本気度の差が試合でも出ていて、いくら顔をしわくちゃにしてバカの一つ覚えを叫んでも、健介の健介なりのエースとしてのプライドには到底及ばなかった。
確かに健介はエースの器ではないと思う。でも健介は健介なりにそれに答えようとしている。試合内容が面白くないこともあるだろう。でもただダラダラ演劇怪我人プロレスにつき合ってきてしまった小島とは、同じしょっぱさでも雲泥の差が有るわけなのである。努力をしているしょっぱさはいずれ味となっていくことも有るということだ。
全日本プロレス中継 日本テレビ系日曜深夜(3/29記)
今年からトーナメントになり、厳しさを増したチャンピオンカーニバル。初戦からエライ事になった。今週触れるのも当然そのエライ事である。チンタラした田上の試合などどこも語るべき事はないのである。
大森対秋山。わずか7秒で大森の秒殺である。いやはや凄い試合だった。先週まで三沢脳に疑問を抱いていたのだが、このチャンピオンカーニバルのトーナメント化、そしてこの初戦の結果。いやはや三沢社長侮りがたしと言う感じだ。何と言っても今、全日で飛ぶ鳥を落とす勢いの秋山である。当然チャンピオンカーニバルでも、小橋や外人勢と優勝争いをする大本命だと思っていた(個人的にはそんなに認めていないけど)。それだからこそ先週まで三沢社長に対して苦言を呈していたわけだ。なのにその秋山が1回戦敗退である。しかも相手がずーっと格下扱いをしていた(秋山がね)大森である。これは目が離せなくなってきた。素晴らしい社長の手腕である。
また大森が実にプロレス脳を旨く使っていた。レフリーを間に挟んで秋山を撹乱しつつ、アックスボンバーの連発である(この辺りを小島とかにも学んで欲しいよね)。本当にわずか7秒ながら実にプロレスの魅力にあふれ、興奮できた7秒だった。あれだけの時間でプロレスを堪能させる全日はやはり凄い団体である。
先シリーズまで三沢社長は、ひいきのひきたおしかと思うほどバーニングの地位を高めることに集中していた。小橋のまさかのベイダー戦勝利、秋山の三沢越えなどである。それが一転して大森大勝利。思えばバーニングびいきになる前は、明らかにノーフィアーを抜擢していた。そうである、三沢社長はこの二つの大型チームと外人の争いを全日の柱に育て上げようとしているように思える。言うなれば風車の理論である。まず4の力しかないノーフィアーを7ぐらいの力に見せておいて倒す。次に6ぐらいの力のバーニングを8ぐらいに見せて倒す。こうしてベイダーウィリアムスを絡ませながら、ノーフィアー、バーニングを成長させているのである。この2チームは最近の日本人レスラーとしては抜群に体がデカイ。プロレスは体がデカくないと駄目だと言うことも、三沢社長はしっかり解っているようである。柱に育てるために、いささか暴走気味の気配もあるが、大型タッグチームが常に競り合って成長する。何て見応えのある団体であろう(んなこと言ってたら秋山バーニング離脱?)。全日はまたも新日より早く世代交代が進みそうである。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(4/4記)
IWGPヘビータッグタイトルマッチ、中西永田組対天山蝶野組。
いやー、はじけてたぁ。中西永田組。実に良い、本当に脂が乗りきっているって感じだ。もう何をやってもノリノリで、一つ一つの動きが絵になっている。中西は前からグワッシグワッシ(羽ばたくポーズね)等とオーバーアクションを売りにしていたが、この試合では永田も永田ロックに入る前の敬礼だけでなく、実に生き生きとオーバーアクションを展開していた。日本人のレスラーがああ言うオーバーアクションをやると、なんだか軽薄に見えて、強く見えなかったモノだが、永田中西は見事にオーバーアクションによって観客を乗せることに成功している。それもこれもアクションだけのデコレーションレスラーで無いことを、観客がしっかり解っているから、そして永田中西が解らせているから成立するわけである。
確かに新日には、武藤、ライガー、小島などオーバーアクションをある程度売りにするレスラーは多いい。でも中西永田の違う点は、それらのレスラーが、オーバーアクションを見せようとして見せているのに対して、自分達の試合のノリの良さから、自然発生的に出てきている点であろう。だからより観客も永田中西の発生するプロレス空間に引きずり込まれていくのだと思う。小島のレベルの低いオーバーアクションでは、ああそろそろ「行っちゃうぞバカヤロー」って言うなとか、本気でやっつけるわけでもないのに首を刈る仕草で白々しいなとか、観客に丸わかりなのである。まぁプロレスの観客の中には、そう言う予定調和を楽しみたくて来ている人も多いから、そこそこ盛り上がったりするが、「今日もやっとかなきゃな」って感じのオーバーアクションと、本当にノリノリで自然発生的に出たオーバーアクションでは、観客自身も、興奮の仕方が違うと言うことにいずれ気づいていくと思われる。
確かにプロレスというモノは、ある程度予定調和様式美を楽しむモノでもある。マードックのブレインバスター、ドリーのエルボー、ブッチャーの地獄突き、ハンセンのラリアット。みんなその技を見たくて来るわけである。だが、なぜプロレスファンがその技を見たいかというと、それぞれのレスラーが全盛期の時にそれらの技を使って名勝負を繰り広げたからである。その時代その空間を一緒に共有した者が(又は伝え聞いた者達が)過去の名勝負を思い出しながら、浸るから様式美は美しく楽しいのである。大した試合もしていないのに、これが俺の必殺技だからみんな湧け。では本来観客は納得しないモノなのである。
必殺技のための必殺技(相手を倒すための必殺技手なく)、計算の上の(しかも浅い計算)オーバーアクションでは、レベルの高い観客はついてこないモノなのだ。そう言う意味では、この試合の永田中西のオーバーアクションは、どんなプロレスファンも納得する、レベルの高い自然発生的なオーバーアクションで素晴らしかったと思う。
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(4/7記)
今週から水曜深夜に移って、ますます窓際的感の強くなった全日本プロレス中継。こんな曜日時間では視聴率などほとんど※印だろうが、一つだけ良かった点がある。日曜深夜に放送していたときは、30分の枠の中に日テレちゃんの案内も入っていた為、実質25分ほどの番組だったのだが、今回の移動では番宣は付いてこなかったので、30分フルタイムプロレス番組である点である(その分CM増えてたりして)。で、今週の放送はチャンピオンカーニバル公式戦、三沢対川田。
ん〜。多分世間的評価とか週プロ的評価は凄く高い試合だと思う。でもねぇ、俺的には駄目だねぇ。なんか、三沢も川田も峠を越えちゃったって感じ?試合見ていて、ワクワクするモノがないんだよねぇ。吸い込まれるような吸引力が試合に無い。昔の三沢対川田の試合なんか、それこそグイグイ引き込まれて、感情移入バシバシしちゃってたんだけど、この試合ではそれは無理だわ。
まず何と言っても、激しい試合をするために激しい試合をしている点が気になる。何か新日の欄と似たような話になりそうだけど、昔の三沢対川田は、試合をやっているうちに両者がヒートアップして「あれ?こんな技だしても倒れない、じゃあこれでどうだ?」「ん。また返された、ならこれで!」と言う展開で、自然と盛り上がって過激な試合となっていっていた。そこには計算などあまり無く、純粋に相手が耐えられる以上の技を出す。と言うある種セメント的要素があり、それが全日ファンの支持を得ていたわけだ。
だが、今の三沢対川田の試合はどうだろう?田上に続いて四天王を脱落しそうな川田。全日を守るためにも、川田が脱落して貰っては困ると考えている社長三沢。この両者の思惑が一致した形での「激しく凄いプロレスをやらなきゃ」。これが勝負より先に立っていたように感じられる。今までの三沢川田戦が、純粋に先輩後輩のどっちが強いか対決だったのに対して、この試合は勝敗などどうでも良く、とにかく、三沢も川田もまだまだこんな激しいプロレスが出来るんですよ、川田は完全復活とげましたよ。と言うアドバルーンを上げるための激しいプロレスに過ぎなかったと思う。その辺りの浅さが、いくらガンガン行ってるプロレスのように見えても(それにしてもエルボー、ハイキックばかりで、両者のプロレスラー的進歩の停滞を感じる)、見ている人間の心に訴えかけてこない、悲しいプロレスになってしまった要因だと思う。
とにかく、田上、川田、三沢のロートル四天王は、今非常に厳しい次期に来ているのは確かであろう。肉体的には、まだまだ以前と同じく激しい凄いプロレスが出来るのだろうけど、彼らの胸に、あいつだけは倒してやる。俺がチャンピオンになってやる。俺がトップになるんだ。と言うような熱い情熱が今も燃えたぎっているかと言うと、そこまでのモノは今現在持ち合わせていないのでは?と言うのが端で見ていての感想だ。精神面での巻き返しを期待する。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(4/7記)
久々の生放送なので、このページも当日UPでライブ感満載だ。小川対橋本最終決戦。
いやー、良いモノを見た。試合始まる前は、とにかく引退を賭けるなんて事を軽々と口にしてしまった(いや、橋本にしてみれば軽々とでは無いんだろうけど)橋本に対して、憤りを感じていたのだが(だってプロレス的に見れば、引退させるはず無いでしょ?だったらおのずと橋本の勝ちが見えてしまうわけで)、実にクリーンな真剣勝負で良い試合だった。途中村上が乱入したが、橋本の場外ウロウロと、スリーパーによるタップがノーカンだったので帳消しと取れなくもないし、途中で両陣営が(特に新日サイド)タオルとか入れて台無しにすることも無かった。そして何より、前回あんなにタイガーワールドを展開していたタイガー服部が、実に公平に試合を裁いていてどこもかしこも納得の見たままの試合であった。
ここまでクリーンではっきりとした結果が見えるのはプロレス界では極めて珍しいわけだが、そうなったのも小川というプロレス界では異端児の存在。そしてそのバックに何でも有りなアントニオ猪木が付いているという事実。この2点に加えて、現在の新日の試合に危機感を感じている藤波社長の考え有ってのことだろう。前回の対戦では、とかく長州現場監督サイドな判断で、タイガー服部の動きがおかしかったが、今回の試合では藤波社長寄りで、キチンと話がまとまっていたようで、本当に安心して見ていられる良い試合であった。
こういう試合をゴールデンの生放送で放送できたのは本当にデカイ。その前まで流れていた試合が一気に色あせるだけの、そして誤魔化しに気づかせるだけのインパクトがあったと思う。テレ朝的には、只の立ち技格闘技K-1がブームになり、それの対抗に総合格闘技プロレスを持ってきたいのだろうけど、今日のような試合をしていれば、充分一般視聴者も取り込めるだけの凄味があると思う。ただ、こんな馬鹿馬鹿しい試合を(プロレス的に見てね)やってのけれるのは橋本ぐらいしか居ないと言うのが、切実な問題では有るが(みんな自分が可愛いモノね)。
それにしても小川も橋本も凄かった。特に、橋本はプロレスラーなのであの化け物じみた打たれ強さはある意味当然だが、小川にも驚くほどのスタミナと気力があふれていた点をあげておきたい。正直今日の試合は何度も小川が負けたと思った。それもこれも、負けたら引退という橋本に対して、何度も完勝して目標のない小川の気力が、勝るわけが無いという視点で見ていたからで、それにも関わらず、勝ちに向けて驀進する小川という男は本当に怪物だと思う。プロレスラー橋本が、根尽きて起きあがれなくなるわけだから、まさに本物と言えよう。猪木最強説はたぶんにプロレスの枠を出ずにインチキ臭かったと思っている。だが、小川直也最強説は、少なくとも今のプロレス界で疑う人間は一人も居ないであろう。本当に凄い試合をありがとう。そして、鍛え上げた人間達が本気で戦うとどれだけ凄いか、怠けた新日ファンにもさすがに浸みたであろう。時代はストロングスタイルを切実に求めている。
でも、みんな余韻に浸ってる中で、脳天気な猪木の1.2.3.ダーっは誰もが引いていただろう?空気も読めなくなってきたか?猪木?
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(4/14記)
初っ端から三沢対ベイダー戦で、ベイダー骨折敗退の映像。続き大森対ウィリアムス戦。いよいよもって波瀾のチャンピオンカーニバルも佳境へ。
つーのが今週の流れなんだけど、ちょーっ三沢社長の手腕にまたまた疑問かなぁ?持ち上げたり下ろしたりで申し訳ないんだけど、やっぱり全体に作劇的要素が強すぎるかなと。三沢が描く新しい全日本プロレスというのは、少し動き過ぎというか焦りすぎなような気がする。まぁ全日という団体は昔から、シリーズシリーズに流れがあり、それが一年を通すと緩やかなストーリーになっているという団体である。ただ、新日に比べると明らかにスキャンダラスな展開にはなりづらく、本当に馬場の人柄を表すかのような、緩やかな流れが持ち味であったわけだ。ところが三沢の考えなのか日テレの意向なのか、次から次へと急激に事が進む新日の(偽りの)繁栄の影響を受け、全日にまでも無理矢理な展開が目に付くようになってきた。レスラーが必然的に巻き起こす戦いの渦でなく、先にストーリー有りの抗争になりつつあるように感じる。
まぁある意味、昔のゴールデンに放送されていた頃のフォーマットに戻ったと言えなくもないが、ここ最近の全日を指示してきた層には納得しづらい展開ではないだろうか?新日が演劇プロレスに走る一方で、技のインフレを招きつつも、痛さの解る凄いプロレスでファンを引きつけてきた全日が、その悪い新日の影響を受けてしまうと言うのは(しかも新日がストロングスタイルに回帰しつつある今)悲しい出来事なのではないだろうか?今のところ、ファイトスタイル自体は変わらず、過激で急角度なままなので心配はないが、今週を見ても解るとおり、あまりにも作られたような流れには、拒否反応が出てくるのではないだろうか?
ベイダー骨折にしてもそうだ。全日のスタイルは、相手に仕事を出来なくなるような怪我を負わすことは、プロレスラーとしてレベルが低い。と考えられていたはずなのに、なぜ社長自らが骨折させるか?これはもう、ベイダーがトーナメント上に残っていたら以後のストーリーが上手く進まない。ベイダーを負けさすには生半可なストーリーでは駄目だ。と言う意味でのトーナメント離脱だと思えてくる。アクシデントで折れたと考える向きもいるだろうが、それも違うと思う。あれは明らかに通常とは違う絞り方で、観客に「折れる」と思わす技の出し方であった。そう、そう言う意味では、ベイダーは骨折していないかも知れない?とにかくベイダーがトーナメントから必然的に居なくなればいいのだから、ベイダー骨折!と言う事実が出来上がればいいのだ。アメリカに緊急帰国したというのも怪しい。とにかく1.2ヶ月ベイダー無しでストーリーを進めて、ある程度新しい全日のスタイルが固まった時点での強烈復活というのが、この後の流れだと思う。とにかくあまりにも強すぎるベイダーは、今の日本勢の争いがまとまるまでは、扱いづらい存在であることは確かなのだから。
何か昔のタイガー・ジェット・シンの骨折を思い出させる展開だが(あれも折れてなかった説有力)、着実にレトロな方向に向かっているような気がする三沢全日である。大森抜擢にしても秋山、バートンと来てウィリアムスまでとなると、さすがに「筋決ってんじゃないの?」といぶかしがられてもしょうがない展開だと思う(フィニッシュもいまいち説得力に欠けてたし)。こういうわざとらしさが無かったのが、馬場晩年の全日の良いところだったのに、三沢社長の作劇には詰めの甘さと、急ぎすぎを感じずにはいられない。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(4/17記)
東京ドーム大会再放送。再放送とはいうものの、当日の放送枠に入らなかった試合も数多く含まれていて、結構見応えのある中継であった。このドーム大会のもう一つのテーマとして(一つは小川対橋本ね)、ジュニア対ヘビーというモノがあったが、その中でも金本対フライの試合は非常に良い試合であったと言えよう。
T-2000入りしてすっかり新日の常連外人さんとなったフライは、来日当初のデンジャラスなまでの本気度をすっかり内に秘めてしまい、どうでもよい、寸止めレスラーに成り下がっていた。そんなフライだが別の意味で、この試合では実に本気度の高いフライであったと言えよう。対戦相手の金本はジュニアでは割合ガチンコ系の選手だと思われている。だが、それも所詮プロレスの括りの中でのからくりに過ぎず、実際は相手が大怪我をするようなキックや技を本気でくり出しているわけでは無い(その為、ライガーに一杯食わされて秒殺されちゃったりする訳なんだよね)。だが、この試合の対戦相手は、アルティメットファィトでも名を鳴らしたフライである。しかも体格も明らかに相手の方が大きい。そう、思い切ってぶつかっていける相手なのである。
いつものジュニア選手相手では、自分の鋭い蹴りは相手にケガを負わせてしまうかも知れない。常にそう言う事を考えてファイトをしていたであろう金本が、この「本物」フライに対しては、余計なことを考えずに(ヘビーに勝ってはいけない、と言うことだけは考えていただろうけど)戦えていたように思える。メインの小川対橋本も限りなくセメントぽかったが、この試合も少なくとも金本側は、これまた限りなくセメントっぽく挑んでいたのではないだろうか?その辺の迫力が、この試合を拾いモノの名勝負に魅せていたように思える(ライガー対健介、大谷対小島は、色々考えなきゃいけない事多そうだし)。
と言うわけで、図らずも相手の技を受けると言うことで、凄さと本物度を久々に見せつけたフライにとっても、試合後の言葉とは裏腹に収穫の多い試合だったのではないだろうか?やっぱりフライはUFO側に居るべき人間であったよ。本当に今のフライはもったいない(ただ演劇プロレスの格を上げるためだけに利用されているのだから)。
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(4/20記)
チャンピオンカーニバル準決勝第2試合、三沢対小橋。
何だけどさぁ、30分近くも戦っておいて放送がダイジェストなんだよねぇ。今シリーズはチャンピオンカーニバルなんだよ?つまり公式戦が命なわけでしょ?なのにいくらジョニースミスの動きが良いからって、田上のヨロヨロした試合を放送したりしなくても良いんじゃないかなぁ?スミスが優れたレスラーだなんて事は、ここ数年の全日を見ている人ならみんな解っているはずだし、どうせスミスを放送したいのなら、チャンピオンカーニバル公式戦の小橋対スミスを放送すれば良いと思うんだけどなぁ(あれだってかなり良い試合だったはず)。30分しか放送時間が無い中で、先週までの流れ、公式戦とは関係ないタッグマッチが2試合、来週の予告じゃ、全然三沢対小橋の試合の面白さも凄さも伝わってこないよねぇ。デンジャラスな角度で落とされてる技だけでつないでも、良い試合、名勝負には見えないんだよ。その辺日テレちゃんはもう少し考えて欲しいよ。本当に。
そんなわけで、大事な公式戦準決勝は全然印象に残らない試合だった。とにかく三沢がこれでもかこれでもかと、頭や首から落ちていくのが記憶に残っているだけである。なんか単なる三沢の受け身自慢な試合に見えちゃってもったいない。でもこんな放送の仕方も全日日テレサイドの、小橋秋山売り出し作戦の一環なのかも知れない。まず、小橋の試合は小橋が勝ったと言うことが重要、秋山の試合は秋山がモスマンを上手く使っていたという経過が重要。こう考えれば、秋山モスマンの試合が、この日の放送のメインなのも頷ける。
そんなモスマン秋山組だが、放送でも言っていたが、奇跡的に連携が上手く行っていた、本当に凄い流れるような連携であった。モスマンはチョコチョコと見栄えのする技を展開するのは得意なレスラーであったが、それがいまいち試合の流れに繋がっていなくて、しょっぱい印象のあるレスラーだった。でもこのタッグでは秋山が見事にモスマンの技を引き出しつつ、流れにつなげているのだ。そう言う意味では秋山にも別な面の成長を感じられて、実に良い試合では有ったと思う。確かにこれを放送のメインに持ってきたいのは解る。解るけどチャンピオンカーニバルなんだよ、今はね。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(4/24記)
東京ドーム大会再放送。小川対橋本戦ドキュメント。試合内容自体は当日のコラムで触れたので今更書かないが(激重だけど過去ログコーナー作成)、このドキュメントはどうなのだろう?わざわざ嫁さんまで追って、お涙頂戴に仕立て上げているが、はっきり言って良い趣味だとは言い難い。
負けてしまった橋本だが、少なくとも橋本という男の株自体は、あの試合によって上がったと私は見ている。どうやっても勝て無そうな小川に向かっていって(他の新日の選手ほとんどに見捨てられながらも)、向かっていって挙げ句今回に至っては、ひょっとしたらと言うところまで(ラッキーパンチ的要素も強いが)行き、プロとしての気迫は充分に伝わってきた(強いか弱いか上手いか下手かは別にしてね)。そう、ある意味潔いまでのやられっぷりに、男橋本と言うレスラーとしては非常に大事な、イメージみたいなモノを手に入れたと言えよう(橋本はいつ何時も、逃げも隠れもしない、男らしいレスラーだと言う。←これは得なイメージだよこの先)。
なのにだ、嫁さんと子供が橋本のやられる様を怯えながら見てたり、試合後に数人のファンにインタビューして、情報操作をしたり(あんなの明らかにテレ朝サイドの意向に添ったインタビューだけ流しているのだから)と、明らかにプロレスファン向け以外の、一般視聴者向けの番組構成にしてしまったのは、橋本にとってプラスだったのだろうか?確かに一般視聴者はこの放送によって、橋本可哀想!引退させないで!と考えるかも知れない。でも土曜のクソ深夜にわざわざあの放送見てるのは、ほとんどがプロレスファンであろう。プロレスファンであったならば、橋本が引退しないであろう事は、うすうす気づいているだろうし、そんな事は問題にもしていなかったであろう。むしろプロレスファンにしてみれば、あのよあに奥さんに同情され、ファンに同情され、テレビ局に同情される橋本の姿は、決して格好良いモノには映らなかったはずだと思う。
つまりせっかくあの一戦によって、橋本はいわゆるプロレスルール(引退宣言したモノが勝たせて貰う)にも従わない、小川と同じ側のガチンコレスラー、言い方を変えれば「男らしい、心の強い奴」と言う勲章を負けながらにして手に入れたのに、あの放送によってその強いイメージが逆に、同情を買う弱者のイメージになっているのが、非常にもったいないと思う。いわばひいきのひきたおしである。プロレスファンは意外と頭が良いのである。あんなゴールデンタイムの垂れ流しバラエティみたいな思考で、まとめられたドキュメンタリーなど必要はなかったのである。
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(4/28記)
チャンピオンカーニバル決勝戦、大森対小橋。
全日。まさに全日本プロレスの試合であった。ここまで1年以上、勢いだけでのし上がってきたノーフィアー大森。その大森がこのチャンピオンカーニバルも初戦の秋山を7秒で下して以降、素晴らしい勢いで勝ち上がってきた。そして決勝戦、相手はもはや全日トップと言っても過言ではない小橋だ。大森の勢いが勝つか、小橋の10年来の夢が叶うか、最初からヒートアップしそうな決勝戦であった。
だが、試合が始まってみると意外な程静かな立ち上がり方だった。大森が初っ端からガンガン飛ばしてくるとか、いきなりの大技炸裂で場内大興奮とか言う展開を期待してたむきには、拍子抜けするほど静かな立ち上がり。そうである。この試合、大森が試されていたのだ。とにかく勢いだけで駆け上がってきた大森に、しっかり武道館のメインを努めるだけの技量があるか、それを小橋が、三沢がチェックしていたのである。前半15分、相手を倒すような大技は何も出なかった、グラウンドの攻防、場外での駆け引き、それらで確実に観客の興味を試合に引きずり込んでいく、そう、昔ながらの全日フォーマットである。最近の初っ端から全開、どんどん首から落とすぜ、と言う全日しか知らない大森に、この全日フォーマットがキチンと勤まるかというのが、この試合のキーポイントであったように思える。サソリの入り方が怪しいとか、大森らしい点も見られたが、おおむね合格で観客も上手く引き込めていた、となれば後は観客の貯まりに貯まったモノを爆発させる後半戦である。
いやー後半戦も凄かった。本当に前半貯められていた分一気に爆発する感じで、場内の盛り上がりも最高であった。後半ははっきりと小橋ペースだったのだが、大森がまた良く食らいついて行っていた。小橋のスタミナには誰も疑問を持たないであろうが、なかなかどうして大森もデカイ体の割にしっかりスタミナがあって、良く返していたように思う。大森が返すせいもあるが、小橋のフィニッシュに至るまでの攻撃は本当に鬼気迫るモノがあった。普段ならもうフォールして居るであろう技の後にも、まだ技を叩き込む。何か急成長してきた大森に対して「俺とお前の間にはまだこれだけの力の差があるのだ」と見せつけるかのような技の連発であった。そう、小橋も大森をこの試合を通して認めていたのだ。だからフィニッシュの遠慮会釈無いラリアットも、驚くようなタイミング、角度で炸裂しているのである。
チャンピオンカーニバル決勝戦。それは様々な試練を乗り越えた大森が、充分にメインイベンターとして全日を動かしていけると、証明し認められた試合であったと言えよう。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(5/3記)
東京ドーム大会再放送。と言ってもそろそろ違う場所での試合とかも入りだして来て微妙。
福田の半生を振り返る企画から吉江凱旋試合へとスムーズな流れ。福田のことについてはあまり語るべき事はないが、新日にしては久々のデカイ選手で期待してただけに悔やまれる。あと、せっかく素質を見いだされインディーから引き抜かれたのに、これが原因で以後インディーからの抜擢が無くなるとしたら、それはそれで残念な気がする。(やっぱりインディーだから基礎が出来てない、とか言う風評とか気にしそうでしょ?新日って)
で、その吉江。いやーなんか気持ち悪いわ、彼。またインディー寄りなレスラーデビュー(デビューじゃないけど)させちゃったって感じ?とにかく上背が無いから仕方ないんだけど、丸々とした体にダブルショルダーのタイツ、変な剃り上げ。もう見るからにやること無くなっちゃって、取り敢えず形から目立とうと言う浅さが伝わってくる。今後どういうファイトを見せてくれるかわからないが、今現状では、またアンコ型パワーファイターが一人ただ増えたって感じだ。なんか新日ってこんな奴多いよなぁ。ラリアットバカ一代の臭いとか(大元辿ればアニマルか、いやアニマルは良いんだよ)漂ってるけど、プロレスちゃんと出来んのかなぁ?一言で言って「豆タンク」。早く自分のスタイル見つけて下さい。
で、ドームからは中西対ノートン(これドームだよね?)。いやー中西!もう最高!オレ的評価凄く低いんだけど新日トップ外人(マサ推奨)ノートンを、あそこまで完璧に倒すとは、ある意味この試合もガチンコな臭いがする試合だった(つーかノートンが勝手にヘタレてるんだけど)。ノートンの完璧なチョークスリーパー(なんでレフリーチェックしねぇんだ?)に耐え、アルゼンチンをやっている最中の顔面マジパンチにも耐え、挙げ句ノートンから戦意を喪失させてのフォール勝ち!実に素晴らしい。今の新日ファンはこんな一試合程度のことでは、気にしないだろうけど、昔の新日だったら確実にレスラー生命を絶たれる、屈辱的敗北。いやーすっきりした。大体ノートンプロレスは出来ねぇは、レスリングも出来ねぇはのクセに幅利かせ過ぎなんだよなぁ。いかに今の新日外人のレベルが低いかの代表みたいな輩なんだから、これに懲りたらもっと大人しくしてろっての。つーかもう呼ぶな、長州!ラリアットもしっかりたたき込めないような奴に何の価値がある?しょっぱすぎ。
最後に、小林邦明引退。絶対に乱れない髪型は木戸と双璧であった。娘不細工だなぁ・・・
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(5/6記)
チャンピオンカーニバル総集編のためお休み。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(5/7記)
再放送シリーズも終わり、いよいよ通常営業に戻ったワールドプロレスリング。だが暦的には福岡ドームの中継があってもおかしくない時期になっている。
本当に新日はビッグイベントが多すぎると思う。ほんの1ヶ月前に東京ドームでやって、またすぐに福岡ドームである。まぁ客がそこそこ入るから当然のように興行をやってしまうのだろうけど、大した内容もないのにこの拡大思考は、自分たちの首を絞めているだけのような気がしてならない。大体通常より高いドーム大会のチケットに見合うだけのカードを、毎回毎回準備できているかというとはなはだ疑問であるし、ドームドームとバカ新日ファンが浮かれているうちは良いが、そのうちチケットの値段と内容の差に気づいて、新日から遠ざかって行きそうな気がしなくもない。まぁ昔から新日はギャンブルな団体ではあったが、ここの所の調子に乗りぶりというか増長気味には(フロント営業サイドのね)辟易するとともに、団体存続の危機に陥るような大きな失敗をしないか心配になってくる。
で、ドームドームで浮かれている巨大団体だが、実際の陣容はお寒い限りである。そのビッグなメジャー団体のエースは、身長180センチ(たぶん弱)の剛腕パワーレスラー佐々木健介である。このおよそプロレス脳の働かないしょっぱいレスラーが、このメジャー団体を動かしていけるはずもないのだが、今日の放送でも立て続けにピンを奪われていて、おいおいおいおいと深く沈んでいく内容であった。問題なのは特にピンを奪われた相手である。2試合とも相手がT-2000と言うのも重要な上に、2試合目に至っては捨て犬にフォールを奪われているのである。個人的に捨て犬コンビの評価は非常に高いので、おいら的には全然問題ないが、世間的には大問題であろう。新日本体のエースが、謀反を起こしているチームに負ける。しかも一試合は、そのチームの中でも下の方にランク(認知)されているレスラーにである。こんな事が平然と許されるあたりに、まぁ健介の限界というか、新日内部での評価の低さが現れているわけだが(まぁ前から健介ナンバー2.3説を唱えているおいらにとっては好都合なのだが)、だったらだったでどうしてさっさときちんとしたエースを立てないのか、不思議なメジャー団体である(いや単純に人が居ないんだけどね)。今は演劇プロレスに乗せられているから良いモノの、いざ本当のプロレスに観客の目が映った時、この陣容では寂しすぎる新日本プロレスである(小川をエースにするしかないか?)。
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(5/12記)
チャンピオンカーニバル総集編のためお休み。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(5/15記)
東京ドーム大会は生特番&あんなに盛り上げたのに、何とも寂しい福岡ドーム大会である。数年前ならドームでやる試合はみんな特番になり、カードも特別な試合が多く組まれていて注目度も高かったわけだが、こうもドーム大会を連発すると、さすがにインパクトがどんどん薄くなってしまっている。そんな中、今の新日はUFO小川という切り札カードだけで、ドーム大会を毎回引っ張ってきているわけだが、それもそろそろきつくなってきているように思える。まぁそんな事は新日フロントも重々承知で、この福岡ドームにはパワー&北斗と言うおよそメジャー団体らしからぬ、志の低いカードも組まれていて、注目させるにはなりふり構わないと言う感じである。
でもまぁ結局注目を浴びるのは、小川村上組対中西永田組のIWGPタッグマッチであるのだが、いやはやこれまたエライ展開になってきました。謎の白覆面X!いやー昔ながらの新日を知る人間にとって見れば、何とも懐かしい展開になんです。X。昔のプロレスのカードにはよく記されていた名前です。で、散々期待させておいて結局はラッシャー木村だったりで、ガッカリ(いやおいらは嬉しかったが)すると言うパターンが定着していたのだが、今回のXも見るからに正体バレバレで、実に新日的(ジャイアントマシーン級だな(笑))!です。
そのバレバレの白覆面に触発されたと言う形なのが、新日を悪い方悪い方に導く男、長州現場監督!!対大仁田専門かと思いきや、やっぱりレスラーの悲しい性で、より光の当たる方に出て来てしまいました。こうやってどんどん復帰への道しるべをつけていく訳なんですが、結局昔の名前に頼らないとやっていけないのが、今の新日の悲しいところでしょう。小川!と言う一般大衆向けにも、かなり認知度の高いスターを抱えていながら(所属は違うけどね)、それと戦わすだけの知名度のあるレスラーが、強いレスラーが、勇気のあるレスラーが居ない。で、しょうが無しに興味を猪木対長州と言う方向に、スライドさせてしまってる訳なのである。
で、スライドさせる一番大切な理由として、今の若いしょっぱいレスラー達は、小川を倒すことが出来ない。それは実力でもそうだが、むしろプロレス的展開に引きずり込んで、小川色を消し去ることが出来ない。と言う事が、長州的には歯痒いのであろう。過去新日は挑んでくる外敵に対して、何度も何度もプロレス的展開にして、事をうやむやにして抹殺してきた。だが、橋本藤波がバカ正直に小川と戦っている為に、新日はいつまでも小川に勝てない→弱い!と言うイメージを払拭できないでいる。これが長州は許せないのではないだろうか?いくらでもプロレス空間に引きずり込んで、小川を抹殺することが出来るはずなのに、いつまでたっても実現できない。だったら出たがり猪木も前面に出して、一気にプロレス的空間に持って行ってやろうという腹づもりのように見える。
現にこの試合の決着方法も、猪木乱入による反則負けやノーコンテストでなく、村上が永田にピンフォール負けと言うことになっている。じっくり見て貰えば解るが、あの時点でこの試合の権利は中西と小川にあり、猪木の乱入後も一切タッチは行われていないのである。なのにタイガー服部の判定は、ルチャ式で、フォールをした永田の勝ちなのである。前回の橋本引退試合は、強く橋本の意志と藤波の指示が行き届いていた為、タイガー服部も余計な事が出来ないでいた。だが、この試合はタッグと言うこともあり、長州現場監督ラインの意向が強く活かされていたのであろう。実にプロレス的結果である。新日長州的には、とにかくUFOにフォール勝ちしたと言う事実が欲しかった訳である。その事によって、新日最強説を唱えたい目の覚めていないファン達の溜飲を下げさせたい訳なのである。
さらに駄目押しとして試合後の会見でも、永田中西は吠えまくっていた。どう見ても状態の悪かった小川を無理矢理完調扱いにして、全然大したこと無かったとのたまう。誰の目が見ても、片手の小川にSTOを決められクラクラ来ていたにも関わらずだ。さらに、村上のカットに入らなかった小川に対して、酷い奴だ弱い奴だとアピール。これもチャンチャラおかしな話で、今まで散々橋本がやられていても、飯塚以外誰一人関わろうとせず、助けもしなかった連中の言うことだろうか?こんなに大口叩けているのも、長州現場監督がしっかりプロレス空間に引きずり込んでくれるはずだと言う安心感から来るモノだろう。プロレス空間で試合をやっている限りは、痛い目にも遭わないだろうし、損もしないだろうと言う実にサラリーマン的考えである。正直永田中西は藤波側の人間だと思い期待していたのだが、この一連の流れを見ると、やっぱり今の新日サラリーマンレスラーの一人でしかないのかと、ガッカリした思いである。言うだけ言ったのだから、完調の小川とシングルで闘わせたいものである。
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(5/18記)
ジャンボ鶴田。彼は私が最も強いと信じて疑わなかった男だ。身長196センチ、その恵まれた体躯と柔軟な体、吸収力の高いスマートな頭。ジャイアント馬場が、プロレスを見始めた頃には既にヒョロヒョロだった世代にとって、彼と前田こそ史上最強の日本人レスラーと疑わなかったモノだ。そう、何度か書いたかも知れないがジャンボ鶴田だけは、あの時代冷戦状態にあった新日ファンと全日ファンの間でも、あいつが本気を出したらどんなに強いことかと、認めずには居られない存在であった。新日ファンでさえ、鶴田の比較対照は同年代の藤波、長州でなく、下り坂に入りつつあった燃える闘魂であったことからも、その凄さは伺い知れると思える(藤波と鶴田が闘って藤波が勝てるとは思えなかった裏返しで、下り坂とはいえ最強を疑わなかったアントニオ猪木と比べさせていたのであろう)。
そんな化け物みたいな男が居なくなってしまった。実際には数年前からセミリタイア、昨年きちんと引退式もやっていた。でもどこかで、そう後10年も経てば、想い出話のように強かった時代のことや、闘いたくても闘えなかった時の裏話なんかを語ってくれ、プロレス界にその存在を残してくれると思っていた。だがそんな夢ももう叶わない。時代があと少し早く進んでいたら、鶴田が病に冒されることなく現役を続けていたら、まだまだ夢のような闘いが見られた筈なのである。BI砲世代を生きた人間も幸せだったかも知れない。でもジャンボ鶴田の全盛期をこの目でしっかりと見れた我々の世代も、本当に幸せだったと思う。
そんなわけで、今週はいきなり差し替えでジャンボ鶴田特番となった。馬場の時と同じく、色々出ちゃいけない人やお宝映像が流れるのだろうと思っていたが、想像を超えた凄い放送であった。まぁ、鶴田長州のフルタイムドローは放送されると思っていたが、まさか夢のオールスター戦の映像が流れるとは思わなかった。この試合はリアルタイムでないので、詳しいことは解らないが、ひょっとして放送されるのって初めてなのだろうか?実に貴重な映像であった。また、メンバーも素晴らしい!鶴田、藤波、マスカラスのベビーフェイス組は、当時としてみれば鼻血モノの夢の(まさに!)チームだし、対戦相手のキムドク、マサ、高千穂も、今の目で見れば実に渋い仕事人のチームだ。色々権利の問題もあるのだろうが、もう少しじっくり見たかったというのが正直なところだ。
で、その他の試合はジャンボのタイトルの歴史を、若林アナが切々と語り上げて紹介している。前々から鶴田ファンは薄々気づいていたのだが、実は鶴田のベルトの取り方は非常にせこいのだ。ブロディ戦も相手のトランクスを掴んで引きずり落としてリングアウト勝ちだし、ハンセン戦も相手をかわして、ロープに跳ね返ったところをフォールである(鶴田ファンの私でさえ、あの試合後、妙に興奮して「誰の挑戦でも受けてやる、ころやろー」と言うのは不思議だった)。思うにあの時代、それぞれのレスラーがしっかりと自分の格みたいなモノを守るため、なかなか負けたがらなかった。だから当然ビッグなレスラーほどリングアウトや反則負けが多くなって、ベルトの統合というモノが難しかったわけだ。でも、そんな中でも他のレスラーは鶴田には一目置いていたのであろう。「鶴田と本気でやり合ったら敵わないかも知れない」と。だからベルトは鶴田に譲っても、自分の格だけは落とさないように、あのような負け方を選んでいたのではないだろうか?それ程までに、鶴田は怪物であったと言うことだ。
天龍戦でのバカパワーボム。プロレス至上に残る明言(R木村の「今晩は」と共に)「あちゃーやりすぎたかな?」40越えたいい年した大人が、自分の力加減も解らない。本当に不思議な怪物ジャンボ鶴田、そんな彼がもう居ないなんて全く持って残念でならない。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(5/15記)
福岡ドーム大会2週目。ジュニア8人タッグ、吉江対小島、パワー対ムタ。あんまり興味引かれるカードじゃないなぁ。
でもそんな中で、登竜門の連中は初めてテレビで見られると言うことで少し期待していた。だけど、やっぱりインディーだねぇ・・・体格が小さいのは仕方ないにしても、やっぱり一発一発の技の重さというか凄味が全然違うモノ。あれじゃ起用したライガーの言ってることに説得力が無くなるよ。この試合はタッグだったから良かったモノの、ちょっと新日勢が脅し気味に入れた技は、みんな受け身取り損ねてフラフラしていた。あれじゃあシングルだったらそれこそ秒殺になってしまいそうだ。まぁインディーの選手はインディーの選手なりに、特徴なり華があるモノだけど(それでプロレスマニアに支持されるわけだから)、ここん所もてはやされている割には登竜門の選手は大したこと無いなぁと感じた(一試合だけだけどね)。きっとお互い知り合っている連中とやる時は、もっと良い動きで出来るのかも知れないが、せっかくの新日マット登場のチャンスをあの程度の試合では、次以降の登場も厳しくなると思う(特にスモウフジ。期待してたのになぁ)。みちのくのサスケやデルフィンが来た時はもっと衝撃的だった事を考えると、やっぱり実力差を感じずにはいられない。技のキレとかだけでなく、試合の見せ方でも今一歩だったと思う。マイクアピールだけ上手くて長かったが、次はもっとあっと驚くような展開を見せて貰いたい。今日ばかりは全面的に金本が正しい。
吉江対小島は、珍しく小島が上手く試合を組み立てていた、普段は見せない技を出したり、説得力のある流れを見せてたりで「おっ格下相手にはやることやれんじゃん」とか思ってたら、ラリアット合戦で流れが変わってあげくフォール負け。何なんだ小島。負けてやるからやることやらせてくれ、そう言う事なのか?
天下の新日がまるで冬木軍のような破廉恥なカードをメインに持ってきた。パワー・ウォーリアー(北斗組?)対グレート・ムタ。なんて試合なんだろう?これもアメリカンプロレスの影響なのだろうか??ちっちゃい金色の男が、これまたもの凄くぶっさいくな女のマネージャーを連れてタイトルマッチだって?あげくパワー・ウォーリアーを名乗っておきながら、相手の得意技、毒霧をパクって勝利。確かにプロレス的・ドーム的にはOKかも知れない。でも男佐々木健介として(だからパワーなんだけど、それにしても)、あんな試合で良いんだろうか?嫁はんも自分の愛した、男佐々木健介があんな勝ち方で満足なんだろうか?それ以前に、何故旦那の職場に出てくるのか?私たち仲良いの!ラブラブなの!って見せたいのか?(正直健介が、北斗の事を気遣って頭とか撫でる度に、鳥肌立って気分が悪かった)それとも健介が「すまん、オレだけではドームが満員にならないってフロントに文句言われたんだよ。頼むからセコンドについて盛り上げてくれ」とでも言ったんだろうか?まったくもって酷い試合がメインであったモノだ。どんどんどんどん坂道を転がるようにおかしくなって行くぞ、新日本プロレス。
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(5/25記)
ジャンボ鶴田特番第二弾と銘打っていたにも関わらず、45分有る時間のうち鶴田に関しての放送は半分ぐらいしかなかった。まぁ通常の試合もあるからしょうがないかなと続けて見ていたが、何と残り半分はインタビューだけで構成されていた。そりゃ小橋対高山、盛り上げなければいけない試合であろう。何と言ってもその日の裏には、船木対ヒクソン戦があるわけだから。だけど、鶴田だよ?ジャンボ鶴田!通常の試合を放送しないので有れば、我々の見たい鶴田の試合は山のように有った筈だ。せっかくの45分枠が何のためだったのか、ちっとも解らないとんまな日テレチャンであった。
そんなとんまな放送の中で、鶴田がディック・スレーターを破った時に(ディック・スレーター自体がレアだが(笑)ケンカ番長だし)、周りにいたレスラー達が実に濃いおっさん達ばかりで、あぁ昔の全日だなぁとノスタルジィに浸ってしまった(だって大熊、グレート小鹿、タイガー戸口、ロッキー羽田だぜ!!すっげぇおっさんくせぇ!!格好良い〜)。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(5/29記)
毎年恒例、スーパージュニア開幕戦。ただ恒例ではあるものの、本当のジュニア日本一(世界一?)を決められるメンバーになっていないのが残念なところだ。まあライガーにしてみれば、他団体のジュニア選手の発掘と、宣伝救済も兼ねての開催なのだろうから、ある程度知名度の上がった選手は、起用する必要は無いと考えてるのかも知れないが、どうせならやはり一級のジュニア選手を集めて、本当の日本一を決めて貰いたく思う(それぞれの団体のスケジュールで難しいのかも知れないが)。
さて、試合の方だがキッドマン対藤田の試合が最初であった(そうだよな?)。はっきり言わせて貰うと先週の闘竜門の面々に続いて、メジャーのマットで見せる試合のレベルに到達していなかったように思える。プロレスの放送が深夜に移って随分たつが、当然しっかりと見る意志のあるモノ以外は、中継など見れるわけが無い。となると、いわゆる世のプロレス好き達は週プロなどのプロレス専門誌を購入するなり、立ち読みするになりして、プロレス界の情報を得ることとなる。で、ここで問題なのが、車雑誌が発売されたばかりの新車の悪口を書かないのに似て、週プロもどんな凡試合も最高の試合であったかのように書いてしまう点であろう。確かに批判的な内容の記事も有ることはある。でもそれは、批判することによって次の展開が見えてくる、プロレス的流れに沿った批判でしかないのである。本当にどうしようもない試合に、真っ向から批判して潰すようなことはまず無いのではないだろうか?
本題に戻るが、週プロの記事は面白い。写真を見ながら活字を追っているだけで、頭の中ではかなり面白い試合が展開される。当然そんな記事を毎週毎週読めば、どんな小さなインディー団体も凄い試合を繰り広げているように思えるだろう。で、そんなに凄いのならと会場に見に行ってみる。プロレスというのは不思議なモノで、プロレス道を極めたファンで有れば有るほど、どんなヘボ団体の試合でも、生で見ると楽しめてしまうモノなのである。いわゆるプロレスハイで、どんな試合でも盛り上がれてしまって冷静な評価など出来なくなっているのである。この二つの事柄が噛み合って悪循環となり(週プロ記事面白い→見に行こう→面白い筈だという先入観と共にプロレスハイで盛り上がる→週プロ記事で「観客も大盛り上がり」→尚更見に行かなきゃ→週プロ「大ブーム」→ループ)、大したこと無いレスラーの大したこと無い試合が、大変に凄くて面白いと言うことになってしまうのである。
全国ネットで人の目に触れないと言うのは、恐ろしいことである。噂だけで話が伝わっていくのであるのだから、どんどん想像で凄いモノになっていく。丁度今の闘竜門がこの状況だろうか?で、メジャー団体の全国ネットの放送に乗ってみて、みんな初めて冷静な目で見れるのである。毎週同じ事をちんたらやっているように見えるメジャーの選手の凄さと対照的な、基本のおろそかな見栄えばかり良い技の羅列。チョップ一発キック一発の重さの違い、それらを喰らった時のダメージの度合い。全てにおいて数段の差があることが、初めて同じ土俵で闘って解るのである。
インディー団体自体が少なく、みちのく勢が気合い一発で乗り込んできたときは、これほどまでにレベルの差は痛感しなかった。サスケもデルフィンも、充分に新日勢と拮抗して見せていた。でも、今の薄まりきったインディーからは、やはりそれなりのレベルの選手しか上がって来れないのだろうか?
週プロもそうだが、彼らは商売だ、面白く書かなきゃ雑誌を買って貰えない。だったらファンが「インディーだからしょうがない」とか「インディーなりに面白い」とか甘やかさずに、駄目なインディーは潰れろ!ぐらいの冷静な目で観戦したいモノである(でも、行けば行ったで面白いんだよなぁ(笑))。
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(6/4記)
三冠戦高山対小橋戦。
さて、鶴田の特番の時間を割いてまでも今週につなげた三冠戦である。元々ノーフィアーからは目の敵にされていたが、ここに来てバーニングを離脱した秋山にまでバッシングを受け、孤立無援状態となったチャンピオン小橋だが、その様々な声に対してどのような試合をするか非常に注目していた。また高山の、今までの全日の試合みたいな「仲良しごっこ」の試合はしないと言う台詞も気になっていたので、久々に楽しみにしていた三冠戦である(ここの所マンネリ気味だったしね)。
まず、率直な感想。個人的にはあまり燃えることが出来なかった。と言うのも、大口叩いた高山が、もっと前半から飛ばしていくのを期待していたのに、結構小橋のペースというか、じっくり攻めて勝機を伺っていたのが(突進型の選手はタイトルマッチで自分の技を出し切ってしまって負けることが多いだけに、この作戦自体は間違いでは無かったかもしれないが)面白くなかった。やっぱり圧倒的体格差と、スタミナに少々不安を持つ高山は、ガンガン飛ばしていって小橋を圧倒するような試合を見せて、見ている側をすっきりさせて欲しかった。
そう、じっくり攻めてしまった高山には、結局最後まで決定的なチャンスが訪れなかったように思える。小橋のペース配分で試合が進んでいたのだから当然と言えば当然なのだが、高山の強烈なキックやニーで小橋がフラフラになるのを(勝てないにしてもね、行けるかも?って思わせるシーンは欲しいよね)見たかった視聴者としては、どうにも物足りない三冠戦だったと思う。何より、今までの全日の序盤から大技連発ハイテンション三冠戦を見慣れていた、最近の視聴者にはかなり違和感が合ったのではないだろうか?
小橋と高山の当人達も、何だったら三沢社長も新しいプロレスを展開しようとしていたのかもしれない。高山の言っていた「仲良しごっこ」ではないプロレスというのは、今までの極力相手の技を受けるプロレスではなく、最近流行の総合格闘技の臭いのするプロレスの事だったのではないのだろうか?そう、新日で言えば小川対橋本戦のような。この三冠戦からはそんな雰囲気が感じとれた。だからこそ小橋対高山だったのではないだろうか?全日最強日本人レスラー小橋に(つまり何でも出来るって事だよね)、Uインター出身で一番総合格闘技に近いプロレスの出来る高山。この二人によって今までの三冠戦とは違う、全日とは違うプロレスを提案させてみたかったのではないだろうか?
取りあえず一試合見てみての感想は、上記の通りである。今までのハイスピード、ハイクオリティの戦いに慣れていた事からの違和感というモノもあるだろうが、どちらかと言うと長い間プロレスを見ていたモノには、先祖帰りをしたような試合に思えたのだ。序盤はお互いに気も張ってるし、体力にも余裕があるから大技が決まらない。だんだん疲れて来るにつれ、ガードが甘くなって大技が決まるようになる。←これはセメント格闘技っぽいかもしれないが(理屈上ね)、昔の(そう丁度ジャンボ達のやっていた時代)プロレスもこんなテンポだったモノである。序盤から大技が出る事なんてまず無かった。序盤は間接技で体力を温存して置いて、後半一気にスパート。それが昔のプロレスだったのである。この三冠戦も全くこんなペースであった。これではやはり高山の良さは出なかろう。小橋の王者としての懐の深さは示せても(この試合の主眼はそれだけだったのかもしれないが)、高山の化け物じみた凄さが示せないようでは、三冠戦としては片手落ちなような気がする。これからは、このスタイルで行くのかもしれないが、もう少し盛り上がれる展開にならないモノだろうか?
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(6/6記)
えーと今週は結構、書く事柄だけはあるなぁ。
まず、今週2会場はどちらも中規模の会場だったけど、マイクアピールが実に聞き易かった。これは非常に珍しいことだと思う。その聞き易いマイクアピールで、珍しく蝶野が真っ白になって、ちんぷんかんぷんだったのはちょっと笑えたシーンであった。
で、良かった試合は田中対カシン戦。先週インディーのことボロクソに書いたけど、素材の差というか育ちの良さというか、はたまた1年新日で揉まれてきたからか、田中は充分新日メジャーレベルで見れる選手である。大体、体の厚みからしてそんじょそこらのインディーとは明らかに違うが、実にしっかり動けているし、受け身もキチンと取れているし(今日はグラウンド中心だったけど)見ていて全然不安にならない。試合内容も上記通りグラウンド中心だったが、実に面白い技の攻防であった。これぐらいレベルが高くて、工夫にあふれていると、見ていても全然飽きないものである。マイクアピールやぶつかり技ばかりのT-2000の試合の後では、一服の清涼飲料水のような試合であったと思う。やっぱり新日なんだからこういう試合もなくちゃね。
そして、メインは辻アナ襲撃であろう。まぁ襲撃理由がなんとも尻の穴の小さい理由なのが悲しいが、以前から新日、ワールドプロレスリングはオレが動かしている的、勘違いのあった辻には良い薬であったと思う(まぁ増長している本人はそんな事には気づかないだろうけど、視聴者サイドからすれば、溜飲を下げさす良い映像だった)。長州にちょっと認められた事を免罪符に、彼の態度は徐々に大きくなり、さらに蝶野に絡んで貰えるようになってからは、新日の流れはオレが、オレの口が生み出してる的態度!本当に見苦しい(さらに言えば真鍋も、大仁田という絡み相手を見つけ同様の勘違い増長をし始めている)存在である。古館ほどエポックメイキングな存在ならまだしも、ただ彼を尊敬し、彼の真似でしか過ぎない辻に、ここまでおいしい思いをさす必要はないのである。
襲撃という事実は爽快であったが、結局辻と絡んでいると言うことには変わりないので、これを最後にレスラー諸子は辻には、触れない、話さない、相手にしないを徹底して貰いたいモノである。
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(6/9記)
すまぬ。松井のサイクルヒット、ビデオに撮ってビデオそれっきりにしてた。見事に撮り逃し。だもんで今週はお休み。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(6/12記)
IWGPヘビー級選手権中西対健介。
うひゃー、まさか健介の試合でこんなに良い試合が見られるとは思わなかった。それはテレ朝サイドも同じなようで、あまりにも良い試合の為に、本来開けてあった時間より多く(ノーカット)健介戦に時間を割いて、久喜大会の試合がほとんどダイジェストになってしまっていた。
中西、健介、この二人のパワーファイターの試合が面白くなるかどうかは、実に微妙なところであったと思う。以前から書き続けているように、おいらは健介のプロレス脳は全然信用していない。一言で言ってしょっぱいレスラーだと思っている(新日サイドもそれが解っているから、嫁さんセコンドに付けたりするわけだし)。そんな彼がお家の事情とはいえ、長い間トップで居てベルトを持ち続けているのは、はっきり言って気に入っていない。全然新日らしくないし、新日のレベルも地に落ちたとすら思っている。かたや挑戦者中西。かれも実況中何度も言われるように、野獣であり野人であるから、およそおつむの廻りは良くない。こんなプロレス脳の足りない二人のパワーファイターが、ちゃんと武道館という場で面白い試合が出来るのか、心配こそすれ期待はしていなかったというのが事実だ。
なのに蓋を開けてみれば、これぞ新日。これぞストロングスタイル。小川橋本戦の格闘技路線とは違う、古くからの良いプロレス(興奮できるプロレス)の姿がテレビに映し出されていた。序盤、パワーファイター同士らしくいきなりのチョップ合戦。これがガッツンガッツン当たる当たる凄いチョップ合戦である。こういう生身の姿の凄さが伝わるプロレス、最近の新日では本当にご無沙汰だっただけに実に新鮮で面白い(全日では良くあるのにねぇ)。そこからグラウンドでの攻防、いやはやこれも新日伝統のスタイルで、実に魅せて飽きさせない良い攻防で、的確に相手のポイントを絞っての関節の取り合いで面白かった。
そして徐々にヒートアップ。大技も交えつつ、体と体がぶつかり合う!そんな中、中西のバックドロップ(?)の受け身を取り損ねた健介が肋骨を負傷。ここから加速度的に試合が面白くなって行く。それまでは一応、無いなりに頭を使って試合を組み立てていた健介が、途端にやばくなってくる。純粋にナチュラルパワーだけを比較したら、中西の方が上回っているかも知れない状況で、この負傷である。今まで多少なりとも見せていた余裕が全く無くなっていくのである。常に限界。これは新日では珍しい!さらに中西も、これは行けそうだとガンガンラッシュをかけてくる。ますます窮地に追い込まれる健介。で、そのやばさ必死さが画面を通じてビンビンに伝わってくるのである。こんな試合が面白くないわけがない!
新日に一番足りなかったモノ。それは必死さである。ライガーが自分のことを棚に上げて感じているモノ、それも必死さであろう。小川橋本戦がなぜこうも視聴者の支持を得れるか、それは負けると解っていても挑む橋本の必死さであり、肩を脱臼しても勝ちに行く、小川の必死さなのである。その一番欠落していた必死さが、アクシデントとはいえ、新日の武道館で展開されたのは実に幸運であったといえよう。ドームでは駄目だ。その必死さが末端までは伝わっていかない。武道館のキャパだからこそ、あの必死さ、凄さ、良さが観客に染み渡っていくのだ。
その後も健介は「やばい時にはスリーパー」(フロントネックロック?)の新日掟を守りながら、肋骨に負担をかけないように(ラリアットは衝撃が、大技はかける時に力がかかるので、なるべく動かない締め技で)中西を追い込んでいく。本当に必死である。もはやそこにはショー的要素は何もなかった。対して中西も必死である。勝つために、本気で締めにかかってる健介から何とか逃れなければいけない。何度も何度も落ちそうになっていた、それでもナチュラルパワー中西はそのたびに脱出に成功し、そうとは見えないが、もうろうとする頭で大技を連発していく。その大技が健介の肋骨に最も負担のかかる、タックルタックルタックル。なのがまた凄い。ここからも相手のことなど考えず、己の勝ちのために必死になる、正統的ストロングスタイルの姿が見て取れる。
結果的には凌ぎきって、見事健介がベルトを防衛した。余計なことを考えずに(試合の組立とかね)、必死になってしゃにむにやった試合は、健介の試合とはいえ面白かった。これなら嫁さんもいらなかろう。マイクアピールも珍しく良い内容だった(橋本復帰は嫌だけど)。全てにおいて、余計なことを考えないてんぱった状況が、健介を良い方向に導いていた気がする。この必死さを健介は忘れないで欲しい。所詮体の小さい不器用なレスラーなのである。メジャーなりチャンピオンなりの懐の深いプロレスなんて出来るわけがないのだ、こういう試合を続ければ、健介というレスラーの活路が開けると思う(でも、せっかく健介の路が開きかけてるのに、それじゃ駄目だと言うことで、長州が復帰するわけだろう?長州バカだよ。お前が復帰したってそれは一時しのぎに過ぎないのだから)。
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(6/15記)
世界タッグ王者決定ワンナイトトーナメント1回戦。田上川田組対エースバートン組、大森高山組対三沢小川組。
1回戦二試合のうち、先にやった田上川田組対エースバートン組の試合は実に良い試合であった。途中の田上のアクシデントで、一気に両軍に火がついてしまったというのもあるが、何より久々にジョニー・エースの調子が良かったというのが大きかろう。エースという男は本当に解らないレスラーだ。この難しい全日マットに12年にも渡り定着しているにも関わらず、たいした実績を残していない。本人はそれを「外人だから差別されてる」と考えているようだが、そんなことよりもむしろ、本人のむらっ気に問題があると思う。
この試合のように、気合いが入って調子の良いときのエースは実に良い試合をする。今の全日のハイスピードハイスパートレスリングに、唯一ついていけているのはエースだけではとも思うほど(ベイダーは別格)のクオリティの高い試合をする。どんな角度からでも入れるエースクラッシャー。一見そうは見えないが、抜群にうまい受け身(そうでなければ、あれだけの技を食らったら普通返せまい)。そして終盤にもたたみかけれるスタミナ。本当に抜群の選手である。兄貴のアニマルが筋肉だけの瞬発系レスラーであるのに対して、エースは本当に粘りのある日本向けプロレスが出来る。今回の来日でも、抜群にたるみきった胸、腹をさらけ出し、「おいおいエース全然駄目だよ〜」と思わせておいてこの試合である。全くナチュラルに強い、恐ろしい存在になってきた気がする(そういう意味ではマードック系の臭いすら漂ってきた)。本当に本人のやる気とコンディションだけが問題な選手といえよう。
で、田上の負傷で思いがけずに気合いが入り、必死さの伝わる試合は、実に盛り上がっていた。勝たなきゃいけない川田田上組は、もういっぱいいっぱいだったが、やっぱりキャラ的に弱いバートンとの力の差で、辛くも勝利を手に入れたという感じだ。次の決勝に無理がかかりそうだが、とりあえず久々にずばり全日らしい試合だったといえる。
それに対して、2試合目はふぬけていた。大体これだけ勢いの付いてしまったノーフィアーに、いくら三沢とはいえ、コンビがジュニアの小川では無理がある。秋山も金丸と組もうとか考えているようだが、選手層が薄いとはいえ無理があるので、ヘビーの夢を壊す(特に全日はスーパーヘビーが売りだったわけだから)ジュニアとのタッグは遠慮してほしい。会場も1試合目でさんざん盛り上がったのに対して、三沢小川組のあまりにもな気合いの入ってなさに、どんどんテンションが落ちてしまっていて、対戦相手のノーフィアーも可哀想であった。まぁふぬけているのにはそれなりの理由が有ったわけだが、1回戦敗退も当然な試合内容だったと思う。
だーーーーーー。何やってんだよ全日。特に元子!お前か?結局。プロレスはプロレスラーのものなんだから、素人がガタガタ言うなよ。選手のほとんどが三沢に付いているって事は(川田、渕のみ?)、それは三沢の主張が正しいんだろうよ。なぜレスラーでも無いのに、プロレス団体を動かそうとする?また、動かしたいのなら、なぜプロレスラー第一に考えられない?プロレスはプロレスラー有って成り立つものなんだから、オーナーは自分の食うモノを差し出してでも、プロレスラーを食わすべきだろう?
まったくこんな事で、老舗プロレス団体が潰れることになるなんて残念で仕方がない。三沢が新団体を旗揚げしても、それはいくらメンツが変わらなくても、全日本プロレスでは無いのだ。川田と渕だけの団体なんて、すぐ潰れるだろう(新日、全日の出来た後の日プロのように)。三沢の新団体が全日本を名乗れるわけもない。全日本プロレスは消えてしまうわけだ。全日なくしては、新日の暴走も止められないだろう。日本プロレス界が一気に変わってしまうかもしれない。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(6/18記)
ル・マン24時間レースのためお休み。
全日本プロレス中継 日本テレビ系水曜深夜(6/25記)
全日本プロレス中継最終回。
先週も書いたが実に残念なことである。只のばばぁ一人のエゴのために、老舗団体が潰れるかもしれず、27年にも渡り続いた長寿スポーツ番組が幕を下ろす。元子側にも言い分は有るのだろうが、どう考えてもヒステリックな対応の元子と、常に大人の対応の三沢と(この対応は実に馬場っぽい)では、三沢の言っていることが正義に感じられるし、安定を望んでいるであろう、百田、木村、永源らロートル達もが三沢に同調しているのだから、そうとう元子派の会社運営は酷かったのであろう。権力、金、すべて元子が得する図式になっているにも関わらず、なぜなおプロレス興行にまで口を出すのか、その傲慢ぶりは理解に苦しむ。馬場との思い出を大切に守りたいというのが綺麗な建前であるが、そんな隠居ばばぁの頑固な思い入れにつき合わされるのは、家族を抱え、ファンを抱えている20人以上のプロレスラーには難しい話であったのだろう。
さて、今週の放送では三沢派、川田らの会見が割合大きく時間を割かれ放送された。三沢派の言い分には特に理解に苦しむような所はないが、川田らの言ってる事は、せっぱ詰まっている状況とは言え、苦しい発言であったと思う。何と言っても、改革を拒み続けて三沢派を離脱させてしまった元子全日なのに、いくら選手が居ないとはいえ、新日との交流を考えているとぶちあげたのはどうなのだろう?元子は全日らしさ、馬場らしさにこだわって、この分裂を生み出したのに、いざ選手が居なくなって団体存亡の危機になったら、全日らしさはどうでも良いのだろうか(このあたりの筋の通らなさ加減にも、やっぱりばばぁがヒステリックになってわがまま押し通したんだな、っていう感覚が強くなる)?このままでは、全日マットには上がってはいけない人たちの登場も実現されそうな気すらする(天龍、大仁田、冬木、谷津・・・)。
川田も本当に可哀想な存在である。SWS騒動の時も天龍に一番近いと思われていたが、義理を重んじて全日に残った、今回もそうなのであろう。たとえ元子の言っていることが、レスラーとしての感覚では筋が通らなくても、馬場の遺した全日と言う名前、馬場に世話になった思い。この二点だけで残留を決めたのであろう。で、そんな川田の思いも知らず、元子は、残ってくれたレスラーも居ると調子に乗って突っ走る。本当に川田は苦労をさせられると思う。なりふり構わず全日という看板を残すために必死になっているのが現状だろう。猪木が言っていたが、橋本を入団させるのも名案かもしれない。インディーからめぼしいレスラー引っこ抜いていくのも手かもしれない。上記、上がってはいけないレスラー達を登場させるって手もあるだろう、だが新弟子も居ない状況では、どうあがいても馬場イズム、全日らしさを継承した団体にならないのは確かだ。意外と世間の応援もあって、全日という看板は残るかもしれないが、それは馬場の手がけた全日とは似ても似つかぬ全日になってしまうことは確かだと思う。
鶴田夫人の「三沢くん達に全日をつぶす権利は無いと思う」と言う言葉がクローズアップされがちだが(同時に「主人が生きていたら三沢くんの応援をしたと思う」と言うコメントも出しているにも関わらず)、全日を潰したくないのは所属レスラーみんなの思いだっただろう。しかし元子のエゴは、そんなことすら言っていられない状況に選手を追い込んでいたのだ。川田を救うためにも元子には、早くプロレス運営から手を引いて貰いたい。そう思う最終回の放送であった。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(6/29記)
ジャンボ鶴田テンカウント、トップオブスーパージュニア公式戦と復帰の西村がらみ2試合。
やっぱりジャンボ鶴田のテンカウントには触れなければなるまい。退社したとは言え、他団体のエースだった選手のテンカウントをやると言うことはとても珍しいことではないだろうか?それだけ鶴田の存在が大きく偉大であったと言うことだが、何より新日の今の社長が藤波というのも大きかったのではないだろうか?藤波と鶴田。ほぼ同時期に団体のナンバー2となり、実質のエースとなった二人。長州とはそれぞれ肌を合わせることが出来たが、この二人は夢のオールスター戦でのタッグのみ。90年の新日ドーム大会では、藤波が腰痛で長期離脱中。数少ない戦えるチャンスを逃してしまった後悔が、藤波に、新日に、新日の興行で「Jのテーマ」をかけさせたのではないかと思う。新日武道館での(武道館だよね?)「Jのテーマ」のどよめき、解る人には解る価値があった。
で、ジュニアは浜田父さんが、年に一度新日で目立つ日だった。浜田父さん若いよなぁ(笑)。
西村復帰戦。カットしてあったのでよくわからないけど、もう藤波に徹底的にやられてた。なんかリング上で公開スパーをやっているような、藤波と西村の師弟愛が、ビシビシ伝わって来る試合だった。それにしても西村。まだ全盛期のキレなんかにはとても及ばないが、やっぱり良いレスラーだ。ちょっとレトロな感傷かもしれないが、西村修は一人新日なレスラーだと思う。西武ライオンズの松井が一人西武ライオンズなように(ますますわかんねーかこの例えじゃ?)。西武と言うチームは、俊足好打でがっちり守って勝つというチームだ、そこに所属する松井稼頭央は、球界一速い足と、毎年向上する打撃成績と、投手出身の強肩と足を生かした守備範囲で、西武ライオンズを一人で表現できる選手なのだ(あっ読売の松井もそうかな?一人読売。打ち始めると止まらないけど、考えると長い。でも最終的にはいい成績と)。
西村もそんな感じがする。一人80年代新日。新日がもっとも新日らしかった頃。新日としての手法に迷いがなかった頃。ブリッジの美しさ、負けん気の強そうな眼、試合内容で観客に訴えようとするハート。どれをとってもストロングスタイルの元に、切磋琢磨する強者達が集まっていたあのころの臭いが漂ってくる男だ。肉の付きにくい体の西村は、同期のパワーファイター達の間で苦戦した。だが、他の80年代レスラー達がそうであったように、西村のピークは30代半ばから来るはずだったのだ。やられてもやられても立ち向かっていって大きくなる。まさに新日である。海外遠征から帰ってきて、いきなり会社に抜擢されて調子に乗るブタたちとは違う、本物の輝きが西村には会ったはずなのだ。
これ以後西村がどこまで回復するかは解らない。近鉄の盛田のように(野球ネタばっかりだな)障害を克服して復帰したという美談ばかりが先行するかもしれない。でも、プロレスなのである。西村なりの気合い、凄み等が絶対生かせるはずなのである。今の新日に足りないモノを全て一人で持っている西村。そんな彼がメインを張る日を期待してやまない。