ノア、新日共にビデオ録り逃し(7/1記)
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(7/9記)
GHCジュニアヘビー王者決定トーナメント決勝。ラッシャー木村還暦記念試合。
金丸だよ?GHCジュニア初代王者は!どうなんだろ?普段から巻いているベルトの御利益があったと言うべきか、GHCヘビーがベタすぎたからジュニアぐらいは意表をついてやろうと言う事か、まったく予想外のチャンピオン誕生である。はっきり言ってしまえば今のノアでジュニア王座につく資格があるのは、佐野以外には居まい?一歩譲って丸藤か?それぐらいに佐野の壁は大きく高く、新日ジュニア黄金期のレベルは凄かったわけだが、トーナメントという王者選定方式がこのような意外な結果を生みだしたのだと思う。リーグ戦方式で選べば、それぞれの実力通りの星取り表になっただろうが、トーナメントは一発勝負である。ほんのささやかな油断が番狂わせを呼び、このようなおよそ王者らしく無いチャンピオンを生むことも有るのだ。
全日時代からノアの選手は一貫して「地位が人を育てる」と言う感じで育ち、化けてきた。三沢にしても天龍離脱で仕方なく鶴田の対抗馬になったのだ、そう言う意味ではベルトという地位を先に与えて貰い、金丸がこれからどう変わっていくかそれが見物である。佐野との差は体格、センス、どれをとっても明らかである。それを埋めてみせる何かプラスアルファを、今後の試合で見せて行かなくてはファンも納得しないだろうし、この地位を与えたノア首脳陣も困るだろう。少なくともボンクラファンより、三沢達トップは金丸の事を良くわかり、期待しているのだろうから・・・我々ボンクラファンの期待を金丸が裏切ってくれる事を期待する。
ラッシャー木村還暦試合。今年に入ってからなんだかやばそうなコンディションだったラッシャー木村が、なんとか還暦試合をリング上で迎えることが出来た。国際倒産後新日に乗り込んできた、パンチのいかつい男ラッシャー木村に、小学生のおいらは心をすっかり奪われた。おりしも少年マガジンには梶原一騎原作で「悪役ブルース」と言う漫画が連載されていた。その中にもラッシャー木村は登場し、今で言うメディアミックス戦略で(笑)おいらのハートを鷲掴みにしたわけだった。それからもう20年近くが過ぎようとしている。ラッシャー木村はUWFを経て全日にたどり着く。それまで散々人の為に闘ってきたラッシャー木村に、初めていらぬ事を考えずにプロレスに打ち込める環境をジャイアント馬場は与えたわけだ。ラッシャー木村は全日に骨を埋めると誓う。だが、時代は再び動き出した。頭の悪い未亡人のせいで、またちょっと人の為に動かざるを得なくなったラッシャー木村。でもラッシャー木村はプロレスが好きそうだ。あんなにパンパンでナチュラルにビルドアップされていた体の面影はもう無い。鬼のような形相だった顔も、間引かれた額の毛と共に好々爺の顔にしか見えない。今日の試合でもロープを常に持っていないと、立ってるのもおぼつかなかった。だけど、そこにラッシャー木村は居るのだ。ジャイアント馬場はリング上で死ぬことはかなわなかった。ラッシャー木村もこうつぶやいた「リングの上で死にたい」だがその後すぐに「実際そんな事になったらみんな大変ですけどね」と付け加える。やっぱり常に人のことが頭に入っている、良い人「悪役」ラッシャー木村なのである(でも馬場や木村の動きを見ると蝶野とラストマッチをやった時のテーズってすげぇよな・・・)。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(7/9記)
邪道外道対ライガー井上、ちょび髭長州、永田対吉江。
いやはや邪道外道凄いねぇ、肉体改造だよ。前はほら、あの貧乏たらしい赤い上下とか着ててあまり体つき解らなかったけど、今の体つきは完全に対メジャー用に変えてきてるよねぇ?本当にプロだよ。和製ブルティッシュブルドックスか和製カンナムエクスプレスって感じで実に格好良い。また試合運びもやっぱり上手い!ライガーはともかく井上なんてまるでついていけなくて翻弄されていた。こうなってくると今の時代、あそこまで完璧なタッグ屋ってあんまり居ないから、相手に恵まれなくて逆に可哀相な気すらしてくる。テンコジとは味方?どうしだし、サイズ的にもキツイ。やっぱりアジアタッグなんかを渋く防衛し続けるってキャラがぴったりだよなぁ・・・カンナムとかロックンロールエキスプレスとか、なんだったらフットルースとかとやらせたかったよ。時代がずれてたねぇ。
ちょび髭長州。ちょび髭は別にどうでも良いんだけど、西村の変わりってのがちと気になる。ちょび髭のわがままで西村がおあずけ喰らったのなら良いけど、西村の体調が悪くてちょび髭が出たって言うのなら嫌だなぁ・・・小島の試合後のコメントがふるってた。心の準備が無いと長州とは戦えないのか?(笑)
永田対吉江。吉江。名字なのか名前なのか解らない。某掲示板で話題になりそうな奴だ。とにかくしょっぱくて気持ち悪い。こいつを生かす道が全く誰も解らなくて新日も苦労していると思う。あの気持ち悪い髪型もようやく止めてくれてホッと一安心だけど、今日の試合も全くなってなかった。永田が試合にしていたけれど、吉江は何にも出来ていない。凱旋帰国後口ばっかりだったのも今となっては恥ずかしい限り。本人も一杯一杯なのは解っているはず。でも誰も吉江の生かし方は解らない?ん?んんんーーー。下駄だ!吉江下駄だよ下駄。その髪型そのヒゲ、ワンショルダー!お前に足りなかったモノは下駄だ!そして半被と竹刀。これで完璧だよ。んで必殺技はライデンドロップだ!良かったよキャラついたじゃん?後は適当にトップの試合に乱入して、ヒールになってプロレスしっかり学ぶことだな。お前にベビーフェイスとして生き残る道は無いよ。小原が格闘技路線なら後藤が空いてるぞ!後藤と組ませて貰えよ!
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(7/17記)
三沢対秋山前哨戦?大森対池田。
三沢対秋山前哨戦はまぁとくに書くことも無い。あんまりこの二人の絡みには魅力を感じないのだ。三沢の旨さに対抗するには、小橋ぐらいの凄みが必要だと思うし、秋山の狡さや勢いみたいなモノは、何となく三沢にはぐらかされそうで、噛み合わないのではと思う。この後の話にも関係してくるけど、とにかく小橋の復帰待ちだと思う。やはりノアの看板は三沢と小橋なのである。
大森対池田。大森負けてる場合じゃないと思うんだよなぁ・・・確かに池田の「お笑いキャラ脱皮」と言うのは、池田にとって正しい判断だし、それに伴った実力もあると思う。でもさあ格が違うでしょ?体格面でもそうだし、いくら一瞬の返し技で決まったと言っても負けちゃいけないんだよね?そりゃ池田の存在感というか、価値は一気にこの試合で高まったと思う。でもその相手がノアナンバー3ぐらいの位置にいる大森ではいけないと思うんだよ。挙げ句池田はウェーブ離脱でシングルプレーヤーでやっていくって・・・またノアマットややこしくするのかよ?そんな器じゃ無いだろ?身長いくつだよ?
最近のレスラーは本当に分をわきまえていない。ルックス、体格を考えたら、自分がその団体で成すべきポジションって自然と解るだろう?池田なんかとどう考えても補佐役のいぶし銀って役柄だろ?これだからインディーのトップだったプライドって邪魔なんだよね。似たような体格の井上なんか、しっかり自分の役所解っているじゃないか?みんながみんなトップになりたがったら、団体はグチャグチャになっちゃう訳だよ、だから一国一城の主で一人しか所属選手の居ないインディー団体が乱立するわけでしょ?メジャー(ノアはメジャーでしょ?)に所属するのならその辺考えて行動して欲しい。身長185以下の奴はメジャー団体で変な野望は抱くべきではない。
と言うわけで、そんなに大所帯でもないのに実にノアは解りづらい。トップレスラーそれぞれが野望を抱いているという図式になっちゃっているからだ。最大勢力?ウェーブも三沢の補佐はジュニア(敢えて)小川だし、秋山の仲間は斉藤のみ・・・ノーフィアーは片翼もがれてるし、田上は過去の栄光にすがっている。なんだよ?これ?んで、小橋に池田だ・・・これじゃ盛り上がらないって!それぞれが勝手に野望を抱くのも結構だけど、ちょっと団体としての形も考えたらどうだ?三沢軍、反三沢軍、ノーフィアーの3グループぐらいが適当だろ?あんまりやりたいようにやらせ過ぎだよ三沢。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(7/15記)
ジュニアT2000対正規軍。吉江、長州。第三世代メイン。6/30の見逃した放送から、ワープロはほぼリアルタイムと言って良い放送となった。今までは2〜3週間の時間のずれがあり、どうしてもプロレス雑誌などで先に結果を知ってしまうことが多かっただけに、このテレ朝の意気込みは大変に良いと思う(でも今までが怠慢だったとも言えるけど)。
邪道外道が加わったことにより、一気に盛り上がったのがジュニアでのT2000と正規軍の戦いである。今までの、ヒロがどうみても100キロ越えていた状況では(今もだけど)野上だけがジュニア戦士で、軍団抗争にはならなかったが、頭もキレて技も切れる邪道外道が加わったことにより対立構造がはっきりし、ぐーんと面白く、それで居て解りやすくなったと思う。これまでの新日ジュニアは、言ってみれば「総ベビーフェイス」状態だったわけで、それぞれのファンがそれぞれのレスラーを単発で応援しているという感じだったが、この正規軍対ヒールT2000と言う図式は、「プロレスラー」邪道外道が実に巧く観客を乗せ、ファンを煽って、ジュニア全体を盛り上げていると思う。こういう軍団抗争になってくると、今までタッグの必然性があまり無く、面白味に欠けていたジュニアタッグベルトを巡る争いも盛り上がってくるのではないだろうか?金本、大谷、高岩が居なくなったジュニアだが、ある意味その時代より、プロレスとしては面白くなるのでは?と思わせるナイスな存在邪道外道である。
吉江。なんだかこの相撲取りは自分を見失っていて、何かを探し求めているそうだが、自信満々でやっていた凱旋帰国の段階と今では、実は何も変わってはいない。所詮元からその程度で、たいした存在ではないのだ。何も見失ってもいないし、何も変わってもいない。その事をこの相撲取りには教えてやりたい。とにかく下駄だ。そのルックスでベビーフェイスになろうなんて勘違いは速く捨てることだ。極悪になるか、インディーに流れるか、そのどちらかしかその顔と体を生かす道はない。もう一度言う。何も見失って等居ない。もとからその程度だったんだってば。
長州藤波組・・・懐かしいねぇ・・・ふたりとも頑丈そうな体だねぇ・・・でもてんで柔らかさは無いね。この二人をヘビーとして扱ったことが、新日堕落のスタートだった気がするよ。二人揃うとなお豆タンク。悲しいねぇ・・・
メインは第三世代4人による最高のタッグマッチ。現時点新日でもっとも面白く、レベルの高いタッグマッチを展開できる4人であろう。中西西村組。永田が若干サイズ的に小さいので、新日正規軍トップタッグはこのコンビが一番良いと思う。何度も言い続けているが柔の西村、剛の中西のコンビは最高である。西村は頭も良いし(言うことが段々宗教じみて怪しくなってきたが・・・)、中西の司令塔としてもバッチリである。今の新日の弱点として、このように当然のことが当然のように出来ていないと言う辺りにあると思う。誰がどう考えても、正規軍で一番デカイ二人。ルックスもまとまっている、キャラクターも明確。実力には疑問のつけようがない。どうしてこの二人がタッグを今まで組んでいなくて、どうしてこの二人が新日のトップでないのかが理解できない。当たり前の存在を当たり前に認めると言うことは、格好悪いことではないのだ。自信を持って最強タッグチームとなって欲しい。それこそ5年10年とね。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(7/22記)
池田ウェーブ離脱劇。井上復帰試合。W猛。テリーゴディ追悼。
とにかくノアは全てマット上でストーリー展開を見せなきゃ気が済まないらしい。そう言う意味では馬場と対極の興行方針かと思う。池田が離脱することに関しても、敢えて6人タッグ上で仲間割れをして見せて、その後制裁を加える。なんだか昔ながらのプロレスを見ているようなのだが、今のファンにはこの方が新鮮で受け入れやすいのだろうか?
先週池田に対して苦言を呈したが、その際池田との引き合いに出した雅央が復活してきた。ゼロワンでの興行で、文字通り「壊されちゃった」わけだが、ノアには欠かせないシブ所なので、復活を素直に喜びたい。池田もあの体でバカラリアットプロレスなんてやってないで、雅央の味のあるプロレスを見習って欲しいモノだ。ラリアットバカプロレスと言えば、森嶋である。この試合でも良いところは全て力皇で、森嶋には全く良いところ無し。見ていて辛くなる出来だったが、フィニッシュだけは軽量の金丸にバカラリアットを決めて気持ちよくなっていた。これではいかんだろう?弛んだ体と弱気な心で、いっつも試合は全然リード出来ていない。力皇が良いタイミングで助けてくれるから、試合として成立しているが、森嶋自体はまるっきりなっていない。なのにバカでも打てるラリアットを乱発して調子に乗っているが、試合の組立が出来ないレスラーに未来は無い。典型的体だけのアメリカンプロレスラーの臭いがする。W猛とか言う前に、三沢とかの下でじっくりプロレスの基礎を身につけるべき。表に出るには早すぎるよ。
テリーゴディ追悼。他のレスラーはともかく、ゴディに関しては仕方ないか?と言う印象が強い。とにかく自分で自分をコントロール出来ないレスラーだったようで、トップレスラーだった頃から周りに迷惑かけ通しだったらしい。あの巨体で自分が解らなくなる程飲まなきゃ気が済まないなんて自殺行為だよな。それに精神安定剤が絡んできたら、こうなるのも想像出来た気がする。全日という安定して稼げる団体でトップの地位に上り詰めながら転落していく・・・ハンセンの言うとおり、もう少し自分のこと、家族のこと考えるべきだったと思う。ハンセンの次はゴデイ。誰もがそう信じてた。若いしデカイし早い。まったく文句のつけようの無いレスラーだったのに本当に惜しい事をしたと思う。人間魚雷。最後の動けるスーパーヘビー級だった気がする。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(7/22記)
札幌ドーム大会。茶番!酷い興行であった。ジュニアタッグ、ジュニアシングル、プライド対新日、全てにおいて結果が決まっていたと想像される一大茶番イベント!それで居て生中継の尺に大事なセミ、メインが入らないと言う失態。全英ゴルフとの兼ね合いもあったのだろうけど、せめて録画中継で土曜昼とかの放送にならなかったのだろうか?金八時代から、とにかくプロレスの生放送が成功した試しは無いと思う(アクシデントが映って面白いというのはあるが)。
まずジュニアの試合。タッグ。試合内容はまあまあ。ただ今後への流れとして、邪道外道がタイトルを取らなきゃ話が進まないので、ライガーにあまりやる気無し。邪道外道の繋がりもいつもに比べると今一歩か?最後の辻の「邪外アンド明日〜」の連呼でとにかく興醒め、ある意味この放送の、この興行の失敗を予想させるフレーズ(笑)。
シングルは田中対成瀬。この試合も成瀬が今後継続的に参戦して行くには、成瀬がタイトルを取らないと話にならないと言う浅い考えから、結果が決められていたように思える。田中の顔面蹴り一発と成瀬のやっちゃったスリーパー以外は、とにかく寸止め半端プロレス。両者とも格闘プロレス系の流れなのだから、それでバシバシやればいいのに、誰に遠慮したのか、あくまでも格闘風プロレス(新日Uターン後の山ちゃんが得意)で全く持って見ていて冷める。特に成瀬がいつものつもりで絞めたスリーパーが良い角度で入ってしまい、田中が危うく落ちかけた所で慌てて角度を変えて弛めたのにはゲンナリ。しかもその直後にバックハンドブローで決まるのなら、あのまま落とされた方が真実味が有った。スリーカウントも明らかに肩が上がっているのに、生放送の尺の関係か相手にされていないし、田中的にはあれで納得なのだろうか?とにかくフィニッシュはバックハンドブロー。それをプロレス的にキャラクターの弱い成瀬に、新日ジュニアでやっていく為の売りとする。そういう浅はかな展開丸読めなタイトルマッチであった。
中西対グッドウィッチ。プライド対新日。これも大晦日の猪木祭りで失敗だったって解っているのに、なぜまたやるんだろう?プライド勢が勝つのと引き替えに、プロレスつき合わされているのありありじゃん?パンチ全部寸止め。中西も腹に喰らって大の字に倒れてるし・・・挙げ句大一番得意のタイガー服部裁きだよ。もうどっちにしろ生放送の尺に入らないんだから、止める必要なんて無いじゃん?どうして新日はこういう役にも立たない、格闘家対プロレスってのをやり続けるんだろ?またプライド勢も金が欲しいのか、こういう茶番につき合っちゃってるし。それこそ本当にプライドを持って欲しいよ(さぶっ)。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(7/30記)
GHCヘビータイトルマッチ三沢対秋山。
プロレスの試合で大事なモノ。それは説得力と満足感だと思う。どんなに自分の望んでいた結果になっても、説得力のない展開だと、その選手を応援していても興醒めしてしまうし(中にはそうでもないバカファンも増えてきたが)、理詰めで説得力の有る展開でも、観客を乗せられず満足させられなかったらプロの試合としては失格だと思う。全日四天王の時代からノアは、この説得力と満足感のバランスが取れた良い団体だと思う。新日が時と場合によってそのバランスの針が大きく振れてしまうのに対して、そう言う意味では安心してみられる団体だと言える。この試合もそんな感じの試合だった。
全日時代の三沢対小橋戦のような、見る者全てを感動させて驚かせるような特別な試合ではなかった。だが、微妙に攻守が入れ替わりどちらが有利か解らない展開、所々に観客の期待以上の大技が出る刺激、これは決まったと思った所からの反撃。全てに置いてレベルの高い良いタイトルマッチだったと思う。本当はこれにもう少し「熱さ」みたいなモノが加わってくると(エルボー合戦で三沢がにじり寄る辺りに少し感じたが)より良いのだが、三沢が試合後社長としてコメントしている冷静さから考えると、それはこのノアでは少し難しいことなのかも知れない。とにかくプロレスラーとしてのレベルの高さを感じさせる好試合だったと思う。さらにリングサイドに永田、解説者に小橋と言う配置もタイトルマッチ空間に華を添え、旗揚げ1年で老舗団体のような安定感を生み出しているのは驚きですらある。
何が何でも突っ走るような、若い団体の刺激的な面はノアにはあまり無い。そう言う意味では名前こそ違え、全日イズムをしっかりと受け継いでいるのを感じさせる。ゼロワンに関わったり、新日と絡みかけたり、団体内は派閥乱立でややこしくなったり、一見今風の動きにも対応して見せているようなそぶりはある。だが、この安定感のあるタイトルマッチを見ると、ノアの本質はそう言う面では無いと思う。鍛えられた一流のプロレスラー同士のレベルの高い試合。それだけが有れば、プロレス界の大きな流れ、うねりにも対応していける。そう三沢はノアは考えているのではないだろうか?小橋が復帰してくれば、自分達の本来の姿に戻れる。腰の座った興行が出来る。そんな事も感じさせるタイトルマッチだったと思う。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/1記)
札幌ドーム大会。生放送に入らなかった武藤対蝶野と藤田対フライ。この放送を見てみるとある意味あの生放送枠にこの試合が入らなかったのは正解だったかも知れない。生放送分の試合も酷かったが、この二試合もそれを総括するにふさわしい酷さだったからだ(じゃあ一緒に流した方が良かったか?)
武藤対蝶野。とにかく蝶野のコンディションが悪すぎる。木村健吾が言っていたように、蝶野の作戦なのかと思っていたが、別にタイトルマッチでも無いわけだからそんな小細工をする必要が無いし、本当に調子が悪かったのであろう。試合後のインタビューでも明らかに顔に精気が無いし、本当に内蔵疾患だとしたら良くそんなレスラーをリングに上げたモノである。新日は他のどの団体よりもそう言うメディカル面がしっかりしている団体だと思っていたが、結局レスラーや会社の意向で出場が決まってしまうのだとしたら意味がないのでは無いだろうか(それとも試合を無理矢理止める為だけに居るのか)?その辺り山ちゃんには苦言を呈して欲しかったが、体制にべったりな今の山ちゃんには無理な話か?(レスラーの体の事を考えて整体師になったんだろ?)試合自体は武藤が気を使って盛り上げて形にしていた。また蝶野も動かぬ体でそれに答え、プロの仕事を見せていたように思う。この辺り、表面上は仲違いして見せていても、お互い認め会った一流同士のレスラーというのは、感じ会うところが有るのであろう。
メイン藤田対フライ。そこ止める所じゃねーだろ?出たよタイガー服部裁き!!もううんざりだ。ゴング後フライピンピンしていたじゃねーか?本当に藤田の締めで落ちてたら、ああいう反応は取れないだろ?あそこで止めちゃフライの良さが出きらないじゃないか?何のためのアルティメット出身なんだよ?これだから新日駄目なんだよ。藤田って言うのは今の新日にとって、小川と並んで唯一のホンモノな筈だろ?そのホンモノにこういうウソモノな試合をさせちゃ駄目なんだよ。藤田が負けたって良いんだよ。負けたからって藤田のブランドが下がる訳じゃないんだから。なんだ?猪木に藤田は勝たすようにって言われてるのか?藤田はまだまだ成長途中の化け物って事で良いじゃないか?負けても次一段と強くなる。その方が観客も納得するし、ファンだって大勢ついてくるさ。とにかくあんなに体絞ってやる気だったフライも可哀相だし、勝ちを条件に適当にプロレスやらされている藤田もいまいちだ。割合昔から新日は、この手でファンを誤魔化そうとするが(年間1.2戦ホンモノの試合を混ぜて、後は全てそのホンモノの幻影で乗り切る)、今のファンの目は肥えている。こういう事をやっていると、せっかく新日の中にもホンモノがある。とついてきたファンも逃しかねないぞ。とにかく格闘技路線には、下手なプロレス的感覚は持ち込まないに限る。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(8/5記)
GHCジュニアヘビータイトルマッチモーガン対金丸。ノーフィアー復帰戦。
チャンピオン金丸、やばいねぇ?初っぱなからこんな強い挑戦者ぶつけられて、今後どう説得力を出して行くんだろう?この試合どこをどう取ってもモーガンの方が上でしょう。体格、技のキレ重さ受け方、センス、どれを取っても金丸が上回っているところは無かった。とにかく金丸の展開には何も驚くところが無かったし(チャンピオンだからそれで良いのかも知れないけど)、試合のテンポにしても、どちらかというと金丸が悪くしているような印象だった。佐野が入団してきて以来、目ではっきり見えるようになったジュニアとしてのレベル。どちらかというとそのレベルの低い方に居る金丸がチャンピオンなのだからノアのジュニアベルト厳しいよねぇ?以前邪道外道が来て居たときに、これで全日(ノア)のジュニアも活性化できると書いた筈だけど、その邪道外道は世界一のジュニア、新日ジュニアに移って行っちゃったからねぇ。やっぱり佐野が引っ張っていかないと、ノアのジュニアのレベルは上がっていかないんじゃない?
はっきり言って佐野対モーガンのタイトルマッチなら充分新日ジュニアにも対抗できるレベルになったと思う。とにかく金丸は試合展開がまったりとしているので(それが奴のペースでそれを生かせるのがチャンピオンだとしても)、ジュニアらしいハイテンポな試合にならないんだよねぇ。こういうひ弱系チャンピオンは、試合がまったりしていて(小川とかサムライもそうだね)盛り上がりづらい。勝つにしても一瞬の隙をついてようやく、と言う展開が多くなっちゃうから、負けた側の方が良い選手に見えちゃうんだよ(垂直落下ブレーンバスターのモーガンの受け方なんて絶品だったし)。本人達は耐えて耐えて、一発逆転で勝ったように見せてるんだろうけど、あまりにも見た目レベルが低いので、観客には「最初っから結末決まってんだろ?」と思われちゃうし、とにかく金丸はもっとこう、説得力を生み出す方法を考えないと駄目だよ。そう言う意味では次期挑戦候補者浅子は、レベル的にも好試合が出来るんじゃないかな?金丸が説得力を生み出せるのは、ギリギリ丸藤まで。あんまり強い奴とやらせないで欲しいよ。チャンピオンのうちはね。
ノーフィアー復帰試合。やっぱり単純に格好良い。相手のW猛もでかくて良い噛ませ役なので、実に迫力有る試合だった。スーパーヘビー級同士がガツンガツンリング上でぶつかり、スーパーヘビーなのに所狭しと動き回る。これがプロレスだよ!いくら技のレベルが凄くなっても、このプロレス本来の面白さにはかなわない!大森のドロップキックの美しさ。どのジュニア戦士も太刀打ちできないよ!高山の迫力。日本人とは思えない!レスラーなのに一般人、他のスポーツ選手より小さいのが多い中、本当にノーフィアーの存在は貴重である(後は高山の腹が凹んで腰高感が無くなれば完璧なんだけどなぁ)。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(8/13記)
大森対丸藤、ベイダー対杉浦。
前々からノアを見ていて思ってたんだけど、カード編成に無理がないか?試合前から明らかに結果が解る、力、格の差が有りすぎるカードが良く組まれているような気がする。今日放送されたシングルなんかは、まさにその一例なんだけど、他にもタッグの試合でバランスが悪いのなんて日常茶飯事だ。ヘビー二人対ジュニア二人とか、スーパーヘビー二人とヘビーとジュニアとか・・・そりゃ、負けるだろうと予想されている側が頑張れば、好試合になって観客は沸くだろうけど、そんな事ってそうは無いよね?逆にそんな事がしょっちゅうあったら、何の為のスーパーヘビーなんだか、何の為に今まで築いてきた格なんだか解らなくなってしまうし。
んでまぁそれでも、シングルの試合はまだ良いんだよ。格上が、格下を潰すような試合をしてくれれば。格下も善戦してくれれば観客も納得するし、その団体のパワーバランス、説得力も崩れない。だけどノアの試合はそれも出来てないんだよねぇ・・・今日の試合も明らかに大森が丸藤につき合いすぎ。そんなに丸藤ごとき軽量級に窮地に追い込まれてどうするんだっての。そりゃ試合として成立させるには、ある程度相手の技を受けて、ペースにのってやるのも大事だけど、スーパーヘビー級と言っても良い大森に、ジュニアでも軽量な丸藤の技が、ガンガン通じてちゃ不味いだろ?確かに丸藤の株は上がるかも知れないけど、それって大森から説得力が無くなるのとどっちが大事だ?
引き続きベイダー対杉浦もそうだ。試合自体は5分持たずにベイダーが杉浦に対して圧勝した形になってるけど、ベイダーバックドロップで投げられちゃってるよ・・・これ駄目だってば。三沢ですら、大一番でしかベイダー投げるなんて事しないのに、杉浦が簡単に投げちゃ駄目なんだって。しかもアマレス風のリフトから投げた訳でなく、ベイダー先生に飛んで頂いての、普通のバックドロップ。何の説得力もない。これじゃぁ杉浦の株が上がるわけでもないし、ベイダーまた飛んだよと説得力が下がるだけだ。こんなに簡単にぽんぽん投げられてちゃ、ベイダーの価値も下がるってもんだ。またそんなにぽんぽん投げられてたら、ベイダーが飛んでるって事が素人にも解って、大一番で三沢とか秋山が投げた時に説得力が無くなってしまう(見りゃ飛んだかどうだかなんて解るけどね)。昔アンドレをフォールした奴には賞金が出るって話だった。それと同じくもアンドレを投げることが出来た奴も数えるほどしか居なかった(ハンセン、ホーガン、猪木・・・)。それぐらい自分のレスラーとしての価値を大事にするべきだと思う。そう言う格をしっかり守らないと、いざ勝った時、負けた時の感動が半減しちゃうと思うんだよ。こんなどうでも良い試合を組んだり、それで格下につき合って足りしちゃ駄目なんだ。そのあたりもう少し考えた方が良いんじゃないか?
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/14記)
G1クライマックス特番。さすが新日最大のイベント、テレ朝も金曜夜と土曜昼の二本立て計4時間のスペシャル構成で実に力の入った放送だった。
結論から言うと、今年もG1は素晴らしかった。IWGP王者が参戦していないと言う欠点はあったモノの、武藤、蝶野の両巨頭、藤波社長、肉体改造安田、テロリスト村上、ライガー、永田、中西、西村・・・これだけのメンバーの中での優勝は本当に価値のあるモノだと思う。近年最高レベルのメンバーと言っても過言では無いのではないだろうか?普段はちんたらやっている新日選手もこのG1だけは本気モードで、自分の力を出し切ってくる。今年も名勝負目白押しであった。
そんな中で準決勝に残ったのは、安田、蝶野、武藤、永田。G1と言えば番狂わせで絶対に残らなければいけない選手が、早々と脱落してしまうのが常だが、今年は中西が脱落した程度で、ほぼベストと言って良いメンバーが準決勝まで残ったのではないだろうか?確実に肉体改造が進んできた安田は、結果はともかく化け物じみた風格が出てきた。蝶野、武藤の二大巨頭がちゃんと残ってきたのも、この先の展開からしてみれば重要なことである。そして永田。センス、頭脳だけなら充分新日トップの器である。問題はその体の小ささから来る説得力の薄さである。それゆえどうしても中西に先を行かれ気味であった彼が、ついにトップに立つ日がやってきたのである。
ここまで誉め尽くしてきてなんだが、一つだけ苦言を呈したいことがある。永田が秋山に「G1を取る」こう言ってしまったことである。秋山が永田に公言した「GHCを取る」これが実現してしまった以上、永田が約束を破るわけには行かない。これって普通に考えれば、あの約束のおかげで頑張れてG1制覇が出来たと取るべき何だろうけど、プロレス的新日的には、あの発言があったせいで永田の優勝が既成事実になってしまったとも見える。ライガーの連続防衛記録も「連続防衛記録を作る」こう言ってしまったから延々続いたわけである。橋本の引退発言も相手が通常のプロレスラーだったら橋本の勝ちだった筈である。プロレス界はえてして「言ったモノ勝ち」な所がある。だからこの永田の秋山との約束を知っていたファンは、準決勝に永田が残った段階で、永田の優勝を確信したと思う。これだけがこのG1で残念だった点である。
ただし、こんな↑ゲスな勘ぐりが吹っ飛ぶほどの試合を永田は繰り広げて行く。トーナメントの構成上永田が優勝するには、蝶野と武藤(安田の可能性もあるけど)の二大巨頭、現在新日トップを二人とも倒さなければいけないのだ。これは辛い、しかも上記した約束があるから「言ったモノ勝ち」的な簡単な勝利では、コアなファンは納得しない。説得力のある勝ち方で無いと「世代交代」をファンは認めないはずである。そんな状況下で永田は頑張った。本調子には遠い蝶野を撃破したのは、ある意味当然なのかも知れないが、それでも百戦錬磨の蝶野である。色々あの手この手で永田を幻惑してくる。その蝶野の技を封じて勝ったのは充分世代交代としての価値があったと思う。そして武藤戦である。
BATTになってからの武藤は絶好調である。体調的にも良いのであろう。実にノリノリで天才復活という感じがにじみ出ている。NWOでちんたらやっていた頃は何だったんだろう?と言う気すらする。そんな武藤、スーパーヘビー級の武藤に、180センチの永田がどういう説得力のある試合で勝つのか?一瞬の返し技程度のせこい勝利ではファンは世代交代を認めない。だが蝶野戦に続き、永田はここでも真正面から武藤と対峙し、真正面から技をぶつけていった。序盤グラウンドでの攻防は、長い試合をこなす上での常套句とは言え、新日ストロングスタイルとして実に見応えがあった。徐々に立ち技中心となってからも、一進一退の攻防が続き本当にどっちが勝ってもおかしくない展開である。また一回り小さい永田が全然押されていないのも頼もしかった。あっと驚くような大技こそ出なかったが、通常の自分の技の積み重ねで、ここまで濃密でワクワクする空間を生み出していた事は、逆に凄いことである。それ程の構成力が、武藤だけでなく永田にも有ると言うことが証明されたわけである。
もう全てが整った。永田が武藤に勝っても良いのである。世代交代を始めて良いのである。そう言う空気が場内を埋め尽くした時に、ナガタロックはギリギリと武藤に食い込んだ。武藤がタップである。永田完勝!一瞬の返し技でも無く、タイガー服部裁きでも無く、誰もが納得する形での永田の勝利で有る。新日は今また新たな1ページを刻んだ。永田という小さいけれどセンスに溢れる男がトップに立った。これはストロングスタイル完全復活への序章なのではないだろうか?長らく続いた演劇プロレスからストロングスタイルへの移行。それが今年のG1には明確に現れていたような気がする。いや現れていてくれ!(蝶野が連れてきた大巨人が嫌な予感をかき立てる・・・)
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(8/18記)
なんか良くわからないけど、田舎のスキー場からの中継。町おこしの一環も兼ねている見たいなんだけど、良い雰囲気の中で興行が行われている感じだった。普通地方会場とかだと、客席の上の方はガラガラで照明絞らなきゃいけなくなったりするんだけど、スキー場の斜面を利用した観客席は画面の上の方までぎっしり満員。どれだけ入場料取っているのか解らないけど、なんか昔ゴールデンタイムにプロレスをやっていた時代の熱気みたいなモノが、この会場、画面からは溢れていたような気がする。
試合自体もいかにも地方興行な8人タッグマッチながら、選手のテンションも上がっているのか、おざなりな試合でなく、充分テレビレベルの試合であった。観客が上の方まで入っている為、トップロープからの飛び技が美しく映えるのも良かったし、何より観客のすれていない反応が選手に相乗効果として機能していたと思う。去年もこの時期にここに興行に来たらしいが、これだけの良い雰囲気の興行はなかなか無いので、来年もきっとここでの興行が組まれるであろう。地方興行と言うとドサ周りの印象が強く、新日などは明らかに無くしていく方向にあるが、インディー団体でなく、メジャー団体の地方興行こそ、プロレスの底辺拡大に必要なのではと思う。その辺りジャイアント馬場の遺伝子を確実に受け継いで、地方興行もキチンとこなす、三沢なりノアは安定感のある団体となっていくのではないだろうか。
7/27武道館での小川対モデスト戦。わざわざこの放送に差し込んできたと言うことは、どうしてもモデストを視聴者に見せておきたかったんだろうけど、だったらもう少しモデストが活躍しているシーンを入れるべきではなかっただろうか?小川が勝ったため難しかったのかも知れないが、あの編集では只の筋肉バカにしか見えないのが残念だ。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/19記)
G1クライマックス総集編1。1って事は来週も総集編な訳だな。特番で4時間今週と来週で2時間、計6時間もG1なのか・・・個人的には蝶野が連れてきた大巨人を早く見たいのだが。
先週のこの欄で、武藤と蝶野を敗った永田の世代交代劇について書いたが、実はトーナメントに生き残れなかった小島も蝶野越え、武藤越えを果たしている。前々から小島はシングルプレーヤーとして闘うべきだと言い続けているわけだが(タッグだと楽しやがるからな)、このG1と言うシリーズを見るとなお一層その思いが強くなる。小島の絡む試合はおおむねしょっぱい。あらかじめ書かれた筋書き通り進み、何の驚きも感動もない予定調和の試合になってしまうからそう感じるのだろう。特にタッグだと大技は殆ど天山に任せてしまううえ、過剰なオーバーアクションだけで試合をするのでその印象が増幅される。だが、ここ数年シングルマッチではそこそこ良い試合を見せるようにはなってきている。なってきてはいるが、その実力にはまだまだ疑問符をつけざるを得ない。それもこれもシングルマッチの経験の少なさから来ていると考えるわけだ。
今年のG1でも小島は蝶野、武藤につき合って貰って良い試合をしていた。そう蝶野はともかく、明らかに武藤には良い試合にするための展開を手伝って貰っていた。何というか「ここでこう責めなさい」と言うような、スキと言うか空間を小島は提供して貰っているのだ、小島はそれに乗っかって試合をしていただけである。だから良い試合はしていても、依然小島の経験不足は否めない。武藤に試合を任せて貰っていないのがその証明である。両試合とも結果としては小島がフォール勝ちを納めている。納めているのだがいまいち説得力に欠けるのだ。
蝶野に対してのラリアット→フォールも唐突だったが、あれはまぁ、蝶野の体調を考えればスリーカウント入っても仕方がないかな?とも思えた。だが、武藤戦でのフィニッシュは明らかに筋書き通り。と言う臭いが消せないでいた。それもこれもフィニッシュに至るまでの小島の展開に説得力が無いからであり、そう言う組立が出来ないのが、小島の経験不足を露呈してるのである。同世代の他のレスラーはおおむねそんな組立はマスターしている。だがタッグ屋として、演劇プロレスで楽をしてきた小島にはまだそれが身に付いていないのだ。だからこそ小島にはシングルで経験を積ますべきであろう。とにかく人気だけは抜群にある小島である。このスターさんをちゃんとしたトップレスラーに仕立て上げない手はない。その為には今こそ、小島にシングルプレーヤーへの道を歩ますべきだと思う。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(8/25記)
秋山軍対ノーフィアー、バトルロイヤル。
新日のビッグマッチ中心の興行のせいか、何も物事が起きていない通常の試合って物足りないねぇ。全日時代はスーパーヘビー級の外人が大挙して来日していたから、カード編成に幅もあったけど、実質日本人どうしでやりくりしているノアは、マンネリ気味になる。さらにそのマンネリなのを打破しようと、選手がグループを移ったりしていて余計訳が分からなくなる。また人数合わせの意味で、入っているインディー上がりのちびっ子達も、ちびっ子に専念していればいいモノを変に主張するので、ややこしさに拍車をかけることとなっている気がする。大体秋山の補佐が斉藤、三沢の補佐が小川か佐野って・・・一人のヘビー級とジュニア数人なんて言うグループの図式が間違っている。何度も言っているが、対して大所帯じゃないんだから、正規軍、反対勢力、ヒール軍、この3つのグループぐらいにならないモノかね?機能しているのはノーフィアーだけだよ。
やっぱりカード編成に詰まったのか、なぜだかこの時期にバトルロイヤルである。しかもまぁなんと中途半端なB級バトルロイヤルで(笑)バトルロイヤルについてガタガタ語ってもしょうがないが、何故オーバーザトップロープルールが採用されていないのか?それについての説明が欲しかった気がする。結果?取り敢えずKENTAを売り込みたいバトルロイヤルだったんでしょう?
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/27記)
G1クライマックス総集編2。西村特集と藤波特集。つーか無我特集か?
西村の試合が流れている間中ずっーと、画面左端に「感動」って出てたんだけど、あれってどうなのだろ?確かにガンを克服してマットに帰ってきたのだから、素晴らしいことだし、それ自体は確かに感動なんだけど、それって西村のプロレスに対する評価ではないわけだよね?いつまでも「ガン克服=感動」と言う図式がついて回ると、西村の試合に対する的確な評価ってされないんじゃないだろうか?いわゆる臨死体験、死にかけたレスラーってのは、それ以後一皮剥けて素晴らしいレスラーになることが多い。代表的なのが馳だろう。馳はその事件が起きるまでは、只のジュニア上がりの生きの良い若手程度のレベルであった。だけど事件後、プロレスというモノに向き合って考えるようになってからは、実に組み立て、展開の旨い、観客を乗せれるレスラーになった。西村もガン以前は実力が有りながらもどうしても勝てない、いわゆる善戦マンレスラーだった。だけどガン克服後の西村は、明らかに一皮剥けてディスイズストロングスタイル。の試合を見せつけてくれるようになっていると思う。
確かに体に厚みが無い西村は、恵まれた身長ほどにはパワーがない、だから今現在でも「勝てない」試合が非常に多い。だがそれはもはや以前の善戦マンの時代とは意味合いが違うのだ。今の西村は自分で自分の思い描く試合を組み立てている。そしてそれにより観客を乗せることにも成功しているのである。これはプロレス的に言えば「勝っている」訳である。彼は新日の中で今居るポジションが非常に微妙で、なかなかトップグループに入れて貰えないで居る。もちろんいつまた発病するか?そう言う危機感を新日側が持っているのも理解できる。だがそろそろ、西村自身の試合を評価してやっても良いのではないだろうか?「ガンの西村=頑張っている」ではなく、西村の戦いを新日会社サイドも評価してやって欲しいのだ。現に今の西村はそれだけの試合をやっている。一発一発良いのを喰らうたびにグニャリとして見せる、独特の受け身?も味があるし、ストロングスタイル正統的伝承者らしい、綺麗なアーチを描いたブリッジも、それだけで金が取れると思う。
取り敢えず中西辺りのタッグパートナーとして、ベルトを取らせてやって欲しい。永田も確かにストロングスタイル系では有る。あるが奴にはUの臭いも漂ってくる(否定しているわけではないよ)。新日王道は、試合スタイルも情念漂う性格も含めて、西村のようなタイプなのだと思うのだ。西村、永田、中西、天山。この辺りが次世代新日でトップ争いを繰り広げるのにふさわしいと思う。そう、今の新日に欠けているのは、一番解りやすいストロングスタイルレスラーなのである。西村もすぐに「宇宙」とか「わたくし」とか言って周りを引かせないで、プロレスラーとしてトップを取るぐらいの意気込みを見せて欲しいモノだよ。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(9/3記)
秋山軍対W猛、ノーフィアー対ベイダー、ゼロワンジュニア参戦。
先週も書いたが、ろくな外人が居ないノアは、何も物事が起きていない興行では実につらい。今シリーズはまだベイダーが参戦しているから何とかなるが、分裂時に全日から外人勢が移ってこなかったしわ寄せが、1周年を迎えても解消されていないような気がする。外人が居ないためどうしても団体の方向性としては、日本人抗争となる。その日本人抗争にしても、田上がヨロヨロ、小橋が怪我では、実質秋山と三沢の一騎打ちである。この二人だけでそう何ヶ月も団体を持たせるのは無理であろう。大森をシングル戦に起用しても良いとは思うのだが、ノーフィアーとしてタッグブランドが浸透してしまったためそれも難しい。
んで、しょうがなしにW猛なんてのを無理矢理抜擢したんだけど、力皇はともかく森嶋はいつまで経っても地位に追いついてこない。この試合でも格下の橋とやるときだけは、自分の体格をいかした良い技が出るが、他はラリアットしか出せる技がない。22歳という年を考えても、まだまだ頭が使える時期では無いし、もう少し誰かの下で熟成すべきだろうと思う。どうして三沢はジュニアの連中ばかりで自分の周りを固めてしまうのであろう?森嶋ぐらいのが下にいて、指示を出しながら育てると言うのが一番良いと思うのだが?見栄え的に自分よりデカイ奴が側にいるのが許せないのだろうか?
結局GHCチャンピオン秋山に挑むトーナメントは、力皇、森嶋、池田、本田と言う実に華の無い4人となってしまった。まぁここに三沢が入っていれば、当然三沢になってしまうし、田上は三沢の時に挑戦した。そうなるとこの辺の連中が相手にならざるを得ないのだろうけど、あまりにもベルトの価値を考えていないタイトルマッチだよね?池田はジュニアだからあり得ないし、W猛も時期尚早、本田もなんだかパっとしない存在だし、やる前から結果の見えているタイトルマッチの挑戦者を、トーナメントにしてまで選ぶ必要があるのだろうか?
そんな人材にもネタにも困っているノアに、これまた八方塞がりのゼロワンから、高岩らジュニア勢が参戦してきた。これは有力者(佐野、小川)がヘビーで試合をしていて、レベルの低いノアのジュニアとしては、願ったりかなったりの状況だけど、高岩って大谷を追いかけてゼロワンに来たわけでしょ?その大谷はヘビー転向宣言しているのに、今更他団体のジュニア戦線に参戦して良いの?そんな事も言ってられない状況なのだろうけど、なかなか理想を追い求めるのも大変である。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/4記)
G1クライマックス総集編3。真壁壮行試合、木戸恩師に再会。遂に3週目に突入のG1総集編。だが今回は既に感想を書いた準決勝と決勝なので、この事については触れない。
真壁壮行試合。遂に真壁も海外遠征に出される時がやってきた、新日所属レスラーにとって、海外遠征から帰って来た時がある意味本当のデビューになるわけだから、この海外遠征中に自分のキャラクターをしっかりと見つけて、身につけて帰ってこなくては行けない。天山、小島はキャラクター付けに見事成功してトップレスラーとなり、中西、永田は、キャラクターはともかく、レスラーとして大きくなって帰ってきた。当然そういう成功例ばかりでなく、時代性とまったく合致せずに埋もれかけた西村。テンコジの成功を見てただけに、勘違いしてしまい恥ずかしい存在となった吉江。本当に海外遠征中のプロレスラーとしての感覚、感性を磨く作業は大事である。
そんな真壁だが、インタビューで結構気になることを発言していた。「僕が帰ってくる頃には、また違った抗争になっていると思いますけど、それに加われるように、いや自分で抗争を起こせる存在になりますよ」これってどうなのだろう?なんかプロレスという職業を勘違いしてないだろうか?真壁大変危険である。プロレスラーにとって大事なのは、まず試合内容、説得力である。なのに、プロレス会社としての大きな流れに乗ることに気を奪われているようでは、勘違い帰国デビューを果たしそうな気がする。こんな事を口走ること自体が、今の新日がいかに変わってしまって駄目になっているかを物語っているが、自分がのし上がっていくためにまず「抗争」とは何という発想の貧困さだろう?この発想は、なんかスキャンダルを起こして、その話題性だけで喰って行っている芸能人みたいなモノである。プロレスラーとしての本質を見誤っている真壁に、海外マットはきちんとプロレスを教えてくれるのだろうか?
木戸の恩師は当然カール・ゴッチで有る。UWF崩壊後日本のマスコミにはあまり登場しなくなったゴッチだが、相変わらずのデカさで安心させてくれた。75で腰を骨折などしたら、そのまま寝たきりになる危険性も有ったわけで、並はずれた体力と不屈の精神力はさすがと言えよう。同時に86年の木戸を含めた映像がでたが、木戸以外のメンバーのなんと美しい体つきか!木村健吾も藤波も、研ぎ澄まされた体つきに、柔らかい動き、これを見るとますます今の新日勢の体つきがおかしくて、トレーニングが間違っていると言わざるを得ない。そんな中木戸だけは、今も昔も変わらない体つきを維持しているわけで、ベテランになってもちゃんとやるべきトレーニングをやっている選手は違う。と言うことを痛感させられた(藤波なんてガッチガチだもんね・・・)。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(9/10記)
GHCシングルチャンピオン秋山挑戦者決定トーナメント。参加者、森嶋、力皇、池田、本田。
毎週毎週書き続けている事だけど、大所帯に見えて実は意外と人材難なのがノアである。トップ三沢、エース秋山、ノーフィアー大森、高山・・・事実上今ベルトを持つ資格があるのはこの4人ぐらいであろう?全日で四天王の一角だった田上は練習嫌いもたたり、完全に圏外に消え去り、本来ならバリバリ団体を引っ張るべきだった小橋は怪我療養中。また、ノーフィアー高山はフリーなのでベルトにはそぐわない。と言う以前にタッグ屋のイメージの強いノーフィアーにシングルのベルトは似合わない。実質三沢と秋山でベルトの取り合いをしなければ行けないのだ。だがそんな看板カードを何試合も何試合も続けるわけにも行かない。かといってベルトに挑戦する価値のある外人もベイダー以外には居ない。本当に八方塞がりな状況なわけだ。
そんな中苦肉の策としてひねり出されたのが、この挑戦者決定トーナメントだ。ヘビー級補強のため、無理矢理売り出されているW猛。なぜだか一匹狼を気取っている池田。そしてアマレス三度のオリンピック出場と肩書きだけは華々しい本田。誰が勝ち残っても何とも悲しくなる、秋山の勝利以外見えない出場者である。W猛はどう考えても経験が浅すぎる。池田は・・・身長180以下の奴がベルトに挑戦するなよなぁ?なんかベルトの価値が下がるんだよ。180以下の奴は体絞ってジュニアの頂点目指しなさい。本当にウェーブ離脱と言い池田大輔、かき回すだけで分をわきまえない迷惑な存在である。んで結局本田以外に居ないんだよね、挑戦者。
本田ならもしかしてひょっとして、実は影の実力者なのかも?とか、アマレス時代秋山にとって雲の上の存在だったとか、まだ何とかストーリー展開に幅が持たせられる。さらに、W猛のように経験の浅さを勢いで誤魔化すようなタイプではないから、今の腰痛持ちの秋山でも、安心してじっくりとした試合展開に出来る。なんと言ってもプロレスファンは、こういう遅咲きの地味なレスラーが脚光を浴びるというのが好きだったりする。最低限でありながら、ひょっとしたら大化けする可能性のあるカードと言えるだろう。でもねえ、今日の決勝見る限りはその大化けする可能性は薄いかなぁ?池田相手に、あんなに良い試合になってるんじゃ、チャンピオン相手となったら厳しいだろう?しかもそんなに驚くような技とか、展開にも持ち込めてなかったし・・・結果は秋山勝利でも文句は無い。無いけど、何か少し新しい一面を本田多聞が見せてくれたら、そんな試合をほのかに期待したいんだけどなぁ。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/10記)
やっと通常のシリーズに戻った。中西対後藤、フライ対ホール、シルバ対ノートン。
まず中西のグッドリッチ前哨戦。前哨戦の相手が後藤?全然タイプ違うじゃん?こんなので前哨戦の意味有るのかい?それでも後藤はタックルを出してみたり、中西に気持ちよく責めさせてあっさり負けて見せたりと、最大限に気を使っていたが(良い人だ・・・)、何の意味もなさないカード編成だよな。まぁフライトかとやって怪我されるのも困るし(と言ってもフライもかなりプロレスラーなので、そんなヘマしないだろうけど)、T2000には格闘技系の選手なんか居ないので仕方ない気はするけどねぇ。
フライ対ホール。中西前哨戦に続いてこれも茶番だ。いいのか新日?いまだにこんな試合を観客に見せていて?K1、プライドで今のファンは、ヘビー級の人間がKOされるシーンというのは見慣れているわけだ。プロレスラーの関わった試合でさえ、飯塚が村上に(だよね?)良いの貰っちゃって飛んじゃってるのや、つい最近も安田がハイキック一発で崩れ落ちているの見てる訳だよ。そういうホンモノのKOシーンを見慣れている今のファンの前で、あのフライのKOはどうなんだろ?あまりにもホールのやられっぷりってしょっぱくないか?アゴに貰ったときも崩れ落ちている訳じゃない(これは演技でやるには難しいシーンだけど)、それどころか後ろにダーンと倒れるときもレスラーの習性か、完璧に受け身を取っていて頭なんか全然打ってない。なのに倒れた後しばらく頭を抱えてジタバタして、その後失神って・・・何度も言うけどプロレスに必要なのは説得力であるのだから、これだけ総合格闘技が伸してきた今、プロレスラーは説得力の向上のためにも、その辺もう少し勉強して欲しいよ。プロレス的には、プロレスにも一発KOがあるよ、リアルでしょ?って見せつけたいのかも知れないけど、だったらもっとちゃんと失神してくれ。とほほ。
シルバ!来たよついに2メートル34センチ。顔も明らかにアゴが長く、目が窪んでいる巨人症系だ!これは期待できる!とデカイレスラーフェチなおいらは思ったわけだ。でも入場シーン、リングでの立ち振るまい、そんなに大きく見えないんだよ。あれれ?たぶんあんまり一般人と動きが変わらないので(にぶく無いので)、そう見えたのだろうけど、シークレットブーツ履かせてでも巨人に見せたいのだったら(明らかに5センチ以上の圧底)、もうちょっとデカく見える演出とかしっかりやって欲しいよ、新日にはアンドレって言うノウハウが有るわけだから。それと服脱げよ。なんでレスリングタイツじゃないんだよ?やっぱワンショルダーだろ?服脱いだらヒョロヒョロくんなのか?でもあの巨体であれだけ動けるって事は、それなりの体しているわけだろ?とにかく奇跡的に動けてるのだから(フィニッシュのジャイアントプレスは圧巻)、もっと旨く利用しようよ。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(9/18記)
GHCシングルベルトタイトルマッチ秋山対本田。ただしテロ事件のせいで15分録り逃し。当然後半15分を録り逃しているので美味しいところが全てパー。
試合結果は秋山勝利なんだけど、この試合の注目点は結果ではなく、本田がこの後ブレイクする可能性が有るか無いかと言う点だったわけだ。前半だけ見た印象では、ちと難しいかな?と言う印象。今まであまり使わなかったアマレス系の技を出すようになったのは良いけれども、その技で秋山を追い込めているわけではないのが辛いところ。やっぱりアマレス3度のオリンピック代表であるならば、アマレス系の技ぐらいは秋山を超えていて欲しい。試合全体に(半分だけど)秋山が「受け止めている」と言う臭いが漂うのもマイナス点。後半どう持ち直したかは解らないが、前半の印象だけでは、本田にスポットが当たるのはこれが最後かと思われる。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/18記)
すんごい細切れダイジェスト中継。何試合有ったんだろう?外人ナンバー1公式リーグ戦、前哨戦大会(笑)、全日武道館興行。
ジャイアント・シルバ。動いてるねー。とにかくあれだけ動けるだけで充分驚異なんだけど、惜しむらくは、まだ技が相手にダメージを与えきっていないと言う点かな?と言うかプロレスが下手なんだね。技がみんな寸止めに見えちゃう。あれだけの巨体で寸止めすると言う事は、自分の体に掛かるエネルギーは何大抵のレベルじゃないんだろうけど、もうちょっと上手に止められないかな?今までどこで何やっていたのか解らないけど、プロレスラーの頑丈さを信じて、もう少し相手にエネルギーをぶつけても良いと思う。全ての技が当たる直前で減速している今の状態では、アンドレのような名声を手に入れるのは難しい。
あんこ4人対決。吉江、長州、後藤、ヒロ。とても新日の試合とは思えない、あんこレスラーのタッグマッチ。昔は新日の選手は、全日のレスラーの体を見て「練習していない」なんて言ってたもんだけどなぁ・・・んで、試合自体は後藤がコントロール。さすがである。ラリアットの喰らいっぷりはいつ見てもほれぼれする。職人芸。
全日武道館興行。なんだか全然わかんなくなってきたよ。もう新日と全日合併しても良いんじゃない?「日本プロレス」って。全日の外人は全て蝶野側に着くのか?んで日本人は、BATT、WAR、本体と3分割か?でも実質全日のトップは武藤って感じだよねぇ?蝶野、天龍、武藤って華が有るところに、全日生え抜きはやる気のない川田か・・・体格、オーラも含めて、なんだか全日黄金時代第4の男石川みたいな雰囲気になってきたな?大丈夫なのか川田???全日自体も新日の乳母捨て山みたいだし・・・
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(9/25記)
今週は↑この東野高等学校格闘技同好会の興行準備で忙しかったので、両欄コメント短めですまぬ。
GHCジュニアタイトルマッチ浅子対金丸。いやーもったりもったりしてたね(笑)技の名前を列記していくとハイスパートレスリングに思えるんだけど、映像として見るとなんだかもったりもったりして見える。なんか一つ一つの技に入る前に「よいしょ」「どっこいしょ」って声が聞こえてきそうなんだよ。何か新日とのレベルの差を痛感するよ。と言うか、ノアのジュニア最高の人材で最高レベルの試合をやっているわけでない、と言うのにも問題があるんだけどな。佐野、小川、丸藤、あるいは志賀。この辺の連中をスルーしてのチャンピオンだからなぁ・・・本当高岩に力の違い見せつけてやって欲しいよ。
んで、大森と大谷のタッグ結成。なんでこうややこしい方ややこしい方に進むかなあ?いやね、ノーフィアーが仲間割れしたとか言うんなら良いんだよ。でも違うわけでしょ?GHCタッグ王座決定トーナメント開催に不満なタッグ屋ノーフィアー。自分達がチャンピオンで当然だと思っているのでトーナメントボイコット。そしたら三沢が社長命令で大森のトーナメント参加を決定(高山はフリーなので)。んでしょうがなしにゼロワン大谷と。って・・・大森自身は優勝する気無いけど、優勝したらどうすんだ?大谷ノーフィアー入りか?本当に三沢はレスラーに自由にやらせ過ぎだよ。今回のだってノーフィアーがちゃんと参加して優勝したら、それで丸く収まる訳じゃない?何でたいして人数も居ないのにややこしくして内容薄くするかなぁ?
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/25記)
すんごい細切れダイジェスト中継。何試合有ったんだろう?ジュニアのタイトルマッチの扱いのなんと短いことか・・・内容的には凄く盛りだくさんなんだけど、やっぱりこれはちょっと問題が有るよねぇ?お子さまランチを大人が食べても、美味しいけど腹は膨れないって感じ?
そんなわけでコメントのしようもあまり無い。ジュニアのタイトルマッチはどれもフィニッシュ間際しか映像が無いし(でも成瀬は作られたチャンピオンぽくて可哀相だな、本人もプロレスってこんなモノと勘違いして納得してるんだろうけど、もっと自分なりの展開に本来は出来るんだぞ)、全日対テンコジも、そもそも川田長井組になんの意味合いも無いんだから盛り上がりに欠ける。交換留学生同士が試合している感じか?新日の歴代の他団体との対決で、一番「闘い」色が薄いんじゃないんだろうか?
中西対グットリッヂ。行って来いなんじゃない?おいら汚れすぎてる?(笑)つーかもうグッドリッヂって、ドンフライ級の胡散臭さだよね(プロレスファンから見て)。あまりにもプロレスに対応出来過ぎていて、プロレス的に負けてもOKと言う臭いがプンプンしすぎ。格闘家の「絶対に勝たなければいけない、負けたら生活が出来なくなる」そういう雰囲気は微塵も感じられないよ。この試合だってパンチは遠慮気味、中西が対応しやすいようにグラウンド主体だったし・・・まぁそもそもそんな事言ったら、中西が負けた試合自体も止め所が?だった訳で、もうプロレスとプライドの異種格格闘技戦は成り立たなくなって行くんじゃないかな?せっかくのソフト。意外と早く使い切っちゃったって印象だ。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(9/29記)
長嶋辞任報道のせいで15分繰り下げ録り逃し。たかだか1球団の監督が辞めるだけでテロ報道並の扱いか?まぁ日テレだから仕方ないんだけど。そう言うわけで見れたのは、ゼロワン絡みの2試合と秋山志賀対ベイダースコーピオ。
ゼロワン。橋本と猪木が切れたせいで逆に三沢はゼロワンと組みやすくなった。橋本にしてみれば、バトラーツを失った事よりノアと再び組めた事の方が大きかったのではないだろうか?怪我の功名である。三沢にしてみてもどうにもパッとしないジュニアのベルト争いに、高岩と言うビッグネームが加わる事は、嬉しくないはずがない。とにかく、力では負けていると金丸も公言している通り(つーか技でも負けてるよ・・・)、端から見てもその実力差は有り有りである。いったい、頭だけは勝っているという金丸がどういう試合をしてくれるのだろうか?
画面にはずーっと秋山激怒って出てたんだけど・・・まぁ今シリーズはベイダー先生が来ているおかげで、カード編成にも困らないな。只それだけ。とにもかくにも早くタッグトーナメント始まってくれない事には、この欄を埋めるのにもキュウキュウしてしまう。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/2記)
すんごい細切れダイジェスト中継。←ここの所毎週これ書いてるけど・・・新日内での色々な流れを見せると言う事を考えるとこういう中継になるのは仕方ないし、実際ストーリー展開だけのための試合も多く含まれているのだけど、これじゃあプロレスの良さって伝わらないよ。プロ野球ファンもそうだけど、浅いファン程、勝ち負けばかり気にして、試合そのものの面白さ素晴らしさを見逃していると思う。アメリカのプロレスと日本のプロレスの一番の差は、「ファンの目」だったと思うんだけど、こんな試合を続けてこんな放送をしていれば「ファンの目」が衰えて、たまに良い試合をしていても(G1とかね)全く理解されず、試合結果とマイクアピールだけが気になるソープオペラファンが増えても仕方ないよ。新日テレ朝は、目先の利益に踊らされて大事なことを見失っている(それでもプロレスというソフトに魅力を感じてくれているのは良いんだけどねぇ)。
カシン組対成瀬組。これなんかもう完全に次への流れを示すためだけの試合だよね。カシンがマッハで倒してみて、どうする?チャンピオンって・・・でも救いはカシンが逆十字本当に決めて見せていた点かな?(親指上向いてたでしょ?)長州組対蝶野組。長州って何の為に復帰したんだろう?新日が危なくなったら復帰すると言って引退し、危なくなったから復帰したそうだけど、誰もこんなおっさんデブっちょレスラーの動向気にしてないよね?ソープオペラ的には、蝶野とのマッチメーカー争いで盛り上がっていくことになってるのか?
藤波西村組対天コジ。遂に西村にベルトが来たねぇ。それ自体は凄く嬉しい。嬉しいけどパートナー藤波って・・・何故今更藤波?無我繋がりなのも、西村が引きづり出したのも理解はしている。でも凍結したとは言え引退カウントダウン中だよ?それに天コジが負けちゃうってのが許せない。プロレスってのはヒエラルキーが大事なわけだから、こういう実力差が曖昧になるカード、結果はあんまりやっちゃ駄目だよ。なんと言っても藤波組では、長期政権にならないのありありで西村が可哀相だ。行って来いで天コジに戻るんでしょ?
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(10/8記)
まだ始まらないGHCタッグ王者決定トーナメント。ただし今週のカードはW猛対池田杉浦組、ノーフィアー(出ないけどね)対井上本田組と、トーナメントを意識したカードになっていた。
池田対本田組、散々お互いに組みたくないと言っていた二人だが、こういう仲間割れしそうなチームが、意外と良いところまで残りそうな気がする。特にこのトーナメントは、出場チームの力バランスが上手く取れていて(ノアのタッグチーム全体の傾向だが)、トップクラスのレスラーには必ずジュニアやインディー出身のレスラーが組まされているので、番狂わせの起きる可能性は高いと思う。そう言う意味では、へっぽこ同士の組み合わせだからかスーパーヘビー級同士で組んでいるのがW猛だ。この欄でも散々口が酸っぱくなるほど書いてきたのだが、相変わらず森嶋がいかん。この試合は相手が二人とも軽量級である為、そこそこノビノビやっていたが、相手が185センチクラスになるとメロメロになるのはどうにかしたいところだ。全日から続く「地位は人を育てる」理論で、スター街道を準備されている森嶋だが、やはりスターレスラーの下に付かせた方が良いような気がする。このままでは力皇までもが、森嶋に足を引っ張られてブレイクできない気すらする。このトーナメントで惨敗して、コンビ甲斐性というのが望ましい展開なのではないだろうか?
もう一試合のノーフィアー対井上本田組の試合は、実に安心して楽しめる試合だった。試合単体のレベルとしてはノアの中でこのカードが一番高いのではないだろうか?なんと言っても井上の受け上手が光る。井上の受けが上手い為に、大森、高山が安心して技を出せる。大森のツームストンパイルドライバーなんて、しっかりデンジャラスな角度で決まっていたが、あまりの井上の受けの旨さで観客の反応が鈍かったほどだし、フィニッシュのアックスボンバーの喰らい方も完璧と言えよう。しかも只喰らうだけでなく、自分の持ち味もしっかりと発揮してみせるのだから、本当に新日後藤と共に、数少ない職人レスラーだと言えよう。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/10記)
プロレス50周年記念興行。大巨人コンビハンディキャップマッチ、藤田対健介、ファンクス、夢のオールスター戦。 最初は色々と問題のあったテレ朝のゴールデンタイムプロレス中継だが、今回の中継では、まぁギリギリ納得できるかな?程度のレベルまでにはなってきた。プロレスファンとしては、もっと試合に時間割けよこの野郎!と言うところだが、最近プロレスを見ていなかった一般層に理解して貰うには、あれぐらい過去のVとか出すのは仕方の無いことだろう。またゲストも一般向けとプロレスファン向けの最大公約数的存在「坂口憲二」。これは実に巧い落としどころだと思う(笑)。後は乙葉だけ居なければ・・・K-1の藤原紀香、F-ニッポンの大林素子。頼むから喋らないでくれ・・・つーか水着のラウンガでも無い女が格闘技中継に出ても、それでチャンネル合わせる奴なんか絶対に居ない。唯一利用できる方法としては、格闘技嫌いの彼女に「ほら藤原紀香もあんなに夢中になってるんだよ」と言って、格闘技中継見さすぐらいのバカな利用価値しか無いだろう。
さて、この中継さすがの内容で書くこと一杯盛りだくさんなのだが、まずは遂にお目見え大巨人タッグである。シルバは前シリーズから参戦していてそこそこ動ける事が解っていたが、相棒のシンの方はどうなのか大変興味深かった。結論としては、これからの育て方次第だな。って感じだと思う。バスケットボールの選手だったシルバが、機敏に動け、飛んだり跳ねたり出来るのは当然である。何故今までこのルートで選手を発掘していなかったのか不思議なぐらいで、2メートルを超える大男達が飛んだり跳ねたりしながら体をぶつけあっているのである、こんなにプロレスラーに適した競技は無いモノだ。さらにバスケット選手と言えば当然試合中走り回っているのだから、下半身の強化にも抜かりがないし、それだけ動けると言うことは心肺機能にも問題は無いのだろう。過去の巨人選手は殆どこの下半身の問題と大きすぎる体を持て余す心肺機能の弱さがネックとなっていたのだから、この心配のないバスケット選手からの開拓、ドンドン進めて行くべきである。
話が脱線したが、逆にボディビル出身のシンには、今までの巨人レスラーと同じ不安がよぎる。ビルドアップされた体は一見何の問題も無いように感じられるが、あれはあくまでも見せる事を重視した筋肉で、何の役にも立たない。またあれだけの体を持っていても、敵から攻撃されると言う事は当然ボディビルには無いわけで、この試合でも若手の打撃系の攻撃には結構嫌な顔をしていたように思う。さらにだぶついたリングコスチュームは多分貧弱な下半身を隠すためのモノだと思う。例え下半身にも上半身のような筋肉がついていたとしても、それも当然走り込んでついたような筋肉では無いので、全く体を支える機能は果たしていないはずである。これらのことから考えて、基本的に今のシンは木偶の坊レスラーに過ぎない。相棒のシルバや、T2000に回りをガードされているうちに、しっかりとプロレスのノウハウを学ぶ事が、これからの成功への道標となるように思う。後は、本人がプロレスを好きになって、練習を嫌がらないと言う事だけだ。素材は良いのだから、過去の巨人レスラー達のような失敗は繰り返さないで欲しい。
まだまだ書くことは一杯あるけど、どうせレギュラー枠で、完全版(殆どダイジェストだったし)放送するだろうから、その時にでも・・・
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(10/14記)
遂に始まったGHCタッグ王者決定トーナメント。だけど来週はもう決勝だ。せっかくのトーナメントなんだからもう少しじっくりと放送しようよ。今週もいくら歴史的出来事だからと言って、秋山東京ドーム参戦密着取材なんてやってんじゃないよ・・・その分試合流せって。大体トーナメントだから、短期間に決まっちゃうのは理解できる。理解できるけど、やっぱりこのトーナメントは例えダイジェストになっても全試合放送して欲しい気分だ。
そんな中今週はノア中継にしては珍しく外人中心の(そう言う訳ではないのだが)カードとなっていた。特にモーガン、モデストの二人は初来日時にプロレス雑誌で話題になっていた逸材だけに大変興味深かった。ノア中継はとかく日本人中心の放送になってしまうので、外人勢の印象が薄い。ベイダーとスコーピオ。この二人しか満足にテレビに映らない。確かにモーガン、モデスト共に体格が小さく、ヘビー級戦線には物足りない格好だが、日本人では斉藤や池田にスポットが当たっているのである。実力的にはそれら二人を遙かに凌駕するモデストに、なんでもっとスポットを当てないのであろう?こういうプロレスがキチンと出来るレスラーがいまだにアメリカに居たという事だけでも驚きなのに・・・かってのバズ・ソイヤー、最近ではジョニー・スミス級の日本人に好かれる「プロ」レスラーだと思う。
ノーフィアー&大谷。ヘビー大谷をおいらはあまり認めていないんだけど、その印象は今もあまり変わらない。パワーがついたと本人は思っているのかも知れないが、どう見てもキレを失ったようにしか見えない。確かに打たれ強くはなっているかも知れない(なってねーか?この試合見ると(笑))、でもそれ以上に昔の躍動感から来るカミソリのような切れ味が無くなったのが惜しいと思う。そもそもヘビー転向後の最初の試合で「でかくなった」と思わすことが出来ずに「太った」こう思われた時点で失敗だと思うよ。あと、日本刀振り回すのもどうかなぁ?あれで切るわけにも行かないし、実際切れるわけも無いんだから、無意味なアピールでしょう?海外遠征時だけにしなさいよ。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/14記)
プロレス50周年記念ドーム興行。やっぱり再放送はしてくれたんだけど、これもダイジェストじゃん?こんなんじゃあんまり再放送の意味無いんだけど・・・
んで、カシン対成瀬。まぁ何というか成瀬も可哀相だよねぇ?プロレスってモノがいまいち解らないままにジュニアのチャンピオンに祭り上げられて。田中の時は新日側も初めて受け入れる異分子って感じで慎重だったけど、成瀬はその前例があったのと、新日ジュニアの変革期にはまったのとで、一気にスター扱い。でもその扱いは押しつけられた衣装、振りで歌う新人アイドルのようなモノ。事務所の命令は絶対で、自分の思っていること何てあんまり出来無い。今までの試合、そしてこの負け方を見てそんな情景が浮かんだよ。多分「プロレスは相手に技をしっかりと掛ける必要は無い、技が掛かっているように見えれば良いんだ」そんな風に教えられているのに、カシンにはマジで逆十字決められちゃうし、プロレス向きの必殺技としてクレイジーサイクロンをマスターしたんだろうけど、この試合では、序盤と言うこともあって後の展開考え、遠慮気味に胸板に炸裂。なのにカシンは秒殺で試合を決めに来た。本当にプロレスって難しいだろ?成瀬(笑)。
藤田対健介。なんか結局健介は健介って感じ?木村健悟が何やっても(ボクサーに転向しても)木村健悟なのと同じように。だってこの試合、健介がちょっと押してたように見えるけど、あきらかに藤田がプロレスモードで戦ってるじゃん?投げっぱなしバックドロップだってわざわざ首から落っこちてるし、グラウンドからのニーにしたって殆どリングに打ち付けて、健介には当たってない(それで膝痛めたんじゃないの?)。勝たせて貰えるのならある程度相手にも花を持たせるよ。そう言う試合?言い方が悪いのなら、風車の理論?健介の力を7.8に見せて、10の力で叩きつぶす。藤田なんかじゃなくて、ちゃんとプライドとかで戦って実力を見せて欲しいよ健介にはね。
メインイベント。これダイジェストでやっちゃ駄目でしょう?28分ノーカットで放送すべきだよ。何の為の再放送なんだか?大体この4人のメンツ。誰一人としてしょっぱい奴が入ってない。これで名勝負にならない訳がないんだよ。それぞれがもう自分の技、自分で考えた展開にしたくてしょうがない(笑)んで結果として試合時間が長くなる。でもそれぞれの技量が高いから決してだれない。まさにプロフェッショナルな試合だよ。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(10/23記)
遂に始まったと思ったGHCタッグ王者決定トーナメント。だけど今週はもう決勝だ。せっかくのトーナメントなんだからもう少しじっくりと放送しようよ。しかもたった30分間しか中継時間が無いのに、試合前のインタビュー、解説のインタビュー(笑)、全選手の入場シーンとノア中継始まって以来のこってりっぷり。そんな時間が有るのならダイジェストで良いから準決勝も流してくれと思うのが、プロレスファンなのだが・・・
さて、そんな試合だったが結局ベイダーの圧勝(ベイダー組の圧勝で無く)であった。実に妥当な、まっとうな結果だったと思う。しかも中途半端に斉藤がフォールを取られたわけでなく、秋山が圧殺されての決着。これほどいさぎの良い結果は無いだろう?ノアにとってベイダーと言うのは両刃の剣である。ベイダーが強すぎるために、ノアの日本人選手はいかにしてベイダーを倒すかが、レスラーとしての試金石となる。プロレスラーとしての技量を計るのに一番大事な「説得力」これをベイダーとの試合で出せてベイダーを倒せたモノこそが、真の王者と言えよう。三沢、小橋はベイダー相手にも説得力のある試合が出来る。ベイダーの腕を何故だか解らないがへし折って見せた三沢。体力的に負けていない小橋。この二人がベイダーと戦って、勝っても観客はおかしいとは思わないのだ。秋山はどうだろう?正直クエスチョンマークがつくと思う。体格的にもちょっと見劣りする。三沢ほどのインサイドワークも受けの旨さも無い。つまり秋山がベイダーとやって勝った場合、ベイダーが負けてあげたと見られる可能性があるのだ。
ノア第三の男の座をほぼ手中にした秋山は、今後この壁と戦って行かねばならない。それは観客が秋山が勝ってもおかしくないと思うだけの、説得力の有る試合と動機付けを求められているのだ。それをこれからのベイダーとの攻防で秋山は証明していくのだと思う。その為のこの試合での完敗なのだ。これで秋山にはベイダーを付け狙い、倒す動機付けが出来た。シングルトーナメントでは、ベイダーの反則負けという裏技で直接対決を回避した。これはまだ秋山側に対ベイダー戦勝利への説得力の準備が出来ていなかったからの苦肉の策だ。だが、今日以降は違う。シングルチャンピオンなのに、ベイダーに完膚無きまでに叩きのめされた。その事実が秋山が大きく一皮剥ける動機付けとして機能するのだ。そしてこのベイダーという壁を越えようと頑張る秋山の姿にファンは感動し、秋山に付いていこうと、秋山に感情移入できるようになる訳だ。
いつの日か(まぁ取り敢えずはタイトルマッチだろうけどね、本当はもっと時間掛けて欲しいんだけど、今のプロレス界では仕方ないでしょう。タッグとシングルで行って来いと)説得力のある戦いでベイダーを破って見せたとき、はれて秋山はノアのトップレスラーとなれるのである。今日の完敗。これはこれから第2部に突入する秋山物語のスタートでもあったと思う。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/23記)
IWGPタッグタイトルマッチ西村藤波組対武藤ライガー組。
いやー良かった。最近のダイジェスト中継の中では最高の試合でしょう?まあ結果なんてのは武藤がライガーなんかと組んで、どうでもいい臭(しゅう)が漂ってきた段階で見えてたんだけど、何より西村藤波の師弟コンビが実に良い味出ている。近年こんなに師弟愛が出ている関係って無かったので(古くは猪木藤波、馬場鶴田などがあったのに)なんかちょっと新鮮だよ。
また中継でも言ってたけど、このシリーズ前半に、ファンクスやバックランド達往年のレスラーと試合をしたせいで、藤波が実にリフレッシュされて良いコンディションになっている。不思議だよねぇ、つい半年ぐらいまではあまりのコンディションの悪さで不甲斐ない試合をしてしまうから、ファイナルカウントダウンは封印だとまで言ってた男が、今は完全によみがえっている。チャンピオンベルトを巻いていても全くおかしくないだけのオーラが漂っている。何より藤波の一挙手一投足がこんなに絵になって輝いていた事がここ数年あっただろうか?
背後からスリーパーに入ろうとしている時の、両手をパッと広げて待つポーズ!ドラゴンスリーパーを顔面キックで排除された時の、頭に手を当ててよよよとするリアクション!四の地固めに入った後どーだ?とばかりに体を傾けて左手を挙げるアピール!全てあの時代のあの藤波辰巳のものである。最近のファンにしてみれば、あんな老いぼれ藤波に武藤が負けるのは納得行かないだろう(いやまぁ武藤も結構老いぼれてきてるけど(笑))、だが今の藤波には明らかにロウソクの火が消える直前の、もっとも明るい輝きが確かに感じられる。長州が最後まで鈍い輝きしか放てなかったのに対して、ここに来ての藤波のこの輝き。最近のファンもしっかりと味わっておくべきだと思う。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(10/28記)
GHCジュニアタイトルマッチ金丸対高岩。
なぜだか解らないがノアのジュニア初代チャンピオンは金丸である。そして初防衛の相手は浅子であった。団体が華々しく掲げるベルトなのにも関わらず、ノア所属ジュニア選手の実力者、小川も佐野も全くベルトには関わらないという異常事態が続いている。浅子とのタイトルマッチにしても、二人の大化けを期待したが、それ程たいしたタイトルマッチにはならず、実力通りの試合となってしまっていた。つまり設立はしたモノの殆どベルトには価値が感じられないのである。ベルトを争うべき高いレベルの選手達が参加していないのだから当然である。
そんな中、元新日IWGPジュニアヘビー級チャンピオンの高岩がこのベルトにチャレンジすることとなった。ようやくGHCジュニアのベルトも日の当たるところに出てきたという感じだ。果たして試合内容はと言うと、これがやっぱり良かった。浅子対金丸の同レベル同士の戦いでは、あんまり盛り上がらなかったモノが、高岩という明らかにグレードの高いレスラーと対戦することにより、チャンピオン金丸の実力の全てが出来って、さらにそれ以上のモノを引き出していたと思う。体格や基礎体力の差は当然として、金丸にはプロレスラーとしての奥深さというモノが足りない。当然である。全日時代もせいぜい渕がお相手してくれる程度で、セミリタイアしていた百田や、三沢のパートナーとしてヘビーに専念した小川、療養中だった菊地など、実力者と殆どタイトルの掛かった試合をしていないのであるから。経験不足なのは誰の目で見ても明らかなのである。
結果高岩がベルトを奪った。当然だろう。これでまた金丸が防衛をしてしまっていたら、それはあまりにもベルトの価値を下げる愚行である。散々ハイレベルな新日ジュニアで来る日も来る日もバチバチ試合をしてきた高岩であるのだから、チャンピオンになるのは当然の成り行きである。確かに他団体にベルトは流出してしまった。してしまったが小川と佐野がベルトに興味を持たないのであるならば、この高岩が金丸や浅子の壁として存在するのは悪いことではないだろう。渕から小川、菊地には確かに受け継がれたモノがあった。だが小川、菊地からは浅子、金丸には殆ど何も伝承されていない。ここで全日ノアのジュニアには空白の時があるのだ(丸藤と言う突然変異は別として)。その空白を埋めて、金丸浅子たち次の世代を育てるのは、高岩との抗争であろう。そう言う意味ではこのベルトの移動。実に意義深いことであったと思う(行って来いじゃねーだろうな?)。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/29記)
なんとまぁ今週も細切れな中継で、プロレスの面白さなんか殆ど伝わってこない中継だった。テレ朝がプロレスという素材に魅力を感じてくれているのは良いのだけども、フィニッシュとマイクアピールで成り立っているようなこのスタイルはどうにかして欲しい。多分にアメリカンプロレスの影響を受けているのは明らかだが、日本には日本のスタイルが有るのだから、ここまでアメリカのフォーマットに引きずられる必要はないと思う。新日の中でもソープオペラをやる連中とストロングスタイルをやる連中と別れているわけだから、せめてストロングスタイルの試合はきっちりと中継しようよ。蝶野絡みの試合はフィニッシュとマイクで充分かも知れないが、みんながみんなそのフォーマットというのは、工夫足りなさすぎだろ?
そんな細切れ中継の試合の中で、じっくりと見たかった試合は、西村対永田の試合だ。画面のはしには「これぞ無我!」とか出てて相当期待して見ていたのに、写ったのは中西がアイアンクローに入って、胴締めスリーパートの掛け合いになったフィニッシュのみ。これのどこで「無我」を解ろうというのだ?無我の試合こそ、最初から最後までじっくりとやらないとそのプロレスとしての奥深さが解らないだろう?この辺りにもプロレスというソフトには魅力を感じていても、プロレスには興味の無い、あるいはプロレスというモノを良く解っていない制作サイドがちらついて見える。
同じように「ド迫力長州」も何がド迫力だったのか全く解らなかった。「ド迫力長州」と字幕を出して試合をちょろっと流すことによって、長州はド迫力であったと言う事をバカ視聴者に刷り込んでいるだけである。まぁ見ている視聴者がバカなので、こういう手法がまかり通るんだと思うが、本当にもっとみな自分の目で見て考えて判断しないとダメだ。こういうテレビ局の安直な放送で「あぁ長州は何かに怒っていてド迫力なんだ、これからどうなるんだろ?」なんて思っていてはダメなんだよ。「ド迫力」って、ただのデカイおばちゃんがラリアット放ち損なったシーンしか画面には映ってないぞ?最後のじーっとリングを見ている顔だって、あれだけ映っただけじゃ、今日の晩ご飯何にしましょうか?って考えている絵にも見える。あくまでも「ド迫力長州」と字幕が出ていたから、そう見えるだけだ!字幕で誤魔化さないで、ド迫力だったらちゃんとド迫力だった試合内容をしっかり見せるべきだろ?
んで、一番長く放送されていたのが、それこそフィニッシュとマイクだけがあれば成立する蝶野絡みの試合。しかもやりゃあちゃんと試合が出来る天コジ後藤たちも、蝶野ソープオペラモードにつき合っているから、まるでやる気無し。いくらジャイアント達がでかいからって、今時リング上で大の字に伸びるかね?まったくもっておかしくてしょうがない。まあシンのあのていたらくを見れば、この演劇モードもしばらくは仕方ないかなとも思うけどね。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(11/3記)
GHCタッグ王者決定トーナメントより大森大谷組対三沢小川組。いやぁなんだか新鮮だよねぇ。一つの試合ノーカットで見れたのなんていつ以来だろ?特に最近新日がダイジェスト中継ばかりやっているので、有り難みが倍増するよ。やっぱり日テレ的にも元新日大谷と三沢の遭遇だけに、気合い入れて放送してくれたんだろうけど、本当その気合いに負けない良い試合だった。
まずやっぱり大谷は実にプロレスラーだよ。この欄で何度も書いてきたけど、プロとして試合が出来るレスラー。それがプロレスラーな訳だよ。客を乗せて、客をうならせれる。本当に良い仕事が出来る。個人的にはリアクションがでかすぎるのはちょっと嫌いなんだけど、あれも味だと思えば、我慢できなくもない。また実際会場に居れば、あれぐらいオーバーリアクションな方が、盛り上がれるのも事実ではある。こんなに良いプロレスラーなのに身長が無いのが実に残念だ。今は無理にヘビー級になってるけど、ヘビーではメジャーのシングルベルトは絶対に取れないし、やっぱり取らせちゃいけないだろう。でもこれほど才能が有るのだからやはりチャンピオンではあって欲しい。となるとやっぱりジュニアに戻って、偉大なるチャンピオンであって欲しいんだよ。キレだって絶対にジュニアの時の方が良かった。目方が増えて技が重くなったのかも知れないけど、対戦相手のヘビー級はもっと技が重いわけだ。このままヘビーの中堅選手として終わるのはもったいないと思うのだが・・・
さてその大谷と嫌々組んでいた大森だが、やっぱりこの男もプロレスラーである。何より大森の技は金を払って見に行く甲斐がある。決め技アックスボンバーは当然、トラースキック、ネックブリーカー、ニードロップ。その技全て全てがパシーンと決まるのが実に見事だ。特に絶品なのがドロップキックであろう。どんな地方大会でも大森のドロップキックが見れればその興行は安いモノだと思う。高さ、打点、角度、滞空時間、音、今時こんなに美しいドロップキックを放てるレスラーが他にいるだろうか?とにかく大森の技というのは、当たり損ない、掛け損ないが少ない。これは相当その技を練習し、自分のモノとしていないなかなか出来る事じゃない。大森もまたホンモノのプロレスラーなのである。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/7記)
うん。今週はまぁ割合じっくり試合内容が見れた気がする。最低限これぐらいの試合数であるべきだと思うぞ。
1.4の巴戦出場者を決めるトーナメント。安田、中西、永田、健介が出場したわけだけど、結局健介が優勝した。実に新日らしい結果だったと思う。なぜなら今一番旬なのが健介だからである。G1を制覇した永田でなく、人生一からやり直し肉体改造安田でもなく、有り余るパワーで新日のトップに登りつめたはずの中西でもない。半年行方知らずになっていて、バーリトゥードと言う新しい服を着て帰ってきた丸坊主健介が、新鮮でファンの注目を浴びているからの起用な訳だ。またうがった味方をすれば、新日的には健介が巴戦で負けてもダメージの少ないレスラーだと言うことも言えると思う。中西と永田は将来の新日のエース候補である、安田は新日の看板を背負うにはおかしな存在だ。だとなると、頭も殆ど回らない上にかってトップだった期間もまるで人気が無く、背丈も全然足りない健介は実に使い捨てしやすいコマなのである。健介の先の心配をしてやる必要は新日には全くない。エースになる可能性は現在では限りなくOに近い、元々出所もジャパンである。いざとなったら全日やゼロワンに回してしまえば良いわけだから。そんなこんなでの1.4巴戦出場だ。↑こんな事情を勝手に想像してしまった為ではないが、一番ワクワクしない人選だと思う。健介のプロレスラー人生と同じで、この先広がっていかないのだ、展開が・・・小川と健介が絡んでいくなんて想像できないし、純粋に健介が小川に勝てるとも思わない。万が一勝ったとしてもその勝ちには全く説得力が感じられない。トーナメント勝者健介。なんとプロレスファン的に夢のない人選なんだろう?
健介以上にどうしようもないのが安田だ。そもそもこのトーナメントに何故入っているのかも理解できない(本来西村だろう?)。確かに体は(特に足)ドンドンしまってきている、動きも悪くない。でもさぁ「安田」としてのポジションは何ら変わっていないんだよねぇ?相変わらず善戦マンなまま。藤田が新日に居た時と猪木の下に行ってからで全然ポジションが変わっちゃったのに対して、安田のポジションのこの変わらなさはどうなんだろう?やはり安田本人の気持ちの問題なんだろうか?それとも「藤田に続いて安田にまで良いポジションは開けてないよ」と言う新日の姿勢なんだろうか?ファンはもっと化け物みたいになった安田が見たかったはずなのである。それにしては今の安田。正直物足りないと言わざるを得ない。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(11/12記)
GHCタッグ王者決定トーナメントよりモーガンモデスト組対秋山斉藤組、井上本田組対ベイダースコーピオ組。
今週もじっくり試合を見ることが出来たが、30分しか時間が無い中で、こんなにキチンと試合が見れるなんて奇跡的である。プロレス中継の難しいところに、速報性を生かすべきか、内容を重視すべきかと言うことが有ると思うが、なにせ放送は週一なのに対して、興行は毎日ある時もあるわけで対応が難しいと思う。ただ、今のようなネット時代で情報がガンガン飛び込んできてしまう状況を考えると、今回の日テレみたいな放送形式が理想なのかなと思わずにいられない。ファンとしてはトーナメント一回戦から順を追って放送して欲しいが、それをするとネットやスポーツ新聞はともかく、週プロにも抜かれてしまうのは目に見えているので、大事な決勝だけをリアルタイム(速報)で中継して、後は内容の濃かった試合を選び出して放送するのが、もっとも楽しめる方法なのだろう。
そんなわけで先週に引き続き、今週も内容の濃かった試合が放送された。決勝まで進んだ秋山組絡みの試合として、実力派タッグモデストモーガン組をじっくりと見せ、これまた決勝まで進んだベイダー組の試合では、井上の受けの旨さを堪能させてくれた。モデストモーガンは、ジョニースミスなどと同じく、実に巧いプロレスラーである。技のテンポがよいのと、観客を引きつける間というモノが解っているのが良い点なのだが、この試合ではジョニースミスと同じような弱点も晒してしまっていた。それは相手が大きすぎると自分達の技がきれいに決まらないと言う点だ。特に相手が斉藤のような、プロレスの下手なレスラーだとその傾向は大きくなるだろう。この試合でも何度か斉藤の重さと勘の悪さで、技がきれいに決まらずせっかくの持ち味が封じられてしまっていた。ノアではヘビーとジュニアはあまり区別しないようだが、レスラーそれぞれの持ち味を考えると、ジュニアはジュニアだけで試合を展開した方が良い場合も有るだろう。
反対にプロレスの旨いのが井上である。井上はおよそ相手がどんなレスラーだろうと、相手が技を掛けるのに失敗しようと、何とかそれなりの試合や技に見せてしまう。この試合でもベイダーが、スープレックスに行くタイミングを微妙に外しかけたが、井上が旨く受け身を取ってリアクションを取ることによって、なんらおかしな流れに見せなかった。こう言うことは、じっくりと試合を見ていないと気づかないことだが、プロレス団体にとってこういうレスラーが居るという事は取っても大事なことなのである。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/14記)
三冠ヘビー級選手権試合、武藤対蝶野。木戸修引退試合。先週に引き続き今週もまぁまぁ試合を見ることが出来た。実際は三冠も村上の試合もかなり端折ってあったんだけど、印象に残るシーンがそれぞれ試合終盤にあったため、ダイジェスト的印象が薄れたのであろう。
それもこれも今週は木戸修引退試合のために端折って、時間を作った訳である。世間的にはただの中堅レスラーの引退だが、その割に取り上げ方が大きいのは、テレ朝がモノが解っているのか、木戸の人柄かどちらなのだろう?とにかく、我々の世代としては第一次UWFの印象が強い。前高山の若手に対して、木戸と藤原のベテランはUWFの基礎を作っていく上でもより重要な役割を果たしていたわけで、仕事人としての印象はとにかく誰よりも強かった。また新日Uターン後の第二次UWFに参加しなかった辺りも、木戸の性格を表すと同時に、前田とキック主体の別のUWFになると嗅ぎ取った、独特の嗅覚が有ったのでは無いだろうか?
そんな木戸の引退試合は、藤波長州木村と言う、あの時代のトップレスラー達とのタッグマッチだった。木戸は木戸らしく、いつものように髪型も乱れず淡々と試合をこなしていたのだが、一瞬戸惑ったのが、あまりにものキレの鈍さに思わずガードしてしまった、木村健悟の必殺稲妻レッグラリアットのシーンだったのは笑いを誘った。その木村、腹が出ていないのはさすがだが、腕足の筋肉の落ち方を見ると彼のカウントダウンも着々と近づいているの感じさせた(まぁ解説好きだから良いけどね)。
三冠ヘビー級選手権試合は、限られた放送時間では有ったが良い試合だった。何故武藤と蝶野の渾身の力を込めた名試合が、新日のマットでなく全日のマットで繰り広げられているのかは本当に不思議な事態なのだが、カードだけで喜んでいるバカ新日ファンより、モノの味方が解っている全日ファンに見せた方が良いと、本人達が考えているのだとしたら結構痛快である。最後は結局シャイニングウィザードとシャイニングヤクザキックの撃ち合いとなったわけだが、果たしてシャイニングヤクザキックに意味は有るのだろうか?相手の立て膝を踏み台にしてヤクザキックを相手の顔面に入れるのは、実はとてつもなく難しく面倒な技なのではないだろうか?(笑)素直にすこーんとヤクザキックを入れた方が、破壊力も上だと思うのだが?蝶野はわずか1パーセントの差でケリがついたと言うが、シャイニングヤクザキックと言う謎の技さえ使わなければ、もっと楽な展開に持ち込めたであろう(でもシャイニングヤクザキックと言う名前だけで、プロレスは成立する訳なんだけどね)。それにしても真鍋のワザと吃る実況はどうにかならないか?聞き苦しい上に失礼だとも思うのだが・・・
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(11/18記)
GHCタッグ王者決定トーナメント準決勝、三沢小川組対秋山斉藤組。
試合前のインタビューで秋山が「強く勝ちたい」と言ったことに対して、三沢が「じゃあそれ以上に強く勝つ」と言った。本当にそんな内容の試合だった。三沢の試合というのは元来「受け」の試合で相手の技を受けて受けて引き出してから、自分の味を出して勝つ。こういうパターンが多い。だがこの試合の三沢は、序盤で秋山を失神させたのを見るまでもなく、「より強く勝つ」と言う事に拘り、試合開始からガンガン行ってみせる「きれた(切れたともちょっと違う、しいて言えば斬れたか?)」三沢だったと思う。
その決意は秋山に一発目に放ったエルボーの重さで、表現されていた。三沢はさすがトップレスラーらしく、エルボーの重さや角度を微妙に調整できるプロフェッショナルレスラーである。本当のトップレスラーの必殺技というのは、こういう加減が微妙に付けられるわけで、ジャンボのバックドロップや天龍のパワーボムなどもその相手によって放たれる威力が違ったモノである。対して平均点レベルのレスラーだと、この試合の斉藤のラリアットのように、全く調整できないばかりか、当てる場所も決められない有様だったりするのだ。話がそれたが、その調整できるエルボーをいきなり強く重く放った辺りに、三沢の秋山発言に対する思いや、秋山の実力に対する評価が込められていたように思う。
試合は結果として、試合前のもう一つのインタビュー通り、斉藤が「秋山を助けて」勝つ事となる。だが秋山失神復活後も、三沢が怒濤の連発攻撃を流れるように決めたのを見ても解るように、この試合は終始三沢が「より強く勝つ」為に試合をリードしていた。ただ負けるにしても負けるなりにエースの、トップの貫禄は示してみせる。三沢というのはやはり、さすがのプロレスラーだなと思わされた試合だった。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(11/24記)
GHCタッグタイトルマッチ前哨戦、三沢組対秋山ベイダー組。GHCジュニアタイトルマッチ前哨戦、菊池組対高岩組。
いやーなんだか今シリーズのベイダー先生引き締まってない?ノアに移ってからの先生って、なんだかぶよぶよして見えたんだけど、今シリーズは引き締まっていて体調も良さそうだ。これは結構三沢も手強いと思うぞ。手強いというのも純粋に勝ち負けの話だけでなく、勝つにしても完調のベイダーをどう説得力を持たして敗るかが問題だと思う。なんかベイダー先生が負けてあげました的試合だと、ちょっとがっかりだしね。そうなるとますますノーフィアーの言う社長特権がクローズアップされるだろうし。まぁスコーピオが三沢にフォールされちゃえば、それで終わりなんだけどね。
菊池!遂に復活だね。小川も佐野もジュニアに興味が無いんじゃ、やっぱり菊池の出番だよ。でも菊池でけー。絶対にジュニアじゃねーだろ?今の体重。高岩が今年の週プロの名鑑で103キロで(おい、お前もジュニアじゃねーじゃねーか)、菊池が97キロだった。菊池が実際ジュニアの第一線から退いていたことを考えると、こんな体重におさまっているはずがない。元々結構日本人選手としては、体が厚い方だったけど、今は本当にデカイ。ライガー辺りと並んで見ないと解らないけど、やっぱりヘビー相手に体を作ったレスラーは違う(小川はガリガリだけど)。高岩なんてジュニアとしてはパワーファイターだし、結構デカイと思ってたんだけど、その高岩が小さく見えるもんなぁ・・・果たしてその菊池が自分の時代を作れるかが楽しみだ。小川は確実に自分のレスラーとしてのポジションを固めれている。だけど菊池はジュニア新世代として一度は頂点を極めたモノの、その後体調不良もあって、自分の時代を築くまでには至っていない。高岩という、今まで全く絡んだことの無いようなレスラーと絡むことによって、菊池の凄さなり、味が存分に出れば良い。そう思う。そしてベルトを取った暁には、ジュニア若手の壁となって見せて、菊池の時代を是非築いて欲しいと思う。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/28記)
ジュニアタッグリーグ戦。先週見逃したのでちょっと展開が見えてないんだけど・・・
カシン、ブラックタイガー組。いつもの通り、いつものカシンな訳だけど、相手の邪外にしてみればたまったモノではないだろう。普段はヒールとして暴れ回っているのに、あんな良いようにやられてはメンツ丸つぶれである。外から来てデカイ顔しているから、カシンのハートに火をつけたって感じか?ブラックタイガーの正体は体型、技を見ても丸解りなわけで、カシンがちゃんとやる気になったら、ベルトも簡単に手に入るのではないだろうか?とにかくカシンである。どうなるかは誰も(おそらくはカシン本人も)解らないのである。「お前が決めろ」インタビュアーに、難しい質問された時のカシンの常套句。マイブームである。
この試合では、レフリーもまた、カシンに良いようにあしらわれていた。カシンだからこそ、であれば良いのだが、これからも積極的に試合内容に利用されるようであるとしたら、ちょっと嫌な感じである。元々新日にはタイガー服部裁きという言葉があるくらい、試合結果はレフリーによって左右されやすい団体なのであるが、レフリーが余計な「意志」を持って反則負け等を宣告するのはやめて欲しい。そりゃ大昔はジョー樋口の気絶など、名人芸のようなモノがあったが、結果として反則負けはファンの興味を削ぐ。両者リングアウトが無くなって来たのとほぼ同時期に、レフリーへの暴行から来る反則負けも無くなっていた。これらは共に、結果がプロレスをやって得た結果でなく、選手両者のプライドの落とし所としての結果だった為、ファンに支持されなかったのである。例え演劇プロレスであっても、ファンはその時、その瞬間に、どっちが強いか知りたいのである。その興味をうやむやにする、両リン、反則負けの復活、辿ればレフリーの過剰な「意志」は面白いプロレスには必要のないモノだと思う。アメリカンプロレス化が進むと、レスラーだけでなく、様々なモノにキャラクターがついてくる。インディーではそれも良いだろうが、日本一のメジャー団体に、変な個性のレフリーは必要ない。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/4記)
ジュニアタッグ決勝戦はほぼ順当なカードとなった。新日登場以降飛ぶ鳥を落とす勢いで、この二人の為にジュニアにタッグベルトが有るんじゃないかという、邪道外道。方や見飽きるほど長いパートナー歴のライガー、サムライ組。結果としては普段はパッとしないのに、忘れた頃に存在感を示すサムライの頑張りでライガー組の優勝となる訳だが、試合後のインタビューを見ても解るように、ライガーとサムライの関係というのは、本当に不思議な関係だ。ライガーほどの実力があれば、およそどんな選手と組んでもそれなりの成績を残すだろう?だがライガーが一番目を掛けていると言うか、好んでいるのはサムライである。
何故サムライなのだろう?ライガーとサムライの関係を見てると、どうしても虐められっ子と学級委員長と言う感じがする。ライガー側にはあまりサムライを選ぶメリットみたいなモノが感じられないのだ。確かにサムライの体の柔軟さから来る打たれ強さ等は素晴らしいモノだと思う。でもそれぐらいしか取り柄って浮かばないのである。シングルのサムライの試合内容が対戦相手に左右されることでも解るように、サムライというレスラーは基本的にしょっぱい奴だと思う。それをライガーが組んであげることによって、サムライの良さを必死になって引っぱり出してあげているように見えるのだ。
唯一ライガーのメリットとしてあげられるのは、サムライは絶対にライガー以上には輝かないと言う事だ。金本やカシン、最近では田中なんかと組むと、自分以上に輝いてしまう可能性がある。サムライは違う、どんなにサムライが輝いてもその輝きはにぶい輝きで、ライガーのようなスーパースターの輝きには及ばない。またサムライという男は本当にその辺の分はわきまえている男である。だからライガーはサムライを使うのだろうか?本当にライガーサムライ組。長いだけに不思議なタッグチームだと思う。
そんなライガーは引き続き、ヘビーのタッグリーグ戦にも参加。パートナーは西村なんだけど、西村可哀相だよ・・・もう少しスポット当ててやっても良いと思うんなだけどなぁ?
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(12/10記)
GHCタッグタイトルマッチ、ベイダースコーピオ組対三沢小川組。
まぁ結果としてはノーフィアーが言うとおり(笑)社長特権で三沢組が王者となった。もっともノーフィアーはこうでないとベルトに挑戦できない訳で、今回ばかりは社長特権様々なんだけど・・・試合内容自体はまあまあ良かったと思う。タイトルマッチらしいえぐい技も出ていたし、ベイダー先生も三沢に対しては遠慮無く攻めることが出来て楽しそうだった。三沢も思う存分受け身自慢を出来て、やっぱりノアの黄金カードはこの二人だなぁとうなずかされた。されたんだけど、されただけに不満が残る点も有る。
前から何度も言っているけど、とにかく両者ともパートナーが悪い。明らかに三沢、ベイダーより格が落ちる「負け役」な二人。まだベイダーのでかさに対してスコーピオの身軽さは良いコンビと言えなくも無いが、三沢に対しての小川は負け役以外に何の意味があるのだろう?確かに小川はインサイドワークに長けるし、旨いと唸らされる動きもしてみせる。でも所詮そこまでだ。三沢にとって小川はマイナスにこそならないが、プラスになって1+1が2以上の3や4になる存在ではけっして無い。タッグチームとしてこれでは面白みも夢もない。三沢小橋組や小橋秋山組。お互いがお互いをフォローすることによって普段以上の力を発揮していた。そう言うチームこそがタッグチームであろう?三沢小川組では、小川が戦っている間に三沢が休める。その程度のメリットしかない。
この格落ちタッグチームは何より観客の興味を削ぐ。以前日本のプロレス界は、両者リングアウトと反則負けと言う悪しき妥協点が横行していた。メインイベンター同士が戦った場合に、両者が負けるのを嫌ったからだ。だが時代は変わって今のプロレスはとにかく白黒だけははっきりと付くようになった。プロレスがつまらなくなってきている中で、これだけは誉められる点だとすら思っている。だがこの格落ちタッグチームは、悪しき曖昧裁定の延長線上にないだろうか?小川かスコーピオで勝負は決まる。これは面白くない。三沢とベイダー、どっちが強いんだ?それが明確にならないのだから。
ノアの大元全日時代はこんな事は無かった。有力タッグチームに格落ちタッグが居なかったからである。ファンは存分に、三沢、小橋、川田、田上の誰が強いのかに集中することが出来た。だが今のノアは全然駄目である。三沢小川組、秋山斉藤組、ベイダースコーピオ組。負け役の居るチームばかりである。唯一バランスの取れている強豪チームがノーフィアーと言うわけだ。こうなってくるとノーフィアーの言い分も正しく聞こえてくるだろう?純粋に考えてノーフィアー以上のタッグチームはノアには存在しない。第一負け役の居るタッグチームなんて卑怯ですら有る。是非是非ノーフィアーにはタッグ王者になって貰って長期政権を築いてほしい。そうすれば、他の選手達もより強いモノ同士組まざるを得なくなるのだから
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/11記)
ジュニアタッグタイトルマッチ、邪道外道組対カシン、ブラックタイガー組。
ジュニアのタイトルマッチはまたもや邪道外道の防衛となった。外様のレスラーとしては意外なほど長期政権となりつつあるが、T-2000と言う後ろ盾が有るのが強いのであろう。ただ金本が野上と組んで継続的にチームとしてやっていくとなると(魅力薄のコンビだが)、安穏ともしていられないのではないだろうか?とにかく後ろ盾のおかげとは言え、実力通りのレスラーがベルトを巻き続けている事態には悪い気はしない。
さてそんなベルトの行方だけでなく、この試合には注目すべき点がもう一つあった。正月にカシンのジュニアシングルのベルトに挑戦する高田道場の松井が観戦しに来ていたのである。結果カシンは自ら招待し、オレを見て勉強しろと言っていた相手の目の前で、モノの見事に惨敗して見せたわけだ(して見せたのである)。いやーなんか松井も可哀相だねぇ・・・そんなにやっぱりプロレスラーって魅力的なんだろうか?すっかり新日ジュニアコテコテ劇場に組み込まれてるよ。
ここの所新日ジュニアは総合格闘技系、プロレスとはちと違う所で飯喰っていた選手を旨い具合に組み込んで、ホンモノ臭さを出そうとしている。そりゃ体こそ小さいが、松井や少し前に組み込まれた(笑)成瀬などは、みなホンモノだと思っていた。その選手達と新日勢が良い試合をすれば、必然的に新日勢のレベルも高いことが証明できるわけだ。バカにした話である。例え総合格闘技系でバチバチ真剣勝負?をやってきた連中でも、新日のマットに上がれば自動的にプロレスラーになり、プロレスをやらされるわけである。現に成瀬は最初だけ派手目な登場だったが、技にしてもプロレス向きな寸止め技だし、およそリングス時代の切れ味なんて出させて貰っていない(それどころかプロレスに少し戸惑ってもいるし)。松井も初っぱなからプロレス的ストーリー展開につき合わされ、早くも役者としていっぱいいっぱいなのがインタビュー画面やマイクアピールの端々から伺えていた。
なぜ自分が歩んできた格闘ロードを駄目にしてまで、新日に上がりたいのか?プロレスラーになりたいのか?それが良く解らない。いや、総合格闘技最高、プロレス八百長なんて意味で言っているわけではない(そんな事はここを読んでいる人は重々承知だろうが)。だって強くなりたい、真剣勝負に憧れたからこそ、プロレスとは違う世界に進んでいたわけだろう?なのになぜ、ただ強いことだけを競うのとは違う、別の意味での「総合」格闘技プロレスに入ってくるのだろう?そんなに日本一のメジャー団体は良いのか?ギャラか?それとも真剣勝負だと信じていた、リングスや高田道場(ちょっと意味合い違うけど)もプロレスだったのか?
とにかくあえて自分の招待した選手の前で惨敗してしまうカシンワールド、いやプロレスワールド。このギミック?に果たしてついていけるのか松井大二郎?それが心配である。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(12/15記)
GHCタッグタイトルマッチ、ノーフィアー対三沢小川組。一言で言ってすごい試合だった。すごい試合だったんだけど名勝負かというと否である。プロレスとして試合内容を見ても、レベルの低い試合であったと思う。でもすごい試合。そんな試合なのだ。
全日〜ノアの流れを考えると信じられない、観客の事なんかまったく考えていない試合が展開されて行った。「プロ」レスラーたるモノ普通はもう少し観客の反応なんかを考えながら試合をやるはずである。それが出来ないレスラーは「しょっぱい」レスラーと言われるわけである。だがこの日この試合の4人はそんな事を(いや3人か?)考えてもいなかった。ただ出せる技を出せるときに思い切り出し尽くすノーフィアーと、それをただ黙々と受け続ける三沢。その繰り返しがずーっと試合時間いっぱいに展開されていただけな試合だったと思う。
だがノーフィアーの繰り出す技は、どれも当たりがえぐく「あー本気でやればこんなに厳しい攻めに出来るのか」と思わす驚きの技の連続だった。それなのに三沢はそのどの技も受けきって見せて、見事なまでに受けの三沢の不気味さを醸し出すことに成功していた。だから低レベルな試合なのに、観客は魅入られてしまったのだ。一つ一つの技の凄みだけで試合を成立させる何という試合だろうか?三沢のパートナーがもう一人三沢であったのなら、試合は永遠に続くのでは無いか?そんな怖さすら感じさせる試合でもあった。だが現実には前々から指摘している通り、三沢のパートナーは格落ちジュニア規格の小川である。他の3人が持ち味、プロレスラーの凄みを存分に出した中、ただのやられ役でしかない小川に出来ることは、怪我せずフォールされて試合を終わらすことだけである。やっぱり三沢のパートナーが小川では駄目だ。これが秋山だったら、いやせめて力皇だったら・・・はっきりとこの試合は名勝負になっていたであろう。
パートナーが小川であった為に、三沢は相手の技を受けることで精一杯となって、たいした反撃が出来なかった。小川の攻撃がノーフィアーにダメージを与えるわけもない。所詮小川のかく乱なんて小細工である。万全のノーフィアーの前では何の意味もなさなかった。これではノーフィアーの一方的な試合になるのは当然なのだ。でもデカイ奴がデカイなりに強いというのは見ていて気持ちが良い。今では失われつつあるプロレス本来の面白さをノーフィアーは持ち続けていると思う。
幸い小橋も来年には復活してくる。是非ノアはもう一度タッグチームの編成のし直しをすべきである。トップレスラーには若手であってもヘビー級を組ますべきである。ワイルド2なんて間抜けなチームは解散して、それぞれが三沢なり小橋なり秋山なりと組んで、勉強して大きくなるべきなのだ。ヘビー級のベルトはやはりスーパーヘビー級が持ってこそ価値が出るわけで、普通ならアジアタッグレベルの180センチ105キロクラスのレスラーが手を出してはいけないのだ。小川、佐野、斉藤あたりはその辺をもう少し考えてわきまえて欲しい。自分の役割を考えて黙々と仕事をする井上本田を見習うべきである。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/19記)
G1タッグリーグ戦、ジャイアント・シン対吉江。
G1タッグリーグ戦の数試合から、まず棚橋健三組対健介デバイン組。なんかテレ朝の煽り文字通り、結構良い試合になってたのが笑える。健三は小さいヘビー級3人の中に入ると、頭一つ飛び抜けてテレビ映えするのが実に良い。なんと言ってもこのサイズでガンガン動けるのが魅力な訳だけど、フランケンシュタイナーまでやる必要は無いんじゃないかな?出来るにしても出さないのがキャラとして正解だと思う。棚橋は棚橋で小さいのに、無理矢理ヘビー級になった感が薄くて、この二人なかなか良いコンビだと思う(マイクはまだまだだけど(笑))。特に棚橋には何となくジミースヌーカの臭いが感じられるので、筋肉の鎧で空を飛ぶ、和製スーパーフライになって欲しい気がする。ただしドロップキックがどれも浅くて、相手の胸板にチョンな感じなのがちと惜しい(藤波的とも言えなくもないが)。とにかくこの二人を見ていると、坊主にしようが何しようが健介は健介で、もう伸びる代が無いと言うのが可哀相にすら思えてくる。若いというのは良いことだ。
全日外人組対新日外人組。おい!30分フルタイムドローの試合、最後の5分だけ中継してどうしようと言うのだ?あまりにも酷すぎるだろう???それまでの濃い25分が見れなかったことにも不満があるが、それ以上に残り5分から映されてはドローになるの丸解りな事の方が頭に来る。何なんだこの中継。西村ライガー組対シルバ蝶野組。蝶野取られるかねぇ?なんか新日内でのポジションが微妙に変わってきたか?いよいよ蝶野も完全に全日要員になるのだろうか?取り敢えず試合後のインタビュー、勝ったのが嬉しかったんだろうけどライガー気持ち悪い・・・あれじゃ西村が可哀相だよ。
ジャイアント・シン対吉江。いやー吉江!この試合はとにかく吉江でしょう!!吉江がついに自分の正しいポジションを見つけ、正しい試合をした記念すべき試合。吉江にはこういうアニマル浜口的ポジションがぴったりなわけだよ。変にトップとかを狙っちゃいけないんだよ。この中堅所、大物外人やられポジションを10年ぐらいこなしていくと、「プロ」レスラーとしての実力もしっかりと身に付き、ある日突然「いぶし銀」とか「隠れた実力者」とかのスポットが当たるわけだよ。若いうちから良い目を見たいだろうけど、プロレス界ってのはそう言う生き方もあるんだよ。自分の顔、体型考えて、着実な道を歩みなさいよ(笑)。んで相手のシンだけどやっぱりこっちは消えていきそうかなぁ??取り敢えずパワーボムは出来るようになってたけど、本当に全然動けないモノな。あのベールに包まれた下半身はどうなってるんだろ?シルバが日本に来て、実にノビノビ(向こうでは虐められたんだって?)やってるのに対して、あまりにもオドオドしすぎだよねぇ。もう少しプロレスのいろはを教わってからデビューさせれば良かったのに。世界1.2のレベルのマットにいきなり上げちゃう方が可哀相な気がする。
プロレスリングノア中継 日本テレビ系金曜深夜(12/25記)
GHCシングルタイトルマッチ、ベイダー対秋山。GHCジュニアタイトルマッチ、丸藤対高岩。
ノア最強外人のベイダー絡みの試合は、とにかく説得力の有る試合が出来るか?これに掛かっている。いやもちろんベイダー先生が勝つ場合は、多少自分で飛んで貰ったりしても、それはそれで良いんだけど、この試合のようにタイトルマッチでなおかつ、ベイダー先生が負ける試合となってくると非常に難しい。さらにチャンピオン秋山は今までベイダーに勝った事が無いというのだから、より一層その勝つまでのプロセスというモノが大事になってくる。結果としては序盤から攻め続けた腕に対しての、腕ひしぎ逆十字によってギブアップ勝ちを奪うことが出来た。フォール勝ちでなく、ギブアップ勝ちであったという点で、ギリギリ及第点の試合だったと言えるだろうか?
ベイダーからスリーカウントを奪うなんて事は、ベイダーが失神するか、相当やる気を失わない限り不可能なことである。そう言う意味で、ギブアップ勝ちはタイトルマッチという説得力の必要な試合では良い選択だったと思う。さらに秋山は腕を絞り上げる過程で、ベイダーの親指を上に向けて絞り上げて見せた。これはいまや小学生でも知っている、正しく腕を決める際の逆十字の入り方である。テレビ的にもその腕をグンと抜いて見せて、ベイダーの腕が決まったところで、ベイダーのタップとほぼ完璧だった。
ただし、秋山本人が言っていた通り、まだベイダーには勝っていないと思う。この試合のベイダー先生はそんなにラッシュを掛けてこなかった、確かに多少のえぐい技は有ったモノの、受け止めて受け止められないレベルのモノではなかった。対三沢戦、対小橋戦で見せるベイダー先生とはちょっと引いた、言うなれば手加減バージョンのベイダー先生だったわけだ。取り敢えず新年一発目の東京ドームの事や(この時点では決まってなかったにしろ)、復帰してくる小橋のことを考えると、今秋山がベルトを失うわけには行かなかったという事情は良く解る。だからベイダー先生が全力を出さないうちに仕留めて勝つ。と言うのは良い方法だったと思う。だが真のチャンピオンを目指す場合はそれではいけないだろう?相手の技、相手の力を存分に引き出してでも勝つ。それが真の「プロ」レスラーのチャンピオンである。相手の技を受けないで勝つ総合格闘技のような試合は、世の中にごまんとある時代である。
そんな時代だからこそ、60分フルタイムのこってりとした密度の高い試合は、本当に一握りのトップレスラーにしか出来ないモノである。秋山も現在のプロレス界を代表する一人となりつつあるのだから、その辺りの「プロ」レスラーとしての覚悟を試合で見せられるようになって欲しい。ベイダーに手加減して貰っているようではまだまだと言う事である。
むしろもう一試合の高岩対丸藤戦の方がお互いの力と力を出し切った密度の高い試合であった。これまでの実績、体格、パワーどれを取っても丸藤が高岩を下すのは難しいと思われた。思われたのだが丸藤はそれを団体の力で無く自らの力で覆し、見事ベルトを奪って見せた。技の攻防にしてもタイトルマッチだからこそ出る、意外な大技の連発。まさにプロレスの醍醐味溢れる素晴らしい試合だったと思う。惜しむらくは最初の15分ぐらいがカットされてしまっている点で、この15分をしのぎきった丸藤の模様があれば、より素晴らしく感動的な試合に見えたであろう。
ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/25記)
G1タッグリーグ戦決勝戦バートン、スティール組対天山小島組。他。
G1タッグリーグ戦は結局9点トップで全日勢のバートン組が決勝進出決定。ついで8点で天コジ、永田中西、健介デバインの3チームが並び、急遽トーナメントが行われることとなった。順当に健介デバインが脱落し、永田中西と天コジで決勝進出を掛けた戦いとなり、天コジが辛くも決勝進出。ついで行われた決勝でも、圧倒的劣性から逆転勝ちで見事天コジが優勝を勝ち取ることに成功した。タッグリーグ黒星スタートだった天コジが、最後の最後逆転につぐ逆転でドラマチックな優勝を飾ると言う流れは、実に見事で特に決勝進出トーナメント以降の流れは、最近の新日には無いテンションの高さで、プロレスの面白さを充分に知らしめてくれた。最近の新日の評価の高い試合は、全て総合格闘技系との異種格闘技戦が多かっただけに、純粋にプロレスの試合だけで、これだけの盛り上がりを作って見せたのは、新日の実力の高さを改めて見せつけたとも言えよう。
ただし、会場に居た観客や全国の若い新日ファンのように天コジを絶賛しているわけではない。確かにこの日の天コジは、実に相手の技を受けて受けて、耐えて耐えて、勝ちに結びつけていった素晴らしい精神力だったと思う。思うのだが、その観客が手に汗握る熱い戦いを演出して作っていたのは誰かというと、対戦相手の永田中西であったり、バートン、スティールだったと思う。相手の技を受けきれるというのは、プロレスラーとしての高い能力を証明する上で、大変大事なモノだと言うことをこの欄では言い続けてきた。この日の天コジはそう言う意味ではさすがプロレスラーと言う存在だった。だが観客がその耐える天コジに素直なまでに感情移入できたのは、猛攻を加える永田中西、バートン、スティールが、非情とも言える攻めを立て続けに加えて来たからである。つまり一言で言えば、この2試合天コジは何もしていない。試合を組み立てて観客を沸かす事なんて何も考えていない。ただ相手の技を受けて最後に逆転して勝っただけなのである。
さらに突っ込んで見ると、フィニッシュに至る技も果たしてスリーカウントを取れるだけの説得力が有ったかというと、ちと疑問符がつく。一瞬の返し技で逆転したのならともかく、あれだけ攻めに攻めていたチームが負けるにしては、フィニッシュが甘いのだ。永田中西戦では、結局天山のパイルドライバーと小島のラリアット2発(1発目は背中への浅いモノだし)で中西は沈んでしまっているのだ。それまで縦横無尽に暴れ回っていた中西がである?これではちょっとプロレスを見慣れた人間なら、ミスター高橋の手記を見ないまでも、結末が決まっていたのでは?と勘ぐってしまう。いや結末が決まっているなんて事は、長い間プロレスを見続けていた人間にとってはどうでも良い話である。その結末に至るまでの流れが自然で有れば、それはそれでOKなのだから。でもこのフィニッシュはちょっと頂けなかろう?このままでは中西は攻め続けて疲れて負けたおバカさんのように見えてしまう。
決勝も同じような試合だった。決勝に先に進出した段階で全日勢に優勝の文字が輝かないのは想像できた。でも圧倒的体力差を生かして、新日にはあり得ない動けるスーパーヘビー達は、ガンガン天コジを攻めた。全日ではどちらかというとプロレス下手でしょっぱいバートン、スティールが、見事なまでに観客をヒートさせて、天コジびいきにさせることに成功していた。ここまでお膳立てしてくれれば簡単である。またもや天コジは耐えきった後逆転で優勝して見せて、見事判官びいきの日本人の心を鷲掴みすることに成功した。
果たしてこれで良いのだろうか?確かに夏のG1と同じく、このタッグトーナメントも多いに盛り上がって成功を収めた。ストーリーも旨く出来ていたと思う。思うんだけど、プロレスというのはやはり、試合、興行をコントロールできる人間こそがトップにいるべきだと思う。そう言う意味で回りが作ってくれたレールの上を突っ走ったに過ぎない天コジの優勝には、素直に納得するわけには行かないのである。まぁとにかく永田中西、バートン、スティールと良い試合、良い動きが見れたこと自体には感謝したい。