過去の東野プロレス的
毒有りTVプロレス観戦記

すんごい文章量になったので字をかなり小さくしてみた。
ウェブ上で見ると目が痛くなるので、必ずコピーしてご贔屓のワープロソフト上で
拡大して見ることにしましょう。取り敢えず読み込み終わるまでは
エロページでも見てて時間を潰して下さい。


2002年下半期


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(7/3記)

 藤田ミノル対吉江。

 全く持って不愉快な存在な藤田ミノル。ジュニア丸出しな体でヘビーだと言い切り、乱入乱入で遂に新日マットに登場することとなった。個人的に、ヘビーにはヘビーの良さ、ジュニアにはジュニアの良さが有ると思うので、ジュニアの選手がヘビーの選手とシングルで交わるのを好まない。同様にインディーにはインディーの良さ、メジャーにはメジャーの良さがあるので、お互いの良い点を否定してまで、交流する必要もないと考える(お互いの良さを認めあっているのなら別)。藤田ミノルはこのどちらにも当てはまる全く持って不愉快な存在である。

 思えばこの交わるべきでは無い選手同士の交流はバカ大仁田辺りが源流だと思う。それまではせいぜい日本のプロレスは3団体。メジャーとインディーの区別もなかった。それが大仁田という男の出現によって、一気にプロレスはインディー&ニッチマーケットとなってしまった。もっとも大仁田が掘り当てた鉱脈はなかなかに良いモノだったとは思う。インディーならではの魅力も当然あるわけで、メジャーとは違った視点からプロレスが楽しめるのは良いことだと思う。だからこそ、バカ大仁田はつまらん野望を抱いてメジャーに挑戦するべきではなかったのだ。インディーはインディーの面白さを追求すれば良いのだ。それを下手にメジャーに憧れて、メジャーのマットに上がりたがるから、プロレス界全体がおかしくなるのだ。

 インディーレスラーにはインディーであるべき理由があるわけである。だからメジャーになれずにインディーなのだから。そんな選手がいくらインディーで自信を持ったからと言って、メジャーでメジャー流の試合をやって上手く行くわけが無いのである。過去の大仁田の新日での戦いもそうであった。この試合藤田対吉江も同じような結末に終わった。いや、それではインディーの元祖、バカ大仁田に失礼である、藤田のそれは遠く及ばないレベルの試合であった。

 最近の分をわきまえた吉江は実に良い。この試合やっても吉江にとって何の特にもならない、藤田との試合である。だが吉江は見事に役割を果たした。吉江としては勝って当然。試合内容によっては、むしろ吉江の立場が悪くなってしまうカードをだ。普通ならやりたくない所だろう?だが吉江は完璧な仕事をして、格の違いを完全に見せつけることに成功した。見事な仕事っぷりである。まず大技を殆ど使わなかった。まぁジュニア相手なんだから当然と言えば当然なのだが、放った技は殆どが受け身の取りやすい技ばかり(主にボディスラム)、そして藤田の技は殆ど喰らわなかった。喰らってもさしてダメージを負った風には見せなかった(実際に負わなかったんだろうけど)。

 まさに大人と子供の戦いである。誰にでも解る形で力の差を見せつけた。本当に吉江は良い中堅レスラーになりつつある(誉め言葉)。こういう奴が一人、変な気を起こさないで中堅に埋もれていると、本当に団体は安定してくる。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(7/3記)

 次期ジュニアベルト挑戦者の杉浦が、チャンピオン金丸と組んでの6人タッグ変則イリミネーションマッチ。

 「杉浦と金丸の絡み」と言う辺りが、本来ならこの試合の注目ポイントになる筈なのだろうが、何故だか二人ともスムーズなタッチワークで、それまでの舌戦が嘘のような展開。おのずと注目は試合内容に移っていく(結局試合後に一悶着あるのだが)。この試合はイリミネーションマッチでありながらも、勝ち残り方式では無く、チームのキャプテンがフォールされた時点で終了という変則的なモノ。さらにそのキャプテンというのが、両チームとも体格的に見劣りする、ひ弱レスラーなケンタと鈴木。試合時間の関係で(選手会主催興行は何故だかカードの試合時間が短い)こういうルールになったんだろうが、なんとも不思議なルールである。

 試合の中で目立っていたのは、菊池と橋。なんだか菊池はもう別格の強さで、エルボー一発でも鈴木と同じマットに立っていてはいけないのでは?と感じさせる。また丸藤の怪我のおかげで偶然第4代チャンピオンとなった橋も、その後のベルト返上の必要性を疑う好ファイト。チャンピオン橋でも、充分面白いジュニアが展開できたと思う。体もガッチリしているし、新日勢と真っ向から対抗できるのは、橋、菊池では?と思わされる。丸藤も金丸も体が小さすぎる。

 で、それ以上にどうしようもないのがケンタと鈴木である。金丸と絡んでいても明らかに小さいと思わされる体格は、いくらセンスが良くてもこの先苦しかろう?筋肉だけはついているようだが、身長のないレスラーはやはり厚みがある程度必要である。メジャー団体にこういう小さいレスラーがいるから、インディーのレスラーが勘違いするのである。本来なら入団もさせて欲しくないのだが、入ってしまったモノは仕方ない。早くインディーレスラーが諦めるほどの凄いレスラーになって凄いファイトを出来るようになって欲しい。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(7/12記)

 G1カード発表。姫路大会諸々

 いよいよ新日勢が1年に1度だけ本気になるシーズンがやって来た(長州離脱後はかなり本気モードだが)。「新日のレスラーの本当の実力はG1と対抗戦で測れ」と言うぐらいだから今年も熱戦が期待できると思う。ただ残念なのが、選手層が薄くなったせいか、出て不思議な選手がいるのが残念だ。昨年で「今年限り」と言っていた藤波は当然として、越中もどうなんだろう?年々「逆さまにしてもまた顔」っぷりには拍車が掛かっているが、ここの所メインでトップレスラーと戦っていない越中が何故出場するのであろう?それだったら高山のように外様枠を設けて欲しかったところだ。

 今週の放送は姫路大会がメインだった。いやそれにしても客入ってないなぁ・・・大相撲のガラガラ振りも話題になっているけど、あれはまだカメラの移動量が少ないのでガラガラの所は映らないですむけど、上下の動きのあるプロレスはそうも行かない。真っ青な2階席が白々と画面に映し出されると、あぁ武藤と小島が抜けたのはでかかったんだなぁと痛感させられる。個人的には現在の新日は最高に面白いと思っているので、武藤と小島の離脱など全く問題にしていないのだが、一般ファンにはやっぱり試合内容より、ああ言う解りやすいキャラクターが必要なのだろう。これは久々に、かっての不況時代のように照明絞って2階席映らないようにしないと駄目だな(笑)

 そんな閑古鳥な姫路大会だが輝いていたのが、健介軍だろうか?健介が居ないのに健介軍というのも変な話だが、むしろ健介が居ない方が健介軍。輝いていると思う。何より何だかわからなさ加減が素晴らしく良い。身長180センチ、小さなヘビー級棚橋は、通常ならここでは全く評価されない対象な筈だが、明らかに彼は健介達小さなヘビー級とは違う輝きを放っている。何というか小さいと言う事をコンプレックスに持っている暗さが無いのだ。明らかに筋肉増強剤を使っている体も通常ならマイナスポイント、なのに彼はそれらを払拭する何かを持っている。今までの新日には少なかったタイプのレスラーだと思う。またパートナーの鈴木健想も良い。黒のショートタイツ嫌いの彼はBVDフジボウみたいなタイツを着用し続けていたが、今の紫の何だか良く解らない格好は何だろう?そのデカさ黒さと合わせて、およそ日本人には見えない。実に胡散臭く格好良いのだ。最後にブルーウルフ。まんま阿修羅原である。若い頃ヒットマンだった頃の阿修羅原。あはは。

 最後にライガーがまたゴチャゴチャ言ってたけど、辞めてくれないかな?早く。新日を・・・


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(7/10記)

 小橋建太復帰戦。

 遂に小橋が帰ってきた。ノアにとって実に長い道のりであったと思う。本来なら三沢とノアの2枚看板になるはずであった小橋の長期離脱。替わりに秋山が押しも押されぬメインイベンターに化けたので今日まで団体が存続できていたが、三沢としても自分が一歩引いた位置に立てない辛さが、小橋欠場のせいでずーっと有ったと思う。これで小橋がキチンと復活出来れば、以前と同じようなファイトが出来れば、ようやくノアは本物のメジャー団体になれたと言えるのでは無いだろうか(ジュニア戦士がヘビーのベルトを巻いているような層の薄い団体はインディー扱いされても文句は言えまい)。

 さて、その小橋。今回は前回と違って地味なそれでいて着実な復帰試合だったと思う。今にして思えば、前回は長いブランクの後の復帰戦が、あんなトップレスラー達との、いきなりマックスな試合っつーのに無理があったわけで、それを考えると今回の相手は、プロレスの旨い雅央とジュニア金丸。実に安心できる復帰カードだったと思う。一見して小橋の体は細くなっていた。前回の復帰の時は体がパンパンに張っていて、逆に何だか不健康な感じがしたのだが、今ぐらいのサイズが小橋にとって丁度良いサイズなのではないだろうか?馬場も生前指摘していたが、小橋はでかくなり過ぎであった。スーパーヘビー級の外人と当たり負けしないためにと、強靱な肉体を作ったのは良いが、そのガチガチの体は、重さと共にやはりどこかしらに無理が来ていたのだと思う。幸いにも今のノアにはスーパーヘビー級の選手はベイダーぐらいしか居ない。スムーズに動けるぐらいの体にダウンサイズしても、小橋の実力に替わりは無いと思うのだが。

 で、試合自体については特に記すことも無い。試合勘の鈍っている小橋を井上が旨くリードしていたし、小橋もそれに合わせて、不安の無い動きをしていたと思う。今後はいかに手術前のコンディションに近づいて行くかだが(いや、手術前はボロボロだったんだから駄目だな、それ以上のコンディション)、ノアはとにかくヘビー級選手が少ないので(大森も無期限渡米するし)、本人が焦って責任を果たそうとしないように、周りがしっかりとサポートして欲しいと思う。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(7/18記)

 棚橋天山組対中西永田、田中対竹村

 棚橋天山の異色タッグと中西永田の試合は30分フルタイムドローであった。長州離脱後の蝶野新体制になって、急激に増えたのがこのフルタイムドローである。それまでの演劇プロレスとは違うんだ、新日は生まれ変わったんだと、レスラーに気合いが入っての結果なら仕方がないが、こうも乱発されるとちょっとなぁ?と言う感じもしてくる。大体タッグマッチで30分フルタイムドローというのは、そんなにキツイ試合では無かろう?それなのにフルタイムドローと言う事に価値を見いだそうとしているのはどうなんだろう?

 確かに、バカ演劇プロレスよりは面白い。面白いけど最初っからフルタイムドローにするつもりの試合では、結局「志し」と言う部分では対して変わってないのではないか?お互いとお互いが目一杯のファイトをして、それでも決着が付かない上でのドローなら好試合だが、決着を付けるつもりのないドローでは「新日は変わった」とは言い切れないと思う。色々な形で、新日はストロングスタイルの復活を模索しているのだとは思う。明らかにレスラーに危機感があって、試合、興行は段違いに面白くなってきている。だからこそ、安易にフルタイムドローと言う手を使って欲しくない。こんなどうでも良い試合で、フルタイムドロー何てやってしまっては、フルタイムドローの価値も下がるというモノだ。三沢対蝶野戦。あれぐらいの試合でこそ、フルタイムドローは輝くのである。

 そんな選手達が頑張ったフルタイムドローも中継では10分弱の放送であった(インタビュー込み)。テレ朝の認識としては、結果さえ解れば、流れさえ掴めれば(前半カットでは流れなど掴めないが)、それで良しという古い考えなんだろうか?それとも筆者と同じく「フルタイムドローのためのフルタイムドローは潔くない」そう感じたのだろうか?後者で有れば嬉しい。だがそのカットのために、30分間で分かり合い始めた、天山と棚橋のドラマが体感出来なくなっている。これは惜しい。この試合はむしろフルタイムドローより、この棚橋と天山の絡みが注目点であろう。だったらちゃんとそれが解る編集にするべきだった。通常は細切れ編集は好まないが、時と場合によると思う。インタビューだけでは伝わりきらないモノもあるのだから。

 以前、井上と柴田が一瞬メキシコに行ってきたのを、海外武者修行だと言っていて「バカ言ってるんじゃない、そんなのは観光だ」とこの欄で書いたと思う。その同時期に無我竹村はじっくりと1ヶ月(それでも短いと思うが)、メキシコで修行をしてきた。そして今、凱旋帰国7番勝負を繰り広げているのだが、やっぱりこれが武者修行であろう?全くイメージを変えた竹村は、充分にジュニアの新しい戦力になって帰ってきた。どうしてもライガーと愉快な仲間達で、マンネリ化してしまう新日ジュニア。井上と柴田に加えて、竹村が根性の座ったプロレスを見せてくれれば面白くなると思う。「7番勝負?会社が勝手に決めたんだ、勝つまで100番でも200番でもやってやるよ」言う事もなかなか様になってきた竹村に期待である。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(7/15記)

 タイトルマッチの前哨戦っぽい試合がチラホラと。

 6人タッグ、三沢小川ケンタ組対力皇泉田菊池組。なんつーかタイトルマッチの前哨戦試合ってあんまり試合が噛み合わなかったり、その他の選手のモチベーションが低かったりで、むしろ通常の試合より評価が低いんだけどこの6人タッグは良い試合だったと思う。まぁ小川対力皇の絡みなんかも当然盛り上がるんだけど、それより何より泉田と菊池のファイトが実に良かった。菊池はライガーとの対抗戦辺りから(厳密に言うとジュニアベルト戦線に復帰した辺り?)、往年の切れ味を取り戻しつつあり、ジュニアなのにあのナタのような、重い技の数々が炸裂するようになっていたが、泉田も見事なまでの重さを堅さを感じさせる好ファイトだった。

 相手がジュニアでもひょろひょろのケンタだったせいもあるが、泉田の重戦車のような迫力は見事だった。思えば若手若手と言われていた泉田も中堅クラス。さらにコミカルな味ばかり目立っていたが、本来はしっかりとしたプロレスの出来る好選手な筈である。雅央、多聞がそれなりの地位を築いているのだから、泉田にも色気を出して貰ってアジアタッグ辺りをどっしりと守って貰いたいと思う(ってアジアタッグ無いんだった。ノアには(笑))。とにかくノアの強みは、こういう人が嫌がりそうな、中堅どころの立場をキチンとわきまえたレスラーがしっかりと居る所だと思う。タイトルマッチ前哨戦でありながら、意外なところで輝いている選手が見れたのがこの試合の収穫であった。

 橋対杉浦。良いねぇ二人とも。なんか比較対象物が無いとスーパーヘビー級の試合に見えるド迫力の戦いだった。現在のノアジュニアのトップは、確実に新日ジュニアに負けているが(丸藤、金丸)、この世代なら、体操競技意外のプロレスで新日と充分に渡り合えそうな気がする。ノアジュニア一押しの二人である。え?ケンタと鈴木?だからああ言う小さい体操選手は、間に合ってるんだって。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(7/18記)

 全英オープンゴルフの為お休み。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(7/24記)

 小橋建太復帰ドキュメント。ジュニアタイトルマッチ前哨戦。

 小橋建太が故郷京都に凱旋する模様をミニドキュメントで追う。高校時代の恩師の「貴乃花は片足で未だに復帰していないのに、小橋は両膝、肘と手術しているのに復帰した。精神力が違う」まさにその通りである。小泉純一郎ももっと感動すべき事は世の中に、ゴロゴロ転がっていると言う事に気づいて欲しいモノだ。さすが表面うわべだけの国民性に合った首相なだけある。だけど先生(恩師の方ね、政治家の先生でなく)、良く言ってくれたと言う思いはあるけど、教育者が他者と比べてどうこう言うのも少し違うと思うぞ(テレビ来て舞い上がっちゃったんだろうけど)?え?何オレうるさい?あはは。

 その小橋だけど、今のところは順調に試合をこなしているようだ。まだまだロープワークを使った勢いのある技等は出していないようだけど、ヒザは動くことより止まることで負担が掛かりやすい事を考えれば仕方ないところか?まあラリアット、ブレンバスターと往時の切れ味が戻ってきているのは素直に嬉しい。それにしても雅央旨いな(笑)。

 ジュニアタイトルマッチ前哨戦。図体の割に意外と甲高い声の杉浦が煽り、いまいち頓知に欠ける金丸が「今ここでやってやるよ」と応じる→若手止める。の図式がまた今日も(苦笑)、しかも何故だか試合はノーコンテスト。タイトルマッチでも無いのにノーコンテスト?つーか場外で暴れてたんだからリングアウトで良いじゃん?まったくネズミ男の裁定は良く解らない。早くタイトルマッチやってくれ・・・


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(7/29記)

 G1出場者決定マッチ?藤波対安田、ブルーウルフ対藤田。

 なんだか良く解らないがG1の枠を巡って藤波と安田が戦う事となった。以前にも書いたと思うが、このG1の出場者の選定にはいささか疑問が有った。そのうえにこの試合である。結果としては、安田が入れてはいけないラッキーパンチで藤波を大流血に持ち込み、見事出場権を確保したのだが、こんなに簡単に出場者が入れ替わると言うのはどう言うことだろう?そもそも何故藤波はノミネートされていて、安田はノミネートされていなかったんだろう?いや、安田がノミネートされていなかった理由は解る。その生活態度に問題が有ったからだ、だが生活態度に問題が有って参戦させないのだったら、いくらごねようが最初の姿勢を貫くべきだっただろう?それとも新日は安田を「ごね男」キャラで売り出そうとでもしているのだろうか?

 ファンの希望が大きかったから安田を出す。これもおかしな話である。いくら安田のブームが一段落ついたとは言え、G1出場者を決定する時点で、誰がどう考えたって安田のキャラは、賞味期限を過ぎた藤波や越中よりは上だろう?大量離脱後の新日にとって安田は数少ないメジャーキャラの一人なのだから。なのに敢えて藤波と越中をノミネートしたのが理解できない。藤波と越中は最初っから、変更枠だったのでは?と疑ってみたくなるところだ。G1直前のこのシリーズ、話題的にはちと中だるみ気味である。そういうのを見越しての蝶野の采配なら、理解できなくもないが、あまり肯定もしたくないと言う感じだ。

 ブルーウルフ対藤田。本当は藤田の話題はバカ大仁田の話題と同じぐらい触れたくない話題なのだが、ブルーウルフの動きがあまりにも良かったのでちょっと取り上げたいと思う。本来大きくないヘビー級を認めないこのページであるが、その括りで考えると藤田は当然として、ブルーウルフも結構微妙な線である。公式発表では183センチと有るが実際は健介サイズだと思える。だがやっぱり日本人とは血の違いを感じる。その柔軟な引っこ抜くパワーには末恐ろしいモノを感じるし、意外とプロレスの独特なルールも理解しているようだ(真剣勝負云々)。まだ打撃系の寸止めにとまどいが見られるけど、ブルーウルフ貴重な中堅レスラーとなりそうな気がする(異種格闘技要員とか)。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(7/29記)

 浅子覚引退試合。

 全日〜ノアに渡って、正直たいした実績を残すことなく浅子覚は引退することとなった。菊池、小川の世代と丸藤、金丸世代の間に挟まれ、ジュニア戦士としてもさしたる印象は残せなかった。なのに、この日のこの中継はどうだろう?ノアの三沢が情に厚いことは、冬木の引退興行を見ても明らかだが、日テレプロレス班のスタッフも同じように情に厚いスタッフだと思う。過去日テレは何度かプロレス中継を投げたそうとしていたらしい、だけどその度に、このプロレススタッフ達は情熱をもって仕事に取り組み、現在の深夜30分枠という形になっても、プロレス中継を必死になって守ってきた。そんなプロレスに対する愛、プロレスラーに対する愛が、今週の中継からも感じられた。

 さて、試合自体も三沢が率いるノアらしい、引退する選手にリスペクトした試合だったと思う。それぞれの選手が、怪我によって引退する選手を思いながらも、決して特別扱いしない。激しい技は激しい技として叩き込み、また相手の必死の技も受けきってみせる。実に見ていてすがすがしい引退試合だったと思う。この日の為にわざわざタイツをオレンジ色に戻した小橋。浅子の怪我を知っていながら、バリバリやり合っていた時と同じようにえげつない技を放つ田上。試合後ノーフィアーTシャツを手渡した高山。本当にノアは全日馬場イズム溢れる良い団体だと思う。筆者は熱烈な野球ファンでもあるが、野球選手の引退にはさほど感動しない。だがこの日の浅子引退中継には、浅子に対する思い入れがさして無い筆者でも思わず鳥肌が立ってしまった。それもこれも、この「仲間を大事にする」そう言う思いに溢れた団体ノアの中継だからこそだと思う。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/6記)

 安田吉江組対越中中西組、IWGPタイトルマッチ永田対ルッテン。

 初っぱなは安田遅刻マッチ(笑)。どうやら確実に新日は安田を「遅刻キャラ」として定着させたいようだ。その証拠にこの試合も安田が遅刻しているのにも関わらず、替わりのレスラーを入れずに試合を開始している。これは明らかに後から安田が来ると言う事が解っているわけで、いくらみんなで安田を非難しても、その茶番に乗っかっておいて、何をかいわんやと言う感じである。大体3分キッチリ遅刻するのって難しいぜ?(笑)普通の人間なら3分程度の遅刻なら、どうとでもなるだろ?試合開始時間3分延ばす事なんて、ケロにしたらお茶の子さいさいだろうし。とにかく「遅刻キャラ」にどういうメリットが有るかは今のところ良く解らないが、それが蝶野の判断であり、安田の生き残るべき道なのだろう。まぁ「わがままで適当なのに、強くてどうしようもない」と言うキャラクターだとしたら、真面目一辺倒の新日レスラー勢の中では、異色で目立った存在にはなれるかも知れない(それにしては強さが目立たないけど・・・腹も出てきたし対して練習してないだろ?)。

 永田対ルッテン。なーんかさぁ、ルッテンプロレスにつき合っていて嫌な感じ?フライが最初に来た頃みたいな雰囲気?本気出して潰しに行けば、潰せるんだろうけど、それじゃあその後のビジネスが成り立たないので、アルティメット風のプロレスをやっているだけ。関節だってもっと本気で極めれば試合決まるでしょ?最初っからプロレスやる気で、勝つ気無いんだったらルッテンなんて中途半端で意味無いよ。プロレスラー同士の、相手の技を受けに受けきって、お互いの実力以上のモノが出る、本当のタイトルマッチに比べたら全く持って魅力薄。永田秋山戦の方が遙かに面白かったでしょう?バーリトゥーダーとか異種格闘技家とかは、やっぱり本気で潰しに来なきゃ・・・後の仕事のことなんか考えている時点で自分の輝き自体が失われていると言う事にどうして気づかないのか?成瀬みたいに飼い殺されたいのかルッテン?


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(8/7記)

 GHCダブルタイトルマッチ。ヘビー小川対力皇、ジュニア金丸対杉浦。

 まずヘビー級タイトルマッチから。ぬるい。見てられない。いつまで小川政権続くのだろうか?こんなタイトルマッチでは、観客は熱くもなれなければ燃えることもできない。ただ切り返しの凄さだけでヘビー級のタイトルマッチを見せるのには限界があるだろう?この後に書くジュニアの話とも絡んでくるのだが、小川チャンピオンの最大の欠点は、相手の技を満足に受けきる事が出来ない点だ。チャンピオンなんだから最終的には勝たなければ行けない。と言う事は反撃して相手をフォールするだけの余力を残しておかなければ行けないわけである。となると、挑戦者の技を全て喰らうわけにも行かないし、何だったら挑戦者が、7割程度の力で技を放つ必要性が出てきてしまうわけだ。これでは面白いヘビー級の試合なんて見れるわけが無い。それもこれも小川がジュニアなのにも関わらず、ヘビーのベルトを巻いているからである。ヘビー級のタイトルマッチなのだから、その時点での最高の試合を見せなければ行けないのに、7割の手加減試合でないと試合が成り立たないのだ。こんなおかしな話が有るだろうか?全く観客、ファンをなめきっている興行である。

 ヘビー級同士の鍛えられた体と体が、相手の技を受けきってしのぎきって、本当に強いタフな奴が勝つ。そんな濃度の濃い試合が小川チャンピオンでは見れないわけだ。この試合でも力皇は本当に可哀相であった。ぶちかましにしても100%マックスで放つわけにも行かない。なのに相手のバックドロップの際にはキチンと飛んでやらないと形にならない。さらには7割の力で攻めて貰っているにも関わらず、小川の体にはバテが来ていて、終盤の足を取られての顔面蹴りが満足に決まらない。取り合えずぶっ倒れて見たモノの、小川自身がやり直すことによって、失敗キックだったことを証明。何とも印象の悪いシーンとなってしまった。結局何一つ力皇は良いところを見せれず、貧乏くじを引いたまま負けてしまうのだった。何だか小川は、高山、天龍の挑戦を受けるなんて事を言っているが、もう限界だろ?これで高山まで負けることになったら、さすがのノアファンも見放すんじゃ無いだろうか?ただ本物のヘビー級同士の力と力のぶつかり合いが見たい。そんな事すらかなわないおかしな団体になりつつあるノアである。

 そんな全くいかさないクソ試合だったヘビー級タイトルマッチに対して、ジュニアタイトルマッチは、ノアジュニア史上(短いけど(笑))最高の試合だったんじゃ無いだろうか?それもこれもわざわざジュニアに降りてきた男、杉浦によるところが大きい。正直ノアのジュニアは今まで体操大会であった。飛んで跳ねてナンボの試合。当然ライガー達新日勢と絡んでも、常に一杯一杯・・・そんなノアジュニアだから当然迫力のある試合なんか、今まで一度も無かったわけだ。だが今回の挑戦者杉浦はそんなへたれノアジュニアに革命を起こした。金丸の出す技出す技、見事に受けきってみせるのだ。出しても出しても返される事態に、金丸もどんどんエキサイト。いつもは安全式で放つ垂直落下のブレンバスターも、正真正銘の「ブレイン」バスターで何度も決めてみせる。それでも試合は決まらない。こんなに見ていて興奮した試合も(しかもそれが金丸絡みの試合で)実に久しぶりである。結局最後はトップロープからの垂直落下式ブレインバスターと言う、前代未聞の大技で勝ちを収めるのだが、当然この試合の勝者はベルトを巻いた金丸では無い。全てを受けきって見せた杉浦こそが、この試合の勝者なのである。

 さすがヘビー級で自分より大きな選手の技を受けきってきただけの事はある。あんなにチャラチャラして魅力に薄かったノアジュニアが、こんなにキラキラと輝く存在になるなんて。本当にプロレスというモノは、いかに相手の技を受けるかである。相手の技を全然受けれない小川の試合が全く盛り上がらなかったのに対して、相手の技を全て受けきった杉浦の試合が、最高の試合となった事で、どんなバカプロレスファンも理解する事が出来るだろう。杉浦貴、最高のジュニア戦士の誕生である。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/18記)

 更新1週間遅れになっちゃったんだけど、今回のG1特番気持ち悪かったな〜。なんだあれ?プロレス班でもなく、バラエティ班でもなく、どこが作ってたんだ?とにかく前半1時間見てるのが苦痛で苦痛で、せっかく1年で1度、最高に試合そのものが面白いG1なのに、その試合を全然放送しないで、中途半端なお涙頂戴にしたテレ朝の責任はまたまたでかいぞ!!あんなんでプロレス見始めるバカ居ないだろ?お茶の間のばばぁでも取り込みたかったのか?

 つーわけで、せっかくの試合はたぶん通常のレギュラー枠でじっくりと(いや、じっくりとはやらないか?)やってくれると思うので、全体の流れの総括を。高山が決勝に残るのは想像通りだった。で、無ければ高山をエントリーさせている意味がないのだから。問題はその相手が蝶野だと言う事だ。しかも蝶野が完勝してしまう訳だ・・・これはどうなんだろう?G1と言うのは、1年に1度、新日の選手が力を出し切って本気で戦う興行だと、プロレスファンに認知されていると思う。通常の興行がストーリーを追っていく事をメインで成り立っているのに対して、G1だけは真剣勝負何じゃないかと、みな期待して、夢を抱いているわけだ。G1をそういう大会にしたのは、新日にとって掛け替えのない財産になっているはずだ。

 なのに蝶野の優勝。これは説得力に欠ける。確かに全権を任せられているのだから、蝶野は新日のトップである。トップではあるが最強では無い。これが現在のプロレスファンの当然の見方であろう?その証拠に猪木ですら蝶野のコンディションに疑問を抱いて引退を勧告している。そんな蝶野が現役最強と言っても良い高山に対して、何の特別な策も無く勝ってしまう。こんな茶番をG1で許して良いのだろうか?しかも蝶野が決勝に進出する原動力となったのは、安田の棄権による不戦勝のおかげである。ここまで作為的なG1にどう興奮して、盛り上がれと言うのだ?今年のG1は西村対高山が事実上の決勝で、その時点で全てが終わっていた。

 で、その後は新日本体とT2000の共闘、新たな的NWF軍団だと?結局それがやりたいが為に、今年のG1無駄にしたのか?いやはや大変だよ、中堅クラスのレスラー達は。全然試合出れなくなるぞ(苦笑)。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(8/15記)

 ノア常連外人モデスト&モーガンが主宰するアイアンプロレスのリングでの大森、三沢小川絡みの試合。

 週プロの記事でアメリカのインディー団体「アイアンプロレス」の興行に三沢と小川が参戦したことは知っていた。しかも週プロの書き方によると現地のプロレスマニアに熱狂的に歓迎されたとあってちょっとした驚きを感じていた。そりゃ新日や全日、馬場、猪木ならアメリカのプロレスファンでも知っているだろうが、その全日から分かれたとは言えノアは旗揚げしてほんの僅かの団体である。そんなマイナー団体の情報をアメリカのプロレスマニアが把握しているとは信じられなかったのである。しかもそのマニア達はノアのトップレスラーが三沢で、小川がチャンピオンだと言う事も知っていると言うのだ。本当ならこんな嬉しい事はない。徹底的にショーマンプロレスに転換してしまったアメリカで、いまだにこういうスタイルのプロレスを理解できるファンが居るというのだから。そして彼らはいまだにこう言う古き良きスタイルの(アメリカにとって)プロレスを展開している日本のプロレス界にある種の尊敬の念を抱いているようだ。

 そんな目の肥えたマニア達が楽しみにしているのだから、三沢たちもいつも以上に気合が入っていたのではないだろうか?週プロに書いてあったほど劇的ではないが、確かに「MI・SA・WA」コールも起きていた。それは現地スタッフのさくらコールなのかも知れない、だがきっかけがさくらコールであったとしても、会場に来ているファン達は「MI・SA・WA」を認知しているのである。認知しているからこそコールとして広がっていったわけなのだから。

 試合自体は通常ノアで繰り広げられているものと何ら代わらなかった。若干安全式な気もしたがそれでも流れるような連携、試合展開はアメリカのプロレスマニアには驚きであっただろう。ただストーリーの流れを追うだけのプロレスではなく、試合展開、技の攻防で楽しむプロレス。その魅力をしっかりとアメリカのプロレスマニア達に見競ることが出来たと思う。確かに、たった一試合こんなプロレスを行っただけでは何も代わらないだろう。だけどこの試合を見たファンが、選手が、何かを感じて何かのきっかけになると良いと切に思う。アメプロも悪くはないが、やはり技と技、力と力を競うスポーツとしてのプロレスも繁栄していて欲しい。何と言っても今の日本のプロレスはアメリカの先駆者有ってのモノなのだから。そのプロレスがアメリカに無いのは悲しすぎる。

 日本でのファイトスタイルをそのまま輸入して見せた三沢小川組に対して、アメリカ武者修行中の大森のファイトは、日本に居る時と少し違っていたように感じた。技などは日本に居た時と同じくしっかりと放っているのだが、アピール。アピールがアメリカ調なのである(笑)。キチンとヒールを演じる為に、観客のリアクションに指差しポーズなどで丁寧に反応して見せる。そもそもコスチュームにしても、解り安すぎるほどヒールである。目の下の赤いペインティング、カブキ風黒のロングタイツ。こう言うベーシックな事を、一つ一つ楽しみながらこなしているのが今の大森からは伝わってきた。日本でそれなりの地位を築いた大森。今更こんな事をやる必要は無いのかもしれない。だが、日本で煮詰まってしまった大森にとって、少しでも日本と違うことをやるというのは、何かの新しいきっかけになるだろう。ノアファンとしては大森が居ないのは大変に寂しい。だが大森がより大きなプロレスラーになるために必要なのだというのであったら、まだ少し、アメリカ武者修行。続けてほしいと思う。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/22記)

 いつものようにG1名勝負集。本番2時間放送が何だか良く解らない、似非お涙頂戴話になっていたので、この通常枠でのじっくりとした試合放送を楽しみにしていた。だけど、通常枠も駄目だな。なんでこんなにダイジェストなんだろう?何度も言うがもう少しじっくりと試合を見せてくれ。何だ?地上波じゃ絶対に完全中継しないってのか?え?そんな事したって、プロレスファン減るだけだぞ?相当なマニアでも無い限り、わざわざ金払ってまで完全中継見ないだろ?自分で自分の首を絞めている事にいい加減気づかれたし。

 そんな訳で楽しみにしていた、G1名勝負。その中でも特に楽しみにしていた西村絡みの試合。どちらも台無しだった。とほほ。フルタイムドロー2試合だから、そりゃ全部中継されるなんては思って無かったよ。でも「24分経過」って・・・蝶野戦も「20分経過」って・・・そのヘロヘロになった状態からの数分で、どう西村の凄さ伝えようって言うんだ?(いや伝わってきたけどさあ〜)今年のG1の表の主役が高山なら、裏の主役は確実に西村だろう?どの試合でも西村はプロレスの深さ、面白さを引き出していた(と勝手に思う。全部見た訳じゃないから)。口で説明する西村は全く何が言いたいのか解らないが、体でプロレスを表現する西村は本当に素晴らしい。誰が見ても今の西村の試合なら満足できると思う。西村こそ新日本プロレスである。

 で、じっくりと西村戦見たかった筆者の妨げとなったのが、どうでも良い棚橋とケンゾーの試合である。いや、棚橋とケンゾーがどうでも良いと言っているわけでは無い。棚橋とケンゾーには大いに期待しているし、評価もしている。ただ、この放送された短い試合には、わざわざ名勝負と言うほどの価値があったのか?と言いたい訳だ。確かにベテラン二人からG1で勝ち星を拾ったのは素晴らしい事だ。でも明らかに「拾った」だけである。どちらも一瞬の隙をついてのスリーカウント。らしい勝利である。ベテランレスラーが伸び盛りの若手に負ける際の常套手段である。言ってしまっては興醒めだが、最初っからそうなる星勘定での勝利だろう。こんな試合をわざわざ入場から放送する必要は無いのである。結果だけで充分だろう?棚橋やケンゾー絡みの試合で放送されるべきなのはこんな試合では無く、それこそ試合時間目一杯、ベテランレスラーの技を受けきっての敗戦とかだろう?そう言う試合を流した方がファンにも伝わってくるモノが有るだろう?「越中の、安田の技を全部受けきったよ・・・こりゃすげぇ」そう言う感動がプロレスファンを会場に呼ぶんだよ。

 で、先週触れ忘れたのが蝶野の事だ。高山をきっちりと生放送枠に収まる時間でやっつけさせて貰って(苦笑)、4度目のG1制覇を成し遂げたリング上。主役になるはずの蝶野を差し置いて、永田達が勝手に盛り上がっていた。で、その時蝶野が何をやっていたかというと、精も根も尽き果てた表情でただリング上のやり取りを見ているだけだったのだ。いや、実際にはリングの動向を見て、自分を輝かす的確なポイントを探っていたのだと思う。思うんだけど、そのたたずむさまは、G1を制覇したグレーテストレスラーでは無く、ただの「おじぃちゃん」にしか見えなかったのだ。そりゃ高山相手の決勝戦をしのぎきったのだから限界超えていたのは解る。でもあれ見ちゃうとちょっと、この先蝶野に付いていくのは辛いって感じだなぁ(笑)。ちなみに西村戦の後も「おじいちゃん」になっていた。本当、頑張っているのは解るし、2.3年前の演劇プロレスに比べたら、遙かに蝶野輝いているとは思うけど、そろそろ限界だべ?


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(8/22記)

 今週の中継に何書けっていうの?(笑)去年好例だった田舎村おこし的プロレス。でも今年は土砂降り。興行開始当初はそんなに降ってなかったみたいだけど、メインの時にはリングに水たまりが出来るほどの悪環境。やっぱり屋外での興行、しかも山間での興行ってのは厳しいねぇ・・・足下が悪いので、投げ技なんかはどうしても腰が引けちゃうし、かと言って打撃技ばかりでは試合が持たない。本当、どの選手も苦労していたのがありありだった。さらに力皇辺りは、頭も順調に間引かれているので、その辺りも気になってファイトに集中出来なかったんじゃ無いだろうか?雨で好影響なのはスライディングキックぐらいなモノである。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(8/29記)

 今週もG1名勝負集。と言ってもG1本戦の試合より、もっぱら話題は星野勘太郎率いる魔界倶楽部の事であろう(笑)。

 ダイジェスト中継が多い昨今の新日の放送で、今週の永田対中西戦は実にじっくりと試合を楽しめた。ただどうせじっくりやるのなら、この見慣れた感の強い永田中西戦では無く、西村高山戦辺りをチョイスして欲しかったというのが正直な気持ちだ。で、この永田中西戦、結末は封印していたジャーマンを遂に出して中西が勝ちを収めるのだが、どうも展開に唐突な印象が拭えない。なんというかこう、盛り上がって盛り上がってからのスリーカウントという感じがしないのだ。その辺り所詮中西は野人な訳で、テンパっちゃったら組立なんか考えてられなかったんだろうけど、プロレス的盛り上がりを期待していた観客にしてみれば、8割程度の感動という感じじゃないだろうか?大体ジャーマンを封印というのもおかしな話である。そもそも中西のジャーマン自体に、たいした歴史も名勝負も無いのに、何を勝手に盛り上がって封印してるのだ?と言う感じなのに、それをといただのなんだのって・・・封印するならアルゼンチンであるべきだろう?ゴッチ直伝と言うのも眉唾物だし、封印じゃなく永遠に使わないで貰いたいところだ。

 さて、本題の(笑)魔界倶楽部の話しに入ろう。筆者は偽アメプロ、演劇プロレスを大いに嫌っている。だが、それはあまりにもストーリーが主体になってしまって、試合内容がおろそかになるからであって、プロレスに色々なギミックが必要なのは解っているし、むしろ良くできたギミックは歓迎したいところなのだ。筆者がプロレスを見始めた頃の、国際軍対新日猪木の3対1マッチなんて面白かったし、その後のストロングマシーンズにも大いに楽しませて貰った。これらのプロレスと今の演劇プロレスの大きな差は何かと言うと、試合内容である。昔は試合開始前まで、どんなに茶番が繰り広げられていようと、試合内容はキチンとしたモノだった。いや、乱入によるノーコンテストとか反則負け等もあったから、厳密に言うと試合内容と言うより、試合に対する、技に対する本気度とでも言うべきだろうか?どんなに若松がかき混ぜていても、平田は必死になって藤波を倒そうとしていた、例え乱入で試合がうやむやになると解っていても、試合自体には真面目に取り組んでいたのだ。対して今の演劇プロレスはどうだろうか?ストーリーが展開して行けば、それで良いとばかりに、技も適当、試合時間も短いである。これで面白いプロレスになるわけがないのである。

 そんな平成似非アメプロ時代の次の大きな流れは、新日本体とT2000の和解、NWF外敵軍団との戦いという図式のようだ。当初高山、藤田、安田の三人しかいないと思われていた外敵軍団だが、高坂の参戦、そして星野総裁率いる魔界倶楽部からは柳沢(それにしても知名度無かったねぇ。マスク取っても場内無反応だもの・・・新日ファンがバカなのか、柳沢がその程度なのか)と、見事に陣容が整いつつある。これは今プロレスファンが一番見たい「プロレス対プロ格の戦い」を限りなくプロレス側に近いファクターで見せる戦いな訳で、蝶野プロデューサー見事な手綱さばきと言えよう(蝶野案なのか猪木案なのかは解らないが)。

 そしてこの外敵プロ格側の参謀に星野勘太郎を付けたのがまた憎い演出である。限りなくプロレスな男、星野勘太郎が何故プロ格側についているかと言えば、その理由はただ一つである。プロレス的にヨチヨチなプロ格レスラー達を旨くさばくために他ならないだろう。試合中の展開、試合後のアピール。プロレスラーは頭が悪くては務まらない。そこを旨くフォローする役割としては星野総裁は必要なわけである。いずれも格闘家としては一流な選手達である。旨く星野が転がせば、「新」新日本体との試合は名勝負連発になるのではないだろうか?上記した「試合内容は真剣」有る意味これは約束されているのだから、ドンドン面白いストーリー展開で、平成プロレスファンのプロレス偏差値を一気に上げて欲しい。そんな期待で一杯な新日本体対魔界倶楽部の戦いである。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(8/28記)

 先週に引き続き秋田県の村おこしプロレス後編。だもんで書く事今週も無いんだよね。つーわけで8.28に所沢くすのきホールで行われた、ノーテレビ興行について書こうと思う。

 まず会場につく直前にちょっとしたハプニング。前の車がやけにノロノロ走っているなぁと思っていたら、なんと高山が自販機でジュースを買っているではないか(笑)あのデカイ図体に金髪ではただでさえ目立つのに、背中にはしっかり「ノーフィアー」。通常なら練習生などが買いに出るのだろうが、そこはそれ高山。フリーと言う自分の立場をわきまえた行動だと思う。多団体に出場する男は、人間的にもキチンとしているのである。

 昔の全日の興行のように、前半はラッシャーさんらを中心に会場を暖めるプロレスが展開される。久々に見た心の師ラッシャーさんは、もうかなりおじいちゃんで(今週の中継を見て頂ければ解ると思うが)、馬場以上に足下がおぼつかない感じだった。それを考えるとブッチャーの元気さは特異だと思う。あんな体格にも関わらず、ちゃんと節制しているのはブッチャーの方なのかも知れない(笑)。その後雅央、泉田の玄人向けのプロレスがじっくりと展開され、金丸斉藤組のタッグマッチで前半が終了した。

 と簡単にまとめる訳には行かないのである。この金丸組と対戦したのは、おなじみのスコーピオと初来日のトレバー・ローデスなのだが、このローデスが実によいのである。言うなれば金髪の井上雅央と言う感じだろうか?確実な受け身、全ての技に対して明確なリアクション、本当、テレビに映らない所にこんな名レスラーが居るとは思わなかった。今シリーズ会場で観戦される方、サムライで完全中継が見られる方は、是非注目していただきたい。今更ながら日テレ30分放送の弊害を強く感じた出来事だった。

 休憩明けは復帰初シングルの志賀対杉浦の戦い。正直かなり期待していたのだが、いまいち志賀のファィトスタイルがはっきりしなくて凡戦な印象。志賀戦後はすべてタッグマッチで、どの試合もそれなりのレベルだったのだが、やはり小橋と高山初遭遇のセミファイナルが最高の出来だった。今シリーズ開幕2戦目、ノーテレビの地方興行にも関わらず、小橋も高山もバカみたいに全開なのである。試合前は「どうせ高山と菊池、小橋と池田ばかりが絡むんだろう?」なんて悪態をついていたのだが、全くそんな出し惜しみもなく、高山と小橋はガンガンにやり合ってくれたのだ。さらに小橋と高山がやり合ってくれてるだけでも充分なのに、菊池。菊池やってくれました。ジュニアであるにも関わらず、高山に真っ正面から挑んでいって見事に玉砕。ボロ雑巾のようにされてました。でもそれでこそ菊池毅!試合後に菊池コールが起こったのも当然の出来事だろう。

 全日時代から新日とは違って地方興行に手抜きがないのが売りだった。ノアに会社は変わっても、その伝統はキチンと守られていた。5000円のチケット代がとても安く感じられた所沢くすのきホール大会だった。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/3記)

 今週から通常放送に復帰。だけど試合数多い・・・=内容薄い・・・。これだけの試合流すんなら最低2時間は必要でしょう。

 NWFベルト争奪トーナメント高山対藤田。結果は高山の勝利。順当でしょう。藤田が休んでいる間にすっかり立場が入れ替わった感じ。世間的に見て、今明らかに旬なのは高山。さらにNWFのプロレスのベルトを取り合おうって言うのだから、藤田なんか最初っからお呼びでないって感じだ。高山も言っていたが、あくまでも藤田の価値は対異種格闘技にあるわけで、ことプロレスという物差しで考えたら、新日時代の前座レスラー時代とあんまり変化は感じられない。これは安田にも当てはまるし、高坂なんかも多分そうなのではないだろうか?強い=トップではないのがプロレスの奥深さなのである。面白い試合が出来てこそ、最高のプロレスラーなのだ。そう言う意味では、この試合もいまいち凡戦気味で、技の凄さだけで持っている感じ。勝負タイムが短いのもうなづける。

 新日対ノアジュニア対抗試合。この団体対抗戦でノア側の切り札一人目は明らかに菊池毅である。現にこの日のタイトルマッチでも、菊池が耐えて耐えて、技の多彩な金丸に繋ぐ、そしてまた菊池が耐える。と言う展開で見事ベルトを奪取して見せた。ベルト自体はきっと対抗戦恒例の「行って来い」だとは思うが、それでもレベル的に一段落ちると思われていたノアジュニアが、新日最高峰のライガー田中組に、あれだけ攻めさせて、攻め疲れさせたのだから本当に菊池毅化け物である。先週のノアの欄にも書いたが、菊池は高山の猛攻を全て受けきった。そんなジュニアが日本に他に居るだろうか?口先だけのヘビー級挑戦のライガーとは大違いなのである。ジュニアだけで試合をする新日と、ヘビーに混ざって試合をする全日の差を菊池の打たれ強さからは強く感じた。

 そして対抗戦もう一人の切り札は橋誠である。丸藤の負傷で棚ぼたチャンピオンになった時は、時期尚早とベルトを剥奪されてしまったが、はっきり言ってノアジュニアでは抜群の素材である。体操選手に支配されているノアジュニアでは、貴重な本格派レスラーだし、技を出すのに物怖じしないのが良い。今週の放送でも短い放送時間に目を釘付けにする技が何発も放たれていたし、そもそもあの実力者金本相手に、きっちりと15分オーバーの試合を成立させたのだから、橋の実力が解るというモノだろう。対抗戦で化けてノアジュニアタイトル戦線に殴り込みを掛けて欲しいところだ。ノアジュニアを新日レベルに上げるには、橋と杉浦の力が是非必要なのである。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(9/4記)

 先週のノーテレビ所沢大会での高山戦に続き、今週の放送では復帰後初の三沢戦となった小橋の戦いが中心。

 三沢対小橋。このカードがノアの看板カードになるはずであった。個人的には小橋が全日に残ると言ったら三沢はノアを旗揚げしなかったのではないか?そう思うほど、三沢と小橋の試合は名勝負製造カードであったわけだ。だが実際にはノアが旗揚げして以来、三沢と小橋による名勝負は皆無に等しい。肝心の小橋が負傷欠場を続けてしまったからである。それ故に三沢社長は団体存続のために、小川チャンピオン等の奇策に出なければなら無くなってしまう訳で、その小橋にようやく完全復活の兆しが見えてきたのがこの試合から伺える。

 ノーテレビ高山戦での真正面からのぶつかり合い、そしてこの日の三沢戦では日本で一番受け身の旨い男(ちなみにナンバー2は越中)に対して、投げる投げる引っこ抜く引っこ抜く。全ての投げ技の支点となるヒザに不安が無い事を見事に証明して見せていた。そしてそれら全てをデンジャラスな角度で受けきって見せた三沢。やはりこの二人のカード、名勝負製造器に偽り無しという感じである。後はシングルマッチをこなすスタミナぐらいが問題であろうか?この調子なら、年末ぐらいからはいよいよ、高山、三沢、小橋、秋山による新しい四天王によるヘビー級の争いが見れそうである。

 西村対志賀戦。西村ノア初体験である。まぁ当然というか放送時間が少なくて、ほとんどどんな試合をしたのかは解らなかったが、やはり30分フルタイムドロー(笑)取り敢えずは志賀を立てたという形だろうか?西村にしてもノア勢のスタミナは願ったり叶ったりだろうから、これからも定期的に参戦してトップの選手と絡むと面白くなると思う。西村小橋戦なんかかなり面白くなりそうだ。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/11記)

 ジョーニー・ローラー。

 ジョーニー・ローラーだかジョニー・ローラーだか解らないが、今週はこいつに尽きるだろう?表向きは猪木が連れてきたことになっているけど、どう考えても猪木が考えるストロングスタイルとも、蝶野が考えるプロレスともそぐわない、何とも場違いなオバサンだ。取り敢えずカード至上主義のバカなフロントが契約して来ちゃったんで、しょうが無しに使うか?って所だろう?(いや猪木がほいほい承諾したって線も捨て切れねーか?金髪とか巨乳とか好きそうだしな・・・)新日内にも色々な派閥が有るんだろうけど、こいつ呼んできて、こいつによって新日が潤うって本当に考えてるんだろうかねぇ?プロレス好きには、そういうビジネス中心の一般人の感覚って解らないよ。

 で、まぁ最初に貧乏くじ引いたのは、ライガー永田、垣原だったわけで、こういうのとやるにはライガー先生外せないよねえ・・・でも正直あんまりオバサン出てこなかったじゃない?ホッとしたよ。最初のファイティングポーズのへっぽこぶりや、スペースローリングローリングエルボーにしても、永田に放った腰砕けのバックドロップにしても、結局これからレギュラーでバリバリやっていくような器じゃ無いって事だよねぇ?レスラーとしてしょっぱいの解ってるから、シェーンもマッコリーもあんまりリングに出さないようにしてたって感じ?本当に弱い犬ほどよく吠えるってところだね。契約が有るんだろうからしばらく使わざるを得ないだろうけど、シングルでやる羽目になった奴は可哀相だねえ・・・そうそうあの巨乳だけど、絶対にパット入ってるだろ?あれ。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(9/11記)

 三冠ヘビー級試合、高山対小川。

 いやまぁ、至極当然の結末。ようやくちゃんとしたヘビー級にベルトが帰ってきた。小川もこれからは、成長著しいノアジュニアにしっかりと目を向けて、後進の育成に励むように。

 それぐらいしか書くこと無いだろう?高山も菊地とやった時とは違って(所沢ノーテレビ)、小川の体考えての遠慮気味の試合だったし(場外でのランニングキックでもあきらか)、なんだったら自分から鉄柱にぶつかったりして、なんとかハンデを与えて、試合が見劣りしないようにしてたし・・・所詮小川の力なんてそんなモノで、本当、小橋欠場が追い風となった、ラッキーなチャンピオンだったと思う。

 と言うわけで、これからは高山時代が来るかと思ったら、いきなり初防衛三沢かよ(苦笑)。別の意味で行って来いだな?こりゃ。小川の対戦相手が楽なの続きだったのに対して、随分随分なマッチメークだ。でも今度こそヘビー級同士の熱い本物のタイトルマッチ見せてくれるって事だよな?


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/17記)

 今週もジョーニー・ローラー。

 もうあんまり触れたくないんだよねぇ・・・本当、バカ大仁田の時みたいに完全無視を決め込みたいんだけど、今週の放送出ずっぱりだったじゃん?しかもあんな馬鹿馬鹿しいマイクアピールを垂れ流し・・・テレ朝スタッフはあんなのに字幕付けて放送しているの「アメプロみたいで良いねえ〜」とか思ってるんだろうか?いくら旬の素材だとしても厳しかろう?まだヒート取り上げてくれてた方が、ナンボか健全な気がするよ(あれも酷いデザインだけど)。それにリング上とかで動いていると、巨乳に目が行って(笑)気にならないけど、アップになるとこのおばさんやっぱり不細工だよね?典型的アメリカ田舎の成り上がりモノって感じ。豊胸手術にしても取り敢えずはグラビア用にやったんだろうし、筋肉付いたのでプロレス界で喰っていく事にしたんだろうけど、何だかその成り上がり方がイヤらしくて嫌だねぇ。自分が金を稼ぐ道具程度にしか、プロレスに対しても愛情なさそうだし。早く契約切れることを祈るよ。

 そんなおばさん含んだ試合がこの日の中継で一番長かった・・・あんなに他の試合はダイジェストなのに、こんなどうでも良い試合だけじっくりやりやがって・・・おばさんは今日も棚橋とのラリアット相打ちで受け身取り損なってた。本当、そんなレベルなんだって!棚橋とかが正直にコメントする必要ないんだって!こんな奴、後藤か小原(見ねーな)辺りに任せて、セクハラ攻撃で戦意喪失させちゃえば良いんだよ!セクハラされるような格好で出てくるのが悪い!!

 さてもう一方の茶番、魔界倶楽部編は結構面白い。お約束のマスクマン正体は誰だ?とか増殖していく様とかは、まんまマシーンズやガスパーズだが、今回は中身が結構実力者っぽいので、予測も楽しめている(笑)。取り敢えず魔界1号は「ウガー」とかマシン語喋っちゃってるので、ほぼ平田で決定(後藤の二役って線も捨てがたいが・・・)。2号は個人的には柴田だと睨んでいるのだが、当初真壁がグレートムタだと予想していたのに、黒人だと言う事が判明したので真壁という線も捨てがたい。3号は村上だという説もあったけど、この日の3号は体格から考えても村上じゃ無いみたいだし、どちらかと言うと、新日所属以外の魔界は正体を現す傾向にあるので(柳澤、村上)、新日所属レスラーなのではないだろうか?(後は小原か?)とにかく、実力も兼ね備えている魔界倶楽部。放送的にはこっちを盛り上げて行くべきだろう?勘太郎のマイクアピールがじいさんでしゃがれてて聞きづらいのが難点だが(笑)字幕付けるのもこっちの方がよっぽとワクワクするってモンだ。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(9/24記)

 2代目グレート・ムタ。と言うよりGREAT・MUTAと書くべきなんだろう。一連のおばさん騒動の中で、MUTAの存在だけは好意的に受け止めている。

 初代グレート・ムタこと武藤が新日を離脱してライバル団体全日に移籍した事により、新日からはグレート・ムタと言う存在も当然居なくなると思われていた。事実全日にはニュータイプのつるっぱげムタが登場していたわけだから、まさか新日にムタが復活するとは誰も考えても居なかっただろう。だが、商標登録か何かの関係上、新日にはまだグレート・ムタと言うレスラーが存在していて、そいつが近々登場すると言う事となった。当然武藤な筈は無い。となるとタイガーマスクの例を取るまでもなく、全く別人の誰かが2代目となるわけだ。色々とマットに登場していないレスラーを想像してみると、ピンと来る人物が一人。海外遠征中の真壁である。それまでの真壁のファイトスタイルと、ムタというキャラクターは全く正反対である。だが海外遠征帰国後、ファイトスタイルやキャラクターが変わると言う事は、過去何度も有ったことだし、何より中途半端なレスラーとの印象が強い真壁を、大きく成長させるにはムタというヒールに成り代わるのは、決して悪い手では無いと思ったからだ。

 だが、そんな素人の浅はかな妄想は簡単に打ち砕かれた。登場した2代目グレート・ムタことGREAT・MUTAは黒人であった。さらに入場曲、コスチューム、ファイトスタイル。その殆どにおいて、先代のイメージを踏襲していない。正直「やられた!」と言うしか無いだろう。下手に初代をコピーした真壁ムタなら、ファンの反感を買うのは必至だったであろう(現に過去新日は、ファンの感情を逆撫でするような、バカバカしいイベントを繰り返してきた団体でもある)。だが、ここまで別人なら、メッシュの隙間から見える割れた筋肉を生かした全く新しいコスチューム。ここまで格好良いのなら。ファンは認めてしまうのでは無いだろうか?田中稔=ヒートの茶番ぶり、格好悪さとは大違いである。

 ファンは格好良いモノがやっぱり好きだ。だが過去の日本のプロレス界において、見た印象、インパクトだけで格好良いと思わせるレスラーは、実はそんなに多くなかった。殆どがファィト内容や数々の抗争によって認知され、人気レスラーとなっていったに過ぎない。山田がライガーになった時も大ブーイングだった。蝶野が黒タイツになった時も「今更ヒール=黒」か?なんて言われもした、それほどビジュアルでファンのハートを掴むのは難しいことなのである。だがGREAT・MUTAは明らかに違う。ただそこに居るだけで見事に絵になってみせる。そう言う意味では初代と同じ、紛れもなくグレート・ムタなのだと思う。

 後は試合内容である。試合内容がよければ、このGREAT・MUTA本物になるはずである。今のところボロは出していないが、今後の試合が注目であると思う。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(9/25記)

 今週は今更ながら(1ヶ月前か?)ノア対新日ジュニア対抗戦の放送だった。HMF興行で疲れているだろうから、ゆっくり休めと言う事だろうか?(笑)それ以外の試合はベイダー対小橋。ベイダー先生のお尻は時々オムツみたいになってしまっているが、誰か入場する前に注意してあげないんだろうか?下手に注意すると今日のスコーピオみたいにぶっ飛ばされるから、知らぬ存ぜぬなのだろうか?とにかくノア最強外人があれなのは、少しあれだと思う。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/1記)

 魔界倶楽部対新日正規軍4対4。

 今週は久々にじっくりと試合が見れたような気がする。前半導入部に若干、色モノのおばはんネタがあったが、あれはあれで視聴率取れてるようだから外せないのだろう。だが本来プロレス中継、試合で視聴者を納得させて行くのがスジであり、例えキワモノでもキチンとしたプロレスラー同士が闘う、魔界倶楽部との対戦を中継のメインに持ってくるのがスジであろう?

 今週フジで遂に始まったW-1(全日本プロレス)にも同じ事が言える。月一ペースでの放送らしいが、初回、丸々くだらない格闘ペテン師と武藤とのトークというのは何なんだろう?しかも隠し撮り風でのトークとは?聞きづらいし見づらいし、誰があんな放送で視聴率取れると思ったんだろう?聞けばバラエティ班制作との事。バラエティ班制作のプロレス番組が旨く行くわけがない。プロレスをスポーツと捉えているなら、当然スポーツ班であるべきだし、アメプロ風のエンドレスドラマなのだとしたら、ドラマ班、またはドキュメンタリー班が作るべきだろう?プロレスと一番絡んではいけないのがバラエティ班なのだ。

 確かに武藤は前から、テレビをやるにしても今まで通りの試合中継スタイルにはしないと言っていた。新規ファン開拓には、今まで通りの方法では駄目だと言うもっともらしい意見だが、現実はそんな問題ではないと思う。正直今現在の全日のレスラーがしょっぱいからこうせざるを得ないのだ。決して武藤はそんな事口に出しては言わないが、ちょっとプロレスを見続けているファンからすれば、今の全日の興行がもの凄くだれている事に気づくと思う。観客は全然マットに集中していなく、試合中でも平気で携帯のやり取りをしたり、トイレに立っていたりする。それもこれもレスラーがしょっぱくて、観客を引きつけられないからである。確かに1試合に一人か二人、プロレスの出来る選手は入っている。だがその選手がいくら客を暖めても、次にタッチを受けて入ってきた選手が台無しにしてしまうのだ。そんな試合がセミ直前まで繰り返されるのが今の全日のレベルなのである。

 例えば、カニくんが観客の声援を旨く転がしながら、場内を暖めていく、試合自体もロープワークを使った動きのあるモノになっていく、観客は当然マット上の動きに集中するわけだ。なのにカニくんからタッチされて出てきた、インディー上がりのヘボレスラーは、またそこからフライングメイヤーをやって、チンロックとかやっちゃうわけだ。一からやり直しなのである。これではさっきまで集中していた客がさーっと引いてしまう。本当に見ていて悲しくなるほどプロレスが出来ていないのだ。

 インディーに居た頃は、それでもそれなりに名の通った選手だったはずである。そして週プロマジックでスターレスラーになって居たのだろう。またデスマッチと言う劇薬や濃い客に助けられて、何とか試合も形になっていたのだろう。だが移ってきた全日はバリバリのメジャー団体、王道なのである。当然デスマッチなんて逃げ道は無いし、インディー時代は、しょっぱい間も笑いに変換してくれていた濃い客も、全日ではシビアな目で厳しく採点しているのである。そんなしょっぱい連中の試合をテレビでただ垂れ流すのは、本当に全日の危機である。武藤はそれが解っているから、試合中継スタイルを取らないのである。

 とにかくそんな窮地に追い込まれた、武藤全日がとったのは、K-1でフジテレビに対して強い発言権を持つ石井館長との共闘である。サルでも思いつきそうな浅知恵をぺーぺーとありがたがって聞いてみせるのも苦痛だったであろう。だが、今はとにかくフジ=全日としなければいけない状況なのである。テレビが付いてこそ、レスラーがしっかり育ってこそ、自分の理想とするプロレスが出来るのである。それまでは嫌なことでも我慢せねばならないだろう。そう言う意味ではローラーなんておばはんや、神の口出しに耐えなければいけない蝶野とも立場が実に似ている。二人とも次の時代にまでプロレスを生き残らせるために必死になって頑張っているわけだ。

 話がかなり脱線したが、まぁ今週はこんなモノで良いだろう。魔界?魔界の話題は、やはり「ウガー」とかすぐに言っちゃう、魔界風車固めの彼だろ?いやー適度に正体がばれていくのと良い、実に魔界ネタは巧くできているよ。本当。で、みんなしっかりプロレスが出来るんだから見ていて面白い(柳澤とかは微妙だけど)。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(10/1記)

 GHCヘビー級タイトルマッチ、高山対三沢。

 出たよバカ試合!メジャー団体でありながら、やる時はボッコボッコにやり合うノア。地方興行でも手を抜かないノア。となればタイトルマッチがただの試合で終わるわけがない。前チャンピオンがヘッポコチャンピオンだったせいで、しばらくこう言う本格的ヘビー級同士のタイトルマッチが見れなかったが、遂に三沢と高山という、今現在、ノアで考えられる最高のカードが実現した。

 タイトルマッチ調印式で三沢が「高山に負けたら今後ベルトには挑戦しない」こう言い放ってしまった。正直つまらない事言っちゃったなーと思った。プロレス界でこう言う制限をつければ、それはそのまま事実となってしまうからだ、そう、言ったモノ勝ちという奴である。団体のトップである三沢が、今後タイトルマッチに挑まない訳が無いのであるから、=この試合は三沢の勝ちと解ってしまうわけである。いくらプロレスは試合内容が全てと言っても、試合結果は解るより解らない方が当然良い。有る意味三沢と高山は、自分達で逃げ場を無くしてしまったわけだ。「試合内容だけでファンを納得させる」そう言う決意が、あの「高山に負けたら今後ベルトには挑戦しない」にあったのかも知れない。

 そんな三沢が勝つ事が前提となる試合が、どうやったら面白くなるか?ファンは期待半分不安半分だっただろう。現在日本プロレス界において、おそらく一番強いと思われる高山。この高山を三沢がどう説得力有る勝ち方で、フォールして見せるか?焦点はそこだった。だれもが三沢がすかしてすかして、一瞬の隙をついた大技で高山を倒すのだと想像していただろう。だが実際の試合はそんな予想とはかけ離れたバカ試合となった。

 あのデカイ高山と、三沢が真正面からガンガンにやり合っているのである。高山の蹴りもニーもパンチも全部受けきってしまう。バカである。身長185センチ程度の体で、あの高山の攻撃を全て受けきる。キチガイ沙汰である。しかも受けきるだけでなく、エルボーエルボーエルボー。高山の顔がドンドン変形していく。ただの繋ぎ技に過ぎなかったエルボーが、こんなに怖い技だったなんて・・・三沢恐るべしである。だが高山の猛攻も止まらない。タブルアームスープレックスでありながらホールドまで持ち込む、奇跡的なブリッジ!コーナーポストに追い込み連打するニーの恐怖!崩れ落ちる三沢を気にすることも無く放たれ続けるニー。そのニーは顔面にもガツガツ入る。

 そんな高山の猛攻にも関わらず、三沢の顔は全く変形していかない。あれ?そう思った辺りから形成は逆転していく、高山攻め疲れである。確かに高山にもまだまだ出していない技は有った。だがそんな事以上に、20分以上正面からやり合ったダメージは高山に蓄積されていたのである。三沢は相変わらずエルボーエルボーである。タイガードライバーも通常のモノしか放っていない。まだまだ三沢には余裕が有ったわけである。フィニッシュも当然のようにエルボー。もはや高山にはマットに立ち上がる気力は残っていなかった。

 まさか・・・高山の完敗である。しかも正面から打ち合っての完敗。総合格闘家相手ならともかく、プロレスラー相手に打ち合って負けるとは高山も思っていなかったであろう。三沢光晴恐るべしである。何より恐ろしいのは、あれほどの技を喰らっていながら、三沢が平然としている点である。前記したように顔にも殆どダメージが無い。化け物である。受け身が上手いとかそう言うレベルを超越した存在。三沢が本気を出したら誰にも負けない。そんな三沢の怖さが出た凄い一戦、バカ試合であった。

 ただプロレス的に見ると、あんまり組み立てとか考えられていた訳では無いから、三沢本人は不満の残る一戦だったかも知れない。そんな風に思わす所がまた、三沢の恐ろしさである。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/8記)

 真壁伸也凱旋帰国試合。

 先週の武藤と石井館長の対談、今週の蝶野のロングインタビュー。果たして今のプロレスファン、あるいは全くプロレスに興味の無い一般視聴者にとって、こういう、レスラーが口で表現すると言う事は必要なんだろうか?果たしてあれを見て面白いとか、引き込まれたりするのだろうか?口プロレスもプロレスの一部というのは、明らかにアメプロの影響な訳だけど、現状プロレス偏差値の低いファンに(同様に一般視聴者に)こんなモノを見せて、熱狂的プロレスファンになるとはとても思えない。インタビュー等はやはり週プロなどの活字媒体の仕事だと思うし、あんなモノを流すぐらいだったら、やはり凄い試合を少しでも多く流した方が、プロレス発展に繋がっていくと思う。

 プロレス衰退の最大の要因はゴールデンを外れる事により「凄い試合を視聴者に提供してこなかった」これに尽きる訳だ。楽して小手先だけでファンの拡大なぞ考えると、ますますプロレス離れは進んでいくと思う。一般視聴者は、K-1の凄まじいKOシーンに痺れ、プライドの真剣勝負(風?)に酔った訳である。つまり求められているモノは「本物の闘い」なのである。90年代ずーっと怠けたプロレスしかしてこなかったツケ。それが今確実に出ているのである。今一般視聴者に見せるべき試合は、フライ対高山、高山対三沢のような試合なのである。ああ言う誰が見ても理解できるプロレスラーの凄さが解る試合。それをテレ朝は特番時に見せなければならないのだ。くだらないイベントなんかで一般視聴者は騙されない、例え見たとしても、それはプロレスを嘲笑するために見るだけなのである。笑われて取った視聴率に、プロレスの未来があるわけが無い。毎週深夜に放送されている分はともかく、季節に1度のゴールデン特番には、それぞれが死ぬ気で挑むような、試合を組んで放送すべきなのだ。当然それが出来ない選手は、特番には出るべきではない(蝶野や外人ら)。中西、永田、西村、天山。どうしてこれだけの人材が、三沢対高山戦のような試合が出来ないのだ?

 とにかく一般視聴者が欲しているのは「刺激的な迫力」なのである。それが出来ないのなら、武藤や冬木のような(一括りにする事に異論のある 人も居るだろうが)、思いっきりエンターティメント、ファンタジーの方向に流れるしかあるまい。だがストロングスタイル、真剣勝負をうたっている団体がそうも行かないだろう?どうして外敵とやる時には出せる「本気の迫力」が、身内同士では出せない?手の内の解ったモノ同士が突き詰めた凄い戦いをする。それがプロレス最高の魅力な筈なのだ。

 かなり話が脱線した。で、真壁である。あまりにもあまりにもな凱旋帰国である。通常長きの海外武者修行から帰国した選手には、それなりの復帰戦、ポジションが準備されている。帰国後天山として一気にブレークしたヤマギュー。微妙に失敗しちゃった610武藤、完全に失敗した吉江など、結果こそまちまちであれ、一応凱旋帰国後数ヶ月は、トップレスラー扱いをして貰えるのである。だが真壁・・・まさかの海援隊道場での復帰戦。さらに今後のパートナーは藤田ミノル・・・あまりにも可哀相すぎる。いや、まぁその、180そこそこの選手が無理矢理ヘビー級になって帰って来る。そのパターンに新日も反省したのかも知れぬ。この欄でもその事については散々苦言を呈してきたから、それはそれで評価はしたいんだけど、真壁立場無さ過ぎ・・・これならいっその事、2代目グレートムタとして復帰した方が幸せだったかも知れぬ。健介も退団したし、いよいよ180センチヘビー級には居づらい団体となってきたか?(笑)


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/13記)

 無我興行&ボブ・サップワールド。

 今週のプロレスじゃないバラエティ部門は、ドームでの中西との試合が決まっているボブ・サップであった。ボブ・サップ。今更説明するまでもない、素晴らしいキャラクターである。ボブ・サップと言うキャラクターは、既にK-1やプライドにおいて、全国ネットゴールデンタイムで日本中まで知れ渡っているはずである。そう、それは対戦相手の中西以上の認知度であるかも知れない。例え格闘技に興味のない人間でも、その人間離れした巨体、パワーに思わずチャンネルを回す手が止まってしまう。それ程までのキャラクターがボブ・サップなのだ。そう、もう今更ボブ・サップがどんなキャラクターだか何て事は、深夜の視聴率も殆ど取れないような、ちんけなプロレス番組で説明する必要など無いのである。

 なのに、テレ朝ワールドプロレスは、わざわざ動物園にボブ・サップを連れ出して、若手芸人にさせるような、くだらないアピールの数々をさせたのである。全く持ってバカバカしい。何の価値も必要もない。ボブ・サップの凄さ、迫力などは、散々日テレとフジテレビが、リアルな試合で表現してくれているのである。今更こんな事をやって何の意味があるのだ。深夜にプロレスを見ている人間で、ボブ・サップが誰だか知らない人間が居るだろうか?確かに、視聴率を取るためにボブ・サップを使いたいというのは解る。だが、せっかく出演してくれたボブ・サップの使い方はこれではないだろう?ボクシングの会場で、中西とにらみ合いになったのまでは、茶番にしても良い演出だと思う。だけどその後の動物園でのお遊戯は全くの無駄無駄無駄。ボブ・サップはプロだから、キチンとやって見せていたが、本当に失礼意外の何ものでもない。これだからテレ朝は駄目なのである。

 で、本来はじっくり流されるべきであった無我興行。テレ朝は、むしろこの「無我」の凄さ、面白さを、プロレス初心者に理解できるように、伝える努力をすべきだったんではないのだろうか?たぶん今のファンにとって「無我」=長い試合。そんな認識でしかないだろう?たぶん現場では、解説の山ちゃんや木村健悟が、一つ一つの技について、じっくりと説明してくれているのだろう。だが実際の中継ではカットカットである。まぁ西村の話が訳解らなくなって長くなるのは致し方ないので、カットもしょうがないだろうが、試合だけはじっくりと放送して貰いたい。番組を作っている側が、無我の面白さを分かり切っていないから、あんな放送になってしまうのだろうけど、ある種のプロレス理想型が無我なのである。無我の面白さが解らないのは、プロレスファン、格闘技ファンとして損失である。是非その面白さを伝える努力をして貰いたい。簡単に「無我ワールド」「西村ワールド」なんてくくって完結にして貰いたくないのである。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(10/15記)

 IWGPジュニアタッグ選手権 金丸菊地組対サムライ成瀬組。

 通常他団体のベルトが移動すると、次の興行でそのベルトは元の団体に戻る。いわゆる「行って来い」である。だからこの新日のベルトIWGPジュニアタッグも今回の試合で、新日サイドに戻ると思われていた。だが結果は見事にノア勢が防衛なのである。素人目に見ても明らかな「行って来い」は今の時代流行らないと考えたのか、それとも新日が作ったモノの、ジュニアでタッグってどうなの?とベルトに対する愛着が無くなっているのだろうか?

 だがよくよく考えてみると、試合前から結果は見えていた気もする。ノア側チャンピオンは、一応今のノアで考えられる最高の二人がベルトを持っているのである(個人的には橋を押したいが、格的に劣る)。そのチャンピオンに対して、ベルトの掛かった対抗戦に、新日側が出してきたのが、サムライと成瀬って・・・あまりにも華が無さ過ぎである。とても勝つ気があるタッグチームとは思えない。どちらもスター選手に対する補佐と言うポジションに居る選手であろう?

 いや、新日に入る前の、入った直後の成瀬だったら多少の興味は有ったかも知れない。だが今の成瀬など、安定した給料のために新日の言いなりになっているサラリーマンレスラーに過ぎない。サムライだって玄人好み味のある試合をするけど、それだってライガーとかのナンバー1が居てこその話である。そんなやる気の無い配役でベルトが取れる訳がない。サラリーマンレスラーは見事な噛ませ犬となって見せたのである(笑)。

 となると次期挑戦者はどうなるのだろう(杉浦、KENTA組で防衛)?邪道外道が噛みついたと言うが、いっぺんT2000経由で新日に戻るというのも有りだろう。金丸との金的合戦も見物である。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(10/24記)

 10.14東京ドーム大会を何故だか深夜2時半から2時間に渡り中継(笑)。つーか元々はゴールデン目指してたんだろうねぇ・・・

 そう言うわけで、中継内容もまあゴールデン枠っぽい作りで、この秋テレ朝が社運を掛けるドラマ「逮捕しちゃうぞ」からゲストを呼んでボブ・サップと絡ますと言う、いかにもバラエティ班っぽい作りでスタート(実際バラエティ班が作ってるかどうかは知らぬ)。相変わらずボブが絶妙の演技力でクレージーキャラを好演しているが、上手くやればやる程「本当は頭も良くて紳士なんでしょ」って言うのが見え隠れするのが悲しい。もうちょっと上手い編集で、クレージーキャラならクレージーキャラを定着させて欲しいんだよねぇ・・・昔のブロディとか、頭が良いのはみんな知ってたけど、それでもテレビやマスコミの前では暴れ回っていて、それが演技に感じられない怖さがあった訳で、ボブも「マスコミは上手く利用しなきゃ」みたいなのが表に出ないように暴れて欲しい物だ。

 さてそんな特番編成で一番得したのは誰かというと、誰がなんと言おうと乙葉であろう。丸いだのデブだの散々言われてきた乙葉だが、今回ゲストで来たのが原沙知絵と言うデカ女。一気に乙葉が可愛く見えてしいうと言う事態を巻き起こし、さらにもう一人のゲスト吉岡美穂も明らかに一時期の輝きを失っており、お疲れフェイスではこれまた乙葉の引き立て役になってしまったというのが正直な感想だ(つーか乙葉減量成功か?)。

 で、本題の試合についてである。中西対ボブ・サップ。「やっぱりボブは化け物であった」それがこの試合を見たみんなが考えたことであろう。確かに、格闘技戦とは違い、パンチなどの打撃系の技は寸止めで迫力に欠けていた。だがそんな些細なことよりも、たった1発のパワーボムが、たった一撃のドロップキックが観客を充分に満足させてしまっていたと思う。とにかくあの巨体であの運動能力。久々に現れた超大物プロレスラーである事はもはや疑いようの無い事実である。ブロディやハンセン、アンドレクラスのスターであることはまず間違いない。これでキチンとしたプロレスが身について、打撃系以外の技で試合が組み立てられるようになれば、再びモンスター外人対日本人と言うプロレス本来の図式が新日に復活するかも知れない。

 でも個人的にこの試合で注目したい点がもう一つある。それは中西の存在である。結果的にはリングアウト負けになった中西だが、見事なまでの仕事ぶりでボブ・サップ戦を好勝負に仕立て上げていた。何より初っぱな、あのハイアングルパワーボムを完璧な受け身で見事しのいで見せたのは、さすがメジャー団体のトップ選手と唸らされるシーンだったと思う。その後もボブのパワーに押しまくられるも、野人としての見せ場をいくつも作り、フィニッシュもこれまたボロが出る前に良い状態で試合を終了させると言う、本当に見事なプロレスラーぶりだったと思う。高山がよく、負けて評価を上げる事が多いが、この試合もそれと同じく、中西の評価を上げる一戦でもあったと思う。

 蝶野対ローラー。やっぱりと言うか当然と言うかローラーの限界が見えた試合だった。今までは格下相手(つーか負けても良いレスラー)やタッグでの試合、アメリカでも堂々演劇プロレスの中心に居た訳で、所詮男相手にキチンとしたプロレスなんか出来るわけがないのである。散々ロス道場でグラウンドの練習をしている写真などが出て、説得力を持たそうとしていたが、所詮こんなモノである。蝶野に放ったラリアット。放つ瞬間に自分の腕をかばい引いてしまっている。所詮こんな程度のレスラーいや、女なのである。日本にはもっと凄い女子レスラーが沢山居る。こんな事ならまだ神取対蝶野が見たかった。どうやらその神取からお誘いが掛かっているらしいので、新日マットで、テレ朝で、あの醜いおばちゃんフェイスを見なくてすむようになるのだろうか?そうなる事を切に願う。

 MUTA対天山。ちょっと駄目だろう?カブキ連れて来ちゃ(笑)確かにドーム大会と言う事を考えれば最高の演出では有った。あったけど、この前に書いたように、MUTAはムタを殆どなぞっていないから期待できたわけで、カブキの息子ムタと言う設定を利用すると言う事は、結局ムタの世界に引きずり込まれる事になり、MUTAとしての展開が狭まってしまうと思う。コスチュームも明らかに前の方が良かったし、ちょっと今回のMUTAにはがっかりである。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(10/21記)

 GHCヘビータッグタイトルマッチ。秋山斉藤組対小橋志賀組。

 長きに渡ったW猛時代がようやく終わりを告げ、いよいよ本当に最強のタッグチームがチャンピオンになるかと思われた。が(このタイトルマッチはご存じの通りビデオ録り逃しで見れていない)、今回のチームも少々不満の残るチャンピオンチームである。言わなくとも解るだろうが斉藤の事である。秋山と斉藤が組んだら、当然負け役は斉藤なのである。こういうチームは勝敗の興味を削ぐので止めて貰いたいのだが・・・

 ジュニアサイズの身長を、パンパンに体を膨らます事で無理矢理ヘビー級にしている斉藤。「プロレス」をするのに必殺技が打撃系と言う、存在自体の矛盾(話すと長くなるが、結局寸止めなのに、そのパンチなりキックが必殺技だと言うのには無理があると言う話し)。プロレスの基礎をメジャー団体(つーか結局空手だし)で学んでいないことから来る受け身の下手さ加減(つまり相手レスラーが安心して技を放てない)。どれを取っても斉藤にはメジャー団体のトップベルトを巻く資格がない。本来ならアジアタッグレベルの選手で有るべきなのだ。

 だがどうしても人数の足りないノアで、抗争を繰り広げようとなると、このクラスのレスラーも抜擢せざるを得なくなる。本来なら、三沢なり、小橋なり、秋山なりが、W猛や本田、井上辺りをパートナーにしてタッグの抗争をすればいいのに、何だかおかしな組み合わせになっていて、ジュニアだったりインディーだったりが正パートナーになってしまっているのだ。今日の対戦相手も酷い。期待の若手何年目?の志賀が小橋のパートナーなのである。これまた斉藤以上に確実に負けるのがわかるパートナーである。

 そして斉藤と同じぐらい見ていて辛いレスラーである。斉藤の受け身下手は、一般素人には解りづらいからまだ良い(良くもないけど)。見た目は取り敢えず、あの厚みで何となく誤魔化せても居る。だが志賀は、本当にどうしようもない。目方がなかなか増えないのは体質の問題もあるから仕方が無いだろう。だがファイト自体がいつまでも進歩しないのはどう言うことだろう?試合展開はともかく、何より技が格好良く決まらないのである。まずチョップやエルボーなどの基本の技に体重が全然乗らない。体重が無いのは誰が見ても明らかなのだから、助走を付けて破壊力を増すとか考えるのが普通であろう?実際志賀もそう言う放ち方をする。するのだが何故か相手の体に当たる瞬間に抜いてしまうのだ。何故なんだ?相手は自分なんかより遙かに頑丈な選手なのである。なのに何故そんな寸止め気味に、当たる瞬間力を抜いてしまうのだ?

 今日のこの大事なタイトルマッチでも、そんな志賀のファイトは変わらなかった。出す技出す技、みんなインパクトの瞬間が弱い。高山にも指摘されていたが、根本的に心が弱いのだと思う。全日時代に出てきた頃は大いに期待した。だが何年も変わらない志賀に、ファンはそろそろ愛想を尽かすのではないだろうか?同じく体重が増えなかった西村は、若手時代、勝てないまでも上手いプロレスを展開していた。そうして今の西村が有るのである。目方も増えない、プロレスも上手くないでは本当にどうしようもないのである。

 そして、そんなレベルのレスラーをタイトルマッチに使ってしまうノアも三沢も、少し考えて欲しい。簡単な事なのである。W猛を解散させて、それぞれのパートナーに抜擢すべきである。そうした方が、W猛の今後を考えても理想だと思う。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(10/31記)

 GHCジュニアタイトルマッチ。菊地対金丸。

 ジュニアタイトルマッチの話しに入る前に・・・GHCヘビーのチャンピオンになった三沢が最初の対戦相手に選んだのは、またしても小川だった。何故?小川?どうして小川?さすがに今回は小川がベルトを取る事は無いだろうが、今更小川でどう盛り上げようと言うのだ?それとも何か?自分の体調が思わしくないので、取り敢えず小川で息を抜こうとでも思っているのだろうか?秋山、小橋、ベイダー、高山、大森。やらなきゃいけない相手は山ほど居るのである。三沢の小川びいきもいい加減にして貰いたい。むしろ小川はジュニアでその存在を大いにアピールする時期ではないのか?この後に記すジュニアタイトルマッチを見て、そう強く思わされた。

 IWGPジュニアタッグのベルトを持っている、菊地と金丸によってGHCジュニアのベルトは争われた。実にもっともな対戦である。タッグのチャンピオンの片割れがシングルのベルトを持っているのなら、当然どっちが強いのかは誰もが気になるポイントだからである。さらにベルトを持っているのが後輩の金丸なのでだから、先輩菊地としても黙っているわけには行かないであろう。ノアジュニア最高レベルの戦いが期待されるわけだ。

 試合は期待通り、素晴らしい試合となった。金丸の今までの問題点は(と言うかノアジュニア?)、その軽すぎる体から来る「受け下手」でと言う事だろう。三沢の例を取るまでもなく、チャンピオンというモノは強いだけでは駄目なのである。いかに相手の技を受けれるか、相手の良さを引き出せるか?それによって名チャンピオンか否かは決まるのである。だが金丸はご覧の通りに体が小さい、このため、今まではあまり相手の技を満足に受け止めることはしていなかった(急所蹴り等を多用するのもその為)。だが新日ジュニアと闘って揉まれたのも良かったのであろう。最近の金丸はそこそこ相手の技を受けるようになってきた。その姿勢はこの菊地戦でも変わらずに、見事に菊地のえぐい技を何発も受け止めて見せていた。いよいよ金丸にも王者の風格と共にプライドが生まれてきたようだ。

 逆に基本的に菊地は打たれ強い。攻められてナンボのレスラーである。やられればやられる程引き立つその様は、ヘビー級との対戦でより際だつわけで、体重が自分より軽いチャンピオン金丸との試合が、上手く成り立つのか不安な面も有ったと思う。だが、金丸はチャンピオンとなり、新日との抗争を経て見事に成長していた。その頑丈な菊地に対して、これでもかとスープレックスを叩き込む。それらをことごとく返して見せる菊地。そう。この日のジュニアタイトルマッチは、見事にノアヘビーのジュニア版と化していたのだ。これは面白い。こんなにタフな試合が金丸チャンピオンで見られるなんて・・・

 結果は後輩チャンピオン金丸が見事に防衛を果たした。だが、だからと言って菊地が評価を下げたわけでもない。また金丸もあの菊地を下したのだから、より評価が上がったわけである。この辺りの「闘った両者が讃えられる」と言うのもノアヘビータイトルマッチの伝統であり、ついにノアジュニアもノア基準に到達した。そんな一戦だったと思う。まだまだ体操選手はノアには一杯居る。だがこういう満足度の高い試合は、やはりそれなりの体が無いと出来ないだろう。小川のジュニア復帰、橋、杉浦あたりが、本格的にベルト戦線に参加してこそ、より一層ノアジュニアは充実するのである。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/3記)

 魔界対新日本体5対5。IWGPヘビー選手権永田対蝶野。

 魔界対新日の戦いは5対5ながらいつものイリミネーションマッチでなく、勝ち抜き戦方式であった。この勝ち抜き戦方式の試合時間がそれぞれ15分一本勝負だったのが、なんとも試合を単調な物にしてしまっていたと思う。大体ヤングライオンでも無いのに試合時間が15分で、決着付くはずがないのである。でも5対5なので試合数はこなさなきゃいけない。そういうジレンマを解決するためにイリミネーションマッチがいつもは採用されていたのに、何故今回に限り勝ち抜き戦なのであろう。案の定試合は、何の脈略もない一瞬の技で簡単にスリーカウントが入っていってしまう、バカ試合が殆どであった。

 それでもプロレスラー達はそれなりに、フォールに行く直前の技が説得力のあるモノになっているので良いが、魔界柳澤とかはちとプロレスラーとしての浅さが露呈してしまっていた。まだ柳澤は、自分の力をどれぐらい出して良いのか、調整が出来てないように見える。いわゆる「相手レスラーを怪我させるレスラーは最低のレスラーである」この格言に振り回されているのである。だからフィニッシュに導く決めの蹴りなんかは、ガツンと入れなければいけないのに、変に寸止めで全く迫力を欠いてしまっている。あれでは倒されたレスラーが恥ずかしくて可哀相である。新日合流直後の成瀬や垣原もこれらの問題を抱えていたが、そこはそれ柳澤。ヘビー級の目立つ役回りでの事だけに、早くキチンとプロレスを出来るようになって欲しい。そう言う意味では村上は本当に巧いよ(笑)。

 IWGPヘビー級選手権は時間切れドローとなった。この結果は防衛をした永田にとっては、自分の小ささをハンデとせず、188センチのスーパーヘビー蝶野に力負けしない事を見事証明して見せる事となり、インタビューで言っているとおり、見事に箔を付けて見せた。対して蝶野は体力的にピークは越えたと言われる中で、まだまだトップレスラーの実力は有ると言うことを証明する事が出来たと思う。と、二人共に結果を残した60分フルタイムドローな訳だが、やっぱりテレ朝のカットの仕方には問題が有ると思う。いきなり41分経過は酷すぎるだろう?やはり10分おきとか15分おきのカットにして欲しい。これでは序盤の攻防が全く解らない。前半どれぐらいグランドでサボっていたのか、あるいは最初っから飛ばしていたのか?それによって試合自体の価値が大きく変わってくるわけである。まぁ前半大きくカットしたので有れば、フルタイム時間割で(ジャンボ鶴田考案)前半はスローに立ち上がったと考えるのが妥当ではあるのだろうが。

 来週に取っておくべきネタなんだろうけど、MUTA。なんとも締まらない展開になってしまっている。やってしまった怪我はどうしようもないが、これでスターレスラーへの道は厳しくなったと思う。そのうちフェードアウトして行くであろう。惜しいキャラクターなんだけどなぁ・・・


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(11/6記)

 ハロウィンwithノア。

 ハロウィンの仮装に引っかけて所属レスラーが全て覆面で登場すると言う前代未聞の好企画。ファンの投票でカードを決めるファン感マッチと言い、ノアのこういう小回りの利くところは本当に好感が持てる。メジャー団体でありながら、フロントとレスラーが一体になって、団体を引っ張って行っているのがわかって、何だか暖かい気持ちになれる。別の意味での馬場イズムがノアには確実に残っている。フロントとも勝負しなければいけない新日とは偉い違いである(笑)。

 それぞれ工夫を凝らした変身ぶりでなかなか面白かったのだが、今週放送された分では「ビッグベン」が秀逸であっただろうか?大きな古時計と言う、まさに今の田上にぴったりなキャラクターで、誰のアイデアか解らないが、赤のショートタイツそのままと言う辺りのやる気の無さと併せて、絶品だったと思う。泉田のダーベイは学生プロレス、コッペパンベイダー級のアイデアで落第(笑)。小橋のBLAZEもなんだか、消化不良のベビーフェイスマスクマンみたいでいまいちだったザ・コブラみたいなモノか?)三沢は元々マスクマンだったのに、今のこのマスクの違和感ぶりは何なんだろう?デカすぎるマスクマンと言うのは、それだけでも違和感を覚えるモノなんだろうか?

 試合内容的には、マスクのせいでひやっとする技が多少有ったが、まぁお祭りレベル。もう少し、通常のキャラクターと違う試合を展開してくれるとなお良かったかも知れない。またケビンマスク「OLAP」が解らないようでは、放送席もまだまだ勉強不足であるな(笑)。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/12記)

 魔界対新日本体5対5。IWGPヘビータッグ選手権、蝶野天山組対Xローラー組。

 魔界対新日の5対5第二戦は15分1本勝負のシングルマッチ形式で行われた。またもや15分である。これでは残念ながら中身の濃い試合は期待できない訳で、案の定反則有り、不可思議なKO有りな茶番5対5となってしまった。中でも酷いのが先週も触れた柳澤で、今週も蹴り切れていない中途半端な寸止めハイキックで棚橋をKO。まったくあらかじめ結末が決まっていたにしても、棚橋負け損な恥ずかしい試合にしてしまっていた。

 正直柳澤としては、プロレスのリング、新日マットに上がるに際して、小川や高山級の活躍を頭に描いていたのであろう。スター選手になって富も名声も手に入るのなら、プロレス転向も悪くは無いと考えたのだろう。だがこの木偶の坊は全くダメダメである。契約上新日に色々制限されて、従うようになっているのだろうけど、それではプロレス界はダメなのである。プロレス界は結果が全て、その結果も観客の反応が全てなのである。例え棚橋をぶっ飛ばして半年出場できなくしても、そのインパクトによって観客は柳澤を認めるのである。そうすれば次期シリーズから棚橋が居なくても、柳澤と言う看板で興行は埋まっていくのである。そう言うインパクトこそがプロレス界では大事なのである。

 正直プロレス界、真人間では割を食う。「良い人」がみなヒールとなってしまう状況を見てもそれは明らかなのである。多少汚くても、相手をけ落としてでも自分の価値を高くしないとダメなのである。このままでは柳澤、良くて成瀬のような新日飼い犬、悪くすれば魔界ブーム消滅と共にプロレス界から消える可能性も有る。まずやるべき事。それは数試合に一度でよいから、本気のハイキック見舞うことである。それで相手選手が壊れたって仕方ない。新日のちびっ子スター選手が生き残るより、大型格闘モンスターが生まれた方が、プロレス界にとっても良いことなのだから。

 カブキ!全く役に立たない(笑)MUTAの代役は義理の父こと、グレート・カブキであった!!いやはやまさか、この平成の世に新日のベルトにカブキが挑戦することになるとは・・・まさにこれこそファンタジープロレス!武藤の一枚上を行く蝶野、ヒョウタンからコマの名采配である。いや、結果?そんなのどうでも良いのよ。体もかろうじてテレビに映せるレベルだったし、相手の技も必死に受けてたじゃない?毒霧噴こうと思って口の中に貯めてたのに、技受けたショックでちょっと吹き出ちゃって、それ以後の毒霧の濃度が薄かったのがちと笑ったけど。やっぱりプロレスラーとして、しっかりキャラが確立しているのは強いねぇ。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(11/12記)

 ハロウィンwithノア第二弾。

 ハロウィンの仮装に引っかけて所属レスラーが全て覆面で登場すると言う前代未聞の好企画。先週に続いて放送されたが、試合内容云々は別として、今週登場分のレスラーの方がキャラ勝ちしていた気がする。ミスターX3兄弟のネタなんかも、通常の試合ではアップアップになりがちな、館長、本田らでありながら、事前の濃密な打ち合わせの成果か、本当に面白い試合に仕上がっていた。メジャー団体であそこまで見事なボケと突っ込みをやられるとちとインディー団体は厳しかろうが、まあ年一なので良しとするか?

 アップアップと言えば、どちらかと言うとW猛もアップアップ系なのだが、こちらは何のひねりもないマスクマンぶりで、セブンイレブンのネタの意味も最後まで分からなかったし、通常のアップアップ振りをマスクマンになっても露呈してしまっていた気がする。ただ個人的には二人ともマスクマンの方が格好良く感じたので(なんかマスクドスーパースターを彷彿させた)、来シリーズ以降はこのままで良いと思う(苦笑)。

 またブラックコブラには、佐野らしいアイデァでニヤリとさせられた。ヘビーに転向してパンパンな佐野のマスク姿は、これまた現在のゆるゆるなジョージ高野の姿も連想させて、なんとも時の流れを感じさせた。ハロウィンwithノア。これだけ面白く、好評だったのだから、また来年もやってくれるだろう。レスラー達も今度は1年間じっくりとネタを仕込んでくれるとなお良いと思う。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/19記)

 魔界対新日本体5対5。ガン&スティール。

 魔界対新日の5対5第三戦は30分3本勝負で行われた。30分で3本勝負である。毎週のことだがもう笑うしかない。嘘でも良いから60分3本勝負と言って欲しいところだ(それでも10人レスラーが居る事を考えると短いが)。それと毎度不思議に思うのは、マスクを剥いだら反則負けと言う奴である。確かに髪を引っ張って5カウントで反則負けなのだから頷けなくは無い。だが、マスクを剥ごうとしている間に5カウント進んだことが有るだろうか?大抵は剥いでしまった事に対して反則負けなのである。これって髪の毛で例えれば、全部引っこ抜いたら負けと言う事なのだろうか?30分3本勝負には好都合な解釈だが、剥がされたら被り直せば良いわけで、何とも不思議なルールだと思う。つーかだったら5対5の団体の威信をかけた試合で、なぜ新日本体側も剥ぎに行くかなぁ・・・(苦笑)そんなに柴田を晒しモノにしたいのか?さらに安田は自分で取ったのだから、戦意消失で反則負けじゃないのか?

 全日からバート・ガン、ジョージ・スティールがやって来た。武藤体制になってしまい、自分達の居場所が居なくなったと考えたのか、近年まれに見る大型移籍のような気がする。ここの所の新日外人はノートンだけで正直物足りなかった。そのノートンにしてもT2000で、日本人と一緒に群れる存在であっただけに、本当の意味での外敵としてこの二人が機能することを切に願う。ただ、全日以上に新日は大きな流れが有る団体なので、現在のギミックな流れに巻き込まれずに、去年のタッグリーグ戦で見せた実力を存分に発揮して貰いたい。

 なんて言ってたら永田と組んじゃったんだよねぇ・・・次期シリーズだけのチームなのか、はたまた本体を守る優良外国人に成り下がるのか。トライアスロンサバイバー優勝後、3人でバンザイしてるなか永田を襲撃して、暴れん坊外人になってIWGPタッグ戦線を魅力的なモノにして欲しい。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(11/19記)

 タイトルマッチ調印式関係。

 久々にベイダー先生登場、そして秋山斉藤組のタッグベルトに挑戦というのがこのシリーズの見所である。なんつーかカード的には少々見飽きたカードで、いつも言っているように、ベイダー組が負けるのならスコーピオが秋山にフォール、秋山組が負けるのなら、斉藤がベイダーにフォールと言うのが見えてしまうのが残念だ。願わくば、そろそろ秋山、ベイダーでの完全決着試合が見たいのだが(一瞬の隙をついてとかで無く)、ちょっと無理かなぁ・・・秋山が見窄らしくボコボコにされるってのも、次の展開考えたら有りだと思うんだけど。

 と言う事は誰でも考えつくわけで、調印式からシャレの効いたおちょくりで、ベイダーをエキサイトさせた秋山は、見事にボコボコにされて見せた。深夜枠にも関わらず新聞見出しに「秋山失神」と出ていたからには、かなりの確信犯だったのだろう。だが我々が期待しているのは、こんな薄目を開けた失神ではないのだ。完全にベイダーにKOされる。そう、アクシデントとは言え、小橋や川田がハンセンにやられたような、凄い奴を期待しているのである。その点秋山はまだまだ自分が可愛くて困ったモノである。そもそも場外失神にしても、うがった見方をすればエクスプロイラー失敗で腰を痛めた秋山の逃避作とも取れ無くないし・・・まぁベイダーの凶器がゴムチューブってのも、緊迫感を欠く要因では有ったかも知れないがね(ゴムチューブで攻撃されて失神するわけにも行かないか?)。

 ジュニアの調印式では金丸のおつむが高速で回っていて良い感じ。こういう面では本当にベルトを持っている価値のある男である。邪道、外道にしても目立てなくなった新日で頑張るより、ノアジュニアの方が活躍できるだろう。ベルト奪還のゴタゴタでノア移籍なんかあったら、結構嬉しい。

 

ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(11/28記)

 トライアスロンサバイバー。

 いやー、確かに見たんだけど全く記憶にない。いや、かすかに有る記憶が吉江がダメだったのと、西村の菜食のおかげってのだけなのだ。つーかそれにしても真壁の扱い可哀相だねぇ。なんでこんな時期に帰って来ちゃったんだろう?早くゼロワンに移籍した方が良いと思うぞ。とほほ。

 

プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(11/28記)

 ベイダー対秋山絡み、サンダー杉山逝去。

 ベイダーが今シリーズ飛ばしている。その飛ばしている原因が今週の放送で明らかになった訳だが、果たして今シリーズベルト獲得となるのであろうか?確かに今のベイダーは全盛期は過ぎてしまったかも知れない。今のベイダーの最大の武器は「重いこと」で有るようにすら感じる。小型化が進んでいる最近の日本人レスラーにとって、あのベイダーの巨体はそれだけでやっかいである。変な話しベイダーが飛んでくれる意志がないと、試合自体の組立すらままならなくなるからである。ベイダーと良い試合をしたければ、まずベイダーと理解し合える関係にならなければいけないわけだ。ベイダーがこいつとなら良い試合をしても良い。そう思わせられるだけの関係を築かないと、ベイダーとの名勝負は成り立たないのである。そう言う意味ではベイダーの存在はもはやアンドレ的になりつつあると思う。

 だがベイダーが本来目指すべきなのは、ハンセン的歳の食い方であろう。いつまでも外人特有の突進力で相手を倒す!それが日本で長くファンに愛される方法だと思う。アンドレほどの巨体であれば居るだけで愛されるだろう、だがファンがベイダーに感じていた凄さは、完璧なあんこ型でありながら(ハンセンは違うよね)それをモノともしない素早い動き(アンドレもそうだったんだけど)、そして当然そのスピードをパワーに変換する圧殺力であった訳である。だが現在のベイダーからはあまりこの迫力を感じない。相手が壊されちゃうんじゃないだろうか?と言うような恐怖感がわき上がってこないのである。ノアの選手に対する情がわいているのかも知れない、あるいは三沢に腕を折られたのが、何かの警告だったのかも知れない。だが怖さを感じさせなくなった外人レスラーなど、後は坂を急速度で下るだけである。ノアの選手をもっと信頼して欲しい。そう簡単にぶち壊れる選手達では無いのである。新団体が軌道に乗るまで、一番怖いのはスター選手の怪我である。実際小橋の離脱など、かなりの痛手であっただろう。だが、もう大丈夫である。ベイダーが力をセーブする必要は無いのである。むしろ今ベイダーが力をセーブしている事が、ノアの危機ですら有るだろう。

 開幕戦で秋山をボコボコにした。ゴムロープでビッシビシはちょっと迫力に欠けたが、あの心意気で良いのである。秋山の挑発を聞いても解るように、秋山はそうされる事を、そう言うベイダーを求めているのである(でもいまいちやられ方がしょぼかったが)。強いベイダーを倒す、怖いベイダーを倒す。それによってより自分が輝ける。それが秋山にはしっかりと解っているのだ。だったらベイダーはそれに答えて欲しい。ハンセンが晩年キツイ体になりながらも、四天王の攻撃を受け止めていたように。ベイダーもここらで、切れたファイトを見せて、ノアの為に一肌脱いで欲しい所だ。そして、今シリーズのベイダーならそれが出来そうな気がする。

 サンダー杉山が亡くなった。残念ながら筆者の世代でも現役ファイトの記憶は殆ど無い。クラスに杉山という名前の友達が居れば、あだ名がサンダーになった程度の認識力である(同、勘太郎、マイティ)。むしろ晩年糖尿病を患ってからの闘病姿の方が印象に残っている。上田馬之助と言い、昔のプロレスラーは本当に心が強かったと思う。今回初めてカラーで動いている姿を見たが、凄い体だった・・・あんこ型なのに筋肉が盛り上がっている。あんな凄い体をしたレスラーなど、この筋肉増強剤ばやりの現在でも見かけない(マサさんぐらいか?)。やっぱり昔のレスラーには敵わない・・・

 

ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/2記)

 魔界、トライアスロンサバイバー。

 魔界が画面に登場すると視聴率がグンッと上がるらしい。そりゃそうだ面白いもの。下手にアメプロ風のソープオペラにするより、日本人はこういう軍団抗争を好むのである。フォーマット的には一時代を築いたマシン軍団そのものであるが、意外や意外将軍KY若松に変わる新ボス、星野勘太郎総裁の切れ味がよい。現役時代はファイトで全てを見せる突貫ファイターだっただけに、こういう役回りを上手くこなせてるのがちと不思議でもある。また昔のプロレスラー賛歌になってしまうが、やはり昔のプロレスラーは引き出しが多いと言う事だろうか?

 昔のプロレスラーはベルトに挑戦出来るようになるまで、実に時間が掛かった。今みたいにデビュー2.3年でタイトルマッチ挑戦なんてまずあり得なかった。そりゃ当然である。「プロレスラー」としての有りとあらゆる基本が出来てからでないと一人前と認められなかったわけだから・・・だが、今はちょっと強かったり、運動神経が良かったりするだけですぐ期待のホープ、スター扱いである。その他の「プロレスラー」として大事な試合の組立、駆け引き、キャラの立たせ方何て事は、二の次なのである。ファンとしてもこういうプロレスとして一番大事なモノを身につけてないレスラーを見させられて、成長していく過程を見せられるのだから迷惑である。そりゃプロレスの魅力を勘違いするファンが増えるのも当然であろう。魔界の柳澤なんかはこの典型である。「プロレス」が出来ないと、いくら素材が良くても、格闘技経験があっても「面白い試合」は作れないのである。

 そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの魔界倶楽部だが。魔界1号がSSマシン平田なのは当然として、今まで2号は柴田だと思っていた。だが今日のインタビューでの博多弁丸出し、柴田の猪木祭への参加表明等から考えると、柴田は本当に目の負傷で休養中なのだろうか?体格的にも柴田と考えるのが妥当だと思っていたのだが、全くの他団体からの別レスラーの参戦なのだろうか?ぱらっと名鑑見たところ藤崎忠優あたりが臭いと思うのだが、果たして正体が明らかになる日は来るのだろうか?(もっと専門的なプロレスサイトに行けば正体ばれてるんだろうけど)

 トライアスロンサバイバー。30分3本勝負だったのか・・・ちょっと衝撃的(笑)。トップレスラー達が本気出して6人タッグやったら、そりゃ通常なら30分じゃ収まらないよねぇ?なのにさらに、タッグとシングルやらなきゃいけないんだから・・・魔界の時も書いたけど、3本勝負はせめて60分にしないと成り立たない。30分で3本もやってるの見ると、どうしても「結果決まってんだろ?」って思っちゃうよ。一興行でやる事多すぎるからこんな事になるんだろうけど、藤田とか出さないで良いから、もう少し「試合」をじっくり見せてくれ。

 

プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(12/4記)

 GHCタッグタイトルマッチ、ベイダースコーピオ組対秋山斉藤組。

 いやいやちょっと保存用じゃないのか?この試合。何が良いってスコーピオだろ?この試合のスコーピオはまさに、レスラー人生最高の試合をしたんじゃないだろうか?とにかく最高にスコーピオが良くてスコーピオが輝いたタイトルマッチだった。パートナーのベイダーも無き父にチャンピオンベルトを捧げたかったのだろう。最近にないやる気ぶりだった。いかにいつものベイダーがそこそこのレベルで試合を成り立たせているかが解る、この試合の張り切りようだった。

 そんなベイダーの気持ちをより酌んでいたのがパートナーのスコーピオだ。なんとしてもベイダーにベルトを取らせてやりたい!自分が負け役になってはいけない!そんな必死さが一つ一つの技にこもっているのだ。この試合何度スコーピオの技に目が釘付けになっただろうか?今まで見たところのない所、角度から突如降ってくるミラクルスコーピオ。しかも体操系の選手にありがちな「取り敢えずどこかに当たってりゃOK」的な技で無く、どの技もどの技も的確に相手を捕らえている。正直どう考えてもベルトはベイダー組が取るべきだったと思う。

 チャンピオンチームはこの試合何をやったと言うのだ?試合を組み立てていたのもベイダー組、終始押していたのもベイダー組。フィニッシュの雪崩式エクスプロイダーも←こうやって字で書くと凄そうな技に見えるが、実際の決まり具合、その前までの試合展開を考えれば、あそこで決まって良いような技では無かった。あんな技で決まるぐらいなら、場内の沸き方から見てもスコーピオがスリーカウント取って良いシーンが何度も有ったと思う。試合後のマイクアピールから考えると、残念ながら試合結果が最初から決まっていたっぽいが、それならなおさらそんな状況であそこまでプロフェッショナルな試合をして見せた、ベイダースコーピオは素晴らしい。

 本当、ベイダーに、スコーピオにベルトを取らせて上げたかった。今後の展開を考えれば、大谷田中組と絡んだ方が美味しいのは充分理解できる。でもあの試合内容に答えて欲しかった。秋山。お前には誰がベルトを巻くべきか解って居るはずだ。このベイダーとスコーピオの思いを、今後のタイトルマッチ戦線で生かして欲しい。斉藤に何が出来るわけもない。秋山が観客を感動させるのだ!


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/10記)

 鈴木実対ライガー、トライアスロンサバイバー決勝。

 パンクラスマットでの鈴木対ライガー、本来は健介と鈴木の戦いであったはずが、何だか知らないが勝手に健介が駄々をこね、結局変わりにライガーが出る事となった。裏で長州や新日フロントのどうでも良いような駆け引きが合ったのだろうけど、それだけであれだけの男の約束を反故にしてしまう健介。長州の美学が一般人には全く解らないのと同じく、健介の生き様も我々には全く理解出来ない。そんな中、男を上げたのがライガーである。本当にライガーはこういう機を見るのが巧い(苦笑)。筆者は新日内で健介やケロと並ぶぐらいライガーが好きでは無いのだが、こういう行動を見るとライガーを支持するファンが多いのも肯ける。

 で肝心の試合内容は、試合開始直後で切れてしまっていて解らない。当初は「試合内容は1分」とかの契約がパンクラスサイドと結ばれているのかと思って「おいおいそりゃ酷いなぁ」なんて思っていたのだが、週プロ読んで納得。たぶん「試合結果は放送しない」そう言う契約だったのでは無いだろうか?おそらくパンクラスサイドの放映スケジュール優先の為の処置なんだろうけど・・・まさかこんな結果になるとはねぇ(笑)まぁ試合後のマイク合戦放送しちゃったので、薄々結果は想像できるけど。負けて男を上げるライガー。高山もそうだが、プロレスラーたるモノやはり負け試合こそが、評価を決めると言う訳だ。

 トライアスロンサバイバー決勝はなんとも、盛り上がらない一地方大会で行われた。普通こういうのって最終戦のメインとかじゃ無いのか?しかもシリーズタイトルにまでなってるのに・・・決勝やった後まだ3つも興行残ってるし、来年も果たしてあるのか?トライアスロンサバイバー(笑)。で、まぁ何というか決勝は予想通りの組み合わせで、永田組対西村組の試合となった。最終戦に来て永田組バートンの腰のコルセットがようやく取れ、いよいよ全開か?と思わせたがファイト内容にたいして差は無く、1本目吉江をフォールしてお役ご免(そう言う意味では腰を痛めつつも及第点のファイトをしていたとも言えるか)。2本目もスチールが良い動きを見せていたが、西村の巧さが勝って、これまた想像通り。いよいよ3本目じっくりと永田対中西の試合が見れるのかと思いきや、唐突に中西のジャーマンが炸裂して試合終了・・・なんかあんまり面白くなかったぞ(笑)。今まで散々30分でやっつけ試合してきたんだから、決勝ぐらいもう少し練り混んだ試合見せてくれても良いのに。ますます持って来年有るのか微妙なトライアスロンサバイバーである。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(12/12記)

 GHCヘビー級タイトルマッチ、三沢対小川。

 高山曰く「そんなに簡単にベルトに挑戦させてくれるのなら、オレもウェーブに入ろうかな〜」の三沢対小川戦である。何故小川なのか?いや、小川がチャンピオンだった時期の三沢対小川戦ならそれなりの意味と価値があったであろう。だが三沢チャンピオンの挑戦者小川なのである。誰がどう考えても小川の勝ちは無い。それどころか試合が面白くなる可能性すら限りなく薄いカードである。とても年末押し迫った時期のタイトルマッチとして成立しているとは言い切れないしょぼいタイトルマッチであろう。

 そんな訳で最初から期待薄で放送を見た。果たしてこの対戦に何の意味が有るのか?そんな事も考えてみた。だが多少えぐい技もありつつも淡々と進行していく試合に、結局何も見いだせなかった。あるいはひょっとして、小川の耐久力を知らしめる対戦だったのか?とも最初は思ったのだが、そんなに小川が堪え忍ぶシーンが有ったわけでもない。じゃあ小川が師匠(師匠というのも変な話だが)三沢を窮地に追い込む、凄いレスラーだと見せつける試合なのか?とも思ったが、受け身を取りやすい角度で何発も落とすバックドロップに何の期待も持てなくなってしまった(いや有る意味、小川の技術力の見せ場にはなったが)。

 唯一凄いと思ったのは、三沢の場外へのダイブを小川がスカして、見事に三沢が背中からコンクリに叩きつけられたシーンであろうか?あんなの有りなんだろうか?(笑)小川と三沢の間にある信頼感の絆が強いからこそ、ああ言うスカしもありなんだろうか?通常のカードであんな事やったら、ルチャや全女は成立しなくなってしまうだろう。でもこれも結局三沢の「凄さ」の演出にしかなっていないわけで、先週のスコーピオとは大違いで、今週の小川、何一つ株を上げていない・・・25分弱も三沢と渡り合っていながら、まったく何の印象も観客に残せなかった。唯一残せたモノは、戦いあっているのに、お互いに対する信頼感?みたいなモノが滲み出ていた点だろうか。公開スパーリングを高い金払って見せられた印象だ。

 まぁともかく、次期挑戦者は小橋に決定のようだから、次は面白くなるであろう!何てったって夢の小橋三沢戦である。これを外すわけにはノアとしてもいかないだろう?願わくば両者の体調が万全で、過去の勝負を越えた凄い奴を期待する(まぁ三沢防衛だろうけど)。


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/19記)

 3大タイトルマッチ、IWGPジュニア、IWGPヘビータッグ、IWGPヘビーシングル。

 1時間枠の中で3つもタイトルマッチをやってしまうのが、いかにも今のテレ朝、新日らしいのだが、またいつもの苦言で申し訳ないが、ぶつ切り気味で試合の盛り上がりが画面から感じられない。本当にもう少し編集を考えて貰いたい、ノア日テレは少なくとも、ここまでぶつ切り気味な感じはしないのだから。

 そんな中で一番の充実度だった試合はやはりシングルの永田対村上戦であろう。なんとも永田の出血がすぐ止まるしょっぱい流血戦であったが、村上のやばさ、それに対する永田の表情、絶品だったと思う。特に永田の表情に関しては放送席の高山も触れていたように、本当に良い表情をしていて、いよいよ新日エースの顔になってきた感がある。身長の足りない永田は、そのファィトスタイルだけでは当然トップは取れない。そこにこの表現力である。本当、永田にとって村上戦というのは一皮剥ける大事な一戦だったと言えよう。それもこれもこのマッチメークをした星野総裁のおかげな訳で、やはり星野総裁、新日内を良く見ている・・・

 また村上というレスラーも良いレスラーである。あの顔、あの言動、そしてあのファイト、正統派新日ファンの感情を逆撫でするだけ逆撫でしておいて、やられる時は見事に散って新日ファンの溜飲を下げさせる。これと言ったプロレス修行をしていないのにも関わらず、天性のプロレスラーとしての才が感じられる。同じ噛みつくにしても藤田(ミノル)辺りとは全然格が違う。噛みつくのならこれぐらい本気で噛みついて散るべきなのである。半笑いで噛みついてる姿にインディーファンは斜めに支持するかも知れないが、正当な評価で無いことは明らかだ。TAKA共に自分のスタンスを見直して欲しい。

 タッグの方はやっぱり柳澤の不出来が目立つ。安田も安田で、大事なケンカキック寸前でよけちゃったりして、これまた天然なしょっぱさぶり、星野総裁の判断、村上の抜擢は肯けるが、タッグタイトル狙わすにはちと厳しい二人だったと思う。試合後の武藤へのアピール。果たして乗ってくるのだろうか?新聞紙上ではちと厳しいようだが、1.4行くだけに見所は多い方が嬉しい。ジュニア?最近の試合では良かった方だと思う。カッキーの技が切れ味鋭く決まっていた分、試合が締まった。と言うか、それだけ金本の懐が広く深くなったって事だけどね。ライガーとヒートが絡まなきゃ、金本の試合も面白いと。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(12/17記)

 IWGPジュニアヘビー級タッグタイトルマッチ、菊地金丸組対邪道外道組。

 誰もが行って来いだと思ったIWGPジュニアのタッグベルトは実に長い間ノアにある。まぁそれだけ両団体間の関係が上手くいっていると言う事だから好ましいことではあるのだが、いくら良好な提携状態とは言え、異常事態であることは確かであろう。過去にもアメリカのベルトが日本に来ていたりすることもあったが(あれも今にして思うと凄い事である。当時の3大団体の世界タイトルが、東洋の島国に流出してしまうのであるから。それだけ馬場らの信頼がかの国で厚かったと言う事だろうが)、あれこそ行って来いでアメリカのプロレスファンは馬場や鶴田が自国のベルトを巻いていた事を知っていたのだろうか?まあともかく今度こそ、と言う事で新日から邪道外道がベルトを取り返しにやってきた。

 邪道外道が新日勢としてベルトを取り返しに来ると言うのも、なんとも時の流れを感じずに居られないが、ベルトを取り返しに来たのは邪道外道だけでは無かった。新日若手きってのタイガー服部系レフリー、田山もIWGPを裁くために乗り込んできたわけだ。新日レフリーがノアのチャンピオンの試合を裁くのも3度目と言う事になる。そろそろノアファンにも慣れてきたようで、この試合では巧みな演出でノアファンを見事にヒートさせる事に成功、冷静に見ればそんなにひいきレフェリングをしているわけでは無いのだが、そこはそれノアファンから見れば充分に邪道外道有利に見えたようで、会場の集音マイクにも熱くなったノアファンの叫びが良く入っていた。。

 そして試合展開も序盤からガンガン邪道外道が押していく。さすがにノアファンもそろそろベルトが新日に戻るかも?と思い始めているから、邪道外道攻勢の試合展開にドンドン引きずり込まれていく、そして田山のレフェリングである。見事なまでに新日勢にお膳立てして貰って試合は盛り上がって行くわけだ。だが甲州街道ネタで過去にタイムスリップした後ぐらいから、ノア勢の反撃が始まる。菊地がエルボーを乱打するが試合の中心はやはり金丸。とにかく金丸と外道の相性がばっちりで金的スカし合戦など見事な展開が続く、フィニッシュに至る大技の連続も外道の受け上手のおかげで美しく決まって見える。本当に新日勢におんぶに抱っこの展開だったが、フィニッシュの垂直落下式ブレインバスターがこれまた見事に決まって(あれを受けれる外道ってやっぱり凄いよ)、またしてもベルトはノアに残ることとなった。やっぱりライガーがベルト取り返す展開になるのだろうか?(苦笑)


ワールドプロレスリング TV朝日系土曜深夜(12/26記)

 ネタ。ネタ。ネタ。今週で今年の放送は終了と言う事で、とにかく1.4に繋がるように諸々のネが散りばめられた1時間。こんなにネタまみれにするのなら、先週のタイトルマッチどれか今週に回せば良いのに・・・

 永田&バーネット。筆者は総合格闘技系にはそんなに詳しくないので、永田の1.4の相手がバーネットと聞いてもピンと来なかった。だが今週の放送を見て俄然興味が沸いてきた(まんまとネタに乗せられている(笑))。なんと言ってもたたずまいが良い。スーツ姿での登場だったがスーツの上からでも鍛えられた体が想像できるし、若いのに王者の風格が漂っている。筆者はスティーブン・リーガルがかなり好きだったのだが、そんな感じの気位の高さを感じた。ただ、永田をフロントネックロックで絞め落としたシーンは、ちとインチキ臭くて興醒めだったが、あれはまぁ永田がしょっぱかったと言う事で・・・。取り敢えずいつまでもノートンにうろちょろされるのも辛いので、日本人のライバルとなる強豪プロレスラーとしてバーネット、大いに期待したい。あれだけプロレス的アピールしといて(良く日本語覚えてきたよ)、プロレス全然出来ないなんて事無いだろうな?

 藤田ミノル対ヒート。いや、やっぱりジュニアで良いって。ジュニアの方が遙かに輝いて見えるよ藤田。おまけに今のジュニアライガーがまた訳解らないことやりだして混乱してるだけに、自分のポジション奪い取るには最適な時期だと思うけどな。新日に定着したかったらジュニアだよ。

 高山健想組対西村天山。高山復帰戦は、なーんか健想ばっかり喜んでたみたいだけど、高山はまだ病み上がり、本調子にならずって感じだった。腹回りも一段と貫禄がついちゃったし、1.4に向けてちゃんと仕上げて行って欲しい。健想に偉そうなこと言ってるけど(いや言って良いんだけど)、自分を上手く演出して行くには、これからが大変な訳で、せっかく高山というブランドを築きかけたんだから、大事に育てて欲しい(自分で)。桜庭も藤田も安田も築きかけたブランドを定着させるまでには至っていない。それは全て総合格闘技系で手に入れたブランドだからである。だが高山のブランドは、総合格闘技系に出つつも築き上げたのはプロレスマットにおいてのモノである。勝ち負けが評価に直接繋がらないプロレス界、それを上手く渡っていくのは、やはり自己演出力なのである。健想に説教たれつつ、高山自身がその辺りを再確認してくれると嬉しい。

 で、そんな試合を密かに輝かせていたのは、西村(笑)。いやー相変わらずすげーや。ゴムマリみたいに相手の技吸収してるモノ。途中から高山健想の攻撃より、西村の受けに集中しちゃった。天山のダイビングヘッドまで貰ってるし(笑)。そんな天山が結婚報告。「初めて会った時に着ていた赤いスーツが印象的だった」そんな事言うから、プロレス会場最前列に、びっしびしに着飾った30目前のねーちゃんが鎮座召しますのだよ。「次は私よ!」と。


プロレスリングノア中継 日本テレビ系日曜深夜(12/27記)

 IWGPヘビー次期挑戦者決定戦田上対小橋。

 田上明。現在のこのプロレスラーの評価はノアファンの中ではどうなっているのだろう?筆者は全日四天王の中では断然田上派であった。強いのは小橋、上手いのは三沢、目立つのは川田。そんな事は重々解っていながらもデカイレスラー好きの筆者としては、やっぱり田上を応援してしまっていたのだ。単独で面白い試合をする事はまず無くても、その巨体を生かした技を見た事がなくても、巨体の割にヨロヨロとした下半身に不安を感じても、全日四天王時代の田上には、必ずファンを驚かすような「凄さ」が現れる試合があったモノだ。

 だが正直今の田上は厳しかろう?足下のおぼつかなさ加減は前にも増してだし、前は年に数試合あった「これぞ田上!」っていう試合も年一ぐらいになっちゃったし。なのにタイトル戦線が物足りなくなってくると必ず担ぎ出されてくるのは田上なのである。で、結果も見えている。善戦して見せるも惜敗・・・果たして田上本人には、やる気が有るのだろうか?(まあ昔からやる気は無かった方だが)今でもやる気を出せば、三沢や小橋と対抗できるだけの力を持っているのだろうか?それともやっぱり、温かい目で見なければいけないレスラーの仲間入りをしてしまっているのだろうか?

 とにかく、田上が解らない。マッチメーク上「まだまだ怪物」的キャラなのか?それとも本当にまだ出し切っていない「怪物的強さ」が有るのだろうか?あの巨体の割に細い腕なのに「相撲で鍛えたかいな力は天下一品」、見ての通りヨロヨロなのに「相撲で鍛えた下半身は安定感抜群」等と併せて、本当に田上というレスラーは解らない。これが好きでも何でもなければ、「みんな作られた伝説、ただの木偶の坊」で済むんだけど、好きなだけに、ひょっとして、ひょっとしてって思ってここまで来てしまった感じだ。田上ファンはずーっと「いつかは鶴田みたいに、その実力が明らかになるはず」そう思い続けてきた。だがその願望は、高山ファンの方が早々と叶えることになってしまった。果たして田上が化ける日は来るのだろうか?ノアファンはどう思っているのだろう?


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