2002.1.27 高橋誠
原書房から出た『トールキン─『指輪物語』を創った男』について気になることを纏めてみました。書誌事項は次の通りです。
とかの有名な「押入」でなく岩波版にあわせたのかと思うと、
と原書房版に合わせたりしています。
とは単なる誤植でしょうか?
ゴブリンはオークの「英語訳」ということになっているのですが。
「ゴクリ」は原書房版が岩波版にあわせている珍しい例なのですが。
五軍の
が特に強調されています。確かに出てはくるのですが。
ガンダルフはサム以外に秘密を漏らさないようにいっています。
だそうです。
まあ、炭鉱呼ばわりするよりはましですが、「坑道」としてほしいです。
もちろん、順序は逆です。また、
そうです。オークたちは最初からさらうつもりだったので、救ったとはいえないのではないでしょうか。せいぜいさらわれるのを遅らせたくらい。
この地名に見覚えはありません。角笛城のあるのはヘルム峡谷ではないのでしょうか?
これは影山氏が紹介済みですが、ringwraithは『指輪物語』では「指輪の幽鬼」と訳されています。確かに実体はないのですが、このような記述は憶えがありません。後半出てくる羽根の生えた生きものに乗った場面を誤解しているようです。
海を回ってきたくらいでしょうね。
というのがフロドこと。33歳で成人なら50歳くらいは「若い」でもいいでしょうか。
この形容も覚えがないのですが・・・
このサムはフロドのあやまりです。
三部作でなくて一つの物語というのをここでいっても無駄でしよう。
これも影山氏が紹介済みですが、エルフ語の翻字規則なんていう以前に、eのウムラウト記号で分かりそうなものです。
かの有名な「西の高地のエルフ」に合わせたのかしら。
原書を読んでいる友人によると、原書にもいくつか間違いがあるそうです。訳本の間違いも原書からの遺伝と考えられるものもあります。どちらにせよ、出版社も翻訳者も気づかなかったわけです。結果として間違いは間違いですし、どこで間違ったかまでは解析していません。