マツダ デミオ 

(99.4.3補記)
 我が家にあったシトロエンは二台ともマツダで購入された車であるため、点検などの際はデミオが代車としてやってくることが多い。今までに都合3種類のデミオと2週間近く過ごしたことになるのですが、その都度けっこう印象が違うのでそれぞれ記していきたいと思います。

 一番最初に乗ったのは、出てすぐのモデルでした。このときの印象はとにかく内装が安っぽくて、何処もパッドで覆われていないことにビックリしたと言うことと(トヨタがヴィッツで同じようにしたことから、ある意味正解になりつつありますね)案外イスの出来が良いなと言うことでした。特にイスは国産車のイスに絶望していた筆者にとってかなりのショックで、アンコがぎっしりと詰まった感じになかなか好印象を持った記憶があります。イスが良いせいで、安っぽくコトコト鳴る足廻りなどもそんなに気にならなくて、ご近所走るにはこれで十分だなと思ったものです。

 次のモデルは、爆発的に売れてマツダのドル箱車となってからの、マイチェン直前のモデルでした。この車は最初に乗ったものと違い、イスがヘニャヘニャのいかにも国産大衆車の安っぽいイスになってしまっていて、またまたビックリさせられました。国産車ってのは売れてくるとこういう卑怯なコストダウンをするのが困ったもので、最初の評判を信じて買った人は、まんまと騙されてしまうのですから(試乗をすればわかることですけど)本当に困りものです。

 そして、最近乗ったのが「乗り心地を改善しました」と高らかにうたっているマイチェン後のモデルです。確かに、コツコツという感じではなくなりましたが、やっぱり道の状態が少しでも悪いとゴトゴトして、あまりいい乗り心地とは言えないと思います。特に初期型は出来の良いイスが乗り心地の悪さを帳消しにしていましたが、後期型は中期型に比べてましになったとは言え初期型のレベルまでは戻っておらず、改善と言うほどの乗り心地ではないと思います。で、その後期型のイスですけど、中期型がヘニャヘニャでどうしようもなかったのに対して、平板ながらも硬めでしっかりした作りになっているのが好感を持てます。どうせコストをケチのであるなら、変に柔らかくするより、硬めの方が実用的なのは明らかなので、これは良い判断だと思います。

 後、このモデルに乗って初めて気づいたのですが(前はセッティングが違ったのかも)、ATの設定があまり良くないのではと思います。1.3Lの3速ATなのだと思うけど、まず走り始めはアクセルにちょっと触れただけで、回転がギューンと上がって非常に雑な発進をさせられ、2速に切り替わってからは力が無くダラダラと進み、それを嫌がって3速に早めに繋ごうとすると、1速と同じ下品な特性に変わってしまい、ギクシャクさせられる。とにかくちょっと力が欲しいなと思うとすぐにギュイーンとなってしまうのです。まぁエンジンに力が無いので仕方がないのかもしれないですが、初心者が運転する機会が多いと思われるコンパクトカーがこれでは、丁寧な運転など出来ず良いドライバーが育たないと思います(この設定はベテランでもアクセル操作にかなり気を使います)。

 と、3種類のデミオに乗ってきた印象を書きましたが、3種類に通して言えることは、室内の騒音が軽トラのようで非常に安っぽいと言うことです。50キロを超えた辺りからシューという鉄板を震わせるような音が後方から車内に充満してきて、とても60キロ以上出す気にはなれないのです。この辺りからも、本当に便利なお買い物車として使うのが正解であると思います。確かに、あのマツダの危機的状況から出てきた(しかも有りモノででっち上げたにしては)割には良くできた車かもしれないですが、そんなみんながこぞって買うほどの車ではないとも思います。


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