新車チェック |
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アルトラパン(2015年6月発表)(17.2.15記) | |
2001年当時、軽自動車の中心はワゴンRが火をつけたハイト軽が主流となっていました。そんな中ワゴンRを投入したスズキがセダンスタイル(ハッチバックですが)の軽として発売したのが初代ラパン。セダンスタイル自体が古くさく見えていた時代に、それを利用してレトロなデザインとしたのが当たって大ヒット、キープコンセプトの2代目も人気は落ちず、アイデア一発勝負の派生軽自動車としては珍しく無事3代目が登場しました。 ここをご覧頂いている方には伝わっていると思いますが、筆者は国産車メーカーではかなりスズキに辛いです。その理由は今まで記してきていますのであらためては書きませんが、今回も結構辛口です(笑)。 スズキは、軽自動車は日本独自の規格で世界に出さないので、あるいは軽自動車は普通車に比べてオモチャみたいなものだから(車としての出来というわけではなく、軽規格の出自やポジショニングとしての意味で)、何やっても許されると考えているフシがあります(笑)。もちろんその自由な発想力が色々と面白い車を産み、ヒットに繋がり他社のフォロワーを生み出すのですから、スズキの大きな魅力とも言えるでしょう。 何をやっても許されるというのは、デザイン&コンセプトを他から持ってきても全く抵抗がないと言う点です。ワゴンRの元ネタがホンダのステップバンで有ることは40代以上の方なら周知の事実ですが、これはまぁ、眠っていた鉱脈を発掘したと言うことで、過去に生かし切れなかったアイデアを復活させた手柄の方が大きいと思います。 ラパンも初代モデルにはダイハツのフェローの臭いがプンプンしましたし、近年大ヒットしたハスラーも、その発想がトヨタのFJクルーザーに有るのは明かです。それどころか先日デビューしたばかりのワゴンRは誰がどう見ても軽自動車のベルファイア。顔だけでなく特徴的なBピラーも真似ているので、偶然と言い張るには無理があります(笑)。 上記したようにコンセプトを拝借して上手いなと思わせる車もあれば、ただ猿真似で中華専売車バカに出来ないよねと言うのもあるのですが、そう言う意味では、スズキの社員は非常に車が好きで、古今東西の車の歴史を良く勉強したカーガイだとも言えるかも知れません。 さてそんな3代目ラパンですが発表は2015年6月。当ページの更新が遅れまくっているせいで、市場の評価がすでに出てしまった感じです。正直1.2代目に比べてあまり売れていないかな?と言う印象ですが、車としては2代目の途中に追加されたショコラの正常進化で、とてもレトロ可愛い雰囲気で悪くないと思います。 ワゴンRがあんなに売れても終始安っぽいプラッチッキーな内装なのに対し、ラパンは価格帯が違うとはいえ、同じプラッチックでも全く安っぽさを感じさせない作り込まれた内装が伝統です。3代目もコイズミ学習机のような天板を持ち、日本に来た外人が見たら必ずクールと言って夢中になりそうな振り切ったデザインです。 外装デザインはさすがに2世代15年以上キープコンセプトでは厳しいと思ったのか、今回は大きく変えてきています。それまでダイハツフェロー調だったデザインが、遂に自社モチーフのデザインになったと思います。フェローほどハッキリと感じさせないのが奥ゆかしいですが(笑)、その元となったのはスズライトフロンテ。初代風でもあり、2代目風でもあり、ここまでやるのならサイドをもう少しコークボトル風にすれば、ミニやフィアット500のような復刻デザインになったのにと残念です。 そんなわけで、筆者は3代目のラパンも全く嫌いではありません。自分で買うかと言われれば難しいですが(おっさんが乗るのが恥ずかしいとか言うわけではなく、対費用効果的に)、人が買いたいと言えば素直に勧めると思います。 ではなぜ3代目はヒットしてないのでしょう?実は3代目のリリース時に気になる一文がありました。「女性ワーキンググループが開発の主体となって本当に女性に喜んでもらえる車を企画した」的なモノです。むむむこれはマズいなと(笑)。実は女性が企画に参加していたとしても、女性向けにこだわって作った車で女性にヒットした車は殆どありません。 世の女性達は、女性専用とか女性向けというモノに共感するよりは、むしろ反発する方が大きかったりします。「そんな勝手にカテゴライズして押しつけ決めつけしないでよ」と。ラパンもその落とし穴にはまったのではないでしょうか?確かに2代目のショコラは女性向けに大きく振った追加グレードでした。でもそれもベースのデザインが甘口過ぎないモノだったので、ほどよいさじ加減になっていたのです。 そもそも初代のラパンにはスポーティなーSSと言うグレードがあり、これがまた子どもが大人びた格好をしたような雰囲気で、実にカッコ可愛いモデルでした。ベッタベタな甘々よりも、ほんのり可愛いと思わせるぐらいの方が共感は得やすいわけです。そう言う意味では3代目はやりすぎてしまったのかも知れません。2代目キューブ大ヒットの後の3代目キューブやり過ぎに似ていますね。筆者は振り切れてればそれはそれで評価したいと考えるタチなので、前記したように3代目も好きですが、世間はそうは見なかったようです。 今回試乗はしていませんので車としての出来自体はわかりませんが、展示車を色々いじっていて気づいた唯一の不満点はリアシート位置が固定で有ること。いや、別に固定してあっても適切な位置なら問題はないのですが、足下空間をここまで広くする意味がわかりません。そのせいでリア荷室は極少。軽自動車サイズなら仕方ないと割り切るのであれば、それは荷室ではなく後席ではないのでしょうか? 軽自動車のリアシートで足が組めてどうだって言うんでしょ?このハイト軽でもないラパンに4名フル乗車する事がどれだけ有りますか?それよりはしっかり使える荷室が有るべきだと思います。リアハッチにノッチがついてよりセダン風に見えるのに、残念な仕様だと思います。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好)。 | |
パレット/ワゴンR/アルト/ソリオ/MRワゴン/ラパン |
アルト/ラパン-3(好) ワゴンR-3(嫌) ソリオ-2 その他-3 |
エブリィ/ワゴン/キャリィ |
2 |
ジムニー/シエラ |
3 |
エリオ |
2 |
スイフト |
3(嫌) |
SX4/セダン/スプラッシュ |
スプラッシュ-3 SX4/セダン-2(嫌) |
エスクード |
3(嫌) |
キザシ |
2 |
新車チェック |
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レガシィB4(2014年10月発表)(15.11.8記)-試乗済み- | |
先代レガシィが登場した時、その大きすぎるサイズとサイズを持てあましたかのようなデザインで、多くのレガシィファン、スバルファンを失望させ、レガシィこけたら会社が傾くスバルとしては、大いに行く末を心配されました。ところが、確かに日本国内では歴代ほどのヒットは飛ばせませんでしたが、それを補って余りあるほどの大ヒットを北米市場で放ち、経営状態が不安視されていたスバルを一気に立て直し、メーカーとしての判断が正しかったことを証明しました。 北米では多くのスバルマニアを生み出し、個性的なプレミアムメーカーとして認知されはじめるなど、スバルというメーカーをガラッと変えるのに成功した先代レガシィ。国内にはレヴォーグという、旧型レガシィサイズのワゴンを準備するという余裕も生まれたので、当然新型も北米でヒットを飛ばすために開発されることとなります。 日産がスカイラインを北米でインフィニティとして売るようになり、その圧倒的な販売台数で使える予算が潤沢になった結果、大変質感が上がったのは記憶に新しいですが(その後現行では調子に乗って価格自体も上げてしまいましたが)、レガシィでも同じ事が言えるようで、開発予算にはかなり余裕があったみたいです。 先代ではまだ日本仕様5ナンバーの記憶がデザイナーに残っていたためか、正直、ライト周りの処理、切り立ったサイドパネルと、歴代で一番大きかったのにその余裕が全く生かされない、歴代で一番不細工なレガシィだったと思います。それに対して新型は、まーよく言えばのびやか、悪くいえば大雑把でサイズと合わせてやっぱりアメリカン(笑)。 レヴォーグ、WRXと比べると線が少なく、また世界的にも情緒的な線を多く入れるのが流行ってるのにこれでは、カムリやアコードと同じく日本製ビッグセダンのどんくささを感じます。そう言う意味ではビシバシ線を入れる日産は完全に北米言語、豊かな面で見せるマツダは欧州言語で、振り切れていますね。 先代で慣れたというのもありますが、大きさ自体はフラッグシップカーとして考えればさほど抵抗感は生まれません。ただ一つ、下が本気のスポーツセダンのWRXなので、普通の人が乗るセダンとして考えるとインプレッサとの差は開きすぎ。やはりレヴォーグセダンが欲しいところです。 内装質感は、高評価の雑誌記事が多くて期待していたのですけど、実際はいつものスバルにしては頑張った程度。日産がスカイラインの質感を一気に上げたのに対して、スバルが潤沢な資金を使ったのはここでは無かった模様です(笑)。クラスが全然違うマツダのデミオと比べても、デミオの圧勝。一番目立つのは、このサイズの車で、銀色の華飾パネルがプラッチックに銀色吹きっぱなしのように見える点。デミオはキチンとメッキパネルなんですよね。 デミオクラスの予算で出来てる事がレガシィ出来てない不思議です。 北米でのレガシィはファミリーカーサイズでしょうから、この質感で構わないかもしれないですし、アメリカ人の質感に対する拘りはザルなので、これでも認められるのでしょうけど、日本で高級車のサイズの車ではやはり厳しい仕上がりだと思います。 さていつものように勧められたのでほいほい試乗します。一言で言って大変硬質な印象。しなやかとか柔らかいとは別の世界。硬い殻に守られながら段差とかは1回のショックでいなしていきます。サスペンションの取り付け剛性部とかにお金が掛かっていそうでまったくワナワナしません。日本人が考えるドイツ車の上級な足回りを再現しましたという感じで、そうかここにお金掛けたんですねと合点がいきます。 何度もスカイラインの話しが出てきましたが、結論も同じです。やはり桁の違う台数が売れた車には、キチンと開発費が掛けられてい、悪くない車に仕上がっています。ただ北米でヒットしたからには北米に合わさなければ行けないのが物の道理です。結果良い車ではありながら、日本国内にはあまり向かない車になると。 それが数多くのファンを持つレガシィであれば、やはり「レヴォーグがあるから」で片付けられるような簡単な話ではありません。この辺りもスカイラインと同じですね。デカくはなったモノのさほどスタイリッシュではないのが、スバルらしいと言えばスバルらしくて、本質は変わってないとホッとしますけど(笑)。 唯一の救いは、スカイライン好きの日産党が、スカイラインが大きく高くなった現在、乗り換える車が全くないのに対して、レガシィが好きだったスバル党が、乗り替えようと思えるスバルらしい車は、まだそれなりにあるという点。メーカーが準備したレヴォーグだけでなく、フォレスターやXVなんかにも、歴代レガシィに通ずるスバルらしさは感じられますからね。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3。 | |
レヴォーグ(2014年6月発表)(15.7.17記)-試乗済み- | |
レガシィが北米市場でのヒットで巨大な車となり、なおかつワゴンモデルが消滅してしまった今、旧来のレガシィワゴンを愛用してくれたユーザーが乗り換える車が無くなってしまいました。その為日本向けに丁度良いサイズのワゴンとして開発されたのがこのレヴォーグで、プラットフォームはインプレッサの流用、この後発売されたセダンのWRXとは兄弟車のような関係になります。 レガシィのヒットで始まった日本のワゴンブームもすっかり冷めてしまい、ワゴンブームもう一方の立役者だったアコードもすでにワゴンをラインナップから落としていますので、日本国内で使いやすいサイズでありながら、それなりに質感の高い国産ワゴンは実質これだけとも言えるでしょう(アテンザもアベンシスも大きいですしね)。 試乗させてもらったのは1.6Lターボの上級グレード1.6GT-Sで、足回りがビルシュタインダンパーにアルミ製フロントロアアーム、タイヤが18インチになるのが、ベースグレードとの大きな差となります。レヴォーグには他にも2.0Lターボエンジンがありますが、こちらもベースグレードとスポーティー仕立ての組み合わせは変わりません。 まず運転してみたら誰でもわかる良いモノ感が有ります。しっかりとしたボディ、良く動くサスペンション、取り付け剛性感の高さ、見た目優先で18インチの太いタイヤを履いていますが、見事に履きこなし、荒れた道でもドタドタゴトゴトすることが殆どありません。良路であれば充分しなやか、昔のレガシィ上級グレードのような固いしなやかさではなく、昨今の欧州車のような、柔らかさすら感じるしなやかさです。 それなりに価格帯が高い車ですが、その価格に期待して裏切られることがない乗り心地、車の仕上がりだと思います。トヨタやホンダなどでは同価格帯でも、ちょっとガッカリするような仕上がりの車が有ったりしますが、スバルとマツダは、投入できる新型車の数が限られているだけに、1台あたりにかける手間ヒマ情熱が違い、開発者の思い入れが伝わってきます。 また他社もかなり技術が上がって来ましたが、未だに第一級の安全装備と言えるアイサイトが標準搭載であること。30キロを超えると全く作動しないモノや、スズキあたりのインチキ表記「レーダー」サポートあたりとは格が違います。またそのアイサイトを利用した追従型クルーズコントロールの精度の高さというか、楽さ加減も笑っちゃうレベルです。 内装色は一見黒内装だけなのですが、オプションで白革内装、ボルドーを差し色に使った仕様があるので、お金を払えば自分の好みにあった内装が選べます。またSグレードはステッチがブルーで、スバルらしさを感じると同時に、スポーティー=赤ステッチ/赤差し色と言う短絡的発想から脱却しているのも好感が持てます。ただスバルなりにかなり頑張ったとは思われますが、やはり内装の質感は残念な仕上がりです。 国産で300万円クラスの車にもかかわらず、ハードプラ部分のてらてら感は1.5Lクラスを思わせますし、パワーウィンドースイッチ部の銀色塗りっぱなしアルミ調も、いまや安物証明アイテムですので使用すると逆効果です。肘当てソフトパッドは青ステッチ共々それなりの質感なのですから、こちらをスイッチ周りに配置した方が良かったと思います。またSグレードのシルバーカーボン調パネルは質感云々の前に、目がチカチカしてこんなの採用するセンス自体を疑います。 メーカー自身が得意げに言うダウンサイジングターボが1.6Lなのも疑問です。元々2.0〜2.5Lの車格とメーカーが考えてるようなので、1.6Lでも充分ダウンサイジングだと言うことですが、国産車で日本の税制が解っているのなら、どうして1.5L以下で開発しないのでしょうか?2.0ターボがハイパフォーマンスエンジンで差別化出来ているとしても、同じ税金のくくりに二つのエンジンがある理由がわかりません。 トヨタの1.2Lやホンダの1.5Lダウンサイジングターボが出てしまった今、全くインパクトもなく、ユーザーにとってもメリットのない自己満足仕様だと思います。これはユーザーの印象にも影響して、1.5Lダウンサイジングターボなら300万クラスの車でも、新技術で税金も安く燃費も良いのだから納得。となりそうですが、1.6でダウンサイジングターボと言われても、今までと同じ感覚で、廉価グレード1.6Lの車がなんで300万もするんだ?と思われがちです。 外装デザインもスバルらしい顔ではあると思いますが、ちょっと線が多くゴツゴツしていて、誰もが格好良いと思うようなモノではないですし、三菱のガンダムデザインが乗り移ったかのようにも思えます。マツダがデザインからもユーザーを一目惚れさせているのとは大きな差を感じます。プロポーションもプラットホームがインプレッサと共用な為か、横から見るとフロントとリアのオーバーハングが長すぎ、ホイールベースが短く感じます。ワゴンなのですから、もう少しフロント側で切りつめた方がバランスが良くなると思います。 最初に記したように、車としてはとても良く出来ていると思います。メーカーが自分達で作っているモノに対して、とても正直で誤魔化していないという点では、今の国産車ではマツダと双璧です。ダメな点は昔からスバルが不得手な部分ですので、スバリストにとっては気にならない部分かも知れませんが、マツダが新世代ディーゼルとそのデザイン、高い質感の内装で、他社からお客を奪っているのに対して、こんなに良い車でありながらなんともスバルは勿体なく思えます。 あとは、WRXと言う存在があるのはわかった上で、レガシィではデカすぎる、インプレッサでは安っぽすぎると考える人向けに、やっぱりレヴォーグセダンが欲しいです。WRXほど本格的、あるいは見た目仰々しいものではなく、ナローWRX=レヴォーグセダンが250万円クラスであれば、ラインナップ上文句の付け所がないのですが。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3。 | |
BRZ |
3(好) |
エクシーガ |
フォレスター-3 エクシーガ-2 |
レガシィB4/アウトバック/インプレッサG4/スポーツ/XV/フォレスター/レヴォーグ |
XV-3(好) フォレスター-3(嫌) その他-3 |
1-貰っても乗らない。2-格好悪いです。3-普通。4-知り合いが乗ってたら嬉しい。5-今すぐ欲しい。好-好きなデザイン 嫌-嫌いなデザイン(それぞれ同ポイント内での好き嫌い。3の(好)は当然4よりは劣る)。
新車チェック |
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テリオスキッド |
2 |
コペン |
3(嫌) |
エッセ |
エッセ-4 |
ミラ/タント/ムーヴコンテ/ミラココア/タントエグゼ |
ココア、エグゼ-2 その他-3 |
ムーヴ/ミライース |
ムーブ-3 ミライース-2 |
アトレー/ワゴン/ハイゼット |
3 |
ブーン/ルミナス |
ブーン-3、ルミナス-2 |
ビーゴ |
3 |