三菱 ミラージュ6 ロイヤル |
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(03.7.10記)(03.7.12補記)
去年の12月にレパードの後継車として我が家にやって来た新ばか車、それがこの世界最小V6エンジンを搭載したミラージュ6です。バブル末期に開発された1.6LV6エンジン。この世界最小V6エンジンを搭載する車は、ミラージュと兄弟車のランサーしかありません。しかもさすがにバカバカしさに気づいたのか、フルチェンジされた次のミラージュ/ランサーでは1.8LV6エンジンに格上げされて(志し的には格下げ)、僅か4年でこの世界最小V6エンジンは消滅してしまいました。1.8LV6エンジンなら、ポルシェが開発に手を貸したと言われている素晴らしい出来のモノがマツダにあるのですから、勝負になるわけがありません。そんな訳でこの1.8LV6エンジンもランサーのフルチェンジで消滅。以後三菱はGDIと言う泥沼に自ら浸かっていくことになります。
ネットで「世界最小V6エンジン」と検索をかけると、まず確実にマツダの「ユーノスプレッソ」のページが出てきてしまいます。そのユーノスプレッソのページにはキチンと「数ヶ月後に三菱に1.6LV6エンジンが登場して、世界最小の座は僅かな期間で終わる」と書いてあるのですが、三菱の世界最小V6エンジンを記したページが世の中には殆ど無いのです。これはいかん。そう言う思いでこの車を購入し、このページを記しているわけです(←バカ)。つまりこのページは「世界最小V6エンジン」を検索したらトップに表示される事を目指しています(←バカ)。その為不自然な程「世界最小V6エンジン」と言う単語が出てきますが、そう言う事情なので気にしないで下さい(笑)。ちなみにダイハツがいつだったかのモーターショーで1.0LV6エンジンというモノを開発していたので、正確には量産車世界最小V6エンジンと言う事になります。
そもそも購入に至った経緯はと言うと、いつものようにカーセンサーやヤフオクを眺めながら、次期ばか車を探していたところ、ヤフオクにランサー6の出物があった訳です。値段的には手頃、出品地も遠くない。ちょいと様子を見るかな?と思っていたら再出品されることなくそのまま消えてしまいました。こう言う時は「あぁ縁が無かったんだな」と割合あっさりと諦めるタチなんですが、しばらくしてカーセンサーにランサー6の出物。これはちょっと遠かった為、通常なら「流し」何ですけど、4万キロ9万円と言う安さに心ふるえてしまい、かなり買う気が芽生えてしまいました。ですが同じカーセンサーにルーチェセダン15万円と言うモノも有り、こちらは家から近かった為「取り敢えずこちらから見てみるか」とその中古車屋に向かったわけです。
その中古車屋で「これこれ」と住友銀行あがりの黒塗りルーチェセダンを見つけ「ん〜やっぱり四角い黒塗りは良いねぇ〜」なんて思っていたら突如視界にミラージュ4ドア後期型の姿が入ってきました。いや、3ドアとか前期型はよく見かけるんですけど、4ドアで後期型はあんまり見ないので、オレセンサーが反応したんだと思うんですけど、ぐるーっと後ろに回ってみると羽がついてます。ん?ん・・・「ミラージュ6」げげ!こんな所に!値段を見ようと前に回って見ると値札がありません。「何だ売れたのか・・・」そうガックリしつつ店員に聞いてみると「ああそれ、昨日入ってきたばかりですよ。距離2万7千キロで、値段は〜19万円」
「買います。」即決です(笑)。大体この稀少車がこの短い間に3台も目の前に出てきてるんです。それだけで車の神様が「買え!」と言ってるんでしょうし、走行距離、値段共に文句のつけようがありません。試乗させて貰ったところおかしな所もまるで無く、イス、ハンドル、記録簿からも実走行だと思われます(ちなみに同時に試乗したルーチェはブレーキが全然効かなくてドキドキしました)。それに過去2台はランサー6でしたが、ランサーには上にGSRやランエボがあります。ところがミラージュだとこのロイヤルが最上級グレードに当たるわけです。この辺りも車ばかの所有欲をくすぐります。何より形もランサーよりミラージュセダンの方が魅力的に思ってましたので購入を戸惑う要素は何もありません。
「騙されてるのか?騙されてるのか?騙されてるのか?」何度も自問自答を繰り返したのですが、これと言った問題も無いまま世界最小V6(←使うの忘れてました)エンジンのミラージュ6は納車されました。まずデザインですが、上にも記しましたようにやる気無いデザインのランサーより、筆者はミラージュをこよなく愛します。この当時の三菱は、旧型ギャラン〜ディアマンテ〜ランサーの、うねりが有りつつどちらかと言うとボクシーなデザインが主流でしたが、同時に細々とエテルナ〜ミラージュと言うエレガントなデザインラインも持ち合わせていました。ギャランなどのラインに比べて他社と似ていて独自性が薄かったこのエレガントラインですが、個人的には結構気に入っていて、ギャランよりエテルナ、ランサーよりミラージュ。と言うのが当時からの筆者の評価でした。実際手に入れてみても、この小さいサイズで意外な程伸びやかで綺麗なデザインがされていてほれぼれします。特にフロントフェンダーの滑らかな膨らみが、ショルダーラインになってリアまで続くのは絶品だと思います。
肝心の世界最小V6エンジンの印象はと言うと、正直可もなく不可もなくと言う感じです。エンジンをかけた時は三菱V6車特有の音がしますし、回転を上げてもV6らしい音はするのですが、それがスムーズか、静かかと言われるとちょっと・・・また車としてのポジショニングが曖昧なのも、この世界最小V6エンジンの評価を難しくしているポイントだとも思うのです。ミラージュにはスポーティーグレード用として4気筒1.6Lマイベックエンジンと言うモノがあります。またランサーには搭載されている1.8Lターボエンジンは存在しません。と言う事は、本来この世界最小V6エンジンはミラージュの最高級グレードにラクシュアリーモデル用として搭載されるべきだったと思うのです。ところが、確かに最上級グレード「ロイヤル」に搭載されては居るモノの、そのATセッティングは三菱には珍しく「踏んだらぐいっと出て、後だらしない」バカATセッティングになってしまっているのです。トルクが薄いのを誤魔化そうとしているのでしょうが、スポーティーグレードでは無いのですから、別にそんなにしゃちほこばらなくても良いと思います。それと今になると笑ってしまいますが、このATはファジー制御なんです。ですから下り坂などでは勝手に判断してくれてギアを落としてくれるんですが、積極的にODオフとかを使う筆者にとっては、結構煩わしいギミックです。
同様に足周りのセッティングにも疑問を感じます。低速でゴトゴトするので、ATセッティングと同じくスポーティーにしたいのか?と思うと、100キロを越えると路面に煽られ、あまり安定感がありません。60〜70キロぐらいで適度にフワフワで心地良いのですが、何とも昔風国産車の足周りのセッティングです。よくよく考えてみると「ロイヤル」と言うグレードでありながら、リアスポイラーがついているというのも理解に苦しみます。果たして開発陣はこの車を「スポーティー」にしたかったのか「小さな高級車」にしたかったのかよく解りません。世界最小V6エンジンを積んでいるのですから、当然「小さな高級車」を目指すべきだと思うのですが・・・
あと内装は時代相応に安っぽいです。「ロイヤル」なんだから木目調パネルぐらいついていても良いと思いますし、何よりキャビンサイズに合わせたのかイスが小さく感じます。無駄にパワーシートになんかしなくても良いので、もう少しイス自体にコストを掛けて欲しく思います。これだったらスポーティーグレードのレカロシートの方が幸せではないでしょうか?(もっとも腰痛センサーが作動する程の不出来ではないのですが)同様にドアも後席はとても小さく、Bピラーの位置がおかしい事とも合わせて、後席に乗り込むのにはちょっとコツが必要です(前席ドア、3ドア車と共通なんでしょうか(笑))。その他、灰皿、カップホルダー共に出し入れの際ギーギー言います。ウィンカーレバーもしぶいです。総じて1.5Lクラスのコストで作られた悲しさを感じさせる出来と言えましょう。
まぁ久々に小さなサイズの車に帰ってきたので、その取り回し性の良さ、ATのバカさでついブイブイ走ってしまいます。小さい車って気楽に乗れますしね。人から見れば「なんだか古い安い車に乗り換えたな〜」と思われるでしょうが、やっぱり世界最小V6。このバカバカしさだけで、全ての欠点は隠されてしまいます。今回も自分のバカ視点の正しさを確信した車選びだったと言えます。それにしても車歴V6ばっかりですね・・・(ユーノス500、デボネアV、レパードJフェリー)
使用期間中の平均燃費(市街地9:高速1)9.46km/l