日産 ミストラル

(04.2.22記)
 トップに掲げた通り、ミラージュ6を出して小ベンツを買いました。うちらしくない選択だと言う声も聞こえてきそうですが、あの時代の過剰品質のベンツには是非一度乗っておかなければと前から思っていたので、今回予算の都合がついた為購入することとなりました。ベンツについての感想文はそのうちしっかりと書きますが、今回はベンツ導入にあたり代車で借りていたミストラルの話です。当HPトップには「後方車の視界を妨げるような車は好ましくない」と書いてあるぐらいですから、筆者がこのミストラルのような車をあまり好まないのはご存じの通りです。で、まあ1週間ばかり使ってみた感想は「やっぱり駄目だ」でした(笑)。

 ミストラルはスペイン日産製のRVで、三菱がパジェロでこの世の春を謳歌し、トヨタもランクル、サーフで堅実な商売をし、ホンダはどん底に喘いでいた時期の車です。日産には一応サファリとテラノと言うRVが有ったわけですが、RVブーム(笑)まっただ中ですから、手駒は多いに越したことは有りません。それに逆輸入車と言う響きにもまだ価値が有った時代です。それなりの台数が稼げるだろうと期待して販売が開始されたわけです。しかし販売開始直後はそれなりに売れたモノの、ディーゼルしか設定が無かったり、デザインに特徴が無かったりで、思惑通りには販売台数は伸びていきませんでした。

 そんなミストラルの印象ですが、やはりあまり良い印象は持ちませんでした。ディーゼル特有の振動と、高い着座位置はどうしてもトラックを連想させます。そしてこの高い着座位置には当然死角も多いわけですから、運転していて終始緊張感を伴います。左フロントにサブミラーがついているのですが、あれがこんなにも小さくて見にくいものだとは思いませんでした。実質夜間は全く機能しませんし、目のあまり良くない人にも厳しいでしょう。もっと役に立つものだと思っていただけにこの事実にはちょっと衝撃的でした。またこの高い車高はカーブで車体を派手に傾けます。交差点を一つ曲がるだけでグラっと来て、自分が特殊な車に乗っていると言う事を意識させられます。

 反面高い車高は、言われている通り前方視界が非常に良くなります。渋滞時の精神的安心感は乗用車とは比べモノになりません。この視界の良さでRV車が売れたのも確かに理解できます。ただ、この視界の良さもやはり問題だと思います。人間はバカな生き物ですから、人より高い位置に居るだけで人より偉くなって、特別な人間だと勘違いしてしまいます。上記したようにあれほど車自身は「特殊な車ですから注意して運転しましょう」と訴えかけているのに、慣れというモノは恐ろしいもので、こんな図体のデカイモノを普通のセダン、いやスポーツカーのように乗り回す輩をずいぶん生み出してしまいました。せっかく視界が良いのですからもっと大らかな気持ちで乗れば良いものを、こうまでおバカな人間を大量に生み出してしまっては、この種の車が急激に売れなくなったのも理解出来ます。そうです。あまりにも乗っている人間が「頭悪そう」に見えてしまうわけです(当然世のRVオーナー達が、みんなそんなバカチン(武田鉄矢)だったわけでは有りませんが・・・)。

 そんな訳で筆者の感想は冒頭に書いたとおり「やっぱり駄目だ」です。少なくとも普通に乗用車として乗る上で全く必要性を感じません。そりゃ人にはそれぞれ好みが有るでしょうから、この手のタイプの車が有っても良いと思いますが、前方視界を妨げたり、死角の多い危険性等を考えると、そうそう町中で走っていて欲しい車では有りません。元々特殊な用途をこなす為に生まれたジャンルの車なのですから、そう言うシーンで使っていれば良いのでは無いでしょうか?淘汰されて正解だと思います(でもハリアーとか形を変えて生き残ってるんですよね・・・とほほ)。


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