過去の新車チェックのポイントはあくまでも発売当時のポイントなので、今現在の国産車デザイン通信簿のポイントとは一致しません。
1-貰っても乗らない。2-格好悪いです。3-普通。4-知り合いが乗ってたら嬉しい。5-今すぐ欲しい。
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オーパ(00.5.31記) | |
ビスタベースの多目的ワゴン?どういう括りで表現して良い車か解らないが(ワゴンでありミニバンでもあり、セダンでもある?)、雑誌での評価としてはナディアと似たコンセプトであると言うのが一般的なようだ。しかし、実車を見るとそれは大きな誤りであることに気づかされる。答えは実に簡単なのである。2リッターのハッチバック!この一言に集約できると思う。 言うなれば昔のアコードエアロデッキ(3ドアだったが)、あの路線だと思う。スタイリッシュな何者にも似ていないデザイン。後端まで伸ばしてスパッと切り落としたテール。これはもうエアロデッキの特徴そのものであろう。国産車では5ドアハッチバックは売れないと言うのが定説となっている。しかし、日本人というのは流行には乗ってれば安心する人種なので、例え5ドアハッチバックでもワゴンとつけたりミニバンと括ったりすると、ホイホイ買ってしまうモノである。そんな中最近流行りつつある、新コンセプトセダン=多目的ミニバン?と言う免罪符を手に入れて自由に作り出したのが、この只の室内の広い5ドアハッチバックオーパなのだと思う。工夫して工夫して、避けて避けて一周したら、基本に戻ってしまったという感じだろうか?車は5ドアが一番使いやすいと言うことは、車の設計者などの間では一般的なことであろう。だけど日本では売れないので、今まで苦労してきたわけだ。 この2リッターのクラスに5ドアハッチが出てくるなんて何年ぶりであろう?そう言う意味では、やっと日本にまっとうなゴルフの対抗車が出てきたとも言える。ナディアはベースがイプサムであった為、いくら新コンセプトセダンと言ってもミニバンRV系にしか見えず、やっつけ仕事っぽかった。だが、ビスタベースのオーパは車高も適度な高さ、スタイリングもRV寄りには見えない、それでいて室内はグーンと広いと、実に優れた新コンセプトセダンであると思う。雑誌などで見るといまいちピンとこないデザインも、実車を見ると色々工夫が凝らしてあり、見ていて飽きないラインとなっている。多分一般受けはせず(何てったって5ドアハッチですから(笑))、マイナー車の道を歩むと思うが、隠れた名車になりそうな予感のする一台だと思う。やっぱり体力のあるトヨタは余裕の車作りだわ。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)4 | |
ランサーセディア(00.5.12記) | |
いやぁ個人的には駄目だこのモデル。今まであったランサーとミラージュを統合し、若干クラスを上げ気味にして登場させたセディア(CMでもランサーとは言ってない)だけど、まず大きすぎる。今までのランサーのイメージで見るからいけないのかも知れないが、これはもうほとんどギャランサイズでしょう(実際ディーラー向けの資料では、旧5ナンバーギャランの買い換えを推奨)。 後ね、本来モデルチェンジするタイミングより、半年以上遅れて出ているんだけど、その微妙なタイムラグがデザインにも現れているって感じがする。先代ファミリアもそうだったんだが、車は出来てたのに会社の都合で出すのが1年遅れた為、デザインが旬でなくなって古くなっちゃった、そう言う臭いがセディアからも漂っている。多分車自体はディンゴより先に出来ていたんだろうと思う。顔周りがシャリオに似ている辺りでも感じるし、全体に迷いが感じられないすっきりしたデザインは、ちょっと前の三菱デザインだからである。 じゃあ評価も低くならないのでは?と思うだろうがそうではないのだ。三菱の今のデザインは酷い、だからといって少し前の三菱デザインで良いかというと違うのだ、デザインたるモノ、時代時代にきっちりと合っていなくてはいけないし、半歩ぐらい進んでいなければいけないのだ。セディアは全高をやや高めに取ったスタイルをしている。これはビスタが取った手法と同じだが、明らかにビスタよりデザイン的には美味く処理している。だったらこのデザインが旬に感じられる時に、キチンと出しておかなければいけないのだ。たった半年だが(いや先代の販売不振を考えたら、前倒しでモデルチェンジしても良かったかも知れない)、セダンも背高スタイルが新しい、となりかけていた時に出しておかなければいけなかったのだ。ビスタのデザインが失敗であると世間的に認知された後では、このデザインは若干辛いのではないだろうか?ビスタが出た直後ぐらいに、このデザインが出ていれば、背高セダン続きで、それが新しい流れとなったかも知れない。そういうチャンスというかタイミングを逃していると、なかなか爆発的ヒットには結びつかないように思う。 会社の状態が厳しいので安全策に走るのも解るが(ディンゴとディオンの発売を優先した)、他人がヒットさせたモノの後を追ってもヒットは生まれないと言う事をしっかり考えて欲しいと思う。三菱のヒットはみんな他社になかったモノなのだから(パジェロしかり、ディアマンテしかり、ランエボしかり)。つーわけで過不足無いデザインだが、厳しく見て↓この評価。内装のデザインはまあまあ良し。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2。 | |
プロナード(00.4.23記) | |
カムリベースの大型FFセダン。旧車名はアバロンであったが日本での売れ行き不振と販売店変更のため、プロナードという新車名で登場。ちなみにアメリカではアバロンのままモデルチェンジ。 アバロンはその空虚なまでの室内空間だけが自慢の、実に大味な大型セダンで、アメリカの実用セダンそのままと言う意味では、非常に味のある車であったと思う。だが、アメ車の嫌いな日本ではそのようなコンセプトなどとても売れ入れられるわけもなく、当然のごとく散々な販売実績であった。で、一転して高級FFセダンとして売ることとなったプロナードは、あきらかにトヨタらしい高級感が表現されているように思える。でっかいだけで何の押し出し感も感じられなかったデザインも、フロントはかなり力が入れられ、誰が見ても高そうに見えるデザインとなった。内装もプララスチックのバリが目立った旧型に比べると、車格が変わったかのような出来映えで、トヨタ車が好きな人には満足できる品質だと思う(個人的には、このトヨタ的内装仕上げって高そうに思えないのだけど?)。 で、私の感想としては、最近のトヨタ車にしては珍しく後ろ姿で失敗しているなぁと言う印象だ。フロントはフェンダーの峰を、上手くサイドのキャラクターラインとつなげてあったりしてなかなかの仕上がりなのだが、後ろ姿は何の個性もないライト配置(しかも何か安そう)、Cピラーから下も何のデザイン的アクセントもない。前にあれだけボリューム感がありながら、後ろは実に素っ気ない。前の力感が後ろで上手く抜けているなんて言う高度なモノでもないし、正直がっかりさせられるデザインだと思う。点数で言えば前4点で後ろ2点合わせて3点と言うところだろうか?まぁベンチシートを採用したゆったりした空間、一時期のマツダを思わせるようなラウンディッシュなインパネと、内装面では多いにポイントが上がる車なので瞬間評価は高めになると思うが、本当に後ろ姿だけはどうにかならんモノかなと思う。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)4(やや3寄り) | |
bB(00.2.6記) | |
ヴィッツベース(ファンカーゴ)のミニミニバン?いやはや出てくる新車はみんなトヨタという状態で、この欄ばかり埋まってしまってなんなんだが、またまたヴィッツの兄弟車が出ました。ただ前回のウィルVi同様、外見からはそれは全く伺えず真っ四角の存在感あるデザインでの登場です。 でね、今のトヨタは本当に乗りに乗っていて、凄い攻めの姿勢のデザインを展開してきているわけですが、このbBも数年前のトヨタ車ではあり得なかったアクの強いデザインだと思います。ただデザインの方向性としては、最近のトヨタデザインの流れとは違っていて、あきらにアメリカシボレーあたりをデザインモチーフとしていると思います、いわばウィルViと同じくこの車もパイクカーと考えても良いのではないかと思います。今のトヨタは本当に攻めの姿勢で、どんなに狭い隙間でもそこに一握りでも客層があれば、確実にそのパイは奪っていくという考え方です。この車もミニバンをローダウンなどに改造して下品に乗り回す層をターゲットに販売された、S-MXの対向車として発売されたと思います。だからオプションもとにかくメーカー純正とは思えない品の無さ加減で、純正でこのレベルなら社外品はどうすればいいんだ?と思わせるほどのモノです。 で、まぁデザインについて言うと、顔は前記したとおりシボレーからもらって来ました。全体のデザインはとにかく四角で地面から垂直水平にラインが引かれています。この辺はトヨタは本当に旨くて、昔キューブが出た時に、四角いデザインを目指したい癖に変な色気が出ていてダメだと書きましたが、本当に日産に見習って欲しいほどの正しい四角さです。どうせ四角くするならこれぐらい思い切ってやらなくては駄目なのです。内装関係はいつもの最新トヨタ品質で、安っぽいプラスチックをデザインでフォローしています。で、特筆すべきは後席の広さで、足下天井文句のつけ用のない広さであります。トヨタにしても気に入った人はお買いになって下さい。と言う感じの車なのだと思うのですが、他のメーカーのレベルが低すぎるためこの車も結構売れそうな気がします。うーんこういう車は他のメーカーが、出さなきゃいけないんじゃないのか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 | |
エスティマ(00.2.2記) | |
独特のミッドシップレイアウトのため、コスト回収に時間がかかり10年近くにわたって作られた初代に替わり、何の変哲もないFFレイアウトで登場した2台目。 初代が出たときは、そのあまりにもな卵っぷりにびっくりし、本当に未来の車みたいに思ったモノだが、新型は何の新しさもないモデルチェンジとなった。10年近く作ってもそこそこ販売台数が落ちなかったというのは、それだけ最初のデザインに先進性があったというわけで、新型にはどんな新しいデザイン的提案が成されるか(FFになると言うことは解っていたので、存在意義としてはデザインしかない訳だし)期待していたのだが、最近のトヨタには珍しく実に消極的なモデルチェンジだと思う。 「10年間散々売り尽くした卵形デザインだが、まだいくらかこの形を気に入ってくれる人がいるはずだ。だったら今度はFFベースにしてあまり金もかかっていないのだから、そのパイを最後まで食いつぶそう。そのあげく、このデザインが飽きられたら、もうこの車は絶版にしちゃえばいいや」ぐらいの後ろ向き加減だと思う。とにかく目新しいデザイン的提案は何も成されておらず、ウィンダムのモデルチェンジのようなどうしようもなさ加減だと思う。せっかく色々奇抜なデザインを提案し、70点主義から脱却しつつあるトヨタなのに、あのエスティマがこれでは本当にがっかりだ。せめてルノーのアヴァンタイムぐらいのデザインラインを提案できなかったモノだろうか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2 | |
ディオン(00.1.25記) | |
東京モーターショーに出品されていたミラージュディンゴベースの2Lミニバン。ステップワゴン、イプサム辺りが競合車と思われる。 いやーモーターショーの時の写真見てて心配だったけど、やっぱり実物も酷いデザインだねえ。明らかにミラージュディンゴ以降三菱はデザインの方向性を見失っている。サイド面なんか何にもない只の鉄の板なんだけど、これがまた角度によって微妙に歪んで見えて、ベコベコ感が強く実に安っぽく見える。本当、町の鉄工所のオヤジが自分で一から車作りましたって感じの凄まじいデザインだ。方向性としてはステップワゴンのような、クリーンな箱的イメージにしたかったんだろうけど、それにしても酷すぎる・・・内装はまぁ、いつもの三菱品質で(そんなに金かかっていないけど、目に見えるほど酷くはないよって感じね)そつなくまとまっているんだけど、後席との行き来をしやすくする為5ナンバーの狭い室内のくせに、運転席と助手席の間をガバって開けているもんだから、運転席が妙に窓側により過ぎていて、狭っ苦しくて全然くつろげないです(特に右足の処遇に困る)。 ディーラーの人間も、ようやく待望の2L5ナンバーサイズのミニバンが手に入って、ガンガン売れるぞぉと思っていただろうに・・・でも来たのがこれじゃぁねぇ。これは辛いなぁ。いよいよ三菱やばしか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)1。 | |
ウィルVi(00.1.20記) | |
ヴィッツベースのパイクカー。異種間共同ブランド「ウィル」の自動車版なためトヨタのマークはつかないが、販売はトヨタビスタ店。 うーんモーターショーで発表されて以来、賛否両論別れていますが、私も第一印象は悪かったです。全体の印象は嫌いではないのですが、私と最近のトヨタ車との傾向と同じく、顔がどうにも好きになれなくて馴染めませんでした。ただその後、アムラックスで先行発表会のようなモノをやっていた時に、実際に触れて座れることが出来てから印象が一変しました(発表前の車に触らせてくれるって事も珍しいよねぇ)。なーんかゆとりあるメーカーの余裕というか、実に細かなところまでデザインされてるんです。簡単なパネルの組み合わせのように見えて、実はその1枚1枚が張りのある面で構成されてたりしますし、リアのプレスドアのCピラーへの回り込み方なんかも実に凝っています。室内に回っても、コンセプトカーならいざ知らず、販売車両なのに実に凝った色使い、凝った材質で、豊かな質感を演出していると思います。これだけ凝った車でありながらわずか130万円ですから。本当にトヨタ一人勝ちを痛感してしまいます(特にネイキッドの値段と作りと比べるとがっくり来るよ)。 現実問題として、男がこの車を粋に乗りこなすなんて事は相当難しいことになりそうですし(良いのか女性向けだから?)、後席なんて上も下も狭くて全然使えません。パーッと流行ってサァーっと飽きられるでしょう。でもみんながみんな同じ車に見える今、これだけ明確に他と違って、それでいてキチンとした仕事の成されている車なんてそんなにありません。トヨタ嫌いの私ですが、本当に今のトヨタはいい仕事しいると思います(でもイスはまだまだ手抜いてるよな)。デザインはカボチャの馬車を意識しましたなんていってるけど、どうみてもシトロエンのアミ6の影響大ですね。キャロルとか・・・ 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)4(やや3寄り) |