01年下半期の新車チェック評

過去の新車チェックのポイントはあくまでも発売当時のポイントなので、今現在の国産車デザイン通信簿のポイントとは一致しません。

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1-貰っても乗らない。2-格好悪いです。3-普通。4-知り合いが乗ってたら嬉しい。5-今すぐ欲しい。

モビリオ(01.12.22記)

 モーターショーに参考出品されていた時からのお気に入り。とにかく全高が高いモデルが流行っている昨今、必然的にウェストラインも高くなり閉塞感の強い車が多い。そんな流行とは全く逆行する低いウェストラインが開放的で実に心地良い。腕を乗っけるのにもベストな高さである。デザインもこういう只の箱をデザインさせると本田はカチッと決まることが多く、エルグランドなどにも通じる電車系デザインは斬新で格好良い。内装の質感も高いし、イスの畳み方などもよく考えられていて、止まっている状態では殆ど文句のつけようがない(試乗してないので)。

 そんな中でも敢えて難点をつけるとしたら3点。まず後席のリクライニングレバーが肩口にしかない点。通常の腰の部分に無いためどうしてもリクライニングさせる時に無理な姿勢を要求される。そしてこれまた後席の問題点なのだが、ガラスが昔の三角窓方式で少ししか開かない。せっかくこれだけ開放感のあるグラスエリアなのに、実質はめ殺しのような状態なのだ。確かに全開になったら子供などの場合落ちる危険性が無いとは言えないが、だったら半分ぐらいで止まるようにすれば良いわけで、現状では少し息苦しく感じる。最後は本当に微妙な点なのだけど、若干センタークラスターが大きすぎて左足が窮屈で置き場に困る(筆者身長178センチ)。

 とにかくまぁこれも売れるでしょう。キャパの出来が酷かっただけに本当に良く出来た車だと思います。何度も言うけど、儲かるって大切なことなんだねぇ・・・

最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)4

ノア/ボクシー(01.11.23記)

 明らかにステップワゴン対抗の四角い5ナンバーサイズミニバン。旧型はステップワゴンのバカ売れに、大慌てで対応した安いだけのFRミニバンでしたが、今回は一応イプサムのプラットフォームを利用して、相手も充分に研究しての発売ですのでそれ程ウィークポイントは無いように思えます(つーか筆者がこういうクラスの車に興味が無いというのも有るけど)。何より旧型では驚くほどドア寄りに(ウォークスルーの為?)座らせられていたポジションが改善されたのが一番の朗報でしょう(いや当たり前の事がようやく出来るようになっただけなんだけど)。

 デザイン面に関しては、ステップワゴンのとにかく四角いイメージが、ユーザーに好まれていると判断し、幾分丸味のあった旧型とはうって変わってペキペキのデザインとなりました。ただこのデザインってどう考えても、シャリオ〜セディアワゴン〜ekワゴンと続く三菱のテイストだと思うんですけど(笑)。車のデザインに自信が持てなくなっていた時代に出たディオンが、なんだか変な形をしていますが、ノアが変わりにディオンとして出たら、ピタッとはまると思うんですけど・・・

最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3

ステージア(01.11.01記)(01.11.04補記)

 初代は開発に時間が掛かったうえ、スカイラインワゴンとなるのを途中で諦める等、色々とすったもんだが有って出た割には、トヨタのマークIIワゴン、自前のセフィーロワゴンを駆逐して一応このクラスのトップブランドとなった。トヨタがマークIIワゴンをFRでやり直してくるのを横目でにらみつつ出た新型はどんなモノだろう?

 スクープイラスト等を見た段階では、なんとも不細工な不思議なデザインだと思っていた。先代の四角い面影を残しつつも滑らかな面で仕上げると言う、およそ成功しそうもない事をやっているように見えたからである。ところが実際に見てみるとこれがなかなかなのである。最近の日産車特有の「他と似ていないデザイン」なのは言うまでも無いが、何よりしっかりとした存在感がある。シーマの時もそうだった。スカイラインの時もそうだった。今の日産車のデザインは、実際に間近で見てみないと評価が下せない。

 内装自体は殆どスカイラインと同じである。ドアパネルを共通しているぐらいだから、先代以上にスカイラインワゴンと言って良い内容である。ただスカイラインでは思い切って使うのを控えていた木目調パネルを、シフトノブとドアグリップに採用してしまった。使っている場所自体は悪くないのだが(本木目としてあり得る場所)、たったこれだけのことで一気に安っぽさを感じさせる内装となってしまった。スカイラインの内装は、トヨタ流の高級感とは違う次元の内装を目指し表現していた。だから木目も使っていなかったわけだし、プラスチックも割合プラスチックと解ってよいデザインとしていた。なのにこの車では、同じデザインなのにも関わらず、木目パネルを使ってしまい、トヨタ流の高級感の方を向いてしまった。途端にプラスチックの安っぽさが強調されて目立ってしまったのである。コストの問題も有るので難しいのだろうけど、ウィングロードをマイチェンで内装全部やり直すぐらいなら、ステージアとスカイラインの内装は別デザインとした方が良かったと思う。

 あと気づいた点としては、トランクのスペアタイヤを収納しているパネルがダンパーを使ってワンタッチで開くようになっている。これは大変便利なので、これぐらいの価格帯の車には標準装備にして貰いたい。ただ現状の開き方、面積ではちょっとでも荷物が積んであると開けれないので、もう少し工夫が必要かも知れない。さらに工具箱がその奥後席裏側にあるのだが、この位置は全く使う人間の事を考えていない。スキー旅行に行って荷物をリアに満載している状況で、パンクをしたりチェーンをつける時に全部荷物を降ろせと言うのだろうか?久々に日産らしいバカさ加減が全開な設計だと思う。同様にシガーソケットも運転席膝元で、灰皿からも遠ければ、電源元としても不便な位置にある。どうしてこれぐらいの事、開発陣の誰も気づかず指摘出来ないのだろうか?

最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(やや4寄り)。

ekワゴン(01.10.27記)

 軽企画変更後各社順調に販売台数を延ばしている中、リコール隠しの影響もあって三菱の軽だけはそんなに台数が延びていない。個人的には1押しデザインだったミニカ、完全にワゴンRスタイルにすり寄ったトッポ、三菱らしいワル顔のタウンボックス。どれもユーザーにはあまり好まれなかったようだ。そんな三菱が起死回生の願いも込めて放ったのがこのekワゴンである。それまで軽自動車は扱っていなかったカープラザでも扱うと言う辺りからもこのモデルに掛ける意気込みが伝わってくる。

 販売自体は好調なようで、早くも町中を走っているのを数回見かけた。ただこのシンプルデザインはどうなのであろう?見かけたと言っても、こっちは車好きを自認している人間である。その人間が視界の端に、何となく見たことない車が入ったので、目を凝らしてみたらekワゴンだった。そんなレベルである。普通の人なら、まず新型の軽だとは気づかないであろう。とにかく顔に特徴が無い。三菱車だから当然トッポにも見えるし、ワゴンRのおとなしい方の顔にも似ている気がする。樽型デザインを採用して、前後のフェンダーにボリューム感を持たせたというのがデザイン上のポイントらしいが、三菱は元々軽自動車のフェンダーを立体的に見せる腕前はなかなかのモノだったので、これもそんなに目新しい感じはしない(ただ室内に入ってドアミラーを見ると、確かにその樽型ボディは感じられる)。ダイムラークライスラーの傘下に入って開発されたモデルにしては、あまりにも特徴の無い日本的デザインだと思う。もっとも三菱の言い分としては、台数の出るモデルというのは奇抜な形では受け入れられない。と言う話なのだが、過去何度も奇抜→平凡→奇抜→平凡で失敗してきているような気がするのは気のせいだろうか?(当然奇抜な時の方が評価が高い)同じようなコンセプトの軽自動車は同時発売のMAX、スズキ/日産が発売予定のMRワゴン/モコがあるが、奇抜さでダイハツに負け、デザイン力でスズキに負けという気がする。あまり三菱らしくないモデルだと思う。

 内装デザインはとにかく安っぽい。軽自動車という括りがあるにしても、プラスチックの質感、スイッチの節度感にはがっかりさせられる。センターメーターも含めてデザイン的には今風に出来ているのかも知れないが、この質感の低さは今時珍しいレベルだと思う。この車の売りである立体駐車場に入る全高1550ミリのサイズというのが、これからのトレンドになりそうだが意外な欠点を発見した。それは後ろの跳ね上げ式ハッチを開けた場合である。身長175センチ以上の人間はまず確実に頭をぶつけるであろう。感覚的に跳ね上げ式ハッチというモノは、降雨時に屋根の変わりになるモノと言う意識がある。これが通常のハッチバック車のハッチなら、明らかに自分の目線より下で開いているのでぶつける心配がない。だが1550ミリサイズのハッチは、一見自分の目線よりは高く開いているので、自分の頭上高く有るモノと思いがちである。だけど実際は頭すれすれで開いているのである。特にキャッチの金具部分に注意されたい。これはダイハツのもスズキのも跳ね上げ式であろうから、どれにでも当てはまると思う。横開きでガラスだけでも開くモノか、観音開きにでもしない限り解決は難しかろう(ボディ屋根側を切り欠けばなんとかなるかも・・・アヴァンシアみたいに)。

最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3

MAX(01.10.27記)

 これから流行るであろう、立体駐車場に入るサイズのトールワゴン軽自動車。三菱のekワゴンとほぼ同時期に発売されたのだが、実はダイハツのこのMAXはまだ売っていない。販売は11月に入ってかららしいのだ。思うにライバル三菱の発売日をキャッチしたダイハツが、うちも負けていられないと急遽発表だけ繰り上げてしたものと思われる。そんな訳で実車は見れていないのだが、写真だけで見た外観の印象としては、率直に言っていまいちである。雑誌などにはスクープイラストでミニYRV等と書かれていて、それなりにスポーティなイラストだったのだが、発売されたモノは確かに顔の印象とかはミニYRVなんだけどなんだか腰高で変なデザインの車である。

 この車のデザイン上のテーマは、軽自動車とは思えない張りのあるフェンダーライン。と言う事らしいが、これは成功しているとは言い難い。ダイハツの人間は写真や映像では良くわからないので、実車を見てみて下さいと言っていたが、果たしてそんなに出来の良いモノなのであろうか?写真で見る限りはどう見ても三菱の樽型デザインの方が、成功しているように思えるのだが・・・とにかく見たくても実車が来ていないのだからお話にならない。流行のフェンダー上部まで回り込んだつり目ヘットライトの採用も、どちらかと言うとアルテッツァ的寸詰まり顔で不細工に見える。三菱と違ってミラとムーブが手堅く台数を稼いでいるダイハツであるから、このチャレンジングなデザインはダイハツの余裕と受け取って見るべきなのだろうか?

最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2

カムリ(01.10.9記)

 パッと見ても解るとおりウィンダムの兄弟車である。ただ不思議なのがこの車がウィンダムと同じカローラ店で売られていると言うことだ。確かにウィンダムはV6-3.0L、カムリは直4-2.4Lと住み分けは出来ている。出来ているが、それにしても今回からウィンダムの2.5Lを無くして無理矢理住み分けたようなモノだし、このカローラ店ではカムリの下はカローラまでセダン系車種が無いのである。天下の大トヨタとしては珍しい偏ったラインナップと言わざるを得ない。

 そんな安いウィンダムのカムリだが、外観の印象はこれまた酷似している。むしろ先代からの流れで考えると、これを新型ウィンダムですと説明しても納得する人が居そうですら有る。こんなに似た車なのに外板パネルはまるで共用していない、全く持って無駄である。一時期のマークII3兄弟のように近くで見ると違う車だが、遠くで走っているのを見るとどれだか解らないと言う感じである。さらに言うとこの両者、デザインをまとめたのは同じグループらしいのだ。同じ販売店、同じ時期のモデルチェンジ、同じグループでの開発、同じようなデザイン。なのに全く違うプレス・・・大トヨタのやる事は全く解らない。

 デザインで差別化が図れていないのだったらどこで図っているのか?内装である(笑)。内装には明らかに高級車と大衆車の差が見て取れる。なんと言っても木目調パネルの使い方であろう。使っている面積自体はカムリの方が多いかも知れない。知れないが、カムリの木目調パネルは明らかにワンランク落ちる。何というか軽薄な輝きなのである。ランクが落ちる上に使ってある場所、デザインが悪い。およそ本木目ならあり得ないカーブを描いているような場所に使ってしまっているのだ。具体的に言うと、センターコンソールからAT、肘掛けの下まで木目調パネルでドーンと覆われている。こんな曲線がバリバリ使われている場所に本木目が貼れる訳がない。つまり見た瞬間からフェイクと解ってしまう浅はかさがカムリの場合は有るのだ。対してウィンダムの木目調パネルは考えられている。ウィンダムのパネルが配されている場所は、全て本木目パネルが貼れそうな場所なのだ。だったらカムリも現実的な配置にすれば良いと思うのだが、きっとトヨタはその辺も考えてデザインしているのだと思う。敢えてカムリには安っぽく木目を使ってみせる。そうすることによって同じ車のウィンダムを、誰が見ても高級車に見せる効果がある。トヨタとはそう言う事が出来る会社なのである。また、例えカムリに安っぽく木目を使っても、他社の同クラスの車よりは高級に見える。そう言う自負も有るのであろう。

最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3

CR-V(01.10.6記)

 全く興味ないので見に行っていない。どのメーカーもヒット作の次のモデルは大概キープコンセプトだけど、本当にホンダは酷い。ここはデザインを中心に評価するページなので、こんな全くどこが変わったのか解らない車は、たとえ格段に車の出来が良くなっていたとしても、好評価を与えるわけにはいかない。こんな新車に200万も出すのなら、旧型の中古を買って好きなようにいじった方がまし。

最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2

インテグラ(01.7.29記)

 またこんなデザインテイストかよ?結局インテグラのデザインって初代から全く変わっていない。なのに今回は最近の流行からか、シビックの骨格使っているからか、結構車高が高い。この高い車高でこういう在り来たりなクーペデザインはどうなのだろう?キャビンスペースは薄く小さく見えるのに対して、あまりにもドア面積が広すぎないだろうか?ありふれたクーペデザインと言い、腰高な印象と言い、マツダの失敗作ファミリアネオや2代目フェスティバの臭いがプンプンしてくる。タイプRの存在があるから台数こそ出るだろうが、決してみんな格好良いと思って乗っているのでは無いと思う。それはタイプR以外のグレードが全然売れない事で証明されると思うが、とにかく古く格好悪いデザインである

 内装レベルについては、明らかにホンダは一皮むけた。もはや三菱には太刀打ちできず、日産も危ういレベルだと思う。あのホンダがここまでの内装を作れるようになるなんて、儲かるって大事なんだなとつくづく感じさせられる。

最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2

ウィンダム(01.7.10記)

 トヨタ最高級FF車。今まではその成り立ちからして、どうしてもカムリプロミネントの延長線上にしか見えなかったが、3代目にしてようやく高級車らしい車に仕上がったような気がする。これならカムリの立派なのとは言われず、カムリがウィンダムの安いのと言われるのではないだろうか?

 まずなんと言ってもハードトップサッシュレスドアを止めたのが大きい。むしろ車高が高いのが主流の時代に、低く見える時代の代表的手法であるハードトップを今まで作り続けていたのが恥ずかしい訳で、音の問題も含めてこれが高級車への最大のステップだったと思われる。また一時期コストダウンの荒波に揉まれた内装レベルにしても、トヨタは完全にそれを克服したようで、さすがにアメリカレクサスチャンネルで売る車に恥じない出来となっている。マークIIでは印刷ドットが見えていた木目調パネルも、実に美しい艶を放っているし、ドアノブ周辺のさわり心地の柔らかさは、乱暴に扱ったら破れてしまうのでは?と思わせるほどだ。カップホルダー、灰皿の開閉も実にスムーズで気持ちよく作動し、この分野では他メーカーはおよそ太刀打ちすることが出来まい(灰皿がスムーズに開いたからどうだというのだ?と言う気もするが)。

 とまぁいわゆる高級感という観点で見れば、およそ素人に突っ込まれるような弱点は何もなく、以前は格下的存在に思われていたマークIIをも完全にしのいだ完璧な内装であると言える。だが、それだからと言ってこの車に高い評価を与えられるかというと否だ。まず内装デザインはいわゆるトヨタ高級車テイストで何の新鮮味も無い。そんな中差別化しようとしたのか、メーターパネル下半分が木目なのだが、猥雑なだけで何のメリットもない。高級かどうかは別として、新しいチャレンジをしたスカイラインの内装を見習って欲しい。

 また外観デザインも、特別欲しくなるようなプレミアムなデザインでは無いと思う。今までウィンダムを買っていた人が買い換えるだけ。そんな程度のデザインだ。確かに高い車高を高く見せずに、今までのウィンダムらしさを残して見せたのは、ある意味素晴らしいデザイン力なのであろう。だけど、素人から見るとそんな事はだからどうなの?と言う程度の話である。横も、高い車高に狭いグラスエリアの最近のトヨタ車の例に漏れず、どうしてもドアパネル部分のデザインに色気が感じられない。上下の幅広さを軽減するために、ウインドウ下で一度えぐって見せて、さらにモールを付けるという念の入れようなのだが、どうしてこんなに直立しているのだろうか?そりゃ室内空間を大きく取りたいとか言う話しもあるだろうが、これだけの外寸を持つ車でありながら、このサイド面のボリュームの無さは何なんだろう?3ナンバー税制の狭間で、インスパイアには5ナンバーモデルと3ナンバーモデルが有ったが、トヨタの昨今の車のサイドパネルには、この5ナンバーインスパイアのような息苦しさを感じる。マークII、ベロッサ、そしてウィンダム。全てサイドビューに色気が感じられない。これらのどのモデルも、そんなに室内空間がどうこうとか言うモデルでは無いはずである。だったら全幅のうちもう少しをデザインに割り振っても良いような気がするのだが。

最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3

ベロッサ(01.7.10記)

 マークIIベースの新型セダン。と言ってもトヨタのFR車、結局全部プログレベースなんだよねぇ。だからホイールベースも大体同じ。意外と気づいていない人多いけど、クラウンロイヤルとももはや血縁関係に有るわけだ。

 んでまぁ雑誌でスクープ記事が出てる時からこりゃ酷いと思ってたけど、実物も見たまんま酷い出来だった。簡単に言えばアルファ風。とにかくトヨタはこのクラスのセダンで世界各国の車を相手にしたいようで、色々な形で(そう形だけ)ユーザーにアピールしてくる。だけどここまで未消化なのも珍しい。よくデザイン決定前の比較検討用モデルみたいなので、本命に対抗させる数合わせの為に、奇抜な未消化のデザインのモデルが出てきたりするけど、その対抗馬がなんのひねりもクリーンナップもされずに出てきた感じに見える。

 写真などでは案外格好良く撮れているカットもあるけれど、実物はとにかく腰高。マークIIはドアの真ん中にモールが入る為、腰高感が解消されているけど、これはフェンダー上部のキャラクターラインから下は何も無い。空虚な空間がドアパネルに展開されている訳だ。アルファのように低めに引き締まったクラウチングスタイルならともかく、この車高にこのデザインは無理があったのではないだろうか?また、派手なディテールに誤魔化されがちだが、ちょっと離れてみると全体の印象はマークIIと全く変わらない(つーかプロポーションが同じだから当然だけど)。マークIIの薄皮を剥いで、その上に無理矢理アルファの皮を乗っけただけと言う感じ。クレスタ、チェイサーを廃止にしてまで、マークIIとの差別化を図ったと言うが、結局やっている事は何も変わっていない。単純にビスタ店の店としてのキャラクターが変わった為、じじぃ向けのクレスタを止めた。それだけの話である。

最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)1

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