過去の新車チェックのポイントはあくまでも発売当時のポイントなので、今現在の国産車デザイン通信簿のポイントとは一致しません。
1-貰っても乗らない。2-格好悪いです。3-普通。4-知り合いが乗ってたら嬉しい。5-今すぐ欲しい。
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フィット(01.6.27記) | |
シティ、ロゴと何度もチャレンジを繰り返すホンダのリッターカーが、フィットと言う名前でヴィッツに挑戦状を叩きつけた。リッターカーと言ってもお約束で排気量は1.3Lである。1.3Lのクラスの車としては、かなり長目のホイールベース、ミニバン風のデザインで、結構大きく見えるし室内空間もそのサイズに見合った広さがある。外観デザインに関して言えば、ライト周りが若干Ka風で奇抜ではあるモノの、全体のまとめ方はいかにもホンダ。と言う冒険の無い手堅い出来だと思う。ただ、ここで言う冒険の無いデザインと言うのは、悪い意味では無く、デザインで冒険しなくても、その広さ、発想(フロントシート下にガソリンタンク)等で、充分冒険できていると言えよう。 注目して欲しいのは内装である。正直ホンダでこんなに内装レベルの高い車は初めて見た。同じクラスのヴィッツ、デミオが徹底的にコストダウンして「安っぽくても良いんだよこのクラスは」と開き直ったのに対して、ポロとまでは行かないがフィットの内装は実に頑張って作ってあると思う。樹脂部品の質感もデザインで誤魔化して無いし、プラスチックむき出しなのはメーターバイザーぐらいであろうか?チリもある程度のレベルまで来ているし、どうしたんだホンダ?と言うぐらいの向上振りである。正直上のクラスのシビックより内装自体の出来は良いと思うし、室内の広さも充分である。シビック5ドアを買うので有れば、充分このフィットで満足できるしフィットの方が満足度が高いのでは無いだろうか?ヴィッツが出た時に同じ様な事がカローラでも言われていた。だけどカローラはちゃんとヴィッツ以上のモノを(品質感ね)提案してきた。果たして次のシビックはフィットを越える事が出来るのだろうか?現状では明らかにフィットの方が上である。 なお、イスの出来はパタンパタン畳めたり、シートの下がタンクだったりするのであまり良くない。試乗していないので車本来の出来は解らないが、一見しての印象はかなり良かった(色が沢山あるのも良いねぇ)。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)4 | |
スカイライン(01.6.27記) | |
新型スカイラインははっきり言ってインチキスカイラインである。当初はまるっきりのブランニューで登場の予定だった新型FR車「XVL」をスカイラインとして発売しただけなのであるから。現にディーラーでもそれまでの数少ない極マニアな(笑)スカイラインユーザーからは不満の声が上がっていた。直6エンジンじゃない、クーペが無い、テールランプが丸くない・・・全くその通りである。この車はどう転がってもスカイラインでは無いのだ。じゃあローレルとして出てれば問題ないのであろうか?それも少し違う。無理矢理当てはめるとしたら初代セフィーロが一番適切なポジションであっただろう。 ここまで読んで来た貴方は、私がこの車に否定的だと思っているだろう?だが、実はそんな事は無いのである。このモデルチェンジは大成功だと思っているのだ。大体上記スカイラインのイメージなんて、大したこと無いのである。唯一大事なのは「直6エンジンで無い」と言う事だろうが、いったい一般オヤジユーザーの何%が直6とV6のフィーリングの差が解るだろうか?全てはイメージの問題でしかないのである。そもそも現在のこのサイズからして当初のスカイラインGTコンセプトから大きく逸脱しているわけである。本来のスカイラインはブルーバードサイズに上級車の力のあるエンジンを積んだから、特別な車だったのだ。最初っから2.5Lクラスのボディに2.5Lのエンジン積んだって仕方ないのである。そう言う意味ではむしろ現在の車でスカGのイメージに近いのは、ランエボやインプレッサであろう?小さな4ドアセダンに化け物のようなエンジンを積んで、良く曲がり良く止まる。サーキットでも強い。本来の物事がしっかり見えているスカイラインユーザーはこっちに流れているのである。となると格好だけを追い続けていた日産のスカイラインでは、いくら車の能力を高めようとも、間抜けなスカイラインファンしか引きつけられず、じり貧に陥るのは当然の事であろう。 と言うわけで、ゴーンはその間抜けなスカイラインファンは切ることにしたのであろう。間抜けなスカイラインファンが居るおかげで、どんなに良いスカイラインを造りだしても、間抜けなスカイラインファンの仲間になりたくない、一般ユーザーはスカイラインを買ってくれない。また心底スカイラインを愛してくれている人は、この後出るであろうGTRにその忠誠心を示してくれれば良いと考えたのであろう。まったく完璧である。その為には、ありとあらゆるスカイラインギミックを廃したこの車は最適であったのだ。 外装デザインはどうだろう?2年も前に発表されていたデザインなので新鮮味は無い。当然プリメーラやセドグロの方が奇抜で新しいデザインに見えるだろう。だが吊り目ヘッドライト全盛にタテ目のヘッドライトは特徴的だし、シャープと言うかクリーンな線で引かれたサイドビュー等なかなか趣きがある。何よりプリメーラ、スカイライン、シーマと日産デザインとしての統一感が取れているのが良いと思う。明らかに今の日産車は「他と違う」デザインである。簡単に言うとシルバーが似合うデザインとでも言うのだろうか?安いからとか、トヨタで無いからとか消去法で選ばれる車では無くなってきているのだ。例え全体の割合から言えばトヨタにはかなわなくても、「日産の」とか「スカイラインが」とか「シーマなので」と指名買いで日産車を求める層が復活しつつあるのは良い事だと思う。 内装も頑張っている。2.5L以上の車と言うと、すぐに木目パネルとなってしまうが、今回は敢えて使ってこなかった。プラスチック部品もプラスチックの質感とデザインで勝負している。ここでも「他と違う」と言う面が良い方向に出ていると思う。雑誌でデザインを見た段階ではそれ程ピンと来なかったが、実際に見てみると「スカイライン」充分魅力的である。新しいスカイラインは、今までスカイライン等恥ずかしくて買えなかった層でも、充分買えるし満足できる1台であると思う。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)4。 | |
エアトレック(01.6.24記) | |
北米市場で爆発的大ヒットを飛ばしたレガシィランカスター。それを見たアウディ、ボルボなどが同様のコンセプトでよりプレミアム性の高いモデルを発売し、一気に1ジャンルとして認められつつあるこのカテゴリー(でもなんて言うか知らんけど)。三菱は他社と違って全くの新デザインボディで打って出た。セダン系の開発が事実上ストップしている三菱としては、是非この車で一花咲かせたいところだが車の出来はどうなのだろうか? 最大の問題点内装から。他に無い独自のデザインやテラコッタ風パネルと言うなんだか良く解らない発想で、取り敢えず目新しい内装にはなっている。だがここに来て、三菱の内装の安っぽさは極限に達したと言って良い。バブル直後ぐらいまでは、トヨタ→日産=三菱→本田→マツダぐらいのレベルにあったモノが、他社がバブル直後のコスト大削減から立ち直りつつある今この時期に、三菱の内装はコスト削減の大嵐からいまだ抜け出せないでいる。プラスチックのバリは目立ち、操作感にはスムーズさが無く、植毛パーツもすぐ禿げそうな人工芝野球盤レベルである。ディアマンテ、ギャランなどがマイチェンの度に酷くなっているが、このエアトレックの内装は、最初っからその最低レベルの出来なのである。同時期に発売されたホンダのフィットを見て欲しい。130万円代の車に圧倒的質感で負けている200万円の車は大丈夫なのであろうか? レガシィはランカスターをレガシィの中でもプレミアムなモデルと位置づけている。それはアウディもボルボも同様である。そしてこの市場はそれで成功してきているのである。だが三菱は、独自デザインで、低価格路線で勝負してきた。まぁレグナムのプレミアムモデルなんて誰も見向きもしないだろうから、当然の判断だったかも知れない。ただここまで安物感を漂わす価格設定、質感で良かったのであろうか?レガシィに成りたくてしょうがないアベニールはそんなに売れていない。ランカスターになりたくて追加したブラスターも走っているのを見た事が無い。それもこれもアベニールの安物感が「本物」のレガシィにかなわないからだと思う。エアトレックにも同様の事が言えないだろうか?確かに他車と比べて割安感を感じる価格設定は三菱らしい(でもオーディオレスなんて姑息な手使うなよ!)。でも今の消費者は価格と共に「本物」も求めているのである。4駆技術に定評のある三菱であるから、日産よりは「本物」ではある。だが、乗った瞬間から脱力するこの内装レベルからは、およそ「本物」感が感じられないであろう。外観デザインは悪くない、色によっては170万の車とは思えないモノもある。後はユーザーがこの「安っぽさ」をどう評価するかだけである。個人的には「お買い得」ではなく「安物」に感じてしまうのが残念だ。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3。 | |
ブレビス(01.6.14記) | |
プログレベースの新型セダン。新聞広告等では、色の選択と写真の撮り方で、ブルーバードシルフィとかぶって見えるが、当然実車はもう少し大きくて立派。トヨタ流の高級感がそこかしこに現れていて、クラウンがデカ過ぎる人にはこれで良いのでは?と単純に納得させるだけの出来では有る。販売店の関係上、直接の後継車ではないが、従来のクレスタオーナーの辿り着く先としても、十分すぎる程良く出来ている(今までが酷すぎたんだけどね)。 でも結局それだけ。会社としての体力が違うからそう酷いモノは出てこないが、一時期のマツダの拡大戦略を思い出させる。あまりにも狭いターゲットへのこの車種追加はどうなんだろう?プログレでは駄目なのか?クラウンセダンでは駄目なのか?駄目だとしたら、なぜそんな駄目な車を売っている?こんな安易な拡大政策にホイホイ乗って、他の会社の車が売れないのは正しいのだろうか?「他の会社がちゃんとした車を出さないのが悪い」と言うのは理解できるが、選択肢がトヨタしか無いと言う時代が来ても本当に良いのだろうか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 | |
WiLL VS(01.4.21記) | |
本来トヨタが出しては行けない車。こういう適当で変な車は三菱やスバルが出していなければ行けない車なのだが、一人勝ちであまりにも余力が有りすぎるトヨタは、WiLLシリーズでカローラベースのスペシャリテイを出してきた。 雑誌の写真などでは少々期待していた。外観ウエストラインが高すぎるデザインは好きではないのだが、ここまで奇抜なら有りな気もしていたし、何より戦闘機のコックピットをモチーフにしたと言うインテリアの頭の悪さ加減は、見事にツボにはまっていて5年後50万コースだなと一人ほくそ笑んでいた。でもねぇ実物あんまり良くないよ。外観のデザインは写真通り。前はともかく後ろは面白いんじゃない?でも格好良くは無い。この車の肝のインテリアは、エンジンかけて赤色のオプティトロンメーターを発光させるまでが唯一の楽しみ。スロットルレバーを模したATも大したこと無いし、何より変にプラスチックの質感にこだわったのが逆に興ざめ。どうせならもっと訳解らなくなるぐらいスイッチが有っても良いと思うし、もっと色々な色でキラキラしてて欲しい。ウインカー周りもサテライトスイッチで有るべきでしょう?平面スペースの空いた所はことごとくモノ入れになってるけど、そんなせこい工夫はいらないんだよ。 結局、不良ぶっても育ちが良いと不良になりきれないのと同じで、バカぶっても会社が傾くようなバカさ加減とは次元が違っていて物足りない。バカはバカにまかせとくに限る。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 | |
ステップワゴン(01.4.21記) | |
キープコンセプト。まったくホンダのヒットモデルの次の代はやる気がない。古くはシビック、プレリュードの時代からヒットモデルのモデルチェンジが劇的で有った試しがない(まぁどのメーカーもそうだけど、特にホンダに強く感じる)。ただ、モデル末期でも月産7000台を誇る車なので、今回ばかりはホンダの判断は正しいと言わざるを得ないかも知れない。元々私は大して興味が無いので、必要な人はせいぜい愚息の奴隷となる事に生き甲斐を感じて下さい。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 | |
MUJI Car 1000(01.4.21記) | |
トヨタのWiLLプロジェクトに憧れたのか、元祖パイクカー屋の日産もモデル末期のマーチで面白い手を打ってきた。白モノブランドで勢力を拡大し一部に熱狂的支持者の居る「無印良品」とタイアップ?して出してきた車がこのMUJI Car 1000である。インターネットでの台数限定販売、「最小限の機能を搭載した究極のベーシックカー」とのうたい文句等で微妙に購買意識をくすぐってますが、これって営業車ですよね?(笑)モノは言いようですけど、結構旨いことやってるなと言う印象を持ちました。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3。 | |
ソアラ(01.4.21記) | |
600万円。いったい今のご時世そんな車を誰が買うのかと思っていたが、アムラックスに言ってみるとごく普通のパッとしない田舎夫婦が買う気満々で、公開レクチャーを受けて嬉しそうにルーフを開けていた。有る処には金は有るという訳で、その数少ない有る処向けに車を出せるトヨタは本当に凄いです。 WiLL VSと違い、写真で見るより遥かに格好良いです。特にリア周りのデザインは秀逸。つーか最近のトヨタの車はみなリアで語ってます。フロントは背高セダンの影響でどうしても顔が分厚くなっちゃう傾向のトヨタ顔ですが(セルシオ、カローラ、マークII)、別に背高デザインでもないのにこのソアラも顔がデカく分厚く感じます。もうちょっとすっきりとした顔に出来ないものでしょうか?内装は分かりやすい高級感。ビカビカの木目パネルをこれでもかと使い、本皮シートも分厚そうな皮を柔らかく奢ってます。何より良いのが外装色の赤。もうなんかビチャビチャのジャムのような輝きで(ん違うなぁ?)、上から年がら年中赤ワインかけてるような艶やかさで(これも違うか?)、ハウスのゼリエース苺のような透明感で(なんて貧相な例えだ・・・)絶品です。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(やや4寄り) | |
エリオ(01.1.29記) | |
スズキ久々のブランニュー。1.5リッタークラスのミニバン。後ろ周りのデザインで凝って見せたモノの、全体の印象は同クラスのミニバンとさして違いがある訳ではなく、スズキにしては頑張ったデザインも空回りという感じだろうか?正面から見てグリルを隠してしまえば、どこの車かまるっきり解らないのは誰もが認める事だろう(現にオプションカタログの派手なエアロなどをまとった車は、みな別のグリルになっており、日産なんだかホンダなんだかまるで区別がつかなかった)。 内装はこれまたスズキにしては頑張って、常にコスト第一主義でグレーの内装しかなかったのに、なんとベージュの内装も選べるようになっている。いずれGMが相当な台数を買い取ってくれるにしても、何ともスズキにしては思い切った内装である(その証拠にインパネ周りは、簡単に左ハンドルを作れるデザインになっている)。ただ、やはり質感という点では軽自動車メーカーの悲しさが出てしまっていて、プラッチックの安っぽさはなかなか見応えのあるモノになってしまっている(笑)。まぁヴィッツでトヨタもあそこまで安っぽく作ったし、一連のマツダ車のプラッチック振りも見事なモノなので、今の時代プラスチックの素材感が出てしまうのは、そんなに恥ずかしいことではないのかも知れないが、ハンドルのシルバー部分の塗装には仰天するので是非注目していただきたい。 たぶんスズキとしては、最近運転席周りに、チタン風のメタリックな質感を出すのが流行っているというので、塗装で対応しようとしたのだろう。トヨタのような本物の金属と見まごうプラスチックを配するのは、コスト的にも絶対不可能なのは理解できる。塗装で誤魔化すのも他メーカーがやっているので良いだろう。だけど、スプレー吹きっぱなしみたいなフィニッシュはどうだろう?コストの関係かまるっきりマスキングもされていないのである。黒い所との境目はグラデーションなのである。これは酷い(笑)。こんな事をするぐらいなら、黒一色のハンドルがついている方がはるかに気持ちが良い。多少緩やかになったコスト制限の中で、無理に頑張っちゃったおかげで、逆に貧乏くさくなってしまった感じだ。取り敢えずセールスのおねーちゃんに言付けておいたので、最初のマイチェンで(いや特別仕様車でか?)消えると思うが、スズキはやっぱり軽自動車頑張ってなさい。そう神様がささやいているような気がする仕上がりであった。まぁ安いから良いんだろうけどね。 | |
カローラランクス/アレックス(01.1.29記) | |
セルシオが旧型ベンツSクラスなのに対して、マークIIは新型Sクラス。と来て、カローラの5ドアはアウディでした。 ヴィッツに続いて欧州戦略車の新型カローラ5ドア。向こうでのライバルはゴルフやアストラ。ライバルの仕上がりを睨んで作られただけあって、実にカッチリとした出来映えで単純に気持ち良い。Bピラー以降の新しいデザインの部分もまとまりが良く、実は5ドアが先に出来ていて、後からセダンはデザインされたのではと思わせるほどである(ヴィッツ→プラッツ)。セダン、ワゴンであった腰高感もほとんど感じられず(ショルダーラインを引っ張って、テールランプ辺りの出っ張りにつなげているのが良いのだと思う←でもそのせいでアウディA3やシビックに似ちゃうんだけど)、これがベストカローラなのではと思う。 内装は単純にセダン、ワゴンの色替え。欧州に出すだけあってマークIIより遥かに精度の高いチリには脱帽(だから何だという気もするが)。ただトヨタ全般に言えるのが、発表されたその週の週末に実車がディーラーに準備されていないのはどうなんだろう?他の会社ははなるべく準備してあると思う。だが、トヨタだけは殿様商売というか、確実に1週間ぐらい立たないと車の無いディラーが多い。テレビでCMばんばんやってるのに車が無い。こんな失礼な話が有るだろうか?実車を見るのに(しかも大衆車だよ?)3軒も梯子させられたのではたまらない(でもアムラックスには全色あったりするんだよ・・・何か間違ってないか?)。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(やや4寄り) | |
プリメーラ(01.1.20記) | |
シーマに続いて放つ日産渾身の一撃!90年代前半ほんの一瞬日産が調子よかった時代を思わせる展開になってきた(セドグロでジャブを放ち、シーマブーム、スカイライン、プリメーラと続いたあの時ね)。 まずデザイン。外装デザインは抜群の格好良さ。細かいところまで実にしっかりとデザインされていて気持ち良い(リアバンパー、トランクのキャラクターライン反復とか)。ただ、デカイ。はっきり言ってセフィーロがいらなくなる程デカくなってます。しかも全高を高く取って幅にも余裕を持たせている為、実際の寸法以上にマスとしてのデカさを痛感します。また確かに斬新なデザインではあるが、実はプリウスの延長戦のデザインと考えれば、それほど新しいデザインでは無い。遥か数年前にあの形を世に発表していたトヨタに、ようやく追いつける国産メーカーが出てきたのか、と言うのが正直な感想。まぁトヨタがユーザーの頭をほぐしといてくれたからこそ、今プリメーラのこのデザインが受け入れられるのだとも思うけど。だから珍しく日産にしてはタイミングバッチシ。 内装デザイン。いわゆるセンターメーターを中心に、スイッチ類の考え方にオリジナリティを加味。個人的にはここまでやったら、デジタルメーターかオプティトロンメーターを希望したいが、コストの関係か通常メーターなのが残念。また外装ではあんなに気が配られていたデザインも、室内は若干手抜き気味で、肘掛け辺りからセンターコンソール周りは、今までの怠い気の抜けたデザインに近くて、切れ味が感じられない。さらに、これだけデカイ容積を持ちながら、実は後席頭上とトランクが若干狭く(170以上サイズだとキチンと座ると髪が天井につく)、空間の煮詰め方が甘いと思われる(いや、デザイン優先だから狭くなるってのは有りだと思うんだけど、ここまでデカイのに狭いのは、ちと工夫が足りないでしょう?)。 で、結論としては久々に買っても良いかなと思える車が、トヨタ以外から出たのは素直に評価。やっぱりホンダ程度とは違う、企業としての奥深さが感じられる。ただし、プリメーラとしては大きすぎるサイズと、デザインの斬新度がちょっと落ちる点で(トヨタに先越されてるからね)、評価5ながらも4寄りと言う厳しめな点でどうだろうか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)5(やや4寄り)。 | |
シーマ(01.1.20記) | |
かなり以前から北米インフィニティQ45として雑誌を賑わしてきた車がこの新型シーマである。日産としては新しい高級車像を提案できるデザインと言うことで、旧来の高級車のデザイン像を持っているユーザーに抵抗感無く受け入れて貰えるように、このような情報の小出し(ティーザーキャンペーン?)をしてユーザーの教育をしていたのだろうが、残念ながらそれほど新しいデザインという気はしない。ただ、過去にも意欲的なデザインをユーザーに嫌われて、不人気車としてしまうことが多い日産だけに、このトヨタのように細やかな宣伝戦略は好感が持てる。 実際実車を見るとその大きさ、微妙な輝きを放つ色などでそこそこの車に見えるし、トランクリッドの処理やバルカン式?ヘッドライト、テールランプのとけ込みなど細かなデザインはされていると思う。ただし、上記「ユーザーの教育」をしなければいけないほどのインパクトのあるデザインかというと、それ程のモノではない。いわゆる四角く大きく見え、立派なグリルがヘッドライトの水平線より上に付くと言う旧来の高級車像から考えると、突飛なデザインに思えるかも知れないが、高級車の代名詞ベンツが新型Sクラスであそこまでスポーティーな提案をしているのだから、もう既に日本国内でも認知されている高級車像だと思う。少なくとも都市部では抵抗無く受け入れられるはずである(逆にトヨタは地方を念頭に置いて、あえて旧Sクラス風なデザインにセルシオをまとめたのだと思う。さすがである)。 具体的にデザインが面白味に欠ける理由として、まずウェストラインが高すぎてキャビンが小さく見える。この手法は一時期車がスポーティーに見えるデザインとして、トヨタが散々やり尽くした手法である(また側突にも対応しやすいしね)。それを今更やってしまう辺りに新しさが感じられないわけである。次に全体のデザインをふくよかな面の張りで見せているという点。実車を見るとこの手法は確かに成功している。だがどうしても雑誌などで写真で見ると、車のラインが見えずずんぐりした印象になってしまう。ホンダの北米生産車などはこの手のデザインが多いので、これがアメリカ人の好みなのかも知れないが(でもデザインは日本な筈)、個人的にはシャープなエッジで面をつなぐ手法を用いて欲しかったと思うし、それをやってこそ新しい提案が出来たと思う(簡単に言えばペキペキして欲しかったのよ)。困った事に最初のデザイン画はそう言う方向で進んでいたのに、セドグロが思ったほど延びなかったせいか?デザイン部長が替わったせいか?すべてやり直しで、このデザインになったようである。この判断が正しかったかどうか結果が楽しみではある。 内装の質感もやっぱりちょっとチープさが漂う。配色が明るいのは大変好ましいが(室内空間がタイトなだけにね)どうしてもトヨタの精度の高さにはかなわない。ただし現行メルセデスも結構安っぽいので、VWとトヨタが突出している(トヨタも安いのは安いからVWだけか?)と思えば諦めもつく。全体の印象として、いくらエンジンが良くても、運転していて楽しくても、セルシオと同額払ってこっちを選ぶだけのモノが見あたらない。セルシオという日本最高の車の牙城を崩すには、一発で欲しいと思わすだけの強烈なデザインが必要なのではないだろうか?それを考えるとやはりこのデザインは、悪くもないけど、特別良くもないと感じてしまうのである。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3。 |