過去の新車チェックのポイントはあくまでも発売当時のポイントなので、今現在の国産車デザイン通信簿のポイントとは一致しません。
1-貰っても乗らない。2-格好悪いです。3-普通。4-知り合いが乗ってたら嬉しい。5-今すぐ欲しい。
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COLT(02.11.17記)(02.11.30補記) | |
去年の今頃ekワゴンが発売された。そして今年コルト、来年はシャリオ。年に一作のモデルチェンジが今の三菱の現状である。これは相当に厳しい。その一つ一つがこけたら耐えきれないディラーも出てくるだろう。2.5L2種類のディアマンテ、2.0L2種類のギャランの2車種ははっきり言って売る気も無いのであろう・・・とにかく手駒が足りない今の三菱はモデルチェンジを外せないのである。 そんな厳しい状況で、確実にヒットさせなければいけないコルト。どんな出来映えなのであろうか?。まず発売時期。率直に言って遅すぎると思う・・・確かにこの1.3/1.5Lクラスの小型車は現在ブームで、どのクルマもそこそこ売れている。だがマツダが先代デミオで当てて大いに潤ったような状況では無いのは、もはや誰の目にも明かである。限りあるパイをそれぞれが食い合う状況が今のこのクラスだと思う。なのにそこに打って出るのが最後発では正直厳しい。パッケージではフィットが図抜けている。定番としてはヴィッツ、デザインでマーチ、内装の高級感でデミオと、それぞれがそれぞれの個性を既に発揮しているのである。相当に出来の良いクルマでないと、この中でコルトが渡っていくのは厳しかろう? 外観デザイン。パッと見はどうってことないフォルムである。フィットにも似ている気がするし、同グループのベンツAクラスにも似て見える。確かに細部の処理(Aピラーからフロント回りのデザインなんかはかなり良いと思う)等には気合いも入っているが、最後に出てきたクルマとしてはインパクト不足なのではないだろうか?綺麗なデザインだとは思うのだが・・・(バカ売れするにはこれぐらい普通であるべきなのか?)一つ難癖つけたいのはオリビエデザイン部長が強調していた、三菱マークのグリルである。これはもっとボディと一体感の有るモノに出来なかったのだろうか?いかにも後から取って付けたようなデザインで、塊感の有るデザインを台無しにしていると思う。 対して内装は三菱かなり頑張ってきた。元々三菱の内装の品質はそんなに悪くは無いと考えて居たのだが、ここの所ホンダに抜かれ、マツダに抜かれと厳しい状況になっていた。だがコルトで再びマツダとホンダを抜き返すことには成功したと思う。デミオの内装は確かに高級感に溢れている(コージー)。だがそれはデザインと材質のチョイスの勝利であり、実際の精度で考えればそれ程高い品質では無いのだ。対して三菱は今までそれなりの技術力は持っていながら、予算がそれをぶち壊しにしていた、だがこのコルトではシボのデザインからしっかりと練り直し、パネル精度の高さも見せつけて来た。さらに、これから日産が提案しようとしていた、新しい木目パネルの使い方を一足先に実践。メーカー側が言う「大人っぽい高級感」が見事に表現されていると言えよう(ウォームインテリア)。 ただ実用性に関して言うと、もう少し小物入れが欲しいという感じでもある。他のメーカーなら殆どが備えているインパネ上部の広大なスペースに何も収納部分が無いし、センターコンソール下部にもあっても良さそうなモノである。またセンターコンソールにある1DIN分の収納部だが、これの開閉が少しやりにくい、触れて貰えば解ると思うが指を詰める危険性が有る仕様だと思う。助手席のシートを起こして収納部にするのは良いアイデアだが、助手席に人が乗ってしまっては何にもならないわけで、通常のシート下パンプス収納の方が使い良いのではないだろうか?余談になるが、この助手席ユースフルシートを利用したオプションで、ペットを乗せるカバーがある。これってどうなのだろう?子供を抱いて乗ると、事故などの際に子供が吹っ飛んでいってしまって子バックになると言うのは有名な話である。当然それがペットであっても結果は同じである。やはりペットは安全のことを考えると後席(運転の妨げにもならないし)に乗せるのが妥当であろう?こういう危険性の高いオプションは準備するべきではないと思う(もっともペットを”可愛がっている”と言う人種の中には、平気で抱きながら運転するようなバカが多いわけで、それらに比べればは遙かに安全ではあるが・・・ペットの命のことも考えずに、何を”可愛がっている”のだろうか?)。 話が大きく脱線したが、このコルト、車としては良くできていると思う。後席が前席より一段高くて前方視界が良いのなんて、確かにCMコピー通り、まじめに作られている証拠だとも思う。個人的にはちと個性が足りない気がするが、ekワゴンのように予想以上に売れてくれる事を望む。後発デミオは早くも苦戦していると言う(デカ過ぎるのか?)が、これを売らないと三菱には次が無いのである。ディラーも頑張って売って欲しいと思う。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 | |
ムーブ(02.10.28記) | |
ムーブである。ダイハツ関係者はムーブの話になるとことごとく「社内の調整に手間取ってワゴンRより先に発売できなかった」と言うが、例えムーブの方が先に出ていても、運転席周りまでしっかりと独自開発になっていたワゴンRと、ミラ流用だったムーブでは結果は同じだったような気がする。取り敢えず3代目にして初めて、ワゴンRの先を行く形となったムーブである。 新型のデザインはなかなか上手くまとまっていると思う。ダイハツらしくない都会的なデザインだと思う。先代のジュジアーロが手がけたと言う基本モデルは、何ともパッとしなくて、街で見かけるモデルも圧倒的にカスタムが多かったような気がするが、今回は基本モデルもちゃんと売れるのではないだろうか?でもね、最初にも書いたようにダイハツらしくないんだよね。いや、最初の「ダイハツらしくない」は誉め言葉として使ったんだけど、それは有る意味個性が無いと言う意味でもあるわけだ。パッと見てどこの会社の軽だか解らないでしょ?ペキペキしたラインは三菱が好みそうだし、カスタムの顔なんか見るとホンダに見えなくも無い。基本モデルの全体の雰囲気なんか親会社トヨタのノアにすら見える。これってどうなのであろう? 基本的にダイハツは、どんくさいデザインの車を作る傾向がある。だがその半面突然変異のように優れたデザインの車も発表する会社でもあるのだ(初代シャレードクーペ、ストーリア)。なのにこの新型では、どんくさくもない、かと言って対して優れたデザインでも無い、何とも特徴の無いどうでも良いデザインとして生まれてきてしまって居るのである。そこにはダイハツを感じさせるモノは何も無い。確かにこれから発売後はしばらく売れるであろう。だがライバルスズキは、ワゴンRをMRワゴン/モコ、ラパンと発展させてどれもヒットさせているのである。対してダイハツのネイキッド、MAXはどうであろう?この状況でこんな小手先モデルチェンジで、ワゴンR、スズキの牙城を崩せるとは思えないのである。 で、話は最初に戻る、ダイハツ社員が言いたかった事は「ハイトワゴン」と言う当時としては斬新なコンセプトを打ち出したのは、うちの方が早かったのだ。そう言う事であろう?だったらどうして、今からでも新しいコンセプト、新しいデザインで世の中に打って出ない?「ナンバー2でも台数が確保できるからいいや」「失敗するより安全策で格好良くしてナンバー2は確保しよう」そんな姿勢では初代の時の「うちの方が早かった」も怪しいモノだと思わされる。同じコンセプトで3代も続けていては、そろそろユーザーに飽きられるのではないか?まず何より、なぜ1550ミリの立体駐車場に収まるサイズにしなかったのかが理解に苦しむ。はっきり言ってムーブの頭上空間は無駄である。 内装デザイン。これまた今風で新味に掛ける。チリに拘ったような形跡有り。ただそこはダイハツ!上側のグローブボックスが、盛大にひけていた(爆笑)。これが個体差なのか初期不良なのかは解らないが、今時こんな逆反りみたいなひけは到底考えられない。プラスチックの使い方、バンダイにでも教わった方が良いのではないか?小物入れは沢山あって(しかもそれぞれに意味があって)良い感じ。あと、リアハッチがユーザーの好みによって(オプションだけど)縦開き、横開き選べるのは良いと思う。ダイハツらしい気遣いだ。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 | |
キューブ(02.10.10記)(02.10.14補記)-試乗済み- | |
日産大不振の中、健気に台数をマーチと共に稼いだキューブが満を持してモデルチェンジを果たした。率直に言って旧型キューブは全く評価しておらず、どうしてあんな車を買ってしまうのか、最後まで一般消費者の気持ちが解らなかったのだが、新型のキューブの出来はどうであろう? ショールームで初対面しての感想は、「え?」こんな感じである。当然世のスクープ記事で、あらかじめどんな形かは解っていた。全体のフォルムは嫌いでは無いが、丸形のヘッドライトとグリルのバランスだけが馴染めないかなぁ?なんて感想も既に抱いていた。だがショールームで初めて見た新型キューブは、そんな印象なんてどこかに吹っ飛ぶほどデカイ車だったのだ。いや、同クラスの他社の車と比べると、実際の寸法ではキューブはそんなに大きな車では無い。無いはずなのだが明らかにデカク見えるのだ。そう、頭で想像していたサイズより明らかに一回り半ぐらいデカイのだ。スクープ写真などで見ていた印象から、軽自動車ぐらいのサイズのファンシーな車を想像していたのに、新型マーチベースの四角いマスの大きな車は、そんな想像を遙かに超えるボリューム感で迫ってきたのだった。 トヨタのWill Viが丁度同じような印象だった。「カボチャの馬車」と言うコンセプトから抱くイメージ以上に実際の車はデカイ車。日本人はファンシーなモノは小さいと思っている傾向が有るわけで、当然そのイメージから想像する適切なサイズと言うモノが有るのである。過去の軽自動車達や、初代マーチベースのパイクカーが、適切なサイズだと思っているのだ。だが新時代の全高を高く取った小型車ベースの車は、みなかなりマスが大きくなっている。そのおかげで室内空間は広いのだから、文句を言う筋合いはないのだが、実際に見てみるとその迫力には違和感を感じないだろうか? ファンシーファンシーと言ってきたが、新型キューブ。日産にとってはファンシーなつもりは無いだろう。初代はワゴンRを横目で見つつ、有りモノでテキトーに作ってしまったので、今回はじっくりと自分達で一から理想のハイトワゴンを作り上げよう。そう思ったのだろう。意外と良くできている。まず最大のポイントであるリアの左右非対称デザイン。乗り込んでみると、確かに運転席から右後部はほとんど四角になってしまって見えない。これなら右側にドアヒンジを持ってきてはめ殺しにしても、影響は全くないわけだ。機能がデザインとして現れ、チャームポイント?にもなっているのだから、なかなかレベルは高い。 また先代ではキューブという名前の割に、変に絞り込んでいて思い切りが悪かったが、今回は見事なまでに垂直平行。やっぱりキューブというのだから、これぐらいでないと気持ちが悪い。この角を取った四角いデザインを魅力的に(デカイけど)見せているのが、絶妙の配色なカラーバリエーションであろう。昔のフランス車のような何とも微妙なやる気無い中間色。これが実にキューブに似合っている。若干パールとかが入って色気づいているが、この辺りのセンスは、隠れた名車として最近評価の高くなっているラシーンのエッセンスのような気もする。 内装はなんとも不思議な雰囲気である。総じて、最近の小型車と比べると質感は高くは無いと思う。プラスチックの部品は思い切ってプラスチックとして使っている。だがその使い方にしても変に皮風のシボにはせず、全く独自のシボの入れ方で、その考え方には大変好感が持てる。で、そうやって削ったコストがどこに生かされているかと言うとシートだと思うのだ。3パターンある内装色、全ての生地が違うのも凄いし、何より昔のフランス車のようなバカ分厚いシート。今時こんなシート見たこと無い。座り心地もこれまた信じられないぐらいソフトで、昔のフランス車風!いよいよ持ってルノーとの提携効果が現れてきたのか?と期待したくなる座り心地である。金属風パネルやチリの合い方に神経が行っていたお金の使い方が、こういう実際に使用する部分に向いてくれるのは本当に嬉しい事だと思う。 半面後席は座面こそ前席と同じような風合いだが、背もたれは畳む事を考慮してか、いまいちな印象。さらにこの座面の分厚さが災いして、ライバル他社のような劇的なイスの収納も出来ずに、「ハコ」としてはいささか使いづらい荷室となっている。個人的にはこんなサイズの車で、そこまで神経質になっても?とも思うが、他社に出来ていることが出来ていないと言う事に、日本人はバカらしいほど拘るので、この部分がネックにならないと良いと思う。イスを畳み込むほどの大荷物を運ぶことなど、年に1回か2回なのである。そんな事よりも、この良く出来た素晴らしいシートに、お金を払おうではないか?マーチベースのこの車。このイスと重量のせいでマーチより遙かに乗り心地の良い車に仕上がっている。サス周りからの低級音がしないのもマーチから格段に進歩した点だろう。CVTとエンジンのセッティングも実に自然で(急発進するバカATセッティングになっていない)好感が持てる。 キューブ。また今回の日産の新型車も悪くない出来であった。本当に今の日産車には外れが無い。どれも確実に及第点以上の車に仕上がっている。かといって昔のトヨタのように70点主義でつまらないと言う事も無い。今の日産には、世のどんな車好きでも必ず欲しくなる一台が有ると思う。実際の販売台数はそれほど回復していないが、日産は決して自信を失わないでこの調子で頑張るべきである。ホンダに騙されている(笑)一般ユーザーが気づいてくれる時は、もうすぐそこまで来ているはずなのだから。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 | |
アコード(02.10.14記) | |
オデッセイから始まったミニバン路線では確実に台数を稼いでいるホンダだが、本来の主力となるべきセダンでは全くと言ってほど売れていない。そんな中5ナンバー→3ナンバー→5ナンバーと開発陣の迷いがそのままサイズに現れていたアコードが、再度3ナンバー欧州サイズとなってフルモデルチェンジ。果たしてセダン不振からの脱却はなるのだろうか? 先代アコードは初めて日欧米で形が作り分けられ、日本はそれまでの3ナンバーサイズを捨て去って5ナンバーに戻ると言う、サイズアップが当然のモデルチェンジで、挑戦的にサイズダウンをして見せた。確かその時の理由が「日本の道路は5ナンバー基準で作られている、先々代アコードがあまり売れなかったのも3ナンバーが原因だ」と言うモノで有ったと思う。だが5ナンバーのアコードはそれ以上に売れなかった。無理矢理5ナンバーに押し込んだデザインに華が無かったのも要因だろう(と言うか、元々ホンダのデザインに華が有るかと言われると疑問だが)、だがそれ以上に時代がファミリーセダンを求めていなかったのが主たる原因だと思う。(今のファミリーカーはミニバンである)。 そんな事をふまえてか、新型アコードは思い切ってスポーティーな方向に振ってきた。ウエッジシェイプのデザインもそうだし、今の時代には珍しくヒップポイントが低めな着座姿勢もそうだ(特に皮仕様のリアが顕著)。内装もこの時代には珍しく黒内装が主流である(黒=スポーティーと言うのも安直だが)。スポーツセダン。どのメーカーもセダン復活へのキーワードをこう考えているようだ。だが果たしてそうなのであろうか?アルテッツァが爆発的に売れているだろうか?ベロッサは?スカイラインは?逆に売れているセダンとはどんな車だろうか?プレミオ、シルフィ、レガシィ、アテンザ・・・どちらかと言うとセダンとしてのしっかりとした作りに、重点が置かれている車ではないだろうか?確かにレガシィやアテンザにはスポーティーなイメージもある。だがレガシィは何より、その真摯なまでの作り込みが、アテンザも久々のプランニューカーとしてのメーカーの誠実な姿勢が(試乗車が多数準備されていた点からも)評価されての事では無いだろうか?つまり安直にスポーティーに、格好良く見えるアコードは、世のファミリーからは少し敬遠されるおそれが有るのではないだろうか? 新型アコードはその軟派な外観とは別に、アテンザやレガシィと同じく、じっくりと作り込まれた良質なセダンの素質が有ると思う。ドアグリップのガッチリとした重厚さ、ドアの開閉音の高級感、内装にも安っぽさを感じさせるところは全くない。たぶん乗ってみても良い車に仕上がっているのではないだろうか?だが、上記した通り、全ての感覚が解りやすくスポーティーに振られている点を懸念する。閉塞感を生み出すであろう黒ベースの内装は、アテンザのようにベージュ内装をメインに持ってくるべきだったのではないだろうか?ミニバンに慣れた若者には、この低い着座視点には違和感を感じるのではないだろうか? 筆者のように少し昔の感覚の人間には、このデザインは実に格好良く見える。アルファそっくりのサイド回りも、パクった嫌悪感より、格好良いのだから良いではないか?と言う思いの方が強いし、一向に定着しない五角形ホンダ顔にしても、今回のはどちらかと言うと三菱ガンダム顔風で嫌いではない。コンサバなホンダデザインで、久々に素直に格好良いと思える好デザインですら有ると思うのだ。だが、とにかく心配なのは、世の中がこういう田舎臭いスポーティーさを望んでいないと言う点である。アコード=スポーティー路線は間違いである。今すぐカタログ(もっともセダンの本カタログは大人気で貰えなかったのだが)、展示車共にアイボリー/ホワイトウッドの車体を中心に配備すべきである。外装色ももう少し明るめの色を増やすべきである。今求められているセダン像は、しっかりと作り込まれた高級(風)なセダンなのである。ドアの開け閉めだけでユーザーをノックアウト出来るだけの素養は有るのだから、開けた後の内装でもユーザーのハートをがっちりと掴むべきなのだ。車としてはたぶん良く出来ている。問題はちょっとした世間との感覚のズレだ。その辺りの早急の見直しを期待する。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) | |
WiLL CYPHA(02.9.28記) | |
そろそろ脱落する企業も出てきたWiLLブランド、このいかにも広告代理店とかが考えそうな胡散臭い商売展開を、見事に生かし切っているのがトヨタではないだろうか?今までのトヨタでは考えられなかった車をWiLLブランドで実験的に出して、手応えがなければさっさと撤退。通常なら発売後2年でその車が無くなったりしたら問題になるだろうが、あくまでもWiLLブランドの上での話だから「一般的な車業界の常識とは違います」でシラを切る事も出来る。全くWiLLと言う名前は便利なブランド名だと思わされる。 そんなトヨタの3台目のWiLLは、またまたヴィッツの兄弟車である。常識的に考えれば既にこのクラス、この車型にヴィッツ、ist(あるいはデュエットもか?)と有るのだから、無駄な新型車となりそうなモノだが、そこはトヨタ、そしてWiLLである。簡単に言って今回トヨタは車を売るつもりは無いのであろう。WiLL CYPHAを1台売っていくらの利益。そんな事はあんまり考えていないと思う。WiLL CYPHAの役割、そればずばり次世代情報車載ツールG-BOOKの普及に有ると言えよう。実は筆者は大の電話嫌いで今時携帯すら持っていないような人間である。だからいまいちこのG-BOOKの価値というモノが理解できないのだが、街を歩いていても、電車に乗っていてもすぐに携帯を開いて情報のやり取りをせずにいられない今の人にとって、いつどこででも情報が手に入ると言う事は至極当然の事なのであろう。それは車に乗っていても当然な訳で、そんな人の為にこのG-BOOK搭載端末(ナビ付き)は全てのWiLL CYPHAに標準で付いてくるのである。しかもその価格はライバルフィットのナビ付きよりお安いのである。G-BOOKが欲しい人間はWiLL CYPHAを買えば満足だし、G-BOOKが欲しくない人間はヴィッツやistを買えばよい、それどころかヴィッツやistよりグレードによっては安くてG-BOOKが付いてくるのだから、何となくお得な気がしてWiLL CYPHA買ってしまう人間だって出て来るであろう。それがトヨタのもくろみなのである。 取り敢えずこの「情報端末」としての車。この世界でもトヨタは主導権を握らんとしているのである。その為には、今そんなに利益が出なくとも良い。そんな割り切りが感じられるのがWiLL CYPHAなのである。全く努力に努力を重ねて、値段を決めたデミオやこれから出るコルトにして見れば迷惑な話である。 で、肝心の車についてはどうだろう?外装はちょっと新しい雰囲気にまた踏み込んだかなと言う気はする。よく描かれる、未来の二人乗りシティコミュニケーター的雰囲気が感じられて、G-BOOKと言う未来的機能(笑)が搭載される車らしいデザインだと思う。内装もちょっと独特でこれまた未来の車を想像させるが、そこはそれヴィッツ一族の低コスト仕様で、そこかしこプラスチックっぽくて安っぽい。部分的に艶消し素材のプラスチックが多用されているのだが、これがちょっと爪などが当たっただけで白い線を描き、汚れが目立ってみすぼらしく感じさせるかも知れない。そしてまたまた使われたメタリックブルーのパネル。今回も見事に安っぽく、まるで良さを感じない。しかも赤外装だろうが緑外装だろうがブルーパネルでコーディネイト的にもどうなのか?と思わされる。総じてG-BOOK分お金を掛けられなかったというのが、今回のWiLL CYPHAでは無かろうか。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 | |
カルディナ(02.9.28記) | |
先々代はコロナベース、先代は欧州コロナとも言うべきアヴェンシスベースと言う外板上の制約、さらに日本国内用途としてはカルディナバンとしての貨物役割を引き受けて、なかなかカルディナはワゴン専用のレガシィと対抗できる車とはなり得なかった。だが今回はバン用途はサクシードが引き受けてくれ、外板も一切共用する必要がなくなり、満を持してのフルモデルチェンジとなった3代目カルディナである。 ワゴン専用車となった3代目カルディナは、大変挑戦的なデザインをまとっている。サイドビューの美しさは、水面から浮かび上がってくるCMを見ても印象的だし、サイドに数多く引かれたラインがリアのランプ周りでまとまっていくと言うのも、よく考えられているとは思う(アルファの手法では有るが)。これでもう少し天地が薄かったら、好評価を与えても良いと思う。だがトヨタ車を評するさいに何度も口にする事だが、とにかくウェストラインが高すぎて、ドアパネルの面積が広すぎる。これがなんとも腰高感を与えて格好良くないのだ、この車はスポーツワゴンなのである。先代までの貨物用としては考える必要がないのだ、なのに何故こんなに腰高な印象で仕上げるのだろう?(プレミオ等のドアフレームを共用している問題も有るだろうが)同じような全高のアコードワゴンやアテンザが、これほどまでに腰高に見えないのは、やはりガラス面積が広いからだと思う。トヨタはスポーティー=包まれ感と考えているようで、とにかく閉鎖的な室内を作りすぎる、その為ウェストラインが高くなり、ドアパネル面積が広大になり、挙げ句キャラクターラインが多くなり猥雑な印象を醸し出す訳だ。 CMで水面から浮かび上がってくるシーンが美しいのは途中までである。全部出てしまうとそれほど美しくないのだ。またフロント周りはサイド、リア以上に酷い。エアロパーツを付けているモノだと、片側だけで7本のラインが後方に引かれているのである。それでいていつものボカンとしたバカトヨタ顔が付いてくるのである。何故にトヨタ車はここまで厚顔なのであろう?前から引かれた7本のラインはサイドで適当に散らばりつつリアでは9本にまで増えて、強引にまとめられている。とにかく線が多すぎる。デッサンと同じで、出来の悪いデザインほど線は増えて行く訳だ。ワゴンオリジナルで力が入ったのは解るが、もうちょっとどうにかならなかったのだろうか? 内装はこれまた安っぽい。トヨタは若者向け、スポーティな車は安く仕上げる事にでもしたのだろうか?雑誌で見た時から懸念していたブルーメタリックの部分は、見事に塗装しました感が強く、3.4年も経てば色あせてくるのが目に見えている。黒いプラスチック部分も実際に安いのかどうかは別として、確実に安っぽさは感じさせてしまう仕上がりになっている。またデザイン優先で、灰皿の上の空間がはめ殺しになっているのも何だかなぁ?と言う感じだ。ヴォルツに続き、カルディナ買うならプレミオの方が遙かに高そうな車に仕上がっています(いや別に高そうに見える必要は無いんだけどね。でもこうまで違うとちょっと舐められてる気すらする)。 最後に構造的欠陥を一つ。プレミオ等で採用されたリアリクライニングシートだが、ショルダー部分が倒れず、全然くつろげないのは前にも指摘した。だが今回再度試してみて気づいた点が有る。リクライニングする時に、人は当然後ろに体重をかけてイスを倒していく、なのにこのリアシートは体重を掛けてしまうとまず倒れないのだ。体重を掛けないでレバーを引くと驚く程に簡単に倒れるのに、前席と同じような感覚でリクライニングさせようとしても旨く行かないのだ。なぜこんな構造になっているのだろう?筆者は何度も試してみたが全く動かず、指先を痛める事となってしまった。指先を痛めると言えば、後席カップホルダーの開け方もどうかと思う。上面についている指先を引っかける面で開けようとすると、固くてなかなか開かないのだ、ここで無理して開けようとするとまた指先を痛める事となる。爪を伸ばしている女性なら確実に爪を折る事になるであろう。どうして天下の大トヨタが、この程度のことの駄目出し改良が出来ないのだろう。試作段階で誰も後席カップホルダーは開けないのだろうか?本当に不思議である。 新型カルディナはワゴン専用車として、確かに力が入っている。レガシィ対抗としてスポーツ性を全面に出したのも理解できる。だが果たして熟成に継ぐ熟成で、徹底的に作り上げられたレガシィに多少のスポーツ性能だけで勝てるのだろうか?いや無理であろう。所詮定番レガシィに対しての対抗馬に過ぎない、クラウンに対するセドグロみたいなモノである。だがトヨタはきっとそれでも良いと思っているのだろう。解りやすい格好良さ(エグさ)で、頭の悪そうなお客が、先代より多少なりとも引っかかってくれれば良い。そんな割り切りが車から感じ取れる。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(嫌) | |
モビリオスパイク(02.9.26記) | |
今のホンダは本当に余力がある。電車的デザインで小型ミニバン7列シート戦線に打って出たモビリオから派生車種として、5人乗り多用途カーモビリオスパイクを出してきた。 率直に言ってデザインはどうって事は無い。正直、完成度の高いモビリオをいじっていじり壊したようなデザインだと思う。なるべくモビリオと違った印象に、なるべく通常のミニミニバンに見えるような印象に。そう言う志の低さが現れているのだ。だがモビリオの独特の骨格は隠せないようで、サイドに回ってしまうとモビリオ以外の何ものにも見えないのだから皮肉なモノである。 トヨタのファンカーゴとbBを見て兄弟車だと解る素人はそんなに居ないだろう。同じミニミニバンでもコンセプトがまるで違っていて、それに合わせたデザインをキチンとしているからである。だがこの車はどうだろう?ディーラーの兄ちゃんは、しきりと購入層が違うだの、マーケティングの成果だの御託を並べていた。だがいかんせん所詮ホンダである。成り上がりの販売台数2位である。余裕のあるお金の使い方が解っていないのだ。このスパイク、外装のパネル、どれ一つとモビリオと共通していないのである。内装もイス、内張に至るまで殆ど専用設計、リアハッチなどダンパーの取り付け方まで違うのである。本当に共用化しているのはシャーシとインパネだけなのである。なのにこんなに同じに見えてどうするのだ?全く無駄な金の使い方である。これだったら外板パネル顔3枚だけ変えて、イスを5人乗りと7人乗りに作り分ければ充分では無いだろうか? そんな無駄なお金は盛大に使っているのに、若者に買いやすく値段を下げるために、明らかにモビリオより使っているプラスチック、生地が安っぽい。ディーラーによっては隣り合わせて置いてあるバカディーラーも有るだろうから、是非比べて見て欲しい。常識的な感覚を持っていたらまずモビリオの方を選ぶであろう。お金の掛け方を間違っているとしか言いようがない。トヨタヴォルツに続いて、ただメーカーの都合だけで作られた、安直な買ってはいけない1台だと思う。同じホンダでも、もう少しましな車は店の中にいくらでもあるだろう? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2 | |
フェアレディZ(02.8.25記) | |
ゴーン日産復活の切り札フェアレディZが遂に発売になった。発表自体はかなり前にされていたが、車がショールームに配備されるのに以外と時間が掛かった気がする。この車、日本はともかくアメリカでバカ売れして貰わないと、日産としては本当に困るわけで、そう言う意味では純粋に応援したいし、その期待に添うだけの出来なんじゃないかなと言う気はする・・・ ショールームで初対面しての感想はとにかく幅が広いと言う事である。それと言うのも低めのボンネットの左右から、ぼんっと張り出したフェンダーの印象が大きいからだと思うが、とにかくワイド感、踏ん張り感のあるインパクトのあるフロント周りだと思う。それに対してリアの印象はちょっと悪くなる。確かに綺麗なリアスタイルなのだが、ちょっと長すぎないだろうか?せっかくロングノーズのイメージを表現しようとしているのに、何故にこんなになだらかに後ろに引っ張られているのであろう?せめてトランクリッドの部分で、いやタイヤ後端でスパッと切れなかったモノだろうか? 新型フェアレディZ。確かに悪くないデザインだとは思う。だが3代目フェアレディが出た時ほどの先進性、インパクトは感じられない。それに300万オーバーの高級GTカーに対して、200万クラスのデートカーセリカの方が、遙かに切れ味の良い同テイストのデザインを既に出している。思うに、スカイライン、アテンザ、デミオ等と同じく、フェアレディZもデザインを早めに公開しすぎたと思う。たいして新しいデザインでもないのに、こうも早々とデザインを明らかにすると、やっぱり鮮度は落ちてしまう。このデザインなら「新型が出ました!」と同時に初めて形が明らかになる方が良かったのではないだろうか? 乗ってみれば当然スカイラインシャーシベースなのだから、かなり良い車にはなっていると思う。思うけど、ありふれたインパネ周り、新鮮度の落ちつつあるデザインと、良くできているのだけどフラッグシップスポーツにしては、いささかワクワクドキドキ感に欠けるのではないだろうか?何だか雑誌やカタログ眺めて満足しちゃいそうな車な気がする(それでカタログ簡単にはくれないのか?(苦笑)別に買う気無いから良いけど、日産のイメージリーダー車なんだから、変な話し、小学生がカタログ貰いに来ても、こころよく差し出すぐらいな対応じゃなきゃ駄目だと思うぞ日産?憧れの対象である事に意味が有るのだから)。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 | |
VOLTZ(02.8.25記) | |
GMとの共同開発を唄うカローラベースのクロスオーバー車(またか・・・)。この車はトヨタとGMの関係からすればキャバリエの後継車、トヨタ社内的にはスプリンターカリブの後継車と言うポジションであろう。現にこの車導入と同時に、トヨタのラインナップからカリブが落ちて、名実共にスプリンターの名前が消滅した。 クロスオーバー車。ニッチマーケットを追っていくと、結局この言葉が便利で新しいので用いられるようになる。この車、単純に考えればカローラ5ドアである。日本市場は代々5ドア車で失敗をし続けてきた。それに風穴を空けたのが俗に言うRV車である。雰囲気がRV風なら、何となく日本人でも騙されて5ドア車を買うのである。そこにワゴン風のテイストを求めているのか、クロカン4駆のテイストを求めているのか解らないが、一応売れる可能性が見えて来たのである。それに若者を取り込もうとスポーツ性能を加味したのが、俗に言う最近の日本のクロスオーバー車である。このヴォルツもその例に漏れない。只のカローラ5ドアに、ちょっと早いエンジンを付けてオーバーフェンダーを付けただけで200万円。純粋にクロスオーバー代で値段が上がっているのである。 トヨタはこの価格は「安い」と自負しているようだが、何を言っているのだという感じだ。あれだけ作り込んだカローラが最上級モデル4WDで200万を切る価格で買えるのである。なのにこのアメリカ産(カナダ?)のてきとーな安車が同価格なのである。内装を見て貰えば一発で解るだろう?いや、センターコンソールの肘宛を見れば解るだろう?とても200万円の価値の有る車ではない。メッキでキラキラして、免許取り立ての頭のワルそーな黒い学生にはアピールしているが、その立て付けにしても、とてもトヨタ品質とは言い切れない。はっきりと言うが、いくらクロスオーバーという発想が新しく、これからの時代を先取りしていたとしても(そうは思わないが)、この車だけは買っては行けない。こんなモノを買って200万円の価値を解った気になったら、ますます日本が駄目になっていく。200万円と言う金額は、ほぼ同価格で、会社を挙げて全力投球して開発されたアテンザやレガシィが買えるのである。騙されたと思って乗り比べて欲しい。やっつけで開発した車と、精魂込めて作った車の差がすぐに解る筈である。こんな車に200万円払える金が有るのなら、中古のギャランスポーツやRVR買って自分好みに改造した方がなんぼか有意義である。実際形はともかく、使い勝手も含めて上記中古車とヴォルツの差は限りなく少ないと言っても過言ではないと思う。 と、まとめに入りかけてしまったがもう一言。個人的には、もうこういう方向の5ドアの発展の仕方は止めて欲しい。安車スポーツ雰囲気の方がバカな若者の財布の紐が緩みやすいと思ってやっているのだろうが、もう少し大人の食指が動きそうな5ドアを開発して貰えないだろうか?ホンダアヴァンシア、トヨタオーパなど、旨い所をつき掛けているのだがもう一歩足りないのだ。外見からも中身からも、乗り心地からもスペシャリティを感じられる大人のワゴン。そう言うクロスオーバー車を期待したい。エルグランドを社長車にする企業が増えているのである。しっかりと作り上げれば、あり得ないニッチマーケットでは無いと思う。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(嫌) | |
デミオ(02.8.11記) | |
取り敢えずアテンザの売れ行きは上々らしく、キチンとした車を作ればお客は買ってくれると言う手応えをマツダは掴んだのでは無いだろうか?そんな生まれ変わりつつあるマツダの第二弾がこのデミオである。先代デミオは初代フェスティバ(厳密にはレビュー)から使われていたシャーシを利用して急遽作ったやっつけ車だったが、そのコンセプトに消費者は好評価をし、傾きかけたマツダの救世主となった。潤沢なる開発資金を得て作られた2代目デミオは、果たして初代を超える車となっているのだろうか? まず全体の印象。アテンザと同じく嫌味の無い、綺麗な悪くないデザインだと思う。特に台数が出るであろうデミオクラスの車は、ユーザーに飽きられると言うのが一番怖い訳で、そう言う意味では長持ちしそうなプレーンなデザインだと思う。後ろのデザインなどはアルファ風の香りもするが、フェンダー周りの造形などはなかなか綺麗でマツダのデザイン力が復活してきたのを感じられると思う。ただ残念なのが少しサイズが大きい点である。デザインのせいでそんなに大きくは見えないのだが、実際はあれだけ大きく見えるistやミニバンスタイルのフィットより大きいのである。ここまで大きいと、ヴィッツ、マーチとは同じクラスとは言えないのではないだろうか?噂によるとアテンザに続きファミリアも上級移行するようで、その辺りから旧ファミリアサイズまでカバーする必要性が出てきたのかもしれない(後は欧州フォードのフィエスタとの絡みか?)。 内装はこれまたよく頑張ったと思う。フィット以降このクラスでも内装が安っぽい車は受け入れられなくなりつつあるようで、デミオもマツダにしては本当に頑張った内装だと思う。特に女性向け仕様?のコージーは明るいベージュ系の内装にホワイトキャンバストップで実に華やかで、この内装だけでくらくらっと来る女性ユーザーが居るのではないだろうか?ただイスに座って見ると、意外とセンターコンソールが張り出していて、男性には足下が狭く感じるのでは無いだろうか?。 おおむね好印象のデミオの中で唯一不満な点が塗装の質である。しっかりと見比べたのではないが、トヨタ、日産、ホンダの同クラスよりワンランク落ちる印象である。パール系の色はその粒子に光が反射して誤魔化されやすいが、ショールーム内の蛍光灯などをボンネットやルーフに映してよく見て欲しい、下手な板金屋がコンパウンド掛けないで仕上げたような、柚子肌気味な仕上がりになっていると思う。このクラスの塗装などこんなモノで良いのかも知れないが、2.3年で輝きを失ってしまう車はやはり悲しいモノである。ユーノス500、800であそこまで塗装の質に拘ったメーカーなのだから、もう少し何とかして欲しいモノである。 総じて新型デミオは良くできた車だと思う。試乗をしていないので良くは解らないが、もしこれでヴィッツ並の乗り心地で有れば、このクラスのベストバイになる可能性も有ると思う。デザインのみのマーチ、室内空間が優れていて止まっていれば最高のフィット、車としてのしっかり感はあるが安っぽいヴィッツ。このクラスの車はどれも一長一短がある。そんな中でアテンザで頑張ったような乗り心地がデミオでも生かされていれば、殆ど欠点の無い車と言えるのではないだろうか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(スーパーコージーのみ好) 。 | |
プロボックス/サクシード(02.7.13記) | |
何だか2ヶ月に一台は確実に新型車が出ている印象のトヨタの新型車はいわゆるライトバンである。今までのトヨタのライトバンは、カローラバンだったりカルディナバンだったりとワゴンと共用開発された(トヨタに限らずどこの会社もそうだが)廉価版車であったわけである。もっともその影響はバン側と言うより、ワゴン側に「バンベース」との悪評を受ける原因となって降り注いでいたと思う。レガシィやアコードワゴンなどのワゴン専用車が好評価を受けるのを見て、このままでは行けないとトヨタが考えたのか遂に仕事専門車、生粋のライトバンが開発され、それがこのプロボックス/サクシードなのである。 ライトバン専用車。なんと格好良いのだろう・・・人間というモノは得てして、こういうプロ仕様の道具に機能美を感じてしまったりする。ダイハツネイキッド何かはそんな風合いを狙ったモノだろう。だがこのプロボックス/サクシードはそんな、なんちゃって機能美とは訳が違うのである。本当に道具。言うなればランクル70とかの感覚に近いだろう。荷物を一杯積むためだけの荷室、こすっても平気な黒バンパー、内装も汚れ、キズなどの目立たない黒プラスチック仕様。ペンホルダー、引き出し式テーブル。見事なまでのプロの仕事場である。デザインもまあ絶妙の垢抜け無さ加減だろうか?四角い箱を無理矢理デザインしたと言う感じが、道具として見ると逆に良い感じにまとまっていると思う(でもパッと見プレーリージョイか?)。唯一の問題点が、営業車として長い間過ごさなければいけない筈のシートだろうか?ちょっと座面が短すぎると思うのだが?昔の営業車のようにフニャフニャじゃないのは好感が持てるが、出来れば運転席だけでももう少しコストを掛けて欲しい所だ。 と、生粋のライトバンの美しさを語り上げたところで何なんだが、この車ディラーで差し出されるカタログには「プロボックスワゴン」と書かれている。「おい!」それじゃ意味無いだろう?なに色気づいてるんだ?「おおーバンパーもカラードパンバー」駄目駄目である。これではせっかくの道具感がぼやけてしまう。と言うか、逆に見窄らしいよ。さらにこんなに色気づいているのに、準備されている色は黒、紺、白、銀、ベージュメタリックと見事なまでの営業者カラーである。なんなんだ?世の若者達よ間違ってもこんな仕様の車は買ってはいけない。プロボックス/サクシードの正解は、黒バンパー、鉄ちんホイールである。それに黄色とか赤とかの原色系派手カラーが似合うだろう。 生粋のライトバンのワゴン仕様は、ちと目指している所があさましい感じである(笑)。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)4 | |
コペン(02.7.6記) | |
ダイハツ入魂の軽オープンカー。過去にビート、カプチーノでホンダ、スズキが挑戦し、そのマーケットの狭さ故に撤退した軽オープンカー。ダイハツ自身もリーザスパイダーで一度その高い壁に挑んで敗れている。その軽オープン市場に再挑戦のダイハツが用意した飛び道具は電動トランストップ。価格と内容を考えれば大バーゲンなのは確かなのだが、果たしてダイハツの再挑戦は吉と出るのだろうか? 出た瞬間からバカ車である。たぶんダイハツが思っているほどには売れないと思う。いや、最初は瞬間最大風速で売れるかも知れない。でもそこから先がキモなのだ。ビートもカプチーノも最初に買うべき人達が買ってから苦労した。最初に買ってくれる人達は、当然おバカな人達だから実用性なんか考えない。純粋に趣味車として買ってしまうわけだから。だがそれ以後「ちょっと良いなぁ」と思っている人達に売るのに苦労するわけである。そう言う人達でもセカンドカーとしてなら良かろう。価格も安いから手を出しやすい。だけどファーストカーとなると、この融通のきかなさが必ずネックとなってしまうのだ。子供が産まれたらどうしようとか、田舎に帰省できないとか・・・ だからダイハツはこの車を長く作り続けなければいけない。ビートやカプチーノのように早々と投げ出してはいけないのだ。最低10年は作り続けていて欲しい。そうすれば、それぞれの家庭の事情も変わり、購入できるタイミングになるはずなのだ。欲しいと思った時には乗れなくて、乗れるようになったら車が無い。そう言う事態にならないようにして欲しいのだ。安全対策などの問題も有るだろうが、なるべく長く作るべきである。そして最初の瞬間最大風速になんぞ踊らされてもいけない。作れる台数を細々と作り続ける。そういう姿勢がこの車を育てていくのだと思う。 聞けばこの車は、ダイハツの中でも選ばれた熟練工によって組まれるのだと言う。そう言う姿勢は上記「細く長く作り続ける」と一致しているようで大変好感が持てる。とにかくこういうお遊び車は、まず「ある」事が大事なのである。ダイハツの頑張りを期待したい。え?デザイン?別に良いんじゃないの?これで。変なクセも無いから飽きられないだろうし・・・個人的にはこういう丸々したのは好きじゃないかなぁ?ボディ下部に絞り込みが無いのも、ラジコンボディみたいでいまいちだし。つーわけで存在自体は評価するけど、点数は辛目。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |