過去の新車チェックのポイントはあくまでも発売当時のポイントなので、今現在の国産車デザイン通信簿のポイントとは一致しません。
1-貰っても乗らない。2-格好悪いです。3-普通。4-知り合いが乗ってたら嬉しい。5-今すぐ欲しい。
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ステップワゴン(05.6.30記) |
さていきなりガチンコです。同クラス、さらに言えば一番売れ筋のクラス。いわばミニバンエース対決となったのが、このステップワゴンと日産セレナの同時モデルチェンジです。最初にシビックベースで鉱脈を掘り当てたステップワゴン。いつも通り横から美味しい所かっさらったトヨタボクシー/ノア。及第点だけれどもう少し上を目指したい日産セレナ。そんな訳で日産はより、トヨタとホンダを研究してノアやステップワゴンの後継車のようなスタイルでセレナを登場させました。対してホンダは、キープコンセプトのモデルチェンジのせいでまんまとトヨタにパイを奪われてしまったのを反省したのか、大きくそのコンセプトを変えてきました。 それはずばりダウンサイジング。オデッセイで大々的に導入された低床ボディをステップワゴンにも採用し、従来モデルより大きく全高を下げてきました。さらにスクープ誌によると当初は4列シートも考慮されていたようで、その恩恵からか従来と同じく3列シートで有りながら全長の短縮にも見事に成功しています。日産がいつもながらの鈍くさいモデルチェンジをしている全く同時期に、ホンダはしっかりと攻めのモデルチェンジ。復活を遂げつつあり、販売台数でも2位の座に復活した日産ですが、ことミニバンに関して言うとミニバンバブルに乗り切ったホンダにはやはり敵わないかな?と言う感じです。 ドアを開けて中に入ってみるとホンダ圧勝の思いはより強くなります。インテリアのクオリティ、デザインが日産とは比べモノになりません。セレナの項でもセレナのインテリアがいまいちなのはふれましたが、セレナとステップワゴン、どちらかを購入しようとして居る人であったなら、インテリアを見ただけでステップワゴンに大きく心が傾くのは当然です。日産がコンサバティブ、悪く言えばありふれたデザインなのに対して、ホンダは少し前から導入し始めた「70年代近未来宇宙船的デザイン」が実に見事に演出されています。このサイズのミニバンなんて所詮家族用の道具車です。運転していてそれほど面白いモノではない。だけどこのインパネのデザインには30代以上をニヤリとさせるモノがあり、道具車、家族の奴隷車で有りながら、所有する喜びを感じさせます。またこのデザインテイストはエリシオン、オデッセイでも多少形を変えながらも受け継がれていて、エルグランド、プレサージュと全く繋がりの感じられない日産との、イメージ作りという意味でも差を感じさせられます。 と、ここまではステップワゴン絶賛で来ましたが、唯一の欠点は外装デザインです。コンセプト、内装には全く迷いが感じられません。ですが外装は酷いです。基本形は小さくなったとはいえ、ただの箱です。これは5ナンバーサイズを守っている限りはいじりようが無いので、先代、先々代はこの箱をクリーンに箱らしくデザインした事が評価されたわけです。ただ他社も同じコンセプトで攻めてくるのは解っていたわけで、今回はコンセプトも含めて多いに変化しなければと考えたのでしょう。だけど基本の箱はいじれない。結局辿り着いたのは、吊り目と大きなキャラクターラインを斜めに走らせると言う何とも古くさい手法で、ゴテゴテしたデザインはエディックス級の大失敗と言えると思います。 乗ってみれば確かにステップワゴンは良い出来です。ただあまりにも外装デザインが酷すぎます。取りあえず日産には五分か勝てるんじゃないでしょうか?ただしモデルチェンジ時期が微妙にずれているトヨタには、またやられちゃいそうな予感がします。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2(好) |
エスクード(05.6.20記) |
初代はRAV4登場までシティ派クロカンと言うよく解らないカテゴリーで多いに儲けたモノの、2代目はRAV4共々大型化しほとんどのユーザーに気にもとめられなかったエスクードが奇跡的にモデルチェンジを果たしました。今このクラスではエクストレイルとフォレスターが頑張っているモノの、その他のモデルはほぼ全滅に近いです。それでもスズキがエスクードをモデルチェンジしたり、三菱がエアトレックの次のモデルを準備しているのは、全て海外での販売をメインに考えているからでしょう。 そんな訳で初代の志を大事にしたとメーカー側が言う割に、海外メインの今度のエスクードはかなり大型化してしまってます。全幅は5ナンバーサイズどころか1800ミリを超えてしまい、とてもシティ派クロカンとは言えない、都市の真ん中ですれ違うのも苦労するサイズです。あくまで海外販売がメインですから、デザインも見事に無国籍でこのまま日産や三菱のマークが付いていても、なんなら現代のマークがついていても全く違和感がありません。後方のデザインなんかは本当に今まで腐るほど見てきた「このような車」そのものの形をしています。 唯一スズキの個性を感じるのがドアを開けて座った瞬間です。目の前に広がる黒とグレー主体の味気ないインパネ。いつものスズキ車の姿です。金属パネル風のモノを使おうが、多少シボに気を使おうが、スズキはスズキ。軽自動車と殆ど変わらない安っぽいプラスチッキーな空間がこの車がスズキ車で有る事を主張しています。スイフトでは若干頑張っていたかに思えるスズキ車のコスト感覚。エスクードではまた元に戻ってしまいました。結局スズキは安くてペナペナな車から脱却できないのでしょうか?カプチーノで表現できていた凝縮感みたいなモノはあれ1台限りのモノなんでしょうかね? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(嫌) |
セレナ(05.6.18記) |
セレナです。ミニバンです。たいして興味が無いのは発売後随分経っての更新と言う事で丸分かりですね。 このクラスの売れ筋は、トヨタのノア/ボクシー、本家ホンダステップワゴンです。セレナとタウンエースが、尻の下にエンジンが有る昔ながらのワンボックスで誤魔化していた所に、ホンダはシビックベースでFFの広大な箱、ステップワゴンを投入して一気にマーケットを生み出したわけです。こりゃいかんと言う事でステップワゴンを多いに研究して生まれたのが、トヨタ得意の後出しジャンケン、ノア/ボクシーですね。その間日産もセレナをFF化して追従していたのですが吊り目のデザインがいまいちだったのか、両社ほどの売れ行きでは無かった模様です。 そんな訳で反省した新型セレナは、とてもステップワゴンでノア/ボクシーなデザインです。特に新型ステップワゴンが若干おかしな方向に行ってるので、どちらかと言うとこちらが新型ステップワゴンと言いたいほどです。箱で有ることを広々感や有用な道具的に見せるステップワゴン手法を見事に踏襲しています。デザイン上の特徴、注目点はまるで無し。近年の日産デザインで最もやる気無いデザインだと思います。 やる気の無いのは内装デザインでも同じで、全く面白味の無い提案性も無いありふれたインパネが存在しています。せっかくエルグランドであれだけ面白いインパネデザイン生み出したんですから、どうしてそのテイストを下のクラスに持ってこないんでしょう?プレサージュと比べても全く味気ないつまらないデザインです。質感的にも特にスポーティー仕様の黒内装の出来が酷く、スズキか?と思わせるほどです・・・ ステップワゴンのデザインがちょっとアレなので、箱好きにはそこそこ受けるでしょうけど、正直ドア開けて乗り込んだらステップワゴンの圧勝だと思います。近年の日産では最大の大外れ。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2 |
エアウェイブ(05.4.14記)(05.6.18補記) |
えーと、この車ミニバンじゃなくてワゴンだそうです。フィットベースのお手頃価格帯のワゴン。ライバルはカローラフィールダーやウィングロード辺りみたいです。 なんかもう行き着くところまで来たって感じですね。プレマシーの時にも書きましたけど、もうなんかどうでも良い感じ?取りあえず一つの車台で簡単に車を作り上げる技術は有る。特にフィットはバカ売れしたおかげで減価償却の進みも早い。いつまでミニバンミニバンで世の中渡って行ける筈もない。そう言えばオルティアこけた後に小型ワゴンの枠が空いている。じゃぁワゴンとミニバンのクロスオーバー的車をフィットベースでやっつけよう。そうそう、なんかプジョー307のグラスルーフの格好良くない?んじゃあそれを売りで。そんな感じで出来た車なんでしょう。 本当、正直どうでも良いです。もうこの、エスティマから始まった流線型的ミニバン(ワゴンだって言ってますけど)スタイルも見飽きました。グラスルーフが楽しいのは2列目以降と言うのも(すいませんこの時見たのはグラスルーフレス車でした、後日グラスルーフ装備車を見た所、1列目も結構恩恵受けてました)、相変わらずミニバン(ワゴンらしいですけど)はお父さんが家族の奴隷になる車と言う思想から抜け出れてませんし。本当にこうまでバカみたいにミニバン(ワゴンだって)系の車が乱発される状態に誰もおかしさは感じないんでしょうか?なんだか4ドアハードトップブームの頃のバカバカしさに似てきましたよね?あの当時で言えば、そろそろマリノ/セレスが出た頃だと思うんですけど・・・ 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
プレマシー(05.3.2記) |
ダメだこれ。全く意味わかんね。のっけから最近のこのサイトには無い(昔はよくこう言う書き方してましたが)語り口で申し訳ないが、マツダの新型車としての魅力が全く感じられない。RX-8→アテンザ→アクセラと確実に「マツダらしさ」を表現する何かを掴んでいたマツダのデザインとは思えない凡庸ぶり。トヨタなのかプジョーなのか?、マークを隠すか遠目から見たら全然マツダの車と思えない。しかもホンダと違って明らかに定着してきていたマツダ五角形グリルもベリーサに続いて止めちゃってるし・・・(次期ロードスターも止めてる) マツダにしてみれば、とにかく今の時代ミニバンは売れて貰わなきゃ困る。そう考えたのだろう。だからこの誰にでも解りやすい形のデザインで世の中に出てきたんだろうと思うが、こんなデザインのミニバン世の中に腐るほど有りますよ。パッと思い浮かぶところでも、アイシス、ウイッシュ、ストリーム、プジョー307・・・それらとなんら変わる所が無い。一番後出ししたのに、先行車と変わって見えないと言うのは致命的だと思う。こんなデザインではユーザーはマツダのプレマシーを買いに来るわけでは無く、こういう形のミニバンの中で一番お得な車を買いに来るに過ぎないわけだ。 いや、確かにそう言うユーザー向けに、独自の発想のからくりシートを今回も煮詰めてきた。2列目中央席の利用頻度の少なさに着目しバスの補助席のような構造にしたのは、確かに他車とは違う部分だろう(このシートを畳む時にシートベルトアンカーが連動するさまは、ちょっとニヤリとさせられるが)。だけど正直このサイズのミニバンでわざわざ中を通って後席まで行くウォークスルーを利用する人がどれほど居るだろう?そんなに便利な機能なのだろうか?なんかもうミニバン戦線も息詰まって、とにかく変化を付けなきゃ?と言う事にばかり頭が回っている気がする。 トヨタならどんなデザイン、どんな価格の車でも販売力でそれなりに売り切れるだろう。だがマツダの販売店の力では、結局売れるためには優秀なデザインかお得な価格なのである。いくら小細工をして他車と違う事をアピールしても、それが購入の決定打にはならない。真ん中のシートを畳めようが畳めまいが、2.3万円安く買えればそんな事は些細なことなのである。だが優れたデザインは「指名買い」を生む。これは例え他車が2.3万円安くてもなかなか揺るがないモノなのだ。他車とたいして変わらない凡庸なデザインで出てしまったプレマシー。その行き着く先は結局いつもの値引き合戦である。安く買えた車は結局売る時も買い叩かれるのである。そう、いつものマツダスパイラルだ。マツダとしてはそれはそれでよいのかも知れないが、せっかくマツダならと言うデザインが出来てきたこの時期に、それをぶち壊す安売り合戦車を導入するのはどうかと思う。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(嫌) |
ヴィッツ(05.2.20記) |
数々の派生車種を生み出し、見事に最近のコンパクトカーブームを牽引したヴィッツが遂に第二世代となった。それまでのトヨタのコンパクトカーと言えば、スターレットとタコ2兄弟で、どれもカローラを買えない人の為の安物車感が拭えなかった。だがヴィッツ以降のトヨタのコンパクトカーは、どれもユーザーに積極的にこのサイズの車を選ばすだけの仕上がりを見せ、フィットなどと共に日本人の車感すら変えてしまった大きなモデルだったと思う。 その新型だが、微妙なところを見事についてきている。だれが見ても確実にヴィッツに見えるデザインでありながら、一気に旧型を古く見せる絶妙のデザインだと思う。キープコンセプトのデザインと言うと、大概守りに入ってしまい変わり映えせず大失敗と言うパターンが多いが、新型は先代ヴィッツの面影をちゃんと残しながら、それよりも高級感も有るし、色気も身につけて居ると思う。まさに「今」としてのヴィッツがちゃんと表現できているといえよう。確かに20年後に見れば、初代ヴィッツの方がバランスの取れた良い形に見えるかも知れないが、先代ヴィッツを作り続けて、売りまくった後のモデルとしてはこれが正解だと思う。 先代ヴィッツの弱点の一つにインテリアの質感の低さが有ったと思う。スターレットのモデルチェンジとして先代ヴィッツが出たあの時期は、残念ながらバブル崩壊後のコストダウン至上主義がまかり通り、いくら大トヨタと言えどもコンパクトカークラスに高い質感というモノは求められなかった。トヨタもその辺は割り切っていて、プラスチック丸出しな分、デザインで安っぽさはカバーしようとしていたのが見て取れる。だがヴィッツ後に出たフィット、デミオ、コルトはいずれも開発期間がたっぷりと有ったこともあって、コンパクトカーでもそれなりのインテリア質感を持っていた。その後トヨタはist等で巻き返そうとするが、いかんせんヴィッツの焼き直しに過ぎない車では、プラスチック丸出しの安物感は払拭できていなかった。 当然トヨタの事だから新型ヴィッツではそのネガを潰してくると思っていた。雑誌などの記事でも新型は抜群に質感が高くなったと書いてある。「本当なのか?」筆者がショールームで見たモデルは1.0のオーディオレスモデルだったかも知れないが、さほど質感が高くなったとは感じられなかった。いや、確かにトヨタお得意のチリの合い方、隙間の狭さは高品質なのかも知れない。だが塗装丸出しのメタリック部分などは、フィットやコルトとは比べモノにならないし、デミオにも負けていると思う。今回もデザイン的にはよく頑張っているので(ウインドースイッチ〜取っ手周りを白くして枠組みのようにしたデザインは斬新だと思う)、別にがっかりする程の質感だとは思わないが、どうしてこのレベルの出来で「ヴィッツが一番高品質」と言い切れる評論家が多いのか理解できない。 まあ別に、ヴィッツはトヨタのコンパクトカーのベースモデルなのだからこの程度で充分だと思う。デミオ(ベリーサ有るけど)やコルトのように一車種で勝負しなければ行けないわけでもないわけだから、新型istなりなんなりが、ちゃんと高品質なコンパクトカーだったら良いのではと思う。ただ「評論家が言うほど高品質では無いですよ」そう言いたいだけである。 今回もヴィッツはよく売れるだろう。前記したように本当にデザインは絶妙なところをついてきている。ドアハンドルの所に入っているキャラクターラインのつまみ方なんかうっとりするほどである。ただこのデザインの良さは白や銀色ではあまり目立たない。バカみたいに消去法で黒白銀等を選ばないで、カラフルな色で自己主張をして貰いたい。大きなスーパーの駐車場で銀色のヴィッツ何台居ると思います?(笑) 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) |
NOTE(05.2.10記) |
日産の新型車5連発もこのNOTEで打ち止めである。取りあえずティーダとフーガは好調のようで、いよいよ国内でも日産の復活が本格化するのか?と言う雰囲気だろうか。調子の良い会社は車種を多く抱えていて、調子があまり良くない会社は車種を絞るというのが自動車会社の基本線だ。当然トヨタは自社内でも同じようなクラスに複数のモデルを準備しているし、ホンダも拡大戦略中は車種を増やしてきていた。反対に一時期のマツダや三菱はどんどん車種を減らして、数える程の車しかラインナップしていない。 上に挙げたようにトヨタはヴィッツ1台から、ファンカーゴ、プラッツなど10以上のモデルを派生させ、その殆どをお客に買わせる事に成功している。冷静に考えれば、ヴィッツとist、パッソ、あるいはラウム、シエンタ、ポルテなんかは同じクラス同じカテゴリーの車だと思うが、お客は別の車と認識し、それぞれがそれぞれでキチンと売れているから凄いことだと思う。当然元は一つの車体だから単独で開発するよりも1台当たりの利益は増える訳で、マツダが失敗した金太郎飴作戦をトヨタはヴィッツシリーズで見事に成功させたと言えよう。 北米での成功、帳面上の回復で、日産は復活したと言われてきた。だが日本国内での日産車は正直マーチ/キューブ頼みという状況だった。ティアナがスマッシュヒットを飛ばしたモノの、全体的にはいまいちと言っても良い状態だったと思う。しかし、ここに来て日産もトヨタのような金太郎飴作戦に打って出て登録台数を劇的に増やす作戦に出た。マーチをベースにキューブを作り、キューブをベースにキュービック。キュービックをベースにティーダを作り、ティーダをベースにラティオを作る。さらにキュービックベースで作ったのが今回のNOTEなわけだ。既に6車種を一つの車体から作り分けているわけだが、日産の強みはルノーでも同じように車種を増やせることである。既に欧州ではモデュスがデビューしているし、今後もクリオ、トゥインゴと兄弟車は増えていくわけだ。 長々と書いて来たが、そんなわけで体力がそこそこある会社は、最近は下手なマイチェンをするより新型車を出してしまう(新型車を開発する過程で得たデータを利用して、マイチェンに生かしたりはするが)。その方がユーザーの気を引けるからだ。正直このNOTEは売りがよく解らない。誰が買うのかも想像できない。デザインも最近の日産のデザイン手法に倣ってはいるが特に目新しさは感じないし、パッと見の印象はファンカーゴ的ですらある。キューブではいけないのか?ティーダではいけないのか?と思うのだが、売れればそれが正義なのだ。キューブは目立ちすぎるし走りすぎてる。ティーダは親父臭い。マーチはもう古いし・・・となったところでNOTEの出番なのだろう。実際トヨタもそうやって、ヴィッツ→ist→パッソと売り分けてきたのだから。 後部座席下に置き傘をくくれるようになっているのを筆頭に、有りとあらゆる思いついただけの便利収納システムが有るのが最大の売りか?とも思うが、積極的にNOTEを選ぶ理由は思い浮かばない。istの時も同じような事を感じた。だがトヨタは見事に売って見せた。このNOTEがマーチやティーダの台数をそれほど減らすこと無く売れた時に、いよいよ日産の復活は本物になったと言えるのではないだろうか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
R1(05.1.31記) |
R2発売以来ほぼ1年経って、R2のクーペ版とも言えるR1が導入された。 R2が出た時に筆者は確かベタ誉めしたはずだが、正直町中でR2を見かける機会は少ないと言わざるを得ない。やはり軽自動車を買う層には、こういうデザイン重視の車は理解されないようである。また逆にこういうデザインに魅力を感じる層には、「軽自動車」と言うのが何とも面白くないようで、これまた購入するまで至らないと言うのが現実のようだ。だがそんな状況にも関わらずスバルはR1を投入してきた。あくまでもこの路線を貫くつもりなのである。スバルは自車の位置づけとして「特別な」存在で有ろうとしていると思う。少ない台数の販売でもしっかりと利益が上がる車、他車と価格競争をしないですむ車。それがスバルの目指す自動車象なのだろう。代々のレガシィを上手く育てた結果、レガシィは見事に指名買いされる「特別な」車となった。このイメージをインプレッサにも軽自動車にも持ち込み、メーカーとしても「特別な」存在にスバルはなろうとしているのである。そしてその為には、どこにでも有るハイトワゴンの軽を安直に作るつもりは無わけなのだ。 あれだけR2をベタ誉めしておきながら何なんだが、R1を見た後にR2を見るとなんとも野暮ったく感じてしまう。それほどまでにR1は素晴らしいデザインだ。特にリアハッチの寝かせ方、切り方が絶妙で、このリアスタイルだけで充分に「軽のスペシャリティカー」、「特別な」存在の資格有りである。この寝かせたリアハッチのせいで後席空間はほぼ無いわけだが、シートを倒してカーゴスペースとし、2シーターとして使うのが正解なんだろう。実に真面目にデザイン優先な車で、見事に軽自動車のスペシャリティカーとして成立している。ただ唯一苦言を呈したい所がある。それは内装色の事だ。実は内装色は赤黒の鮮やかなもの1パターンしかないのだ。外装色が青だろうが黄色だろうが、赤黒内装なのである。これはなんとも残念だ。軽のスペシャリティカーなら、是非、外装色と内装色を合わせて欲しいところだ。台数が出ない上に、軽自動車と言う価格上の縛りが影響しているのだろうが、どうせ売れないのならあと数万高くても内装色は選べた方が良いと思うのだが。 もう一度言うがR1、抜群に格好良い車である。だがまたもや残念ながら売れないだろう。こういうデザインの車は正直、軽自動車の主力マーケットである「地方」では売れない。だがR1は今までの軽自動車購入層とは違う所で勝負しなければいけないはずだ。R1を欲しがる人はどちらかと言うとファーストカーとしての購入なのではないだろうか?セカンドカーとして諸費用を気にするような人が買う車では無いだろう?軽を卑下するわけではないが、R1が普通車ならもっと売れるのでは無いかと思う。上の内装色バリエーションと価格の問題とも関係するが、R1が普通車なら価格の縛りもましになり、内装色も選べるようになるだろう。 「特別な」メーカーになりたいスバルに果たして「軽自動車」は必要なのだろうか?R1はリッターカークラスのスペシャリティーカーとして発売された方が良かったのではないだろうか?ist程度のクオリティでスペシャリティを語っているのを見ると、R1が軽自動車で有る事が実に残念に思える。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)4(好)。 |
ラフェスタ(05.1.19記) |
日産の、いや日本初のミニバンはプレーリーである。オースター/スタンザをベースとした不格好な1.5ボックスカーは、センターピラーが無く開口部に優れるなど独創的な車だったが、いかんせん時代が早すぎたのかデザインが酷すぎたのか爆発的なヒットには恵まれず、その後かなり経ってから、急ごしらえで作られたオデッセイに主役の座は奪われてしまう事となる。何とか主役の座を取り戻したい日産は、その後プレーリージョイ→プレーリーリバティとモデルチェンジごとに改名するが、今回のモデルチェンジで完全にプレーリーの名を捨て去って心機一転ラフェスタで市場に打って出ることになった。 とは言うモノの、日産の主力ミニバンの座はプレサージュが担っていて、それより大きいのはエルグランド、小さいのはセレナである(販売的な主力はセレナだろうが)。前から若干サイズ的に被っていたセレナとプレーリーであるが、今回のモデルチェンジで後継車ラフェスタは、どちらかと言うとミニバンとワゴンのクロスオーバー的ポジションにチェンジし、荷物箱はセレナに任せ、それより少しおしゃれなラインを狙ったモデルとなったようだ。 そのラフェスタの最大の売りは広大なサンルーフだろう。確かに縦長のサンルーフは開放感に溢れている。オレンジのボディカラーに明るいベージュ内装のモデルなど、晴れた日に試乗に出たりしたらそれだけでハンコを押してしまいそうな請求力があると思う。ただしこの恩恵に与れるのは後席以降の人だけである。これは全く楽しくない。運転席、助手席の人間の頭上には剛性感確保のための屋根が有るのだ。まぁ多くのサンルーフが実際には前席の人の後頭部あたりに開口部が有るわけだから、ラフェスタだけが悪い訳ではないが、後席がとても恵まれているだけにより一層ラフェスタの前席は不愉快である。 世のお父さん達は只でさえ、後席に座る「お子さま」や「奥様」あるいは「奥さんの両親」の下僕として、ミニバンの「運転手」を勤めているのである。なのにその格差をさらに助長するようなこのアイテム。別に筆者はお父さんでも旦那でも無いのだが、ここまで気持ちの良いモノを導入するのなら、なぜ前席の人間にもそれを堪能出来るようにしないのだ?と思わずにはいられない。前記したようにボディ剛性などを考えたらどうしてもあの位置から開口部をスタートさせないと行けないのかも知れないが、プジョー307SWのようになるべく前めに出来なかったものだろうか?日産開発陣の安易な妥協が残念なサンルーフだと言えよう。 内装は前記したようにベージュ系は心地よい。グレー系は全く駄目。黒とか銀の外装にグレー内装なんて選んだら最悪。いい加減消去法で色を選ぶのは辞めましょう。あと、さかんに取り上げられていたシフトレバーの小型化。これも企画倒れ。小さくてスペースは確保できるのかも知れないけど、逆に小さすぎて使おうとするとインパネに手をぶつけそう。省スペース化に取り組むのは良い事だと思うけど、だったら何故この形なのか?別にスイッチで良いと思うし、その方が使い勝手も良いかと思う。 全体のデザインは前記したように、ミニバン臭くなくて良い感じ。隠れた人気車だったラシーンの臭いが漂うボクシーなリア周りも心地よい。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) |